今津修平 / MuFFと北川浩明 / 文化工学研究所と川上真誠 / クラウドアーキテクツが設計した、兵庫・神戸市の「KITASUZUHAUS」です。
市営住宅の建替えの一環で計画された“暮らし賑わい施設”です。建築家は、地域活性化とコミュニティの創出を求め、施設に集う様子が外側にも滲み出ていく状況を志向しました。そして、“風通しの良い”木架構の空間に切妻屋根が載る建築を考案しました。施設の場所はこちら(Google Map)。
神戸市北区の2000戸を超える神戸市営住宅の建替えPFI事業「桜の宮住宅建替事業2期」の沿道利用ゾーンの活性化施設の新築計画。
計画地は1970年に計画人口3万人弱の規模で開発された神戸市内のニュータウンの一画にあり、地域の高齢化が課題のひとつとなっていた。そこで、市営住宅の建替え事業では若年層や子育て世代の居住空間を配置するなど、団地内で幅広い世代が出会えることを目的とした大きなプロムナードや屋外家具や広場が整備された。
その中で、本施設は「暮らし賑わい施設」として位置付けられ、最寄り駅から市営住宅への動線上の玄関口として、地域の活性化や新たな地域コミュニティを生み出すことを求められた。
施設は1階を地元野菜を中心としたビュッフェのあるカフェレストラン、2階をクリニックなどの医療施設が入居するテナントフロアとして計画しており、地域における“食と健康とコミュニティのハブ”となるよう計画した。
また、施設名称「KITASUZUAHAUS」は地域住民にとっての“いえ”のような場所を目指して名付けられており、建築も大きな屋根の下に集う様子が外部空間にも滲み出ていくよう、風通しのいい木架構空間の上に大きな切妻の屋根が載っているような形態として計画した。
構造は180mm角の柱を7mスパン階高4.45mで計画し、1階の開放性を担保するため耐力壁は木のK型ブレースを採用した。また2階は外周部のみに耐力壁を配置し、500㎡を超える大空間を自由にレイアウトできるよう計画した。