ODS / 鬼木孝一郎による、神奈川の住戸改修「鎌倉のリノベーション」。一面にしか窓のない区画。照明に頼り過ぎず“柔らかい光の中で生活”の要望に、壁と天井の境界を曲面で繋げた“ホリゾント”で奥へと光を拡散する空間を考案。素材や器具にも“光の中で質感が際立つ”ものを選定
ODS / 鬼木孝一郎による、神奈川の住戸改修「鎌倉のリノベーション」。一面にしか窓のない区画。照明に頼り過ぎず“柔らかい光の中で生活”の要望に、壁と天井の境界を曲面で繋げた“ホリゾント”で奥へと光を拡散する空間を考案。素材や器具にも“光の中で質感が際立つ”ものを選定玄関 photo©太田拓実
ODS / 鬼木孝一郎による、神奈川の住戸改修「鎌倉のリノベーション」。一面にしか窓のない区画。照明に頼り過ぎず“柔らかい光の中で生活”の要望に、壁と天井の境界を曲面で繋げた“ホリゾント”で奥へと光を拡散する空間を考案。素材や器具にも“光の中で質感が際立つ”ものを選定主空間 photo©太田拓実
ODS / 鬼木孝一郎による、神奈川の住戸改修「鎌倉のリノベーション」。一面にしか窓のない区画。照明に頼り過ぎず“柔らかい光の中で生活”の要望に、壁と天井の境界を曲面で繋げた“ホリゾント”で奥へと光を拡散する空間を考案。素材や器具にも“光の中で質感が際立つ”ものを選定主空間、夜 photo©太田拓実

ODS / 鬼木孝一郎が設計した、神奈川の住戸改修「鎌倉のリノベーション」です。
一面にしか窓のない区画に計画されました。建築家は、照明に頼り過ぎず“柔らかい光の中で生活”の要望に、壁と天井の境界を曲面で繋げた“ホリゾント”で奥へと光を拡散する空間を考案しました。そして、素材や器具にも“光の中で質感が際立つ”ものが選定されました。

鎌倉のマンションのリノベーション。
人工照明に頼り過ぎず、柔らかい光の中で生活がしたいというクライアントの希望から、「光の広がり」を感じるワンルーム空間を提案した。

建築家によるテキストより

もともとあった間仕切り壁を撤去し、窪みとなっている場所にキッチンやベッドを配置することで空間全体が緩やかに連続する構成に。
部屋の中央には、壁と天井の境界を曲面で繋げた白い左官材仕上げのホリゾントを設置。日中は窓から入る外光を部屋の奥へと届け、夜は照明の光を空間全体へ広げる反射板の役割を担うものとなっている。

建築家によるテキストより

職人によって丁寧に仕上げられた左官材の壁と天井、黒く染色した幅400mmのオークの床材、アルミを削り出して製作した特注の調光スイッチプレートなど、柔らかい光の中で質感が際立つ素材を各所に使用し、光と共に変化するその表情を楽しめる住宅を目指した。

建築家によるテキストより
建築家の永山祐子を、テレビ番組の「情熱大陸」が特集(放送日時:2023年5月14日23時~)
建築家の永山祐子を、テレビ番組の「情熱大陸」が特集(放送日時:2023年5月14日23時~) photo courtesy of 永山祐子建築設計

建築家の永山祐子を、テレビ番組の「情熱大陸」が特集します。放送日時は、2023年5月14日23時から。リンク先で予告動画を閲覧できます。

大型プロジェクトのオファー殺到!
光のデザインで描く街の未来

地上48階、地下5階、高さ225メートル、超高層のエンターテインメント複合施設だ。
この巨大ビルの外装を担当したのが、建築家・永山祐子、47歳。

噴水をモチーフとした大胆な形状と色使いは、オフィスフロアや企業テナントが入らないからこそできたという。ビルを覆う4000枚以上のガラスの反射を、表面の特殊印刷によってコントロールすることで、水のキラキラした反射、しぶきの白さを表現している。光の使い方を得意とする永山の感性が遺憾なく発揮されていた。

高校在学中に建築家を目指すことを決心。大学卒業後に就職した設計事務所で、「スタッフは4年で卒業する」というルールのもと、朝から晩まで建築を学び26歳で独立、自らの事務所を設立した。
永山の事務所には現在16人が在籍している。夫と2人の子どもとの生活と、仕事を両立させている永山に憧れて入所する女性スタッフも少なくない。

