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山本健悟建築設計室による、愛知・蒲郡市の住宅「I邸」。分譲地の旗竿敷地に計画。周辺の日照への配慮と断面のプロポーションを考慮し、環境の中に埋まる様に存在する“慎ましさ”と“安心感”を持つ建築を設計。内部の高低差のある勾配天井は空間に“奥行”も与える
山本健悟建築設計室による、愛知・蒲郡市の住宅「I邸」。分譲地の旗竿敷地に計画。周辺の日照への配慮と断面のプロポーションを考慮し、環境の中に埋まる様に存在する“慎ましさ”と“安心感”を持つ建築を設計。内部の高低差のある勾配天井は空間に“奥行”も与える外観、隣地より見る。 photo©朴の木写真室 木村昂貴
山本健悟建築設計室による、愛知・蒲郡市の住宅「I邸」。分譲地の旗竿敷地に計画。周辺の日照への配慮と断面のプロポーションを考慮し、環境の中に埋まる様に存在する“慎ましさ”と“安心感”を持つ建築を設計。内部の高低差のある勾配天井は空間に“奥行”も与えるアプローチ photo©朴の木写真室 木村昂貴
山本健悟建築設計室による、愛知・蒲郡市の住宅「I邸」。分譲地の旗竿敷地に計画。周辺の日照への配慮と断面のプロポーションを考慮し、環境の中に埋まる様に存在する“慎ましさ”と“安心感”を持つ建築を設計。内部の高低差のある勾配天井は空間に“奥行”も与えるキッチンからLDKを見る。 photo©朴の木写真室 木村昂貴
山本健悟建築設計室による、愛知・蒲郡市の住宅「I邸」。分譲地の旗竿敷地に計画。周辺の日照への配慮と断面のプロポーションを考慮し、環境の中に埋まる様に存在する“慎ましさ”と“安心感”を持つ建築を設計。内部の高低差のある勾配天井は空間に“奥行”も与えるLDK photo©朴の木写真室 木村昂貴

山本健悟建築設計室が設計した、愛知・蒲郡市の住宅「I邸」です。
分譲地の旗竿敷地に計画されました。建築家は、周辺の日照への配慮と断面のプロポーションを考慮し、環境の中に埋まる様に存在する“慎ましさ”と“安心感”を持つ建築を設計しました。また、内部の高低差のある勾配天井は空間に“奥行”を与える事も意図されました。

本物件は元々建っていた大規模な建築物が解体されて9区画に分けて切り売りされた旗竿地に建つ木造住宅である。

建築家によるテキストより

まずは外部環境への配慮として近隣住宅への日照への配慮、断面のプロポーション、駐車動線の確保の3点を軸に平面配置及び断面計画を検討した。建築不可の条件が付いた3m幅の車両侵入路を駐車スペースとし、水下側の高さを必要最小限で設定し、そこから緩勾配で母屋の屋根とつながる設計とすることで既存の建物の中に埋まるように低く小さく存在しながら、慎ましくも安心感のある落ち着いた建物となったと感じている。

建築家によるテキストより

内部空間は天井を屋根に合わせた勾配天井で高低差を演出すると共にダウンライトを使用しない事で、天井面からの刺激を視覚的にも感覚的にも最小限に抑えた。 
結果として広がりと奥行のある情緒ある空間を形成している。

建築家によるテキストより
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作るエントランス photo©枦木功
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作るLDKからキッチンを見る。 photo©枦木功
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作るキッチンとゲストルームを繋ぐ床部分の詳細 photo©枦木功

麻生征太郎建築設計が設計した、東京・大田区の「K邸」です。
外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画です。建築家は、階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向しました。そして、カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作りだしました。

コーポラティブハウス一住戸のインテリアデザインの計画である。

建築家によるテキストより

計画対象の住戸区画は建物最上階で、上階がルーフバルコニーのため、区画内にはそちらへ上がる階段のボリュームが現れていた。それはこの区画だけが持つ特徴であったが、「なかったらもうちょっと広く使えるのにな」と思うくらいの存在感を持っていた。これをポジティブなものとしたい。そこで階段自体の形とは全く無関係に曲面で覆ってしまうことにした。

建築家によるテキストより

階段にならい、機能を持ったカーブのある立体(エントランス脇のシューズインクローゼット 、トイレ・浴室などの水回り、主寝室と収納)を区画内に配置し、空いた部分をひとつながりの主室(LDK)とした。
4つの立体には、外周部の仕上げとは異なる、少しざらっとした質感と、淡い色味を与え、この住戸を特徴づける存在として位置付けた。これらに取り付く建具の木枠や巾木はなくし、曲面と合わせて、手前と奥を視覚的にも繋ぐ役割を持たせる。階段ボリュームも空間構成に積極的に参加させる。

建築家によるテキストより
佐藤可士和 / SAMURAIと竹中工務店による、神奈川の「GLP ALFALINK相模原」。総延床約67万㎡の物流拠点施設。存在意義の再定義と既存イメージの刷新を目指し、建物をブランディングの重要な“メディア”と捉えた設計を志向。情報や建築を開いて地域と企業に好循環を生む“共創”の場を作る
佐藤可士和 / SAMURAIと竹中工務店による、神奈川の「GLP ALFALINK相模原」。総延床約67万㎡の物流拠点施設。存在意義の再定義と既存イメージの刷新を目指し、建物をブランディングの重要な“メディア”と捉えた設計を志向。情報や建築を開いて地域と企業に好循環を生む“共創”の場を作る施設全体、鳥瞰、夜景 photo©太田拓実
佐藤可士和 / SAMURAIと竹中工務店による、神奈川の「GLP ALFALINK相模原」。総延床約67万㎡の物流拠点施設。存在意義の再定義と既存イメージの刷新を目指し、建物をブランディングの重要な“メディア”と捉えた設計を志向。情報や建築を開いて地域と企業に好循環を生む“共創”の場を作るロゴのオブジェ photo©太田拓実
佐藤可士和 / SAMURAIと竹中工務店による、神奈川の「GLP ALFALINK相模原」。総延床約67万㎡の物流拠点施設。存在意義の再定義と既存イメージの刷新を目指し、建物をブランディングの重要な“メディア”と捉えた設計を志向。情報や建築を開いて地域と企業に好循環を生む“共創”の場を作るアプローチから共用施設棟を見る。 photo©太田拓実

