ザハ・ハディド事務所による、ソウルの「第二世宗文化会館」コンペの最終候補提案。都市に埋め込まれた建築と公園が融合する施設。自然に包まれた内外の空間の“シークエンス”を特徴とし、公共広場や自然環境には国の伝統的庭園デザインの思想も反映。文化の中心となり活気のある集いの場を作る
ザハ・ハディド事務所による、ソウルの「第二世宗文化会館」コンペの最終候補提案。都市に埋め込まれた建築と公園が融合する施設。自然に包まれた内外の空間の“シークエンス”を特徴とし、公共広場や自然環境には国の伝統的庭園デザインの思想も反映。文化の中心となり活気のある集いの場を作る image©Tegmark
ザハ・ハディド事務所による、ソウルの「第二世宗文化会館」コンペの最終候補提案。都市に埋め込まれた建築と公園が融合する施設。自然に包まれた内外の空間の“シークエンス”を特徴とし、公共広場や自然環境には国の伝統的庭園デザインの思想も反映。文化の中心となり活気のある集いの場を作る image©Tegmark
ザハ・ハディド事務所による、ソウルの「第二世宗文化会館」コンペの最終候補提案。都市に埋め込まれた建築と公園が融合する施設。自然に包まれた内外の空間の“シークエンス”を特徴とし、公共広場や自然環境には国の伝統的庭園デザインの思想も反映。文化の中心となり活気のある集いの場を作る image©ZHA

ザハ・ハディド・アーキテクツによる、韓国・ソウルの「第二世宗文化会館」コンペの最終候補提案です。
都市に埋め込まれた建築と公園が融合する施設です。自然に包まれた内外の空間の“シークエンス”を特徴とし、公共広場や自然環境には国の伝統的庭園デザインの思想も反映しています。そして、文化の中心となり活気のある集いの場を作る事が意図されました。


こちらは、リリーステキストの翻訳です

ZHA、第二世宗文化会館のコンペで最終選考に残る

ザハ・ハディド・アーキテクツ(ZHA)が提案する第2世宗文化会館は、自然に包まれた屋内と屋外の公共スペースのシークエンスを創り出すもので、世宗市の歴史と未来への揺るぎない楽観主義によって定義されています。

ヨイド公園と漢江を結ぶ第2世宗文化会館は、公園の自然景観の中に埋め込まれています。新しい公共広場、庭園、野草の生い茂る草原、森林地帯を地域社会に提供するこの公園の有機的なテラスと反射池は、韓国の伝統的な庭園デザインに包含される人間と自然の共生関係を反映しています。

ソウル市と歴史的な河川を一望できるルーフガーデンは地平線まで緩やかに上昇し、ヨイド公園の自然環境は、中心部から漢江のほとりに流れる一連の内部空間を包み込んでいます。そして、街の活気ある新しい集いの場であり、文化の中心を定義します。

ガラス張りのリハーサル室は、センターの大きな展示ホールの中に“浮かんで”おり、才能あるアーティストたちが一日中練習に励む姿を一般の人々が見ることができます。センターの2つのパフォーミング・アーツ・シアターは、この展示ホールの両脇に位置し、国内外のアーティストによる多種多様なパフォーマンスを開催できるように設計されています。

全長150メートルの屋内公共スカイデッキは、文化センターの頂上に位置しています。川を一望でき、コミュニティエリア、教育センター、レストラン、ラウンジへと続き、スカイデッキからは街の壮大な眺めも楽しむことができます。地上レベルでは、ヨイド公園から中央展示ギャラリーを経て、彫刻庭園へとシームレスなつながりが続いています。そしてその先には、水辺で野外パフォーマンスやコンサートを楽しめる新しい川辺の円形劇場があります。

