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奈良祐希 / EARTHENによる、石川・金沢市の店舗「FIL D’OR」。フランス料理とワインを提供する店。“金の糸”という意味の店名を起点に、背景にある“繋がりを大切にする哲学”や“金沢の風土”を想起させる場を志向。“約3万本の糸”を吊るした“土の洞窟”の様な空間を考案
奈良祐希 / EARTHENによる、石川・金沢市の店舗「FIL D’OR」。フランス料理とワインを提供する店。“金の糸”という意味の店名を起点に、背景にある“繋がりを大切にする哲学”や“金沢の風土”を想起させる場を志向。“約3万本の糸”を吊るした“土の洞窟”の様な空間を考案左奥:客席、右手前:ラウンジ photo©MARC AND PORTER
奈良祐希 / EARTHENによる、石川・金沢市の店舗「FIL D’OR」。フランス料理とワインを提供する店。“金の糸”という意味の店名を起点に、背景にある“繋がりを大切にする哲学”や“金沢の風土”を想起させる場を志向。“約3万本の糸”を吊るした“土の洞窟”の様な空間を考案左奥:ラウンジ、右手前:客席 photo©MARC AND PORTER
奈良祐希 / EARTHENによる、石川・金沢市の店舗「FIL D’OR」。フランス料理とワインを提供する店。“金の糸”という意味の店名を起点に、背景にある“繋がりを大切にする哲学”や“金沢の風土”を想起させる場を志向。“約3万本の糸”を吊るした“土の洞窟”の様な空間を考案ラウンジ側から客席を見る。 photo©MARC AND PORTER

奈良祐希 / EARTHENが設計した、石川・金沢市の店舗「FIL D’OR」です。
フランス料理とワインを提供する店の計画です。建築家は、“金の糸”という意味の店名を起点に、背景にある“繋がりを大切にする哲学”や“金沢の風土”を想起させる場を志向しました。そして、“約3万本の糸”を吊るした“土の洞窟”の様な空間を考案しました。店舗の場所はこちら(Google Map)。

「フランス料理と自然派ワインの小さなレストラン」を掲げる「FIL D’OR」は、オーナーシェフの田川真澄さんが2017年に故郷・金沢で開いた一軒。
フランス、モントリオール、ニューヨークでの研鑽を経られて、地元食材を活かしたセンス溢れるフュージョン料理を提供されてきた。実は、田川シェフは私の中学校の先輩でもある。イケメンで陽気で明るい人柄とは対照的に手掛ける創作料理は極めて繊細で、「土着的」でもあり、「工芸的」とも言える。

建築家によるテキストより

店名の「FIL D’OR(フィルドール)」は“金の糸”という意味のフランス語である。
田川シェフの人と人、モノとモノの繋がりを大切にしたいというフィロソフィーも込められている。この金沢らしい最も大事な哲学を、店名だけではなく、空間全体を構成するエレメントとして、さらには金沢の風土を表象する「雨」「氷柱」「木虫籠」「雪吊り」を連想させるデザインとして、シェフと沢山の議論を重ねながらブラッシュアップさせていった。

建築家によるテキストより

金沢の原風景を想起させる約3万本の糸。

店舗近くにある「長町武家屋敷」の土塀に囲まれたような土の洞窟空間に特色で染められたアースカラーの糸が天井から吊るされる。
伝統的な町家建築の奥域あるプランに呼応するランドスケープのような流線形のダイナミズムは、金沢特有の曲がりくねる路地へのオマージュであり、FIL D’ORの金色に煌びやかに輝く未来を示唆している。

風でなびく極細の糸は、隣同士が共鳴し、線の集合体となって、ある全体性を獲得していく。それはまるで意思を持った生命体のように、時間を、空間を微分し震わせる。「生きる線」によって創出された土の舞台で田川シェフは踊り続ける。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 代官山を拠点に活動する「梅澤竜也 / ALA INC.」が、設計スタッフ・アルバイト・事務職を募集中
【ap job更新】 代官山を拠点に活動する「梅澤竜也 / ALA INC.」が、設計スタッフ・アルバイト・事務職を募集中
【ap job更新】 代官山を拠点に活動する「梅澤竜也 / ALA INC.」が、設計スタッフ・アルバイト・事務職を募集中