佐藤可士和 / SAMURAI竹中工務店による、神奈川の「GLP ALFALINK相模原」です。
総延床約67万㎡の物流拠点施設の計画です。プロジェクトチームは、存在意義の再定義と既存イメージの刷新を目指し、建物をブランディングの重要な“メディア”と捉えた設計を志向しました。そして、情報や建築を開いて地域と企業に好循環を生む“共創”の場を作る事も意図されました。施主企業の公式サイトはこちら
本作品では、佐藤可士和(SAMURAI)がクリエイティブディレクター、齊藤良博(SAMURAI)と竹中工務店が設計を担当しています(詳細なクレジットは末尾に掲載されています)。

日本GLPが展開する、総延床面積約67万㎡超を誇る日本最大級の最先端物流拠点「GLP ALFALINK相模原」のトータルプロデュースを手がけた。コンセプト開発、ネーミング、ロゴ、共用施設棟「RING」、ランドスケープのデザイン監修までトータルにブランディングのディレクション、デザインを行った。

プロジェクトに関するテキストより

近年、物流は社会のインフラとなりその重要性が増す一方で、地域とのつながり・テクロジーの進化への対応・人材確保などが大きな社会課題となっている。日本GLPは日本最大級のこの多機能大型物流拠点をフラッグシップ施設と位置付け、物流の存在意義を再定義し、既存イメージを刷新するようなプロジェクトの総指揮を佐藤可士和に託した。

プロジェクトに関するテキストより

「OPEN HUB」をコンセプトとして掲げ、情報発信から建築まであらゆるレイヤーで、地域や社会に対して開かれた次世代の物流のあり方を追求。豊かな日常の一部となり、人・モノ・情報が交わる共創のコミュニティを目指した。ここで言う共創とは、「地域との共創」「カスタマー企業同士の共創」の2つを指す。市民に愛される憩いの場となると同時に、カスタマー企業にとっては新たな出会いや交流、ビジネス機会が次々と生まれる場となる。そのあり方を「創造連鎖する物流プラットフォーム」というタグラインで規定し、様々なクリエイションを展開している。

プロジェクトに関するテキストより
【ap job更新】 自然環境が豊かな場所での住宅や別荘等を手掛ける「株式会社セルスペース」が、設計スタッフ(経験者・既卒)と、アルバイト、非常勤広報を募集中
【ap job更新】 自然環境が豊かな場所での住宅や別荘等を手掛ける「株式会社セルスペース」が、設計スタッフ(経験者・既卒)と、アルバイト、非常勤広報を募集中
【ap job更新】 自然環境が豊かな場所での住宅や別荘等を手掛ける「株式会社セルスペース」が、設計スタッフ(経験者・既卒)と、アルバイト、非常勤広報を募集中L型キャンチレバーの家

自然環境が豊かな場所での住宅や別荘等を手掛ける「株式会社セルスペース」の、設計スタッフ(経験者・既卒)と、アルバイト、非常勤広報募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

セルスペースでは設計スタッフを募集しています。

自然環境が豊かなところでの住宅や別荘、保養所、商業施設、共同住宅等のプロジェクトを多数手がけています。
幅広い世代の様々なクライアントと対話を重ねながら設計を進めています。

事務所のミッションは、建築を通して自然とつながる環境を作ることで、日々の生活を通して人生をより実り豊かなものにすることです。
多様な価値観をもつ意欲ある人材が集まり、クリエイティビティを発揮する場にしたいと考えています。

長く一緒に仕事ができるように、働き方、給与、体制などは柔軟に考慮致します。

大滝雄二郎 / YUJIRO OTAKIによる、東京・原宿の、飲食店「DIG THE LINE DOORS」。商業施設の奥まった区画のクラフトビールを扱う店。通行人の足を止める“ひき”の創出を求め、白い内装に青緑色の“象徴的”な什器を中央配置した空間を考案。キーカラーはビールにとって大切な“水”をイメージ
大滝雄二郎 / YUJIRO OTAKIによる、東京・原宿の、飲食店「DIG THE LINE DOORS」。商業施設の奥まった区画のクラフトビールを扱う店。通行人の足を止める“ひき”の創出を求め、白い内装に青緑色の“象徴的”な什器を中央配置した空間を考案。キーカラーはビールにとって大切な“水”をイメージ photo©Kenta Hasegawa
大滝雄二郎 / YUJIRO OTAKIによる、東京・原宿の、飲食店「DIG THE LINE DOORS」。商業施設の奥まった区画のクラフトビールを扱う店。通行人の足を止める“ひき”の創出を求め、白い内装に青緑色の“象徴的”な什器を中央配置した空間を考案。キーカラーはビールにとって大切な“水”をイメージ photo©Kenta Hasegawa
大滝雄二郎 / YUJIRO OTAKIによる、東京・原宿の、飲食店「DIG THE LINE DOORS」。商業施設の奥まった区画のクラフトビールを扱う店。通行人の足を止める“ひき”の創出を求め、白い内装に青緑色の“象徴的”な什器を中央配置した空間を考案。キーカラーはビールにとって大切な“水”をイメージ photo©Kenta Hasegawa

大滝雄二郎 / YUJIRO OTAKIが設計した、東京・原宿の、飲食店「DIG THE LINE DOORS」です。
商業施設の奥まった区画のクラフトビールを扱う店の計画です。デザイナーは、通行人の足を止める“ひき”の創出を求め、白い内装に青緑色の“象徴的”な什器を中央配置した空間を考案しました。また、キーカラーはビールにとって大切な“水”をイメージしています。店舗の公式サイトはこちら

国内外のクラフトビールを取り扱う「DIG THE LINE」の新店舗「DIG THE LINE DOORS」の内装計画です。

建築家によるテキストより

東京、原宿の商業施設「WITH HARAJUKU」の奥まった場所にあるこの区画は知っている人しか行かない、通ってもお店に強い惹きがなければ通り過ぎてしまうような場所でした。また、ポップアップ専用の区画のため床壁天井は現状から変更出来ず、区画には既にモルタルのカウンターが用意された状態でした。

建築家によるテキストより

通った人の目を引くよう中央に象徴的なビールタップ、ショーケースを配置することにしました。
DIG THE LINEが扱うクラフトビールは水が大切な要素の商品です。そこで水の色をイメージしたブルーグリーンの塗装を空間の中心となるこの什器に採用しました。ステンレスにグラデーションの塗装を施した什器はホワイトキューブの空間とコントラストを生み、通りがかった人の目を引きます。その周りに配置したテーブルやベンチはグレーの塗装としており、中央の什器をさらに強調するようにしています。

