坂井隆夫建築設計事務所が設計した、京都市の「方形ハウス」です。
山麓の風致地区の敷地に計画されました。建築家は、自然と“一体となる”住宅を目指し、視界を越える“天井高”と複数の“縦長窓”で“景色を立体的に認識できる”空間を形成しました。また、外からの視線をかわす為に周囲と“半階ずらした断面構成”としています。
敷地は東山山麓の谷間にある風致地区に位置し、周辺の山や庭木や生垣が緑豊かな環境を作り出しています。
道路、隣地からの視線をかわせば一年中まわりの緑や季節の花、紅葉などを楽しむことが出来ます。
この建物は方形屋根をもつ4.53m角平面の2つの棟をずらして配置し、スリット部に階段を挿入しています。
道路側の北棟を物に囲われた空間、南棟をシンプルな空間としています。この配置により、異なる性格を持つ2つの棟が距離を保ちながらも、縦長の窓という形式とスリット部の共有によって一体的な空間として感じられるようにしています。
道路や隣地から半階ずれた断面とすることで周囲からの視線をずらし、天井が視界に入らない天井高で床面から梁下までの縦長の窓をどこにいても複数方向見えるように配置することによって緑豊かな景色が立体的に認識出来るようになり、家の中にいながら周囲の緑豊かな環境と一体となった空間になるように計画しています。