代官山を拠点に活動する「梅澤竜也 / ALA INC.」の、設計スタッフ・アルバイト・事務職 募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

【私たちについて】
Architectural Laboratory for Art(ALA INC.)は、建築の世界におけるアートの実験場です。
与件への理解や周囲への思いやり〈理性〉と、一人ひとりの感覚が持つイメージや言葉〈直感〉を大切にしています。
そのような〈理性〉と〈直観〉から生まれてくる“アート”の創作が人々や社会を豊かにする、と信じて設計活動をしています。

【環境】
事務所は代官山蔦屋書店のすぐ近くの賑わいがあって洗練された環境にあります。昼食・カフェ費用の補助の他、芸術鑑賞の費用全額負担やマッサージ・スパ・スポーツ費用の補助もあります。
様々な種類、場所のプロジェクトを教育的な環境で学ぶことができ、また外国人クライアントが多く、ビジネス英語に良く触れる機会があり、英語を学びたい方、将来は海外での就労を目指している方にも良い環境です。

【現在の主なプロジェクト】
1000m2の別荘兼ホテル、町の新しいランドマークとなるレストラン、200年の歴史を持つ酒蔵を改装した日本酒を中心としたカフェ・スパ施設、アートと農業をミックスした村のようなレジデンシャルプロジェクト、都市部の共同住宅、10万m2のニセコの大きな開発。
現在、下記の設計スタッフ、事務スタッフの募集をしています。
デザインが大好きな方募集しております。興味のある方は是非ご連絡ください!

【代表プロフィール】
梅澤竜也
1982年東京都生まれ。2008年隈研吾建築都市設計事務所入社。
海外プロジェクトやアートプロジェクトを主に担当。設計室長を経て、独立。
2017年に ALA INC. 設立、主宰。

川本達也建築設計事務所による、愛知の「緑ケ丘の家」。建て込んだ住宅街の敷地。プライバシーを確保しつつ“屋外空間も最大限取り込む”住居として、周囲の状況に応じて“軒の出”を変化させた大屋根を持つ建築を考案。構造の“方杖”はリズムを生む内装材としても機能
川本達也建築設計事務所による、愛知の「緑ケ丘の家」。建て込んだ住宅街の敷地。プライバシーを確保しつつ“屋外空間も最大限取り込む”住居として、周囲の状況に応じて“軒の出”を変化させた大屋根を持つ建築を考案。構造の“方杖”はリズムを生む内装材としても機能外観、東側の道路より見る。夜景 photo©植村崇史
川本達也建築設計事務所による、愛知の「緑ケ丘の家」。建て込んだ住宅街の敷地。プライバシーを確保しつつ“屋外空間も最大限取り込む”住居として、周囲の状況に応じて“軒の出”を変化させた大屋根を持つ建築を考案。構造の“方杖”はリズムを生む内装材としても機能1階、左:キッチン、正面奥:ダイニングとリビング。右:テラス。夜景 photo©植村崇史
川本達也建築設計事務所による、愛知の「緑ケ丘の家」。建て込んだ住宅街の敷地。プライバシーを確保しつつ“屋外空間も最大限取り込む”住居として、周囲の状況に応じて“軒の出”を変化させた大屋根を持つ建築を考案。構造の“方杖”はリズムを生む内装材としても機能1階、リビングとダイニングからテラスを見る。 photo©植村崇史
川本達也建築設計事務所による、愛知の「緑ケ丘の家」。建て込んだ住宅街の敷地。プライバシーを確保しつつ“屋外空間も最大限取り込む”住居として、周囲の状況に応じて“軒の出”を変化させた大屋根を持つ建築を考案。構造の“方杖”はリズムを生む内装材としても機能2階、廊下側から架構を見る。 photo©植村崇史

川本達也建築設計事務所が設計した、愛知の「緑ケ丘の家」です。
建て込んだ住宅街の敷地での計画です。建築家は、プライバシーを確保しつつ“屋外空間も最大限取り込む”住居として、周囲の状況に応じて“軒の出”を変化させた大屋根を持つ建築を考案しました。また、構造の“方杖”はリズムを生む内装材としても機能します。