建築家によるテキストより
隈研吾が校長を務める「高知県立林業大学校」が、2023年度のオープンキャンパスの申込を受付中。CLTを活用した木造校舎や林業機械の本格的な実演などが見学可能
隈研吾が校長を務める「高知県立林業大学校」が、2023年度のオープンキャンパスの申込を受付中。CLTを活用した木造校舎や林業機械の本格的な実演などが見学可能

隈研吾が校長を務める「高知県立林業大学校」が、2023年度のオープンキャンパスの申込を受付中です。
CLTを活用した木造校舎や、林業機械の本格的な実演などが見学可能なイベントです。2023年8月5日(土)の午前・午後の計2回の開催で、定員は各回50名(先着順)です。こちらのページからの事前申込制で2023年8月1日(火)必着となっています。また事前にご連絡すれば、いつでも見学・説明OKな「エブリデイオープンキャンパス(要予約)」も実施中。【ap・ad】

校長を務める世界的な建築家 隈研吾氏からのメッセージ

「木の時代」をリードする志ある人材を育成

森林が県土の84%を占め、林業の中心地とも言える高知県で学ぶということは、非常に意味のあることだと思っています。周囲の森と一体になったこの素晴らしい環境に立地する本校は、高知県が林業・木材産業をいかに重要視しているかの象徴です。私が校長就任時に掲げた「林業を再生し、活性化するプラットフォーム」というビジョンは、すでに形になりつつあります。木に関する多様な領域を合わせるプラットフォームは、世界から見ても非常に貴重な存在であり、本校から巣立った人材は、高知県のみならず、日本全国、そして世界の「木の産業」にとって、重要な人材となります。21世紀は木の世紀・木の時代が来ると、私は予測してきました。本校で学ぶ人は木の時代のリーダーになれる人だと思っています。木の時代を担っていく人材という自覚を持って、互いに切磋琢磨していただきたい。志を持った皆さん、日本一の高知県の森で、共に学び、成長していきましょう

詳細は以下でどうぞ。

川原達也+エレン・クリスティナ・クラウゼ / KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTSによる、ドイツでの建築展の会場構成「The Entire City」。市主催の5年半200以上のコンペを扱う展示。応募作を“すべて”見せる方針を考案し、膨大な図面の中でアイデアを“身体的”に経験する空間を志向。浮遊する“アーカイブ”の間にテーマ展示も設けて議論を促す
川原達也+エレン・クリスティナ・クラウゼ / KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTSによる、ドイツでの建築展の会場構成「The Entire City」。市主催の5年半200以上のコンペを扱う展示。応募作を“すべて”見せる方針を考案し、膨大な図面の中でアイデアを“身体的”に経験する空間を志向。浮遊する“アーカイブ”の間にテーマ展示も設けて議論を促す photo©Jan Lewandowski
川原達也+エレン・クリスティナ・クラウゼ / KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTSによる、ドイツでの建築展の会場構成「The Entire City」。市主催の5年半200以上のコンペを扱う展示。応募作を“すべて”見せる方針を考案し、膨大な図面の中でアイデアを“身体的”に経験する空間を志向。浮遊する“アーカイブ”の間にテーマ展示も設けて議論を促す photo©KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTS
川原達也+エレン・クリスティナ・クラウゼ / KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTSによる、ドイツでの建築展の会場構成「The Entire City」。市主催の5年半200以上のコンペを扱う展示。応募作を“すべて”見せる方針を考案し、膨大な図面の中でアイデアを“身体的”に経験する空間を志向。浮遊する“アーカイブ”の間にテーマ展示も設けて議論を促す photo©KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTS
川原達也+エレン・クリスティナ・クラウゼ / KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTSによる、ドイツでの建築展の会場構成「The Entire City」。市主催の5年半200以上のコンペを扱う展示。応募作を“すべて”見せる方針を考案し、膨大な図面の中でアイデアを“身体的”に経験する空間を志向。浮遊する“アーカイブ”の間にテーマ展示も設けて議論を促す photo©KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTS

川原達也+エレン・クリスティナ・クラウゼ / KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTSによる、ドイツでの建築展の会場構成「The Entire City」です。
ハンブルク市主催の5年半200以上のコンペを扱う展示です。建築家たちは、応募作を“すべて”見せる方針を考案し、膨大な図面の中でアイデアを“身体的”に経験する空間を志向しました。また、浮遊する“アーカイブ”の間にテーマ展示も設けて議論を促す事が意図されました。展覧会の公式サイトはこちら。会期は2023年7月14日まで。

ハンブルク市は2017年末よりFranz-Josef Hoing氏を新しい都市・建築監督官(Oberbaudirektor)として迎えてから2023年までの5年半の間に大小200以上のコンペに関与しまた主催もしてきました。しかし新型コロナウィルスの影響で通常のような展覧会が開催できずにいたところ、設計競技に参加したアーキテクトをはじめ様々な方面から結果発表や議論の場を設けてほしいとの声が上がり、これを受けてハンブルク市は今年のハンブルク建築トリエンナーレにおいて設計競技をテーマに大きな展覧会を開催することを決定しました。

この展覧会のキュレーションおよび会場構成が公募され、われわれKAWAHARA KRAUSE ARCHITECTSと元Bauwelt副編集長のKaye Geipel氏をキュレーターとし、さらにグラフィックデザイナーのstrobo B M、コミュニケーションエイジェンシーのBUREAU Nを加えたチームが2段階の設計競技の末に選定されました。

建築家によるテキストより

200もの設計競技の中から、どれをどんな基準で選び出し、それらをどのようにグルーピングし、いかなるテーマを設けて展覧会を構成するのかという問いかけに、われわれは「すべて」を見せますという回答を提出しました。

200の設計競技に提出されたアイデアの総数は1500におよび、図面の数にして6000枚以上になります。この図面そのものを,展覧会を構成する主要なマテリアルとして使用することにし、その膨大な量の図面の中を歩くことで圧倒的な数のアイデアをフィジカルに経験してもらうことをアイデアの主要な軸としました。

建築家によるテキストより

すべての図面を展示するということは、言い換えるとアーカイブを構築する作業であることに思い至り、それからはグラフィックデザイナーとともに、それぞれのコンペに、参加チームに、そして提出図面の一枚一枚に固有のコードを与え、勝者敗者に関わらず、年代順、アルファベット順にひたすらドライに並べていくという作業に徹しました。

