本記事は水まわり製品のより良い選択肢を提供する「ARC-X(アークエックス)」と建築ウェブメディア「アーキテクチャーフォト®」のコラボレーションによる特別連載企画です。
今、建築家にとってリノベーションの設計は当たり前のものとなっています。現在のような状況に至るまでに、リノベーションの枠組みの中で建築作品を実現しようとする様々な試行錯誤が見られました。その中で生まれたアプローチのひとつに、従来は二次的なものと考えられてきた建築要素を、空間の主題として扱い設計する方法があると言えます。
そのような“部材”から考える設計手法をテーマとして、建築家の藤田雄介に話を聞きました。
後編では、建具と部品のマイクロメーカー「戸戸」を運営する建築家の藤田雄介がプロダクトデザインについて語ります。
一品生産とも大量生産とも異なる立ち位置を持つ「戸戸」のデザインで心がけていること、また既成のプロダクトを選ぶ際の基準など。自身の設計行為の延長でありながら、エンドユーザーだけでなく多くの建築家にも選ばれる「戸戸」を手掛けてきた藤田雄介ならではの視点を探ります。
建築家が運営する建具のマイクロメーカー
───藤田さんが設計活動と並行して展開されている、「戸戸(こと)」の活動について教えていただけますでしょうか?
藤田:「戸戸」は、我々の事務所で運営している建材のマイクロメーカーです。
これまでに新築やリノベーションのプロジェクトを通して、木工の作家さんや職人さんと一緒に建具および建具まわりの部品を制作してきました。それを受注に応じて改めて生産して販売しています。
立ち上げたのは2016年で、ネーミングは「それぞれの家=戸(こ)の、それぞれの戸(と)をデザインする」という意味です。
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───どちらで販売されているのですか?
藤田:「東京R不動産」の兄弟サイト「toolbox」に出品したのが最初で、次いで自社サイトをオープンしました。
サイトでは、各製品の詳細な仕様と、その背景にある我々の思いや、つくり手の紹介を載せています。
「toolbox」での販売も続いていて、現在も木のつまみは月あたり平均150個以上出ています。建具は20本以上出る月もあります。