住宅が密集する計画地において周囲の視線を気にすることなく過ごすことのできる空間を外部空間も最大限取り込みながらつくりたい。
角度の変化する「方杖」により空間的ボリュームにリズムが生まれ、大屋根の下で平面的にも断面的にも暮らしの広がりを持つ住宅を目指した。

建築家によるテキストより

周囲に建ち並ぶ建物からの視線は全て軒の出を変化させることで調整し周囲環境との関係性によって自然に屋根形状が決定され、植栽が育つことでよりプライバシー性の高い空間となっていく。

斜線制限がある敷地条件の中で、法規をクリアする配置と高さボリュームを設定し、住空間に必要な軒の出を適材適所で決めることで多様な軒下空間がうまれる。

リビング側には採光を確保しつつ内外をシームレスに繋げるため約0.8mの片持ち梁、玄関側はアプローチを内包しつつ可能な限りの軒の出を確保するため約5.2mの片持ち梁とした。

建築家によるテキストより

周囲の環境や必要な軒の出により自然に生まれる「自由曲面と片持ち梁」は構造ルールに基づく方杖の配置によって可能となり、一定の間隔で角度を変化させながら並ぶその構造形式が意匠としてのリズムを形づくる内装材ともなった。

中庭への開口幅は可能な限り確保し6.1mのサッシがフルオープンで開くことで最大限内外一体の空間を目指した。
フルオープンの開口に対して軒が外部へ伸びていくためより一層内外の連続性を助長し、床面積にとどまらない広がりのある空間となり吹抜けを介して上階でも外部を感じることができる建築をつくった。

建築家によるテキストより
落合陽一とNOIZによる、大阪・関西万博の「null²」。“いのちを磨く”を主題とする施設。バーチャルとフィジカルの接続を求め、ボクセルが構成要素の“多様な二次利用の可能性”を持つ建築を考案。風と共振する鏡面膜とロボットアームを組合せて“動的な建築”も実現
落合陽一とNOIZによる、大阪・関西万博の「null²」。“いのちを磨く”を主題とする施設。バーチャルとフィジカルの接続を求め、ボクセルが構成要素の“多様な二次利用の可能性”を持つ建築を考案。風と共振する鏡面膜とロボットアームを組合せて“動的な建築”も実現外観、南西側より見る。 photo©阿野太⼀
落合陽一とNOIZによる、大阪・関西万博の「null²」。“いのちを磨く”を主題とする施設。バーチャルとフィジカルの接続を求め、ボクセルが構成要素の“多様な二次利用の可能性”を持つ建築を考案。風と共振する鏡面膜とロボットアームを組合せて“動的な建築”も実現外観、南側より見る。 photo©阿野太⼀
落合陽一とNOIZによる、大阪・関西万博の「null²」。“いのちを磨く”を主題とする施設。バーチャルとフィジカルの接続を求め、ボクセルが構成要素の“多様な二次利用の可能性”を持つ建築を考案。風と共振する鏡面膜とロボットアームを組合せて“動的な建築”も実現1階、展示室 photo©楠瀬友将
落合陽一とNOIZによる、大阪・関西万博の「null²」。“いのちを磨く”を主題とする施設。バーチャルとフィジカルの接続を求め、ボクセルが構成要素の“多様な二次利用の可能性”を持つ建築を考案。風と共振する鏡面膜とロボットアームを組合せて“動的な建築”も実現外観、南西側より見る。夜景 photo©阿野太⼀

落合陽一のプロデュースとNOIZの建築設計による、大阪・関西万博の「null²」です。
“いのちを磨く”を主題とする施設です。建築家は、バーチャルとフィジカルの接続を求め、ボクセルが構成要素の“多様な二次利用の可能性”を持つ建築を考案しました。また、風と共振する鏡面膜とロボットアームを組合せて“動的な建築”も実現しています。施設の公式サイトはこちら

このパビリオンのテーマは「いのちを磨く」で、NOIZと落合氏がこれまでの協業の中で継続して試してきた、金属っぽさ、硬質さと柔らかさの共存といった要素をデザインのテーマとしています。