市が会場として用意したのはハーフェンシティーに残る最後の古い倉庫で、その圧倒的なスケールと、床がどこまでも続くようなこの広大な空間の特徴を生かせるよう、床を区切らずに足元を浮かせた、浮遊するアーカイブを構築することにしました。コードが与えられ整然と図面がレイアウトされた幅90センチ高さ3メートルの細長い垂れ幕は、その総数1100以上におよび、それらが集合して幅54メートル奥行き60メートルの巨大な浮遊するアーカイブを形成しています。

建築家によるテキストより
長谷川欣則+堀越ふみ江 / UENOA architectsによる、東京・台東区の店舗「Triangle蔵前店」。約7㎡の持帰り専門のソフトクリーム店。既存窓が外観になる様な条件に、店名をイメージした“三角形の金属板”で“旗”等を想起させる図案を壁に施す計画を考案。内部は“銀色”で塗装して移ろう街の様子も映す
長谷川欣則+堀越ふみ江 / UENOA architectsによる、東京・台東区の店舗「Triangle蔵前店」。約7㎡の持帰り専門のソフトクリーム店。既存窓が外観になる様な条件に、店名をイメージした“三角形の金属板”で“旗”等を想起させる図案を壁に施す計画を考案。内部は“銀色”で塗装して移ろう街の様子も映す photo©Naomichi Sode
長谷川欣則+堀越ふみ江 / UENOA architectsによる、東京・台東区の店舗「Triangle蔵前店」。約7㎡の持帰り専門のソフトクリーム店。既存窓が外観になる様な条件に、店名をイメージした“三角形の金属板”で“旗”等を想起させる図案を壁に施す計画を考案。内部は“銀色”で塗装して移ろう街の様子も映す photo©Naomichi Sode
長谷川欣則+堀越ふみ江 / UENOA architectsによる、東京・台東区の店舗「Triangle蔵前店」。約7㎡の持帰り専門のソフトクリーム店。既存窓が外観になる様な条件に、店名をイメージした“三角形の金属板”で“旗”等を想起させる図案を壁に施す計画を考案。内部は“銀色”で塗装して移ろう街の様子も映す photo©Naomichi Sode

長谷川欣則+堀越ふみ江 / UENOA architectsが設計した、東京・台東区の店舗「Triangle蔵前店」です。
約7㎡の持帰り専門のソフトクリーム店の計画です。建築家は、既存窓が外観になる様な条件に、店名をイメージした“三角形の金属板”で“旗”等を想起させる図案を壁に施す計画を考案しました。また、内部は“銀色”で塗装して移ろう街の様子も映す事も意図されました。店舗の公式ページはこちら

台東区蔵前にある印刷会社の1階を改装してテイクアウト専門のソフトクリーム屋を計画しました。

建築家によるテキストより

既存建物の窓の1つがお店の外観になるような小さな計画です。
既存外壁のタイルに店名の「Triangle」をイメージした小さな三角形のアルミ板を貼ることで、電柱にかかった旗のように見えるアイデアを考えました。また見方によっては小さな窓の上部に灯る照明の光のようにも見える計画です。

建築家によるテキストより

店内は限られた面積のため、壁厚を有効利用して間柱を意匠に見せるアイデアとしています。
間柱の片面に取り付けられた構造用合板を銀色で塗ることで、天気や時間によって変わる街の姿とささやかに呼応する壁面としました。

建築家によるテキストより
神谷修平+カミヤアーキテクツによる、福岡市の「傀藝堂」。伝統ある人形師の為のギャラリー兼住宅。地域と歴史への繋がりを求め、周辺に多数ある“Y字路”を参照して“選択肢”と“回遊性”を生む構成を考案。外部の“左官擁壁”は地区に残る江戸時代の石垣との調和も意図
神谷修平+カミヤアーキテクツによる、福岡市の「傀藝堂」。伝統ある人形師の為のギャラリー兼住宅。地域と歴史への繋がりを求め、周辺に多数ある“Y字路”を参照して“選択肢”と“回遊性”を生む構成を考案。外部の“左官擁壁”は地区に残る江戸時代の石垣との調和も意図外観 photo©太田拓実
神谷修平+カミヤアーキテクツによる、福岡市の「傀藝堂」。伝統ある人形師の為のギャラリー兼住宅。地域と歴史への繋がりを求め、周辺に多数ある“Y字路”を参照して“選択肢”と“回遊性”を生む構成を考案。外部の“左官擁壁”は地区に残る江戸時代の石垣との調和も意図外観 photo©太田拓実
神谷修平+カミヤアーキテクツによる、福岡市の「傀藝堂」。伝統ある人形師の為のギャラリー兼住宅。地域と歴史への繋がりを求め、周辺に多数ある“Y字路”を参照して“選択肢”と“回遊性”を生む構成を考案。外部の“左官擁壁”は地区に残る江戸時代の石垣との調和も意図地下1階、ギャラリー部分(展示品の無い状態)、入口からギャラリー全体を見る。 photo©太田拓実
神谷修平+カミヤアーキテクツによる、福岡市の「傀藝堂」。伝統ある人形師の為のギャラリー兼住宅。地域と歴史への繋がりを求め、周辺に多数ある“Y字路”を参照して“選択肢”と“回遊性”を生む構成を考案。外部の“左官擁壁”は地区に残る江戸時代の石垣との調和も意図地下1階、ギャラリー部分、左:ギャラリーB、右:ギャラリーA、夜景 photo©太田拓実

神谷修平+カミヤアーキテクツが設計した、福岡市の「傀藝堂(かいげいどう)」です。
伝統ある人形師の為のギャラリー兼住宅の計画です。建築家は、地域と歴史への繋がりを求め、周辺に多数ある“Y字路”を参照して“選択肢”と“回遊性”を生む構成を考案しました。また、外部の“左官擁壁”は地区に残る江戸時代の石垣との調和も意図されました。施設の公式サイトはこちら

僕らの作り出すこれからの建築は、物理的なデザインではなくクライアントと世界へ「価値」を創造するものでありたい。
九州・桜坂にある100年以上の伝統を誇る人形師・中村人形のプロジェクト「傀藝堂」もこの実践のひとつです。

建築家によるテキストより

従来、展示と販売の機会は百貨店の企画展などに限られているため、彼らは自分たちのギャラリーを作ることに決めました。またこの先の100年も続く、地域伝統に根ざした建築を望んでいました。

