栗本祐輔 / クリテクツと佐藤秀デザインによる、東京の集合住宅「番町會所」。都心の賃貸と施主住戸等を内包する建築。密集地での“付加価値提供”を目指し、4つの専有部ユニットを中央の共用部で繋ぐ構成で全方位に開口を持つ住戸群を実現。余裕を持たせた共用廊下は交流空間としても機能
栗本祐輔 / クリテクツと佐藤秀デザインによる、東京の集合住宅「番町會所」。都心の賃貸と施主住戸等を内包する建築。密集地での“付加価値提供”を目指し、4つの専有部ユニットを中央の共用部で繋ぐ構成で全方位に開口を持つ住戸群を実現。余裕を持たせた共用廊下は交流空間としても機能外観 photo©畑拓
栗本祐輔 / クリテクツと佐藤秀デザインによる、東京の集合住宅「番町會所」。都心の賃貸と施主住戸等を内包する建築。密集地での“付加価値提供”を目指し、4つの専有部ユニットを中央の共用部で繋ぐ構成で全方位に開口を持つ住戸群を実現。余裕を持たせた共用廊下は交流空間としても機能3階。ホール1 photo©畑拓
栗本祐輔 / クリテクツと佐藤秀デザインによる、東京の集合住宅「番町會所」。都心の賃貸と施主住戸等を内包する建築。密集地での“付加価値提供”を目指し、4つの専有部ユニットを中央の共用部で繋ぐ構成で全方位に開口を持つ住戸群を実現。余裕を持たせた共用廊下は交流空間としても機能3階、303号室、テラス photo©畑拓

栗本祐輔 / クリテクツと佐藤秀デザインによる、東京の集合住宅「番町會所」です。栗本祐輔 / クリテクツが、基本構想とデザイン監修を、佐藤秀デザインが設計を手掛けています。
都心の賃貸と施主住戸等を内包する建築です。建築家は、密集地での“付加価値提供”を目指し、4つの専有部ユニットを中央の共用部で繋ぐ構成で全方位に開口を持つ住戸群を実現しました。また、余裕を持たせた共用廊下は交流空間としても機能させる事を意図しています。

東京都心、北側に公園への眺望が抜ける傾斜地に立地する、賃貸住戸・オーナー住戸・店舗が複合した集合住宅である。傾斜地に合わせた建築の対応と、ビル密集地における賃貸住宅の付加価値提供が求められた。

建築家によるテキストより

そこで考え出されたのが、東西南北へ、かざぐるま状に配置された4つの専有部ユニットと、中央の共用部、敷地四隅の前庭・中庭による、スキップフロアの構成である。各専有部ユニットは同一の外形を持つが、方位や周辺環境に合わせ向きを変え、高さを変え、内装プランも各々異なったものとなっており、住まい方に選択肢を与えている。かざぐるま状の配置によって、各住戸は4面に開口部を持ち、通風や採光、眺望が確保されている。

建築家によるテキストより

中央の共用部は、単純に縦動線と廊下を配置するだけではなく、ゆとりのある空間を回遊可能な複数の階段でスキップ状に連結し、共用のコミュニティスペースとして計画している。センターコア型でありながらも、専有部ユニットの隙間から4方向に向かい外気に開放されている。

建築家によるテキストより
花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の「広本町の家」。様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地。周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案。街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出す
花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の「広本町の家」。様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地。周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案。街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出す外観、道路から見る。 photo©益永研司写真事務所
花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の「広本町の家」。様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地。周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案。街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出す2階、食堂から居間側を見る。 photo©益永研司写真事務所
花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の「広本町の家」。様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地。周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案。街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出す2階、主寝室 photo©益永研司写真事務所

花本大作建築設計事務所が設計した、広島・呉市の「広本町の家」です。
様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地に計画されました。建築家は、周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案しました。それによって、街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出されました。

計画地は小さな街の商店街にある。

この住宅においては強い全体性を与えないことで周辺環境と連続する場を生み出す事を目指した。
敷地の周りには小売店、飲食店、医院、遊技場、集合住宅など様々な用途や規模の建物が建ち並んでいる。各建物はそれぞれが求めに応じ異なる論理により計画され不揃いで統一感はないが商店街としては連々たる建築の集合体となり街の新陳代謝を体現している。

建築家によるテキストより

当初はそうした雑多さから切り離し敷地内のみで快適な空間を完結させる求心的な手法も考えられたが、そのリジッドさが集合体との乖離や逆に生活を窮屈にしてしまう可能性も否めなかった。そのため周囲に広がる複雑多様な関係性を引き込んだ設計を行うことで街との連続的な関係を築くと同時に伸びやかで生き生きとした住環境を得られるのではないかと考えた。

建築家によるテキストより

具体的には必要諸室と外部環境とのつながりを確保する外室を一度バラバラのボリュームに分解し、建築主との話し合いによりそれらを再構築していくことで中心性の弱い構成とした。設計途中の追加要求機能も街に見られるような偶発的な空間変化として受け入れ、そのまま計画に継ぎ足し過度にコントロールすることを控えた。

その結果、いろいろな気積や特徴を持つ場が複雑に絡み合い街の中を歩いているように小さな場面が連続していく変化に富んだ内部空間となった。また、ボリューム同志のずれや外室越しに街の風景や空などを身近に感じることで周辺環境とのつながりを感じることが出来る。

建築家によるテキストより

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