複数のプロジェクトが常に同時進行している。若いスタッフに委ねた細部をチェックし、適確なアドバイスを与える姿は、頼もしい指揮官に見えた。一方で、悩んだときには他のスタッフたちに声をかけ、意見を求める柔軟さもある。それもまた、彼女が慕われるゆえんだろう。独立してゆくスタッフを見送る永山の姿には、母親にも似た心遣いが覗いた。

2025年大阪・関西万博では、2つのパビリオンを担当する。1つは、2020年ドバイ万博の際使用した資材をリユースして設計するというもの。そこにはサステナブルを地で行く知恵と工夫が生きている。

いま、最も注目を集めている建築家のひとり。そのエネルギッシュな日々を見つめた。

会田友朗 / アイダアトリエによる、長野・御代田町の「Ten Pillars House」。仕事中心の生活を退いた施主の“暮らしを楽しむ”為の家。小屋の様なシンプルで柔軟な空間の要望に、基礎と一体化する10本の壁柱で“無柱空間”を構築。構造形式は季節や時間を感受する為の多彩な開口部も実現
会田友朗 / アイダアトリエによる、長野・御代田町の「Ten Pillars House」。仕事中心の生活を退いた施主の“暮らしを楽しむ”為の家。小屋の様なシンプルで柔軟な空間の要望に、基礎と一体化する10本の壁柱で“無柱空間”を構築。構造形式は季節や時間を感受する為の多彩な開口部も実現南側外観 photo©野秋達也
会田友朗 / アイダアトリエによる、長野・御代田町の「Ten Pillars House」。仕事中心の生活を退いた施主の“暮らしを楽しむ”為の家。小屋の様なシンプルで柔軟な空間の要望に、基礎と一体化する10本の壁柱で“無柱空間”を構築。構造形式は季節や時間を感受する為の多彩な開口部も実現リビング・ダイニング・キッチン photo©野秋達也
会田友朗 / アイダアトリエによる、長野・御代田町の「Ten Pillars House」。仕事中心の生活を退いた施主の“暮らしを楽しむ”為の家。小屋の様なシンプルで柔軟な空間の要望に、基礎と一体化する10本の壁柱で“無柱空間”を構築。構造形式は季節や時間を感受する為の多彩な開口部も実現ダイニングから外を見る。 photo©野秋達也

会田友朗 / アイダアトリエが設計した、長野・御代田町の「Ten Pillars House」です。
仕事中心の生活を退いた施主の“暮らしを楽しむ”為の家です。建築家は、小屋の様なシンプルで柔軟な空間の要望に、基礎と一体化する10本の壁柱で“無柱空間”を構築しました。また、構造形式は季節や時間を感受する為の多彩な開口部の実現にも寄与しています。

敷地は軽井沢・追分エリアにも近い御代田町の緩やかな東斜面である。

クライアントは、東京で長く続けてきた事業を後進に譲り、自然にあふれたこの地で、これまでの仕事中心の多忙な生活から、「暮らす」こと、そしてその暮らしを「楽しむ」ことを主眼にすえ、そのための小屋を建てたいという希望を話された。

自ら開墾して農作業をしたり、庭をつくったり、自動車やバイクをいじる拠点となることも想定された。キッチンや水回りや収納に豪華な仕様は求められず、また水回り空間以外は壁で細かく仕切らず、小屋のようなシンプルかつフレキシブルな一体空間が求められた。

建築家によるテキストより

この地域で「暮らす」ことを最大限楽しむという目的のためには、日々移ろいゆく季節や時間を感じることのできる空間であることが大事だと考えた。そこで、風景のさなかにたたずむおおらかな一体空間をどのように実現するべきか考えた。

建築家によるテキストより

結果、このエリアの凍結深度から導かれた深基礎一体となったRCの鉛直片持ち壁柱を10本立ち上げ、一般製材による経済的な木造在来工法による架構の耐震要素としサポートする構造形式とした。屋根は120角が455ピッチに並ぶシンプルで軽快な合掌形式とし、基礎と一体となった10本のRCの控柱は袖壁(バットレス=buttless)としてこの合掌屋根架構が開こうとする水平力(スラスト=thrust)を抑える役割を担う。

このことで、建築の内部には、梁間方向で柱梁のない6m以上のスパンの木造としては大空間が実現している。また桁方向の外壁の筋交いを含めて壁量が抑えられることから開口の大きさや位置に自由度が生まれた。