生活や価値観の多様化が進んだネットワーク時代の万博では、70年の大阪のように、全ての領域でグランドチャンピオン的な価値を持たせることは難しくなっています。
設計にあたっては、その中でわざわざ会場に足を運んで体験することの価値とは何かを考えました。一つの可能性は、広く薄く機会を提供することが得意なバーチャル空間と、実地ならではの濃密な体験を提供するフィジカル空間と、それぞれの特性や価値を肯定的に受け入れた上で、これらをつなぐ「接空間(Interspace)」としての新しい機能と役割を建築に与えることでした。

建築家によるテキストより

ゲームやVRなどのデジタル空間には、計算や通信の負荷を減らし、効率的に動的な記述行うための、ボクセル(Voxel)というキューブ型の空間単位を用いる低解像度の表現手法があり、これはデジタル表現の一つのアイコンにもなっています。特にコロナ禍で物理的な交流が制限された時期には、Minecraft やFortnite といったゲーム空間が、社会に新たなコミュニケーションの場を提供しました。

Z世代やα世代にとってMinecraftのようなゲーム空間内での共有体験は、我々の世代が近所の公園や運動場で育んだ共有体験と同じか、それ以上にリアルな体験であり価値となっています。2025年の万博では、現地に身体を運ぶことで体験する従来型の価値に加えて、バーチャル空間経由で体験する / ARアバターを使って共同作業をする / ロボットアバターで会場を歩き回るなど、身体や場所という物理的制約を超えた、多様な参加や貢献の形も実現されるべきです。

NOIZとして落合館の設計を行うにあたり、誰でもデジタルに編集可能なボクセルを建築の構成要素とすることで、バーチャルに落合館の自分バージョンを作成して共有したり、現地で自分バージョンをARで重ね合わせて楽しんだりと、多様な二次利用が可能な参加型建築体験の可能性を考えました。設計者と利用者という従来型の二分法ではなく、誰もが自分のやり方で参加や貢献、提案や発信ができる、次世代の建築価値のあり方を探る一つの試みです。

建築家によるテキストより

鏡面膜による外壁は、膜面の重さと大きさに共振する風速で呼吸をするように振動し、映り込む空や周囲の景観を独特なリズムで歪ませます。さらに、複数のボクセルの内部にはウーファーとロボットアームを設置し、重低音の周波数やロボットアームの動きを調整することで、膜をより演出的に、文字通りヌルヌルと変化させることを可能にしてあります。
素材と特性、多様な動きを統合することで、あたかも一個の生命体のように、周辺環境や人とインタラクションを行う動的な建築を目指しました。