僕らはこれに応えるため、文字通り「地域や歴史に接続する建築」を構想しました。

建築家によるテキストより

1. この地域に特徴的なY字路を取り込みます。ギャラリーは3つのY字路で計画されており、様々な選択肢と回遊性を与え、観賞時間を自然と引き延ばすことで商業的効果を生み出します。またこれは「人」のかたちをしたアイコニックなプランとなりました。

2. 江戸時代からの石垣擁壁の連なるこの地域に調和(あるいは擬態)させる、新たな左官擁壁をデザインしました。地元筑後川の川砂利等を使い伝統的な技法左官「掻き落とし」で大きな多面体を施工することに成功しました。

3. ギャラリーの最奥部には「光の間」として上部約5mからの自然光のみの空間を用意。ハイライトとなる人形1体のための間としました。この場所の緯度経度特有の、刻々と1年中変容する自然光によって。繊細な彫刻の造形がより際立ちます。「建築家は光を操る。彫刻家は光と遊ぶ」というガウディの言葉をクライアントと共有しながらつくりあげました。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 国際色豊かな施主と共に“文化的価値”を建築を通じて 具現化する「SAAD Architects」が、設計スタッフ (既卒・経験者)、パートタイム、業務委託を募集中
【ap job更新】 国際色豊かな施主と共に“文化的価値”を建築を通じて 具現化する「SAAD Architects」が、設計スタッフ (既卒・経験者)、パートタイム、業務委託を募集中
【ap job更新】 国際色豊かな施主と共に“文化的価値”を建築を通じて 具現化する「SAAD Architects」が、設計スタッフ (既卒・経験者)、パートタイム、業務委託を募集中Fenix West

国際色豊かな施主と共に“文化的価値”を建築を通じて 具現化する「SAAD Architects」の、設計スタッフ (既卒・経験者)、パートタイム、業務委託募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

国際色豊かなクライアントと革新的な建築プロジェクトを手掛けるSAAD Architectsが設計スタッフ募集中

我々は事業拡大に伴い、実務経験者を募集しています。
様々な興味や好奇心を共有し、事務所に更なる活力を生み出していただける方、ご連絡をお待ちしております。

現在の事務所規模:代表+正社員4名、非常勤スタッフ1名、事務1名

【About】
SAAD Architectsは、日本のみならず国際色豊かなクライアントと革新的な建築プロジェクトを手がける設計事務所です。
私たちは海外で数々の賞を受賞し、高い評価を受けています。

昨今、世界規模で多くの人々が日本に関心を持ち、投資や開発、そして良質な住環境を求め移住するなど社会が大きく変わろうとしています。相互の交流を通じて新たな創造性や価値観の形成が期待されます。

私たちは文化的価値を建築を通じて具現化し、環境にふさわしい形に整えることに情熱を注いでいます。
建築の魅力と環境を融合させ、持続可能性を追求します。

また時と共に変化する「多様性」を建築の創造に活かし、時代に即した新しい建築 を目指します。現在の世界において、文化は必須的要素であり日本は独特な文化を 通じて先進国として多大な影響力を持つ国になるでしょう。

SAAD Architectsは、この文化的な界面において埋もれることなく、建築の力を通じてさらなる創造性と革新を追求し続けます。

【Who lead us】
代表である須藤朋之は自然に囲われた北海道の内浦湾の小さな町と沖縄県宮古島で幼少期を過ごし、高校卒業後アメリカとイギリスに留学。

アメリカではカリフォルニアの建築大学であるSouthern California Institute of Architecture(SCI_Arc)で学士号を習得し、設計事務所のAmphibian Arcで就業。 その後、イギリスではロンドンのArchitectural Association of School(AA(DRL)) で修士号を習得後、帰国。大学ではFrank Gehry, Asymptote, Zaha Hadidの スタジオで建築を学び、大きな影響を受ける。

AAスクールのOBでもあるフロリアン・ブッシュ建築設計事務所で多くの国際コン ペに参加。5年の就業経験を積んだ後、SAAD Architects 設立。 プロダクトから住宅、ホテル、都市開発など、多数のプロジェクトに携わる。

篠元貴之 / rhymedesignと酒井悠行 / PASSWORK DESIGNによる、愛知・春日井市の「BBQ SPOT KASUGAI」。鉄塔等に隣接する敷地のバーべキュウ場。世界観が作り難い郊外での“都市型BBQ”の成立を模索し、周囲からの自立を意図して“図式的な強い形”を用いた配置計画を考案。五角形の様な客席配置は視線の抜けも確保
篠元貴之 / rhymedesignと酒井悠行 / PASSWORK DESIGNによる、愛知・春日井市の「BBQ SPOT KASUGAI」。鉄塔等に隣接する敷地のバーべキュウ場。世界観が作り難い郊外での“都市型BBQ”の成立を模索し、周囲からの自立を意図して“図式的な強い形”を用いた配置計画を考案。五角形の様な客席配置は視線の抜けも確保 photo©古田奈津紀 Catwork
篠元貴之 / rhymedesignと酒井悠行 / PASSWORK DESIGNによる、愛知・春日井市の「BBQ SPOT KASUGAI」。鉄塔等に隣接する敷地のバーべキュウ場。世界観が作り難い郊外での“都市型BBQ”の成立を模索し、周囲からの自立を意図して“図式的な強い形”を用いた配置計画を考案。五角形の様な客席配置は視線の抜けも確保 photo©古田奈津紀 Catwork

篠元貴之 / rhymedesign酒井悠行 / PASSWORK DESIGNが設計した、愛知・春日井市の「BBQ SPOT KASUGAI」です。
鉄塔等に隣接する敷地のバーべキュウ場です。建築家は、世界観が作り難い郊外での“都市型BBQ”の成立を模索し、周囲からの自立を意図して“図式的な強い形”を用いた配置計画を考案しました。そして、五角形の様な客席配置は視線の抜けも確保します。施設の公式サイトはこちら

敷地は4,000㎡程あり、元々車両の解体工事場があった場所である。

高速の春日井ICの出入り口から5分程度の場所に位置する。

建築家によるテキストより



娯楽施設を作る際、いわゆる夢の国のように世界観を作り込む方法がよくある。

一方、BBQ施設などは海や川の近くであったり、森林の中というような風光明媚な環境に置かれることも多い。今回は隣地に高圧電線の鉄塔があり、世界観を作り込むには不向きな環境であることから、工業的な要素があったとしても成立するように全体計画を考えるという、郊外の都市型BBQとしての在り方を模索した。



