吉村靖孝による、TOTOギャラリー・間での建築展「マンガアーキテクチャ――建築家の不在」。建築家の作家性を“不在”にして、7人の漫画家が吉村作品を主題に描いた“建築から発想される世界”を展示。コルシカ・川勝徳重・徳永葵・三池画丈・宇曽川正和・メグマイルランド・座二郎が手掛ける
吉村靖孝による、TOTOギャラリー・間での建築展「マンガアーキテクチャ――建築家の不在」。建築家の作家性を“不在”にして、7人の漫画家が吉村作品を主題に描いた“建築から発想される世界”を展示。コルシカ・川勝徳重・徳永葵・三池画丈・宇曽川正和・メグマイルランド・座二郎が手掛けるギャラリー1、エントランス側から中庭側を見る。 photo©architecturephoto
吉村靖孝による、TOTOギャラリー・間での建築展「マンガアーキテクチャ――建築家の不在」。建築家の作家性を“不在”にして、7人の漫画家が吉村作品を主題に描いた“建築から発想される世界”を展示。コルシカ・川勝徳重・徳永葵・三池画丈・宇曽川正和・メグマイルランド・座二郎が手掛ける中庭、「スケールフィギュアの庭」 photo©architecturephoto
吉村靖孝による、TOTOギャラリー・間での建築展「マンガアーキテクチャ――建築家の不在」。建築家の作家性を“不在”にして、7人の漫画家が吉村作品を主題に描いた“建築から発想される世界”を展示。コルシカ・川勝徳重・徳永葵・三池画丈・宇曽川正和・メグマイルランド・座二郎が手掛けるギャラリー2、奥側からエントランス側を見る。 photo©architecturephoto

吉村靖孝による、TOTOギャラリー・間での建築展「マンガアーキテクチャ――建築家の不在」の会場写真です。
建築家の作家性を“不在”にして、7人の漫画家が吉村作品を主題に描いた“建築から発想される世界”を展示する内容です。コルシカ・川勝徳重・徳永葵・三池画丈・宇曽川正和・メグマイルランド・座二郎が手掛けています。
会期は2025年1月16日~3月23日です。展覧会の公式サイトはこちら。また、2025年2月21日には、千代田区のイイノホールで吉村の講演会も企画されています(要事前申込:2025年2月9日締切)。

TOTOギャラリー・間では、「吉村靖孝展 マンガアーキテクチャ――建築家の不在」を開催します。

吉村靖孝氏は建築活動の初期の頃より、建築が人びとのふるまいなどの自発的な動きと、社会制度や状況など多様な社会的条件との架け橋になれるよう、両者のさまざまな関係構築を試みてきました。

たとえば、既成のテント倉庫で木造建築を覆うことで、大きな一室空間の下で子どもがのびのびと過ごせる子育て支援施設を実現した「フクマスベース」(2016年)、建築を不動産と動産のあいだととらえ、土地に縛られずに住む場所の選択ができる生活を仮想した「半動産建築」の「ホームトゥーゴー#001」(2019年)、人間だけでなく動物もともに幸せな人生を送れるアニマル・ウェルフェア社会を構想した「滝ヶ原チキンビレジ」(2021年)など、これから日本が直面する人口減少社会における、新しい住まいや暮らしのあり方を模索しています。

吉村氏が探究するこれら現代社会における建築の拡張性をさらに進めるために、仮に建築家個人の作家性を「不在」にしたら何が起きるのか? 氏が自らの作品を題材に、本展覧会を通して問いかけます。

本展では、吉村氏の7つのプロジェクトを異なる漫画家が7つのストーリーとして描き下ろすことにより、建築の新たな解釈の可能性を探ります。二次元の絵画表現の中でも特に独自の発達を遂げ、私たちの日常生活にも馴染み深いものとなった漫画の世界。漫画が建築と出逢い、建築家の手を離れた先に描かれるものはなにか。建築と漫画のコラボレーションによって生まれるものを、発見していただければ幸いです。