ウーファーの周波数を連続的に調整することで、膜面の定常波形がゆっくりとうつろい、ロボットアームは独特の捩じりや傾げの動きで、鏡面に映り込む周囲の時空を捻じ曲げます。
鞍型やホルン型の鏡面や、ボクセルの立体的な構成がつくる無数の鏡が、あたかも空中に浮かんだ多数の窓が異なる世界を切り取り、映し込み、重ね合わせたような効果を生み出し、パビリオン自体が無数のパラレルワールドが交錯する「接空間」として機能し始めます。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2025/7/7-7/13]
最も注目を集めたトピックス[期間:2025/7/7-7/13]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2025/7/7-7/13)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. ピーター・ズントーとSOMによる、アメリカの「デイヴィッド・ゲフィン・ギャラリーズ」が完成。ロサンゼルス郡立美術館の新本館として計画。キャンパス全体の活動の中心として、ギャラリー空間を持ち上げて地上レベルを様々な屋外活動の場とする建築を考案。2026年4月のグランドオープンを予定
  2. OMA / クリス・ヴァン・ドゥインによる、中国の「JOMOO本社」。高層ビル群と森林に覆われた丘陵に挟まれた敷地。“二重性”のある環境の受容を意図し、基壇とタワーを融合させた“連続的で彫刻的な形態”の建築を考案。国の都市拡張を担ってきたタワーの類型の再解釈も意図
  3. 安藤忠雄とアントニー・ゴームリーによる、韓国の「グラウンド」。美術館の庭園地下に埋設されたアートスペース。美術館体験の拡張を求め、7体の彫刻を内包した“パンテオンも想起させる”ドーム状の空間を考案。彫刻・建築・自然と鑑賞者をひとつの瞬間の中で結びつける
  4. 佐藤充 / SATO+ARCHITECTSによる、宮城・仙台市の「中山の家」。林縁の雛壇状に造成された敷地。擁壁を“副産物”ではなく“生活に寄り添う‘壁面’”と捉え、建築との“親密な関係”の構築を志向。擁壁を跨ぐように建築を配置して其々に暮らしに寄与する様々な役割を与える
  5. 栫井寛子+徳永孝平 / atelier SALADによる、鹿児島市の住戸改修「HOUSE F」。標準的な間取りの既存を改修。“近代の象徴”から“現代の価値”への更新を求め、“外部のような内部、内部のような外部”の空間を中央に配する計画を考案。中庭・リビング・縁側でもある多様な場として機能させる
  6. 藤本壮介による、森美術館での展覧会の会場写真。活動初期から進行中の計画まで網羅的に紹介する大規模個展。模型・図面・写真に加え、インスタレーションや空間を体験できる大型模型なども公開
  7. 藤本壮介による、森美術館での展覧会の入場チケットをプレゼント。活動初期から進行中の計画まで網羅的に紹介する大規模個展。模型・図面・写真に加え、インスタレーションや空間を体験できる大型模型なども公開
  8. ネリ&フーによる、上海の店舗「インサイド / アウトサイド」。系列の2つのブランドの店舗を隣接して計画。“人間の根源的な空間”を探求し、より“原始的な存在の状態への回帰”を呼び起こす空間を志向。製品と呼応する“木造の小屋”と商品を輝かせる“洞窟の住居”を考案
  9. ネリ&フーによる、中国・上海の飲食店「ザ・インプリント / ブルーボトルコーヒー コロンビア・サークル・カフェ」。既存建物を転用した活気ある複合施設内での計画。“暮らし”の本質を再考させる存在を目指し、“家庭らしさ”を暗示する空間を志向。家の“原型的な屋根”を“不在の形態”として表現した天井を考案
  10. ピタゴラスイッチ等の創作で知られる、佐藤雅彦の展覧会の入場チケットをプレゼント。横浜美術館で開催。多様な作品の創作プロセスを紹介し、その独創的な“作り方”を紐解く内容。ピタゴラ装置の実物も展示
  11. 大阪・関西万博の、若手建築家が設計を手掛ける全20施設のパース画像とコンセプト(前編)。前編では、休憩所・ギャラリー・展示施設・ポップアップステージの10施設を紹介
  12. ネリ&フーによる、中国の「ザ・ヤード 大連文化センター」。既存6棟を転用した劇場等を内包する複合施設。全体を統一する“建築言語”を求め、コールテン鋼を始めとした“最小限で無加工”の素材を用いる計画を考案。元々の棟配置を活かして“静かな思索の中庭”も作り出す
  13. ネリ&フーによる、台北市の集合住宅「ザ・ラティス」。新旧の建物が混在する地域。“時代を超えた美学”の体現を求め、同国の格子を再解釈した“カテナリー曲線のスクリーン”をRCグリッドの中に配する建築を考案。対照的な素材を調和させ繊細なバランスを実現する
  14. トラフ建築設計事務所による店舗「Hirotaka 福岡店」。大型複合施設の商業フロアにあるジュエリー店。“ミッドセンチュリーモダン”をテーマとし、“柔らかさ”や“艶やかさ”を基準に素材・色彩・形態を決定。“懐かしさ”と“新しさ”が全体に広がる空間を作り上げる
  15. 青木淳+品川雅俊 / AS、小堀哲夫、仙田満 / 環境デザイン研究所、日建設計が参加する、滋賀の「守山市民ホール大規模改修」プロポの公開プレゼンが開催
  16. リナ・ゴットメによる、大阪・関西万博の「バーレーンパビリオン」。“海をつなぐ”をテーマに計画。同国と海の繋がりを伝える施設として、“伝統的な船の製造技術”の参照に加えて“日本の木組の技術”も融合させる建築を考案。持続可能性を考慮して殆どの材料を再利用可能とする
  17. 保坂猛による、東京・港区のオフィス「ECD 地球中心デザイン研究所」。環境配慮の徹底も意図した計画。企業コンセプト“地球中心”の体現を求め、“古代からの地図”を印刷した15台のテーブルを中心とする空間を考案。既存部材の数量調査を行って“ほぼ全ての再利用/再生”も実現
  18. ファラによる、ポルトガル・ポルトの住戸改修「oasis under a building」。“穴の空いた靴下”のような“反転したガラスの家”。ひとつとも複数ともいえる空間で構成。天井は“明るい空”のように機能させる
  19. 静岡・伊東市の新図書館設計プロポで、高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureが特定事業者に選定。提案書も公開
  20. フォスター+パートナーズによる、大阪・関西万博の「サウジアラビアパビリオン」。国の魅力を伝える場として、町や都市を探訪する体験を想起させる存在を志向。迷路の様な曲がりくねる路地を探索する空間構成を考案。ローカルアーキテクトとして梓設計も参画