建築家によるテキストより

配置計画に、図式的な強い形を取り入れることで、周辺要素に左右されない自律的な施設となることを期待した。



主動線として、大きな円を配置し、その中に、A、B、Cそれぞれ5卓ずつテーブルを備えた円を配置している。五角形のように配置をすることで、対角線上の向かい合う先には、相手のテーブルのない構成となっている。

建築家によるテキストより
建築家の木材活用の事例を紹介する、共栄木材の新サイト「Tsukuru Lab」が公開。樹種と加工の組合せから生まれる“木材”だからこその豊かさを紹介。事例として登場する建築家の手嶋保による社内施設(三秋ホール / 三秋アトリエ)は見学も可能
建築家の木材活用の事例を紹介する、共栄木材の新サイト「Tsukuru Lab」が公開。樹種と加工の組合せから生まれる“木材”だからこその豊かさを紹介。事例として登場する建築家の手嶋保による社内施設(三秋ホール / 三秋アトリエ)は見学も可能
建築家の木材活用の事例を紹介する、共栄木材の新サイト「Tsukuru Lab」が公開。樹種と加工の組合せから生まれる“木材”だからこその豊かさを紹介。事例として登場する建築家の手嶋保による社内施設(三秋ホール / 三秋アトリエ)は見学も可能手嶋保による「三秋ホール」。共栄木材のショールーム兼ミーティングスペースとして建てられた。 photo©西川公朗

建築家の様々な木材活用の事例を紹介する、共栄木材の新サイト「Tsukuru Lab」が公開されています。樹種と加工の組合せから生まれる“木材”だからこその豊かさを紹介しています。また、事例として登場する建築家の手嶋保による社内施設(「三秋ホール」と「三秋アトリエ」)は見学も可能とのこと。【ap・ad】

Tsukuru Lab.(ツクル ラボ)は、「ここにしかないもの」をつくり続ける共栄木材が発信する木材活用の事例集です。木材は天然の素材です。時間とともに変化もしますし、樹種によって特徴はさまざま。また、産地は世界中にあり、地域性やグローバルな流通に関する視野も必要です。

私たちは、木材の価値を信じ、木材にしかできない事、木材だからできる事、木材でもできる事を考え、形にします。建築家・ビルダーの優れたアイデアも、技術やコスト、流通を理由に実現されないことも多いのが現実。私たちは「どうすればできるのか」をあらゆる角度から見つめ、考え、一緒につくるお手伝いをします。

地球には元々国境が無いのと同じように、木材のもつ「真善美」という普遍的な価値に国境はありません。一緒に「つくる」事を通して、地域を見つめ直し、世界へと意識を向け、より良い環境やデザインを作っていけたらと願っています

前田建設工業とツバメアーキテクツによる、茨城・取手市の「ICI STUDIO 甚吉邸」と「ICI STUDIO W-ANNEX」。歴史的洋館の移築復原と別館新築。復元では価値の維持と継承を目指し、“伝統”と“最新”の技術を併用し実践。別館では二棟が補完し合う関係を目指し、洋館と対比的な“がらんどう”で“透明性”のある空間を構築
前田建設工業とツバメアーキテクツによる、茨城・取手市の「ICI STUDIO 甚吉邸」と「ICI STUDIO W-ANNEX」。歴史的洋館の移築復原と別館新築。復元では価値の維持と継承を目指し、“伝統”と“最新”の技術を併用し実践。別館では二棟が補完し合う関係を目指し、洋館と対比的な“がらんどう”で“透明性”のある空間を構築左:甚吉邸、右:W-ANNEX photo©中村絵
前田建設工業とツバメアーキテクツによる、茨城・取手市の「ICI STUDIO 甚吉邸」と「ICI STUDIO W-ANNEX」。歴史的洋館の移築復原と別館新築。復元では価値の維持と継承を目指し、“伝統”と“最新”の技術を併用し実践。別館では二棟が補完し合う関係を目指し、洋館と対比的な“がらんどう”で“透明性”のある空間を構築甚吉邸、1階、応接室 photo©傍島利浩
前田建設工業とツバメアーキテクツによる、茨城・取手市の「ICI STUDIO 甚吉邸」と「ICI STUDIO W-ANNEX」。歴史的洋館の移築復原と別館新築。復元では価値の維持と継承を目指し、“伝統”と“最新”の技術を併用し実践。別館では二棟が補完し合う関係を目指し、洋館と対比的な“がらんどう”で“透明性”のある空間を構築W-ANNEX、外観 photo©中村絵
前田建設工業とツバメアーキテクツによる、茨城・取手市の「ICI STUDIO 甚吉邸」と「ICI STUDIO W-ANNEX」。歴史的洋館の移築復原と別館新築。復元では価値の維持と継承を目指し、“伝統”と“最新”の技術を併用し実践。別館では二棟が補完し合う関係を目指し、洋館と対比的な“がらんどう”で“透明性”のある空間を構築W-ANNEX、1階、スタジオ photo©中村絵

前田建設工業ツバメアーキテクツが設計した、茨城・取手市の「ICI STUDIO W-ANNEX」と「ICI STUDIO 甚吉邸」です。「ICI STUDIO W-ANNEX」はツバメアーキテクツと前田建設工業が、「ICI STUDIO 甚吉邸」は前田建設工業が設計を担当しています。
歴史的洋館の移築復原と別館新築の計画です。設計者は、復元では価値の維持と継承を目指し、“伝統”と“最新”の技術を併用し実践しました。また、別館では二棟が補完し合う関係を目指し、洋館と対比的な“がらんどう”で“透明性”のある空間を構築しました。施設の公式サイトはこちら

2016年、日本近代住宅作品の傑作とされる旧渡辺甚吉邸(1934年竣工)は解体の危機にあった。
これを知った建築史研究家の有志が保管委員会を結成し、緊急解体、部材保管に協力できる企業を探す活動を開始。その結果、前田建設工業のICI総合センター内に移築されることとなった。

ツバメアーキテクツによるテキストより

幸いにも移築されることになった甚吉邸、これを博物館のように保存するだけではなく、今日を生きる建築物として活用のあり方を示す必要があった。そのために、別館を隣接させ活用を促進する。ツバメアーキテクツはこの別館の設計に参加することになった。

設計を進めるにあたっては、2棟を連動する活用方法や運営組織のあり方など、前田建設工業のメンバーとワークショップを行い、議論することから始めた。その中で見えてきた建築の姿は、甚吉邸をサポートする施設というよりはむしろ、甚吉邸と補完しあって体を成す、肩を並べて建つ相棒のような建築であった。