リリーステキストより
元木大輔 / DDAAによる、東京・千代田区のオフィス「HAKUHODO Gravity」。新築ビルの二つの階での計画。現代の労働環境に求められる“複雑な状況”に応える為、多様な選択肢が“相互に関係しながら機能”する空間を志向。合理性も考慮して既存のフロア材を転用した家具等で場を作り上げる
元木大輔 / DDAAによる、東京・千代田区のオフィス「HAKUHODO Gravity」。新築ビルの二つの階での計画。現代の労働環境に求められる“複雑な状況”に応える為、多様な選択肢が“相互に関係しながら機能”する空間を志向。合理性も考慮して既存のフロア材を転用した家具等で場を作り上げる下階、受付の横にあるラウンジ photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる、東京・千代田区のオフィス「HAKUHODO Gravity」。新築ビルの二つの階での計画。現代の労働環境に求められる“複雑な状況”に応える為、多様な選択肢が“相互に関係しながら機能”する空間を志向。合理性も考慮して既存のフロア材を転用した家具等で場を作り上げる下階、ワークスペース photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる、東京・千代田区のオフィス「HAKUHODO Gravity」。新築ビルの二つの階での計画。現代の労働環境に求められる“複雑な状況”に応える為、多様な選択肢が“相互に関係しながら機能”する空間を志向。合理性も考慮して既存のフロア材を転用した家具等で場を作り上げる上階、プレゼンルーム photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる、東京・千代田区のオフィス「HAKUHODO Gravity」。新築ビルの二つの階での計画。現代の労働環境に求められる“複雑な状況”に応える為、多様な選択肢が“相互に関係しながら機能”する空間を志向。合理性も考慮して既存のフロア材を転用した家具等で場を作り上げる下階、ラウンジ内の個室と家具 photo©Kenta Hasegawa

元木大輔 / DDAAが設計した、東京・千代田区のオフィス「HAKUHODO Gravity」です。
新築ビルの二つの階での計画です。建築家は、現代の労働環境に求められる“複雑な状況”に応える為、多様な選択肢が“相互に関係しながら機能”する空間を志向しました。そして、合理性も考慮して既存のフロア材を転用した家具等で場を作り上げました。

オフィスとはなんだろう。
コロナ禍を経て、オンラインミーティングやリモートワークがとても日常的になった。通信環境の充実によってどこでも仕事ができるようになり、家とオフィスの境界はあいまいになっていき、オフィスの存在意義や定義がどんどん難しくなっている。

家で仕事ができれば通勤時間はなくなり、より自由に時間を使えるようになる一方で、公私の境界が曖昧になりオンとオフの切り替えに悩まされる。人間関係のない気兼ねなさを謳歌する一方で、人とのコミュニケーションを切望する。人との繋がりや誰かに相談できる環境を求める人もいれば、1人で黙々と作業をしたい人もいる。音楽をかけたい人もいれば、耳栓をすることで集中力が増す人もいるし、明るい空間が好きな人もいれば、暗い方が良いという人もいる。

建築家によるテキストより

博報堂Gravityはファッション・ラグジュアリー・ライフスタイル業界に特化した広告会社である。
彼らの新しいオフィスを考える上で、「mingle」というキーワードがクライアントからあがった。mingleとは、一緒になる、出会って何かが生まれる、それぞれの特質を失わせない状態で混ぜ合わせる、一つにする…といった意味がある。できたてのカフェラテのように、いくつかの色がマーブル状に混在している状態を表す言葉としてぴったりだと思った。

今回のプロジェクトは新築ビルへのオフィス移転計画だ。移転先のビルは典型的なオフィスビルではあるものの、コロナ禍以降の考え方が色濃く反映されていて、柱裏のカーテンウォールが通風のために開閉することができ、各フロアにはテラスがあり、さらにほぼ4面から採光を得ることができ、窓の外からは皇居の緑が見える。この風通しと光環境の良さを活かして、様々な機能がグラデーション状に繋がっている状態をデザインしたいと考えた。

建築家によるテキストより

コロナ禍を経て通信環境の充実した現代にあって、わざわざ会社に行くのは、コミュニケーションの機会を増やすということと、家より充実した選択肢がある場所だからだ。そこで、まずは選択肢の充実を図るべく、オフィスでの過ごし方の可能性を羅列してみることにした。例えば下記のようなスペースだ。

・家のような個室で他人の視線を気にせず作業する
・誰かと共有した空間で作業する
・ちらかすことができる
・隣の作業を見ることができる
・キッチンでコーヒーやお茶を淹れる
・だらだらしたりリラックスしたりする
・足を伸ばす
・雑談する
・他のチームの活動を横目に見る
・喫煙所のような”裏”で休憩する
・大きなテーブルでディスカッションする
・大勢で集まってイベントを行う
・狭い場所に籠る…….

ここに並べた例はほんの一部だが、こうして出てきた選択肢を俯瞰して眺めると、個人とチーム、集中とリラックスの軸でまとめることができそうだと気づいた。これらの相反する環境をそれぞれ独立して配置するのではなく、大きなワンルームの中で互いに関係しながら機能するような状態を目指して平面計画をスタディした。

建築家によるテキストより

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