隈研吾建築都市設計事務所による、佐賀・鹿島市のオーベルジュ「Fuku」が開業。築約100年の古民家を日本酒醸造所が運営する飲食店兼宿泊施設に改修。伝統と現代を対比し続ける代表製品を体現する存在として、“伝統的な組子の技術を用いた照明”をランダムに浮遊させる空間を考案
隈研吾建築都市設計事務所による、佐賀・鹿島市のオーベルジュ「Fuku」が開業。築約100年の古民家を日本酒醸造所が運営する飲食店兼宿泊施設に改修。伝統と現代を対比し続ける代表製品を体現する存在として、“伝統的な組子の技術を用いた照明”をランダムに浮遊させる空間を考案 photo: Keishin Horikoshi/SS
隈研吾建築都市設計事務所による、佐賀・鹿島市のオーベルジュ「Fuku」が開業。築約100年の古民家を日本酒醸造所が運営する飲食店兼宿泊施設に改修。伝統と現代を対比し続ける代表製品を体現する存在として、“伝統的な組子の技術を用いた照明”をランダムに浮遊させる空間を考案 photo: Keishin Horikoshi/SS
隈研吾建築都市設計事務所による、佐賀・鹿島市のオーベルジュ「Fuku」が開業。築約100年の古民家を日本酒醸造所が運営する飲食店兼宿泊施設に改修。伝統と現代を対比し続ける代表製品を体現する存在として、“伝統的な組子の技術を用いた照明”をランダムに浮遊させる空間を考案 photo: Keishin Horikoshi/SS

隈研吾建築都市設計事務所による、佐賀・鹿島市のオーベルジュ「Fuku」が開業しています。
築約100年の古民家を日本酒醸造所「富久千代酒造」が運営する飲食店兼宿泊施設に改修。伝統と現代を対比し続ける代表製品「鍋島」を体現する存在として、“伝統的な組子の技術を用いた照明”をランダムに浮遊させる空間を考案しました。施設の公式ページはこちら

佐賀県鹿島市、重要伝統的建築物保存地区・備前浜宿の古民家を「鍋島」のオーベルジュに改修した。

肥前浜宿は江戸時代には長崎街道の一部として栄え、建物は浜宿のアイポイントとなる酒蔵通りを見渡せる中心地に位置する。
レストランで日本庭園をカウンター越しに望み、懐石料理が振る舞われる。

内装では伝統的な組子の技術を用いた照明を製作し、各階にランダムに浮遊させた。一部の家具は照明の形状をモチーフとし、軽やかな形状に重みを持たせた。
一階のレストランは和紙と網代で柔らかく包み、二階の客室は既存の土壁を黒く塗り、食事と宿泊の空間ごとに分けた素材を用いた。

伝統的な建物の中に素材の対比を散りばめることで伝統と現代を対比し続ける「鍋島」を体現する空間となった。

建築家によるテキストより
2025年 日本建築学会賞(作品)の受賞者による講演「作品を語る」の動画。伊藤博之と日建設計の江副敏史・多喜茂・髙畑貴良志が登壇。2025年7月に公開されたもの