建築家によるテキストより
吉村靖孝・大野博史・倉方俊輔・中川エリカ・西沢大良が審査した、東京建築士会主催の「住宅建築賞2023」の結果と審査講評等が公開

吉村靖孝大野博史倉方俊輔中川エリカ西沢大良が審査した、東京建築士会主催の「住宅建築賞2023」の結果と審査講評等が公開されています。PDFでの公開です。
住宅建築賞金賞を、齋藤隆太郎(DOG)+井手駿が受賞。住宅建築賞を、服部大祐(Schenk Hattori)古谷俊一(古谷デザイン建築設計事務所)溝部礼士(溝部礼士建築設計事務所)坪井宏嗣(坪井宏嗣構造設計事務所)工藤浩平+宮崎侑也(工藤浩平建築設計事務所)が受賞しています。

以下は、結果です。

「住宅建築賞2023」入賞者発表
この度、本会主催による「住宅建築賞」の受賞が下記の通り決定しましたのでお知らせいたします。

■住宅建築賞2023 審査結果(応募点数71点)
・入賞5点(内金賞1点)
・審査員:【審査員長】吉村 靖孝 【審査員】大野 博史 倉方 俊輔 中川 エリカ 西沢 大良

<住宅建築賞 金賞>
●8.5ハウス(神奈川県)
・設計者 齋藤 隆太郎(DOG)+井手 駿
・建築主 乙部 遊+乙部 京子
・施工者 新進建設株式会社
【建物構造:木造】

<住宅建築賞> (受付順)
●House in Fukasawa(東京都)
・設計者 服部 大祐(Schenk Hattori)
・建築主 白井 秀忠
・施工者 池田工務店
【建物構造:木造】

●大森ロッヂ新棟 笑門の家(東京都)
・設計者 古谷 俊一(古谷デザイン建築設計事務所)
・建築主 矢野 一郎・矢野 典子
・施工者 株式会社日起
【建物構造:木造在来軸組工法】

●石黒邸(東京都)
・設計者 溝部 礼士(溝部礼士建築設計事務所)+坪井 宏嗣(株式会社坪井宏嗣構造設計事務所)
・建築主 石黒 唯嗣
・施工者 株式会社広橋工務店
【建物構造:木造】

●佐竹邸(東京都)
・設計者 工藤 浩平+宮崎 侑也(株式会社工藤浩平建築設計事務所)
・建築主 佐竹 雄太
・施工者 株式会社住建トレーディング
【建物構造:鉄骨造】