ツバメアーキテクツによるテキストより

甚吉邸にないものを兼ね備え、だけれどもどことなく馴染む、対比と調和をはらんだ建築である。小さな室の集合でつくられ、装飾豊かで華やかな甚吉邸に対して、大きながらんどうで、透明性高く無垢なしつらえとし、タフに使える空間を補って活用を促進する。

甚吉邸の背後、雑木林の中に極力木を残すようにして配置し、木々の中に馴染ませつつも存在感のあるヴォリュームで木造トラスを浮かばせる構成とした。木造トラスからは、バトンやスクリーン、カーテンが吊られ、そこでの活動をサポートする。ランドスケープと連続性を生むカーブを描いた鉄筋コンクリートのコアと、鉄骨のポスト柱がこれを支え、内外が連続した開放的な空間を実現している。

ツバメアーキテクツによるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2023/7/3-7/9]
最も注目を集めたトピックス[期間:2023/7/3-7/9]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2023/7/3-7/9)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 井原正揮+井原佳代 / ihrmkによる、大阪・豊中市の集合住宅「GRID」。収益性と共に100年後も視野に入れて計画。敷地に愛着を持つ施主の“いつか戻りたい”との想いも汲み、RCのフレームに木架構を組み込んだ“変化に柔軟”な建築を考案。外壁にも木材を使用して街並みとの調和も意図
  2. 空間構想による、香川・高松市の「四国村ミウゼアム『おやねさん』」。屋外博物館の入口に建つチケット売場等を備えた施設。場の“潜在的価値”の現前を目指し、周辺の“資源”を繋ぐ様に地形の改変と新築を行い関係性を“空間的に”調停。屋根は表と裏の環境と呼応して“有機的”形状を描く
  3. 高田彩実 / ayami takada architectsによる、静岡市の「house M」。川沿いの余裕ある場に建つ住宅の増築と改修。仕様等の大きな改善と周辺環境も活かす在り方を目指し、拡張した既存の周囲に“緩やかな境界”を作る“半透明な”空間を付与。其々の透明度の違いは建築に多様性も与える
  4. 熊木英雄+眞木励 / オーガニックデザインによる、埼玉・戸田市の「くぼみアパートメント / 街のポケット」。コロナ禍に設計された単身者用集合住宅。“孤立”の回避に貢献する建築を目指し、住人が交流できて街とも繋がる“くぼみ”の様な庭を中心とした構成を考案。住戸部分では衛生面と地域性に応える仕様も追求
  5. studioSHUWARIによる、富山・射水市の、創業支援施設「HIBARI NEST」。テナント空間も備えた民営施設。入居者の“新たな交流”を生む場を目指し、一室空間の中に段差を設けて“一体感”と“心地よい距離感”を両立する構成を考案。天井の構造体は施設の“象徴”でもあり在来工法で実現
  6. 堅田佳一 / KATATA YOSHIHITO DESIGNによる、東京・台東区の店舗「TOJIRO KNIFE GALLERY TOKYO」。包丁の“展示販売”と“修理”を行う店。限られた面積内での用途の成立を目指し、圧迫感を軽減しつつ製品を豊富に陳列できる鉄格子を用いた展示壁を考案。工場で使われる素材の採用と色彩の統一で“雰囲気”も演出
  7. 牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る
  8. 小原賢一+深川礼子 / ofaによる、愛知・知多市の「江真コンサルティング新社屋」。森林と木材に関わる企業の為に計画。CLT等の工法面と森林認証の制度面への挑戦の要望に対し、在来工法も取り入れて“CLTの特徴”を備えた建築を合理的に実現。材料調達から建設まで関係者が協力し認証も取得
  9. 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
  10. 磯崎新の初期代表作で開催される追悼展覧会の“展示物”を募集中(オンラインから応募可能)。磯崎の言葉「architectureとは何か?」への“返答”を公募し、アートプラザ(旧大分県立大分図書館)に展示する試み。同施設の25周年記念として行われ、関連企画として講演会等も企画
  11. 石黒泰司 / アンビエントデザインズによる、愛知・名古屋市の「meaningful」。駅に近い宿泊施設のひと部屋。地域の文化を引用した提案の要望に、都市の色“金”が備える象徴的で現象学的な特性を参照した空間を志向。空間内で際立つと共に人との関係で機能が決まる4枚の面で構成
  12. ODS / 鬼木孝一郎による、神奈川・横浜市の「Ambientec GALLERY」。ポータブルライトを扱う企業のショールーム。全製品が展示でき配置変更もできる空間の要望に、“モジュール化”した部品を用いて“多様に組替可能な”什器を考案。光の干渉も防ぎ製品の魅力を“正確”に見せる
  13. トラフ建築設計事務所による、愛知・名古屋市の宝飾店「Hirotaka タカシマヤ ゲートタワーモール店」。無柱の四角い区画に計画。ブランドの世界観を体験する落ち着いた場を目指し、開けた空間に“高低差のある什器”を配置して意図的に“視界の一部を遮る”構成を考案。什器は対比効果も考慮し様々な素材を用いる
  14. 【ap job更新】 伊藤博之建築設計事務所が、設計スタッフ(2023年新卒・既卒・経験者)を募集中
  15. 水上和哉 / kvalitoによる、大阪・茨木市の「崇徳寺の家 明恵庵」。隠居する住職の為の家。境内の景観整備も意図し、本堂の瓦と同調する焼杉を外壁に採用して“背景”となる佇まいを構築。内部は“変化のある”豊かな場を求め、“内”と“外”の性質を持つ空間を共存させる
  16. 丹羽隆志アーキテクツによる、ベトナム・ハノイの「Uplifting Office」。多くの部屋に別れた事務所の改修。“活発な交流の誘発”の要望に、空間をランドスケープと捉えて床から家具等に変化する“27本のストライプ”で構成。働く人の能動性を引き出し状況に応じた場所の発見を促す
  17. 田﨑敦士 / Atsushi Tasaki Architecture and Designによる、神奈川・藤沢市の美容室「NEON」。メーカー住宅の1階に計画。設計者自身の原風景でもある“工業化”に向き合い、スタッド製什器等の流通建材を“少しずれた”方法で用いる設計を志向。今ある風景に寄添いながらも“以前とは異なる風景”を生み出す
  18. 佐藤可士和 / SAMURAIによる、滋賀の日清食品関西工場の工場見学施設「NISSIN KANSAI FACTORY」
  19. スノヘッタによる、フランス・ドゥエーの、プラネタリウムと天文台「オリオニス」。街の中心から離れた自然にも恵まれた敷地。利用者にひらめきを与える存在を目指し、“星の楕円運動”から着想して連続的な形状と導線を持つ建築を考案。ドームと木素材が印象的な外観はアイコンと調和の両立を意図
  20. 中村篤史 / Kraft Architectsによる、岐阜の「可児の家」。ロードサイドの住宅地に計画。場の必然性を持った“明るく気持ちの良い家”を目指し、南北に伸びる二層の“家族の空間”を“個人の空間”で挟む構成を考案。目的の異なる窓を用意して日々変わる光と風景も取り込む

