MADによる、中国の「安吉文化芸術センター」。“竹”と“茶”で知られる地域での計画。“竹の葉”を散らした様な屋根の重なりを特徴とし、自然と建築をつなぐ“過渡的な空間”の設計を志向。建築とランドスケープが一体となるように作る
MADによる、中国の「安吉文化芸術センター」。“竹”と“茶”で知られる地域での計画。“竹の葉”を散らした様な屋根の重なりを特徴とし、自然と建築をつなぐ“過渡的な空間”の設計を志向。建築とランドスケープが一体となるように作る image courtesy of MAD
MADによる、中国の「安吉文化芸術センター」。“竹”と“茶”で知られる地域での計画。“竹の葉”を散らした様な屋根の重なりを特徴とし、自然と建築をつなぐ“過渡的な空間”の設計を志向。建築とランドスケープが一体となるように作る image courtesy of MAD
MADによる、中国の「安吉文化芸術センター」。“竹”と“茶”で知られる地域での計画。“竹の葉”を散らした様な屋根の重なりを特徴とし、自然と建築をつなぐ“過渡的な空間”の設計を志向。建築とランドスケープが一体となるように作る image courtesy of MAD

MADによる、中国の「安吉文化芸術センター」です。
“竹”と“茶”で知られる地域での計画です。建築家は、“竹の葉”を散らした様な屋根の重なりを特徴とし、自然と建築をつなぐ“過渡的な空間”の設計を志向しました。また、建築とランドスケープが一体となるように作る事も意図されました。現在、建設が進められており2025年の竣工を予定。


こちらはリリーステキストの翻訳です

マー・ヤンソン率いるMADアーキテクツは、安吉文化芸術センターのデザインを発表しました。中国の南東部、上海に近い浙江省に位置する安吉県は、「国連ハビタット賞」を受賞した唯一の県であり、中国の「竹」と「白茶」の町として賞賛されています。このプロジェクトは、この地域の自然環境と建築環境をつなぐ過渡的な空間として設計されています。東側には街があり、西側には川と遠くの山々が見えます。

安吉文化芸術センターの敷地面積は約14万9000㎡で、総工事面積は約12万㎡です。グランド・シアター、カンファレンス・センター、レジャー・センター、スポーツ・センター、青少年活動センター、芸術教育センターなど6つの会場が、安吉特有の緑茶畑を囲む「竹の葉」の屋根の下に広がっています。

マー・ヤンソンは言います。
「私たちはこの地域が持つ独特のオーラを追求し、日常生活に統合していきます」

このプロジェクトは、あらゆる方向、あらゆる時間帯から一般市民がアクセスできる多孔性のミーティング・スペースなのです。中央のコリドーが開放的な屋外プラットフォームとなるように、両側のヴィジュアルコリドーの軸線に沿って配置され、来訪者はフレームに収められた山々や上空の景色を眺めることができます。

建物のヴォリュームは白いタイル張りの屋根の下に均等に配分され、その起伏のあるシルエットは、安吉白茶が植えられた周囲の丘の形と呼応します。敷地全体にわたって設けられた複数の中庭は、屋内と屋外の境界をなくすプログラム的ギャップとして機能します。プロジェクトの西側にある大きなステージは、パフォーマンスやコンサート、展示会などの屋外会場として利用できます。

安吉文化芸術センターの見どころは、竹の葉を散らしたような金属製の屋根が幾重にも重なり、その尾根が息を呑むような景観に複雑な視覚効果を加えていることです。その間の隙間から自然光を室内に取り込み、メインのファサードは透明度が高く、側面からも自然光を招き入れます。メインファサードは最大17メートルで、完成すれば中国で最も高い自立式ガラス壁となります。