最も注目を集めたトピックス[期間:2023/5/1-5/7]
最も注目を集めたトピックス[期間:2023/5/1-5/7]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2023/5/1-5/7)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 古谷デザイン建築設計事務所による、千葉・富津市の「たがやすいえ」。山頂の造成と伐採の過去を持つ敷地。環境復元を助ける在り方を目指し、大地の色味と親和性を持つ建築を“尾根を復元”する様に配置。海と山を同時に臨むように開口を設けて安息の空間も作る
  2. 森下修 / 森下建築総研による、福井・おおい町の商業施設「SEE SEA PARK」。新事業挑戦も支援する官民協同の建築。“集落”の様な“営みに馴染む”在り方を求め、72個の“ユニット”を組合せて様々な用途に応える空間を構築。外皮等の選択は自然と繋がる“開放型”の環境制御も意図
  3. office m-saと望月蓉平による、静岡の「富士宮の住宅」。二世帯の為の平屋。各々が“思うままに過ごせる環境”を目指し、家型の量塊に“一筆書きの壁”を横断させて“ひだ状”空間を“状況に合わせ活用”する建築を考案。屋外にも伸びる壁は将来の“生活変化”も許容
  4. 清水俊貴 / 福井工業大学と山田寛 / LoHAによる、福井・勝山市の店舗「nimbus」。磯崎新と伊東孝が設計した住宅を店舗に改修。“生きられた建築”を目指し、既存の保護と整理に加えてグリッド等を継承する“チューニング”としての設計を志向。既存空間が持つ“公共性”の質を更に引き出す
  5. 永山祐子建築設計による、大阪市の店舗「YAMAGIWA OSAKA」。老舗照明メーカーのショールーム。企業ロゴの“放射状に広がる光線”に着想を得て、ルーバー等を用いた“繊細な線の集合体”で構成する空間を考案。可動式の要素で場所毎に雰囲気を変えられる仕組みも作る
  6. 藤本壮介による、東京・渋谷区の「西参道公衆トイレ」。都心部の幹線道路沿いの敷地。公衆トイレを“都市の泉”と捉えて“新しい公共空間”を目指し、中央が凹んだ“うつわ”の様な“手洗い場”を持つ建築を考案。“小さなコミュニティ”が生まれる契機を作る事も意図
  7. 今冨佑樹+本杉一磨 / プラスチックアーキテクツによる、東京・目黒区の「中町フラット」。三階建ての二世帯住宅。新築で“改修”の持つ魅力の獲得を目指し、内と外の要求の“ズレ”を積極的に許容する設計を志向。等間隔の“正方形窓”は“用途”との完全な一致を避けて“街との新築らしからぬ関係”も作る
  8. 佐々木翔+鈴江佑弥 / INTERMEDIAによる、長崎・大村市の「d&i 大黒屋新社屋」。代替わりした企業の為に計画。諸室の配置で部分的に2層となる内部空間に対し、ズレながら連続する“木梁”を架けて“曲面のような屋根形状”を構築。利用者に加えて周囲の環境までを大らかに包み込む
  9. 青木淳・平田晃久・隈研吾・SANAA・藤森照信・谷口吉生が、自身が設計した美術館について解説している動画「建築家が自作を語る美術館」
  10. 岡田宰 / 2id Architectsによる、愛媛の店舗「JINS 西条店」。ロードサイドの眼鏡店の計画。多店舗展開の建物への“地域性”と“土着性”の付与を目指し、エリア名産の“柿”で作られる“柿渋”を外壁に使用。
什器には合板と金属を用いて“カジュアル”と“洗練”を同時に表現
  11. 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
  12. 東海林健建築設計事務所による、新潟市の「toga house / 傘の家」。砂丘の頂の“原っぱ”の中に計画。広大な環境の引込と住まいの安心感を求め、各階の床レベルを下げて周囲との“境界”と“連続性”を構築。この敷地における“心地よい外部との距離感”を作り出す
  13. 穂垣友康+穂垣貴子 / くらし設計室による、広島・東広島市の「西条の家」。隣地に集合住宅が建つ敷地。施主の求める“静かな暮らし”を目指し、周囲の視線を遮る為に建物を“コの字型”に配置して“中庭”を主体とする構成を考案。庭と窓の関係も操作して建築の中に様々な居場所を作る
  14. ザハ・ハディド事務所による、中国・武漢の「太康金融センター」。事務所・集合住宅・商業施設等を内包する建築。3つのタワーで構成され、中心部には“都市の渓谷”として“垂直に伸びる中庭”を配置。周辺の公園等と一体化して何層にも渡る垂直のコミュニティを作る
  15. 宮城島崇人建築設計事務所による、北海道・札幌市の住宅「Oプロジェクト」。公園に面する家の改修と増築。食に関わる施主の“ラボラトリー”となる建築を目指し、2本の柱でスラブを支え全方向に開放性を持つ“キッチン棟”を考案。公園との新たな関係を作ると共に既存の内部環境も一変させる
  16. 山﨑健太郎デザインワークショップによる、千葉・八千代市の「52間の縁側」。高齢者の為のデイサービス施設。問題を抱える人も“日常を送れる”環境を目指し、木架構の中に様々な“小さな居場所”のある建築を志向。一直線の床と構造体が作る“大きな構え”は地域の人々も迎え入れる
  17. へザウィック・スタジオの、森美術館での展覧会「共感する建築」。世界中でプロジェクトを手掛けるファームの日本初の展示。主要プロジェクト“28作”を模型や素材サンプル等で紹介。会場構成は同スタジオが日本の“暖簾”等に着想を得て考案
  18. ジョン・ポーソンの、東京・渋谷区の“The Mass”での展覧会「John Pawson」。ロンドンを拠点に活動する建築家による写真展。作品を通して作家の“世界に対する独自の視点”を体験できる構成。半屋外展示室では日本での展示の為に制作された体験可能な建築的作品も公開
  19. 工藤浩平建築設計事務所による、東京・世田谷区の住戸改修「J邸」。70年代の坂倉事務所設計の住戸を改修、壁構造で間仕切りも変更不可な条件に対し施主固有の“暮らしの軌跡”を解像度高く抽出し設計する方法を考案、断片的な生活の集まりで全体の空間をつくる
  20. 青柳創+青柳綾夏 / アオヤギデザインによる、岐阜の店舗兼住宅「飛騨高山の土蔵のリノベーション NIM」。築約130年の土蔵を改修。土蔵の“独特の空気感”を尊重する建築を求め、2つの用途を隔てる新設の“壁”で内装を成立させる設計を志向。壁の配置と素材で其々の機能要求に応え既存空間の特質も強調

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