ベカ&ルモワンヌによる講演「Experiencing Space」の動画。2023年6月にスイス建築博物館で行われたもの

ベカ&ルモワンヌによる講演「Experiencing Space」の動画です。2023年6月29日にスイス建築博物館で行われたものです。

(翻訳)
一連の抜粋フィルムを通して、イラ・ベカとルイーズ・ルモワンヌ(ベカ&ルモワンヌ)は、彼らの進化する映画的研究を紹介します。それは、現代の象徴的な建物内の日常的な親密さを明らかにした最初の作品から、都市空間との関係における私たちの本質的なニーズ、行動、習慣に対する文化的差異を観察する現在進行中の映画シリーズ「Homo Urbanus」にまで渡ります。
建築における主な表現戦略に対する彼らのユニークで批評的な立場について語りながら、映画制作者、独立系プロデューサーとしての作業方法について説明します。

(原文)
Through a series of film excerpts, Ila Beka and Louise Lemoine (Beka & Lemoine) present their evolving cinematographic research, from their first films revealing the daily intimacy within contemporary iconic buildings to their ongoing film series ‘Homo Urbanus’ observing the cultural variations towards our essential needs, behaviors and habits in relation to urban space. Talking about their unique and critical position against the main strategies of representation in architecture they will explain their working methodology as filmmakers and independent producers.

スノヘッタによる、フランス・ドゥエーの、プラネタリウムと天文台「オリオニス」。街の中心から離れた自然にも恵まれた敷地。利用者にひらめきを与える存在を目指し、“星の楕円運動”から着想して連続的な形状と導線を持つ建築を考案。ドームと木素材が印象的な外観はアイコンと調和の両立を意図
スノヘッタによる、フランス・ドゥエーの、プラネタリウムと天文台「オリオニス」。街の中心から離れた自然にも恵まれた敷地。利用者にひらめきを与える存在を目指し、“星の楕円運動”から着想して連続的な形状と導線を持つ建築を考案。ドームと木素材が印象的な外観はアイコンと調和の両立を意図 photo©Jad Sylla
スノヘッタによる、フランス・ドゥエーの、プラネタリウムと天文台「オリオニス」。街の中心から離れた自然にも恵まれた敷地。利用者にひらめきを与える存在を目指し、“星の楕円運動”から着想して連続的な形状と導線を持つ建築を考案。ドームと木素材が印象的な外観はアイコンと調和の両立を意図 photo©Jad Sylla
スノヘッタによる、フランス・ドゥエーの、プラネタリウムと天文台「オリオニス」。街の中心から離れた自然にも恵まれた敷地。利用者にひらめきを与える存在を目指し、“星の楕円運動”から着想して連続的な形状と導線を持つ建築を考案。ドームと木素材が印象的な外観はアイコンと調和の両立を意図 photo©Jad Sylla
スノヘッタによる、フランス・ドゥエーの、プラネタリウムと天文台「オリオニス」。街の中心から離れた自然にも恵まれた敷地。利用者にひらめきを与える存在を目指し、“星の楕円運動”から着想して連続的な形状と導線を持つ建築を考案。ドームと木素材が印象的な外観はアイコンと調和の両立を意図 photo©Jad Sylla

スノヘッタが設計した、フランス・ドゥエーの、プラネタリウムと天文台「オリオニス」です。
街の中心から離れた自然にも恵まれた敷地に計画されました。建築家は、利用者にひらめきを与える存在を目指し、“星の楕円運動”から着想して連続的な形状と導線を持つ建築を考案しました。また、ドームと木素材が印象的な外観はアイコンと調和の両立を意図しています。

こちらはリリーステキストの翻訳

スノヘッタがフランスに新しいプラネタリウムと天文台を完成

オリオニスと名付けられたプラネタリウムと天文台は、フランス北部のドゥーエ市にある新しい文化的な場所で、星の楕円形と連続的な動きに着想を得ています。

隣接するスカルペ川、考古学博物館アルケオス、近隣の集合住宅に挟まれた注目すべき場所に位置するこのプロジェクトは、これらの要素を調和的につないで、訪問者にとって利用しやすくインスピレーションを与える空間を創造することを目的としています。スノヘッタのデザインは、映写室と天文台の2つのドームを包み込む曲線で統一された建物です。

パリのスノヘッタ・スタジオのマネージング・ディレクター、オリバー・ペイジは言います。
「このプラネタリウムは、パリのスノヘッタのスタジオが完全に構想、監理、建設した最初のプロジェクトのひとつです。私たちは、質の高い文化的・教育的建築物を提供するスノヘッタのアプローチをフランスで紹介できることを大変嬉しく思っています」

CET Ingenierie、Impact Conseil et Ingenierie、Cicanord、Studio Dap、Atelier Silva Landscapingとの密接な協力のもと、スノヘッタは2019年後半から建物の建設に取り組み、コンセプトから建設までを見届けました。オリオニスは2023年5月13日に一般公開されました。

楕円 – 時代を超越した流動的なコンセプト
スノヘッタの共同設立者であるシェティル・トレーダル・トールセンは説明します。
「私たちは、ドゥエの住民に特別な出会いの場と新しい目的地を提案したかったんです。私たちのプロジェクトの建築的・都市的コンセプトは、星の楕円運動からインスピレーションを得ています。連続的であること、流動的であること、永続的であることは、私たちがこのプロジェクトで再解釈した考え方です。形の面だけでなく、来館者がプラネタリウムを体験する際にも、あらゆる感覚を駆使しています。」

連続的な動きというコンセプトは、レセプションエリア、展示スペース、円形劇場、建物のドームに至るまで、すべてを定義し、プロジェクトを通してインスピレーションを与えてきました。建物はわずかに傾斜したスロープで結ばれており、建物の一部が半透明のファサードを通して外から見えます。

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