ツバメアーキテクツによる、さいたま市の「旗竿地に立つ保育園」。様々な規模の建物に囲まれた敷地。“環境の質”の向上を目指し、周辺のヴォリューム感の差に注目して中庭や各室等の配置を計画。各箇所の窓は“風と光の抜け”に加えて隣接する住宅等のプライバシーにも配慮
ツバメアーキテクツによる、さいたま市の「旗竿地に立つ保育園」。様々な規模の建物に囲まれた敷地。“環境の質”の向上を目指し、周辺のヴォリューム感の差に注目して中庭や各室等の配置を計画。各箇所の窓は“風と光の抜け”に加えて隣接する住宅等のプライバシーにも配慮鳥瞰 photo©楠瀬友将
ツバメアーキテクツによる、さいたま市の「旗竿地に立つ保育園」。様々な規模の建物に囲まれた敷地。“環境の質”の向上を目指し、周辺のヴォリューム感の差に注目して中庭や各室等の配置を計画。各箇所の窓は“風と光の抜け”に加えて隣接する住宅等のプライバシーにも配慮アプローチ。縁取り窓とベロのような大庇が出迎えるエントランス。 photo©楠瀬友将
ツバメアーキテクツによる、さいたま市の「旗竿地に立つ保育園」。様々な規模の建物に囲まれた敷地。“環境の質”の向上を目指し、周辺のヴォリューム感の差に注目して中庭や各室等の配置を計画。各箇所の窓は“風と光の抜け”に加えて隣接する住宅等のプライバシーにも配慮2階、廊下から0・1歳児室を見る。 photo©楠瀬友将
ツバメアーキテクツによる、さいたま市の「旗竿地に立つ保育園」。様々な規模の建物に囲まれた敷地。“環境の質”の向上を目指し、周辺のヴォリューム感の差に注目して中庭や各室等の配置を計画。各箇所の窓は“風と光の抜け”に加えて隣接する住宅等のプライバシーにも配慮2階、0・1歳児室。架構のぬいぐるみとスカートを履いたような腰壁。 photo©楠瀬友将

ツバメアーキテクツが設計した、さいたま市の「旗竿地に立つ保育園 彩の調保育園南浦和宙」です。
様々な規模の建物に囲まれた敷地に計画されました。建築家は、“環境の質”の向上を目指し、周辺のヴォリューム感の差に注目して中庭や各室等の配置を計画しました。また、各箇所の窓は“風と光の抜け”に加えて隣接する住宅等のプライバシーにも配慮されています。

住宅地の保育園は、床面積の確保と、近隣への配慮を両立させようとすると、園庭はなくなり、窓は小さくなり、建築は閉じていく。
今回の敷地は旗竿。マンション、アパート、個人住宅、駐車場に囲まれている。このボリューム感の差に注目することで、アプローチや庭の環境の質を高めようとした。

建築家によるテキストより

具体的には、周辺に対する余白の取り方や、窓の在り方、さらに風や光の抜ける架構がテーマとなった。
まず、旗竿特有のアプローチは、緩やかにカーブする道路を模したデザインとし、大庇のベロが伸びてくる。白いドット模様にはベビーカーや自転車が可愛く駐車する。個人住宅やバルコニーに配慮し、エントランス側の窓は絞りつつも、パンダの目のように縁取ることでリズムを作り出す。

