藤井亮介建築研究所による、東京・墨田区の集合住宅「プライムメゾン浅草イースト」。都心の賃貸ワンルームマンション。住空間での滞在時間増加を踏まえ、キッチンの窓際配置と作業空間等の確保で“居場所を選択できる”構成を考案。近接した街との関係は“ブリーズソレイユ”で調整 photo©鳥村鋼一
藤井亮介建築研究所による、東京・墨田区の集合住宅「プライムメゾン浅草イースト」。都心の賃貸ワンルームマンション。住空間での滞在時間増加を踏まえ、キッチンの窓際配置と作業空間等の確保で“居場所を選択できる”構成を考案。近接した街との関係は“ブリーズソレイユ”で調整 photo©鳥村鋼一
藤井亮介建築研究所による、東京・墨田区の集合住宅「プライムメゾン浅草イースト」。都心の賃貸ワンルームマンション。住空間での滞在時間増加を踏まえ、キッチンの窓際配置と作業空間等の確保で“居場所を選択できる”構成を考案。近接した街との関係は“ブリーズソレイユ”で調整 TYPE-Bの住戸 photo©鳥村鋼一
藤井亮介建築研究所 が設計した、東京・墨田区の集合住宅「プライムメゾン浅草イースト」です。
都心の賃貸ワンルームマンションの計画です。建築家は、住空間での滞在時間増加を踏まえ、キッチンの窓際配置と作業空間等の確保で“居場所を選択できる”構成を考案しました。そして、近接した街との関係は“ブリーズソレイユ”で調整する事が意図されました。
労働・居住に関わる環境の変化によって、住空間での滞在時間は増加した。
そこで本計画では従来のワンルーム型の居住空間に対して、
・滞在時間の重心が夜から昼に
・行為の軸が就寝から食事/執務に
とシフトした新たな環境下での住空間のあり方を考えた。
一般的なワンルームマンションは1Kという間取りに代表されるように、廊下と一体化したキッチン+居室という空間構成が多く、窓際の居室は異なる行為を一手に受け入れざるを得ない。
そこで本計画では、窓際にキッチンを配置し、バーチカルブラインドで間仕切られたベッドルームやワークスペースを別に設けることで、行為に応じて異なる居場所を選択できるようにしている。またこれら以外に断面的な操作も行い、スキップフロアやメゾネットなどの住戸プランも用意することで、より多くの行為と居場所の選択を行えるように計画した。
生活行為を窓際に寄せることは、街との関係も近くなることを意味する。ただし本計画では、バルコニーの面する前面道路の向かいに戸建て住宅や集合住宅があり、計画時より見合いの関係が懸念されていた。そのためファサードに斜め壁のブリーズソレイユを採用することで、開放性を確保しつつ視線の制御が行えるようにしている。
また日射の負荷の大きい夏季において住戸西側壁面の日射取得のシミュレーションを行った結果、斜め壁が南西方向でも北西方向でもほぼ同等に効果が期待できることが分かったため、奇数階と偶数階で斜め壁の向きを変え、近隣対策として視線が特定方向に向かないよう調整している。