スノヘッタによる、中国の「杭州チエンタン湾美術館」。湾岸開発の中核となる施設。芸術と文化の波や運動を空間的に解釈して、自然と芸術が交わる“想像力の扉”となる存在を志向。橋の形や機能も参照した“波の様なヴォリューム”で周囲と滑らかに繋がる建築を考案
スノヘッタによる、中国の「杭州チエンタン湾美術館」。湾岸開発の中核となる施設。芸術と文化の波や運動を空間的に解釈して、自然と芸術が交わる“想像力の扉”となる存在を志向。橋の形や機能も参照した“波の様なヴォリューム”で周囲と滑らかに繋がる建築を考案 image©ATCHAIN & Snohetta
スノヘッタによる、中国の「杭州チエンタン湾美術館」。湾岸開発の中核となる施設。芸術と文化の波や運動を空間的に解釈して、自然と芸術が交わる“想像力の扉”となる存在を志向。橋の形や機能も参照した“波の様なヴォリューム”で周囲と滑らかに繋がる建築を考案 image©ATCHAIN & Snohetta
スノヘッタによる、中国の「杭州チエンタン湾美術館」。湾岸開発の中核となる施設。芸術と文化の波や運動を空間的に解釈して、自然と芸術が交わる“想像力の扉”となる存在を志向。橋の形や機能も参照した“波の様なヴォリューム”で周囲と滑らかに繋がる建築を考案 image©ATCHAIN & Snohetta

スノヘッタによる、中国の「杭州チエンタン湾美術館(Hangzhou Qiantang Bay Art Museum)」です。
湾岸開発の中核となる施設の計画です。建築家は、芸術と文化の波や運動を空間的に解釈して、自然と芸術が交わる“想像力の扉”となる存在を志向しました。そして、橋の形や機能も参照した“波の様なヴォリューム”で周囲と滑らかに繋がる建築を考案しました。


こちらは建築家によるテキストです(翻訳:アーキテクチャーフォト / 原文は末尾に掲載)

スノヘッタが「杭州チエンタン湾美術館」の設計コンペに勝利

スノヘッタが、杭州のショウザン区にあるチエンタン湾未来本部開発プロジェクトの中核となる美術館の設計コンペに勝利しました。スノヘッタの勝利したコンセプトは、水辺と都市のスカイラインの両方に面したこの壮大な敷地を称えるとともに、時間と芸術との関係という概念に共鳴しています。このデザインは、芸術と文化の波や運動の空間的な解釈であり、自然と芸術が交わる想像力の扉としてこの施設を構想しています。

この18,000㎡のランドマークは、チエンタン川沿いに進められている杭州の野心的な都心開発計画の一部です。チエンタン川と中央水系の合流点という戦略的な場所に位置し、至近に地下鉄のアクセスを備えたこの美術館は、際立った見晴らしの地点を提供し、訪れる人々に一方の水路から他方の水路まで広がる雄大な景色を見渡すことを可能にします。スノヘッタは、水路の流動性を創造の触媒と解釈し、地区の中央水系に沿った文化施設群から象徴的なゲートウェイを通ってチエンタン川へと流れる、創造性と芸術に満ちた活気ある道筋を形づくっています。それにより、杭州の未来に新たな活力を吹き込んでいます。

橋の流れるような形状と接続機能に着想を得て、この建物のデザインは、波のような2つのヴォリュームの形をしています。このダイナミックな構成は、あらゆる動線を中央の結節点に織り込むだけでなく、活気ある公共領域も創出しています。潮のリズムのようにうねるランドスケープは、来訪者を敷地の中心にあるゲートウェイへ、そして川と都市のパノラマビューを望む屋上テラスへと続く、探検のような旅へ導きます。そして、それが二つの水路の間にあるコミュニティを活性化させます。

【ap job更新】 公益財団法人 窓研究所が、カナダ建築センターと共同実施するプログラムのフェローを募集中
【ap job更新】 公益財団法人 窓研究所が、カナダ建築センターと共同実施するプログラムのフェローを募集中
【ap job更新】 公益財団法人 窓研究所が、カナダ建築センターと共同実施するプログラムのフェローを募集中Naoyo Hatakeyama, View of the Bookstore, Montreal, 2007, CCA. © Naoya Hatakeyama

公益財団法人 窓研究所の、カナダ建築センターと共同実施するプログラムのフェロー募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

※本件は雇用契約に基づく求人ではなく、研究支援を目的としたフェロー募集に関するご案内です。

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公益財団法人 窓研究所は、カナダ建築センター(CCA)と共同で、建築や都市に関するリサーチフェローシッププログラム「CCA–WRI Research Fellowship Program」を実施しています。このたび、2026年度フェローの公募を開始しました。

今回の公募では、「Vacancy(空き)」をテーマに、CCAで最長3か月のリサーチ滞在に取り組むフェローを募集します。採択者には支援金のほか、渡航費・ビザ関連費用などのサポートを行います。

【公募テーマ】
Vacancy(空き)

都市や農村における空き地・空き家に着目し、地域の暮らしや社会との関わりから「Vacancy」を考察するリサーチやプロジェクトを歓迎します。アプローチの形式は問いません。

【ap Masterpiece】OMAによる、オランダ・ロッテルダムの美術館「クンストハル」(1992年)
【ap Masterpiece】OMAによる、オランダ・ロッテルダムの美術館「クンストハル」(1992年) photograph by Delfino Sisto Legnani and Marco Cappelletti, courtesy of OMA
【ap Masterpiece】OMAによる、オランダ・ロッテルダムの美術館「クンストハル」(1992年) photograph by Delfino Sisto Legnani and Marco Cappelletti, courtesy of OMA
【ap Masterpiece】OMAによる、オランダ・ロッテルダムの美術館「クンストハル」(1992年) photograph by Delfino Sisto Legnani and Marco Cappelletti, courtesy of OMA
【ap Masterpiece】OMAによる、オランダ・ロッテルダムの美術館「クンストハル」(1992年) photograph by Delfino Sisto Legnani and Marco Cappelletti, courtesy of OMA

「ap Masterpiece」は、世界中に存在する名作と言える建築を、アーキテクチャーフォトのウェブサイト上で紹介するシリーズです。

OMAが設計した、オランダ・ロッテルダムの美術館「クンストハル」(1992年)です。
また、本建築は2014年にOMA自身の設計でリノベーションされています。本記事では、1999年と2017年に撮影された写真を掲載します。施設の場所はこちら(Google Map)。


こちらは建築家によるテキストです(翻訳:アーキテクチャーフォト / 原文は末尾に掲載)

クンストハルは、3300平方メートルの展示スペース、講堂、レストランをコンパクトなデザインに一体化しています。傾斜のある床面と綿密に配置された一連のスロープが、三つの大規模な展示ホールと二つの親密なギャラリーをシームレスにつないでいます。にぎやかな幹線道路と、「ミュージアム・パーク」として知られる博物館と緑地のネットワークの間に挟まれた立地により、クンストハルはロッテルダムで最も価値のある文化施設への玄関口として機能しています。この計画では、共同でも個別でも利用可能な三つの主要な展示スペース、講堂、そして独立して出入り可能なレストランが求められていました。

この敷地は二重の性格を持っています。南側の端は堤防の上を走る幹線道路「マースブールバール」に接しています。一段低くなった北側は、ミュージアム・パークに面しており、そこには従来的な鑑賞の空間が広がっています。

この建物は、二つの通路が交差する正方形として構想されました。一つはマースブールバールに平行して東西に走る道路、もう一つはミュージアム・パークの南北軸を延長する公共のスロープです。このような前提と、交差する通路によって正方形が四つの区画に分割されるという事実から、課題となったのは、四つの独立したプロジェクトとして美術館をいかに設計するかということでした。それは。互いに矛盾する体験の連続でありながら、それでもなお連続した螺旋を形成するということです。言い換えれば、四つの独立した正方形の中に、どのようにして螺旋を想像するかということです。この建物のコンセプトは、連続する回路(サーキット)です。

歩行者用スロープは分割されており、ガラスの壁が、一般に開放された外側と、回路の一部である内側とを隔てています。並行して逆方向に走る第二のスロープは、講堂を収容するために段状にされており、その下にはレストランがあります。二つのスロープが交差するレベルに、メインエントランスが設けられています。そこから来館者は、ミュージアム・パークへ下り、堤防の高さへ上がる第二のスロープへと進みます。

第一のホールに近づくと、階段と視界が遮られた空間に出会い、その景色は徐々に明らかになります。そして、木の柱のような構造が並ぶ風景が、緑を背景に映し出され、公園側のファサードに使われたさまざまな種類のガラスによって縁取られ、ときには歪められて見えるのです。そこから内部のスロープをたどると、第2のホールへと導かれます。そこは大通りに面した、空からの光が差し込む広々とした空間です。屋上庭園に沿って伸びる第三のスロープは、より親密で天井の低いホールへと続き、さらにその先には屋上テラスがあります。

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