建築家によるテキストより

保育室は、南北に大きな開口を設け、それに合わせ架構を連続させた。耐火被覆は現しとすることで架構のぬいぐるみとしている。南側には、駐車場と連続するように中庭を作った。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2023/9/25-10/1]
最も注目を集めたトピックス[期間:2023/9/25-10/1]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2023/9/25-10/1)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 伊東豊雄建築設計事務所が計画している、東京・渋谷区の分譲集合住宅の画像
  2. 工藤浩平建築設計事務所による、秋田市の「鳥海邸」。未接道の土地や空き家が目立つ地域での計画。街の特徴を“余白”として捉えて継承も意図し、様々な使い方を促す“半屋外空間”で囲われた中庭を中心とした建築を考案。寒冷地での“暮らしの範囲”の拡張も試みる
  3. 針谷將史建築設計事務所による、埼玉の「安部邸」。一家6人の為の住まい。家族の為の“公共空間”としての“家”を求め、“親密な距離”と“個人の距離”が同時に存在する建築を志向。他者としての“自律する構造体”で複数の小さな中心と周縁をひとつに繋ぐ
  4. 五十嵐敏恭と佐藤研吾による建築展「グルグル広がって上がっていく」の会場写真。建築と生き方の“表裏一体”を体現する二人の建築家の展覧会。対話の中で見い出された“言葉”をキーに“思考モデル”とも言える作品を制作して展示。畝森泰行と金野千恵の事務所“BASE”を会場に開催
  5. 伊東豊雄の、芝浦工業大学での展覧会「伊東豊雄の挑戦1971-1986」。世界的に評価される建築家の活動初期の作品に注目した展示。“全エネルギーを注いだ”と言う図面やスケッチを中心に紹介。当時の製本青焼図面を閲覧できるスペースも用意
  6. 粟屋大紀による、神奈川・横浜市の住戸改修「room206」。二人家族の為に計画された住まい。必要な個室数の少なさを活かし、“明るく風の抜ける室内環境”を整える設計を志向。住戸の中央に“島状”の寝室を配置して玄関からリビングまでの抜けを作る
  7. 長坂大 / Megaの設計による、京都市左京区岩倉の分譲住宅「composition colors iwakura」の特設サイトが公開。個々の住宅の豊かな居住環境の構築に加えて、街区全体の美観等も考慮したプロジェクト。サイトでは計画の詳細や設計者のインタビュー等を掲載。資料請求・来場予約・オンライン相談も可能
  8. studioSHUWARIによる、富山市の「2枚屋根の家」。丘陵地にある住宅街の中の敷地。街との“緩やかな繋がり”を求め、敷地の高低差を斜面で処理して勾配に沿う“2枚の屋根”を持つ建築を考案。窓の位置等の工夫で景観を取り込み日常の中に“季節感”を持ち込む
  9. GENETOによる、長野・白馬村の「KANOLLY Resorts」。リゾート開発が進む豪雪地の宿泊施設。地域の山々や風土への敬意と積雪対策を意図し、“合掌造り”を参照した建物を3つ雁行配置して繋げる構成を考案。環境を堪能できるように部屋毎に内外の関係性を調整
  10. 小島弘旭 / hiroaki kojimaによる、西日本の住宅「湖畔の整理」。古い住宅と新建材の建売が混在する地域に計画。施主の描く間取りや既製品の使用を肯定した上で、其々を“レイアウト”して在るべき建築の実現を追求。生活と風景の“整理”は将来的な変化の許容も意図
  11. 上林剛典 / platによる、東京の「渋谷のオフィス」。数年後に解体されるビル内の事務所の改修。解体過程で現れた痕跡に“味わい”を見出し、“時間の蓄積”と要求機能を“擦り合わせる”設計を志向。既存の無機質で閉塞感のある空間を“生き生きとした”場所に変える
  12. 小野龍人+三浦朋訓+ヤン・シカン / T2Pアーキテクツによる、大阪市の宿泊施設「シェア型レジデンス花園」。更新が進み古い長屋が減りつつある地域に計画。街との繋がり方を主題とし、地域にも開かれた中庭等の“対話を誘発する共用空間”を備えた建築を考案。“小屋根”が連続する外観は風景との“調和”と“継承”も意図
  13. 吉岡徳仁による「ガラスの炬火台」と「ガラスのトーチ」。2024年の国民スポーツ大会のセレモニーの為に制作。炎から放たれる“光”に着目し、透明なガラスの造形から生み出されたプロダクト
  14. 川合健二による、愛知・豊橋市のコルゲートハウス(1965年竣工)が宿泊施設に転用。1棟貸のホテルとして2023年9月から運営開始
  15. SDレビュー2023の入選作品の展覧会レポート(前編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
  16. 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
  17. ザハ・ハディド事務所による、モザイク装飾「ダイヤモンド」。イタリアのアトラス・コンコルド社の為に開発。12世紀のモザイク模様を参照しつつ、独自のアルゴリズムを開発して古典的な模様に“破壊的な要素”を取入れる意匠を考案。表面で空間の性質を定義する可能性も追求
  18. ODS / 鬼木孝一郎による、北海道の店舗「SHIRO 砂川本店」。化粧品の製造工場内に計画。自分で香りを調合できる“ブレンダーラボ”を中心に、同心円状に平台什器を配置して様々な方向から出入りできる空間を構築。地域材の使用を思案して近隣で採れた木材を什器の土台に採用
  19. 山口誠デザインによる、東京・台東区の、オフィスビル「MONOSPINAL」。ゲーム制作会社の本社。従業員の“集中力”と“リラックス”のバランス確保を目指し、環境要素も向上をさせる“斜壁”を持つ建築を考案。小スケールの素材を集積をさせる仕上げで“あらたな風景”を作る
  20. 中村竜治建築設計事務所の会場構成よる、21_21 DESIGN SIGHTでの展覧会「Material, or 」。マテリアルについての再考を促す展示。“素の状態”で物や作品に向合う状況を目指し、出来る限り“展示っぽさ”を排除する設計を志向。既存平面を“半ば無視した”壁を配して施設を廃墟の様な無意味な場所に戻す

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