花井奏達建築設計事務所が設計した、愛知・名古屋市の住戸改修「ルームCz」です。
壁式構造の集合住宅の屋上バルコニーのある区画での計画です。建築家は、既存躯体等の“不自由な現況”に寄り添いつつ、新旧の混成する“新しい秩序”を持つ空間の構築を志向しました。また、回遊性のある平面計画で“恵まれた環境を最大限享受”する事も意図されました。
中層ビンテージマンション最上階の1室、ふたり住まいのためのリノベーション。
南北にルーフバルコニーがあり、4方向のどの壁も他の住居と共有していない。南に面して間口が広く、眺望と風通しの良い窓を持つ特別感のある部屋。この恵まれた環境を最大限享受できるように設え直した。
マンションは壁式構造で住戸内にはnLDKに細かく仕切られていた旧間取りに従属する構造壁や壁梁が交錯している。計画にあたっては、既存の躯体や開口位置による不自由な現況に寄り添いながら、新旧をないまぜにする新しい秩序を持つ場に改変されることを目指した。
まず住戸を南北に分断する躯体に沿わせるように細長いボリュームを挿入した。このボリュームは、一部では収納をまとめた物理的マッスでもあり、動線空間としての実態のないボイドでもある。このボリューム周囲にできる様々なプロポーションと性格を持った空間を生活の場とする。
L型の南バルコニーに面したリビング、東南角で明るく風通しの良い巨大なカウンターのあるキッチン、北側採光の細長い土間、バルコニーを介してリビングと回遊する水廻り、それらがずるずると繋がっていくことで日常をおおらかに受け止めてくれる暮らしの場になるだろうと考えた。
以下の写真はクリックで拡大します
以下、建築家によるテキストです。
中層ビンテージマンション最上階の1室、ふたり住まいのためのリノベーション。
南北にルーフバルコニーがあり、4方向のどの壁も他の住居と共有していない。南に面して間口が広く、眺望と風通しの良い窓を持つ特別感のある部屋。この恵まれた環境を最大限享受できるように設え直した。
マンションは壁式構造で住戸内にはnLDKに細かく仕切られていた旧間取りに従属する構造壁や壁梁が交錯している。計画にあたっては、既存の躯体や開口位置による不自由な現況に寄り添いながら、新旧をないまぜにする新しい秩序を持つ場に改変されることを目指した。
まず住戸を南北に分断する躯体に沿わせるように細長いボリュームを挿入した。このボリュームは、一部では収納をまとめた物理的マッスでもあり、動線空間としての実態のないボイドでもある。このボリューム周囲にできる様々なプロポーションと性格を持った空間を生活の場とする。
L型の南バルコニーに面したリビング、東南角で明るく風通しの良い巨大なカウンターのあるキッチン、北側採光の細長い土間、バルコニーを介してリビングと回遊する水廻り、それらがずるずると繋がっていくことで日常をおおらかに受け止めてくれる暮らしの場になるだろうと考えた。
回遊できるプランは南北に風が通り淀みなく空気が流れ、住戸内での環境の差を和らげる。バルコニーを含めてどこまでも繋がっていくワンルームの構成によって、マンション室内での体験を最大化しつつ外部環境の恩恵を取り込んでいる。
天井を含め外周部は全て断熱補強を行い、主要な開口部は木製建具により二重サッシ化し断熱性と気密性を高めた。これにより、窓を開ける、閉める、この当たり前で単純な操作のみで一年の長い時期を快適に過ごすことができる。ひとつながりの空間でおおらかに暮らすための下支えとした。
■建築概要
題名:ルームCz
所在地:愛知県名古屋市
用途:住宅
設計:花井奏達建築設計事務所 担当:花井奏達
施工:名古屋建物株式会社
キッチン制作:木工ふくなり
構造:RC造(住戸改修)
占有面積:80.45㎡
竣工:2020年12月
撮影:植村崇史
建材情報種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) | 内装・床 | リビング 床 | フローリング:ボルドーパインt20(ウッドハート)+オスモクリア
|
内装・壁 | リビング 壁 | PB t12.5 AEP
ラワンベニヤ t5.5 UC
既存コンクリート壁 AEP
|
内装・天井 | リビング 天井 | PB t9.5 AEP
|
内装・天井 | ホール 天井 | ラワンベニヤ t5.5 UC
|
内装・キッチン | キッチン | 天板:ナラ
扉・腰板:クリ(木工ふくなり)
|
内装・キッチン | キッチン 棚 | 米ツガ UC
ラワンラベニヤフラッシュ UC
|
内装・建具 | リビング 木製框戸 | スプルス UC
|
※企業様による建材情報についてのご意見や「PR」のご相談はこちらから
※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません