SHARE 特集”ミラー&マランタ”、スピルガーテンの老人ホーム / 2004-2006
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以下、建築家によるテキストです。
チューリッヒのアルトステッテンにあるスピルガーテン老人ホームを設計するにあたって、達成すべき2つの目標があった 。一つは、この施設のアイデンティティを示すために独立し、また自立しているような建ち方を見つけること、もう一つはそれと同時にこの建物をこの地域にある1950年代から続く都市的な発達の建築的な記憶と関係づけることで、アルトステッテンの中心部と建築的になじませるようにすることである。
新しい建物は、周辺の建物それぞれの粒子や大きさに対してボリュームによって反応している。スピルガーテン通りに面した側においては、前庭を含んでおり道に直接面しているのはほんの一部分である。一方バーデナー通りに対しては、周辺の既存の建物になじむようにファサードを合わせて建っている。上階は中廊下型の両側に居室がある配置となっていて、階段は前庭を眺めることのできるラウンジに直接つながっている。居室部分では入るとまず最初に前室があり、そこからバスルーム、キッチンなどそれぞれの部屋につながっている。最上階ではより手厚い介護が必要な人たちのためのユニットがあって、前庭に面している共有のダイニングルームのテラスを取り囲むように配置されている。(翻訳:伊藤達信)
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