中村竜治・花房紗也香・安東陽子による「ほそくて、ふくらんだ柱の群れ」。異分野の作家3人が協働して制作。誰一人欠けても成立しない関係性を目指し、お互いを遠ざけない様に“エンタシス柱”での空間構成を考案。安東の制作のクッションが柱を固定し、花房の絵画は分割され柱に巻きつく
中村竜治・花房紗也香・安東陽子による「ほそくて、ふくらんだ柱の群れ」。異分野の作家3人が協働して制作。誰一人欠けても成立しない関係性を目指し、お互いを遠ざけない様に“エンタシス柱”での空間構成を考案。安東の制作のクッションが柱を固定し、花房の絵画は分割され柱に巻きつく中村竜治によるエンタシス柱の空間。 photo©中村竜治
中村竜治・花房紗也香・安東陽子による「ほそくて、ふくらんだ柱の群れ」。異分野の作家3人が協働して制作。誰一人欠けても成立しない関係性を目指し、お互いを遠ざけない様に“エンタシス柱”での空間構成を考案。安東の制作のクッションが柱を固定し、花房の絵画は分割され柱に巻きつく花房紗也香による絵画。 photo©中村竜治
中村竜治・花房紗也香・安東陽子による「ほそくて、ふくらんだ柱の群れ」。異分野の作家3人が協働して制作。誰一人欠けても成立しない関係性を目指し、お互いを遠ざけない様に“エンタシス柱”での空間構成を考案。安東の制作のクッションが柱を固定し、花房の絵画は分割され柱に巻きつく安東陽子によるクッション photo©中村竜治

中村竜治(建築家)・花房紗也香(アーティスト)・安東陽子(テキスタイルデザイナー)による「ほそくて、ふくらんだ柱の群れ ─ 空間、絵画、テキスタイルを再結合する」です。
異分野の作家3人が協働して制作しました。建築家は、誰一人欠けても成立しない関係性を目指し、お互いを遠ざけない様に“エンタシス柱”での空間構成を考案しました。そして、安東の制作のクッションが柱を固定し、花房の絵画は分割され柱に巻きつく形で展示されました。展覧会の公式ページはこちら※この展覧会の会期は終了しています

建築家、アーティスト、テキスタイルデザイナーという異なるジャンルの3人の作家のコラボレーションによる展示です。

アーティストの花房紗也香さんの絵画を鑑賞する展示空間(そこには安東陽子さんのファブリックや私による家具も空間の要素としてある)をつくるというのが企画の五十嵐太郎さんのお題でした。まず私が空間を提案することになりました。

建築家によるテキストより

単なるグループ展にならないように、3人が領域を侵食し合ったり、誰か1人が欠けても成立しないような関係を生み出す空間がつくれないかと考えました。そこで、壁による空間構成はお互いを遠ざけてしまうのではないかと思い、細くて膨らみのある柱(エンタシス柱)による空間を提案しました。

建築家によるテキストより

絵画展示の難易度は上がりますが、そのぶん花房さんから面白い発想が出てくるのではないかと期待しました。花房さんは1枚の絵を5分割しそれぞれ柱に巻きつけるという方法で、柱の群の中に浮遊するような空間的な作品をつくりました。絵は柱の裏側に回り込むので完全には繋がらず、鑑賞者は絵を観るというよりは脳内補完しながら1枚の絵を徐々に感じるというような空間・時間的体験を生み出します。

一方、ビスの打てない場所に柱をどうやって自立させるかという問題が生まれました。そこで、柱と天井の間にクッションを挟み込みその反発力と摩擦力で柱が倒れないようにするという方法を考え、そのクッションのデザインを安東さんにお願いしました。安東さんは複数の素材を組み合わせ、天井の不陸を吸収しながら適度な摩擦を生み出す、毬藻のように可愛らしく、テキスタイルの可能性を広げる作品をつくりました。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2023/10/9-10/15]
最も注目を集めたトピックス[期間:2023/10/9-10/15]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2023/10/2-10/8)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 隈研吾建築都市設計事務所による、東京・江戸川区の「魔法の文学館」。童話作家の角野栄子の名を関した児童文学館。花びらが広がるような屋根“フラワールーフ”を外観の特徴とし、景観との調和や内外の連続性も意図。くぼしまりおによる内装は角野の著作の世界観をイメージ
  2. 永山祐子建築設計による、東京のオフィスビル「ESCON 九段北ビル」。コロナ禍に進んだ眺望の良い立地での計画。集合を喚起する固有の“魅力”を持つ存在を目指し、三面開口に加え角の柱を抜いた“迫りくる浮遊感”を持つ建築を考案。外壁の色を段階的に変えて見上げ時の印象も操作
  3. 乾・RING・フジワラボ・o+h・吉村設計共同体による、京都市の「京都市立芸術大学 崇仁キャンパス」の動画。竣工した建築に加えて建設の様子なども収録
  4. 湯浅良介による、神奈川・鎌倉市の住宅改修「波」。海を望む高台での計画。雰囲気の刷新を望む施主の“感性”を拠り所に、不揃いに貼るタイルや量感のあるカーテンで“形の印象を弱め”て“密度を上げる”改修を実施。与件から得た断片的な心象を表面に置く様に作る
  5. 山田誠一建築設計事務所による、静岡・沼津市の「本郷町の家」。郊外住宅地に計画。外から順に決める“地方の一般的な設計過程”の再考も意図し、環境を遮断した“理想的な空間”を作った後に外部と接続する設計を実践。逆説的な方法で周辺の消極的な印象を肯定的な特徴に変える
  6. 今井博康による、千葉・松戸市の住戸改修「凹の家」。夫婦と猫2匹の為に計画。人と猫の快適な暮らしを求め、間仕切り壁を床から“350mm”浮かせて部屋全体が“猫の為の広場”にもなる構成を考案。異なる特性を持つ存在が同じ空間に重なりフィットする状態を作る
  7. 川勝真一のキュレーションで、日本建築学会が主催する建築展「繕いの営み / 営みの繕い」。補修や手入れ等の“つくろい”に建築的意味を見出す展示。アリソン理恵・伊藤孝仁・GROUP・木村俊介・辻琢磨・山本周+小林栄範・渡邉竜一が出展
  8. 伊東豊雄の、芝浦工業大学での展覧会「伊東豊雄の挑戦1971-1986」。世界的に評価される建築家の活動初期の作品に注目した展示。“全エネルギーを注いだ”と言う図面やスケッチを中心に紹介。当時の製本青焼図面を閲覧できるスペースも用意
  9. 阿曽芙実建築設計事務所による、徳島・神山町の「ホマレノモリ」。山奥の民家を改修した“山”と“町”を繋ぐ為の施設。両方の当事者間の交流の促進を求め、便利さではなく“根源的な時間体験”を共有する場を志向。解体した材を“資源”と捉え出来る限り“再利用”して空間を作る
  10. トミトアーキテクチャの提案が、新潟の「(仮称)小千谷市防災センター」設計競技で最優秀作品に選定。提案書と審査講評が公開
  11. 山之内淡 / AWGLによる、神奈川・鎌倉市の「A Cat Tree House」。“愛猫”を施主に見立て設計した自邸兼アトリエ。全体を“キャットツリー”とする方針を立て、二層吹抜のリビングを“猫の身体寸法”に合わせた階段で取囲む構成を考案。猫と人の其々の言葉が混ざり合う建築を作る
  12. 原広司による、神奈川・多摩区の“粟津潔邸”(1972年竣工)を会場にした展覧会「吉國元展」が開催
  13. 花井奏達建築設計事務所による、愛知・名古屋市の住戸改修「ルームCz」。壁式構造の集住の屋上バルコニーのある区画。既存躯体等の“不自由な現況”に寄り添いつつ、新旧の混成する“新しい秩序”を持つ空間の構築を志向。回遊性のある平面計画で“恵まれた環境を最大限享受”する
  14. 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
  15. 藤田時彦 / atelier umiによる、滋賀・大津市の飲食店「ciocco」。抜道に使われる裏路地の建物を改修。既存の躯体や壁を活かし、左官仕上のカウンター等を追加して“古さと新しさが同居し調和する状態”を構築。天井の解体と保存で高低差のある“ダイナミックな断面”も生み出す
  16. ニイノ建設と麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「大森町の集合住宅」。活気のある商店街の中での計画。賑わいを享受しつつも“落ち着ける”住環境”を目指し、四周に回した“コンクリートの帯”の高さを変えて内外の関係を調整する建築を考案。上階に行くほど段階的に開放度を上げる
  17. 黒崎敏 / APOLLO Architects & Associatesによる、東京・文京区の住宅「TIMELESS」。子供が独立した夫婦のシニアライフを見据え計画、建物内部の大小2つの中庭が外部リビングと光井戸として機能、内外を緩やかに横断し過ごすせる空間はコロナ以降も見据える
  18. MVRDVによる、中国の「深セン・ウーマン&チルドレンズ・センター」。都市の急成長で生まれた90年代の建物を改修。先駆的事例として“再利用”の可能性の提示も意図し、既存の構造体を活かして現代の要望に適合させる設計を志向。色彩豊かな外観のフレームで施設の用途を強く明示
  19. 佐藤信 / 青木茂建築工房による、福岡市の住戸改修「ホわイとハうス」。設計者の自邸。製品構築された建物への“現代的な豊かさ”の付与を求め、少しづつ異なる様々な“白色”と多様な質感の“素材”を用いて空間を構成。微細な体験の変化や現象が住み手に与える影響の検証も試みる
  20. 西沢立衛と野口貴文の対談「人、建築、そして街並み」の動画。野口は東京大学教授で建築材料を研究

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