2025年 日本建築学会賞(作品)の受賞者による講演「作品を語る」の動画。伊藤博之日建設計の江副敏史・多喜茂・髙畑貴良志が登壇。2025年7月に公開されたもの。
受賞作品の、伊藤博之による「天神町place」の写真と図面はこちらに。日建設計の江副敏史・多喜茂・髙畑貴良志による「高槻城公園芸術文化劇場」の写真と図面はこちらに掲載されています。

【ap job更新】 中村拓志&NAP建築設計事務所が、設計スタッフ(新卒・既卒・経験者 / 建築英語優遇)と 秘書兼広報を募集中
【ap job更新】 中村拓志&NAP建築設計事務所が、設計スタッフ(新卒・既卒・経験者 / 建築英語優遇)と 秘書兼広報を募集中
【ap job更新】 中村拓志&NAP建築設計事務所が、設計スタッフ(新卒・既卒・経験者 / 建築英語優遇)と 秘書兼広報を募集中NAP 新オフィス in 目黒

中村拓志&NAP建築設計事務所の、設計スタッフ(新卒・既卒・経験者 / 建築英語優遇)と 秘書兼広報 募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

【NAP建築設計事務所スタッフ募集のお知らせ】
NAP建築設計事務所では、目黒新オフィスへの移転とともに、さらなる業務拡大を目指して、新しい仲間を募集しています。経験者、新卒を問わず幅広く募集しておりますので、ぜひお気軽にご応募ください。

【私たちの特徴と強み】
・国内外で進行中の多彩なプロジェクト
現在、事務所には43名の設計スタッフと3名の広報・事務スタッフが在籍し、国内外で40以上のプロジェクトが進行中です。海外案件の比率は25%に達しています。私たちは、設計監理にとどまらず、企画、商環境コンサルティング、デザイン監修、インテリア・家具デザインまで幅広く手掛け、革新的で総合的な建築を追求しています。

・次世代型設計スタイルへの挑戦
働き手に負担の多い模型制作を廃止し、ルミオンやHMD を活用したスケール把握の導入、さらにはAI技術を活用してCG制作を省略するなど、効率化を図りながら、設計の本質に時間と労力を注ぐ次世代型の設計スタイルを進化させています。

【新オフィスでの働き方】
・デザイン性と機能性を兼ね備えた執務空間
新オフィスは、ABW(Activity Based Working)を実現させる為、バーラウンジやリラックススペース、集中スペース、オープンな会議室などを設け、スタッフそれぞれが自分で状況に合わせて最適な場所を選ぶことができる環境となります。また、自由曲線のカウンターやラウンジスペースを設置することで、スタッフ同士のコミュニケーションが自然と生まれる環境を整えています。スタッフが気軽に利用できるNAP BARには、サンドイッチやミルク、コーヒーやハーブティー、ビール、ナッツやスナック、ドライフルーツなどが用意され、自由に手に取ることができます。打ち合わせスペースはシックで居心地の良いインテリアでお客様をお迎えします。

【スタッフの働きやすさを大切に】
・ライフステージに寄り添うサポート
人間らしい豊かで幸福な生活は暮らしの達人であるべき設計者の基盤と考えています。そのため、残業時間を削減する効率的な働き方を実践し、有休休暇の取得率向上にも取り組んでいます。結婚や子育てを支える手当(結婚手当2万円/月、子供手当2万円/子供1人あたり)も充実しており、スタッフの半数以上が結婚手当と子供手当を受給しています。

・職場を超えた楽しみも充実
オフィスのキッチンにシェフを招いた食事会、フットサルやテニス、野球などのレクリエーション活動を通じて、リフレッシュできる場も提供しています。

栫井寛子+徳永孝平 / atelier SALADによる、鹿児島市の住戸改修「HOUSE F」。標準的な間取りの既存を改修。“近代の象徴”から“現代の価値”への更新を求め、“外部のような内部、内部のような外部”の空間を中央に配する計画を考案。中庭・リビング・縁側でもある多様な場として機能させる
栫井寛子+徳永孝平 / atelier SALADによる、鹿児島市の住戸改修「HOUSE F」。標準的な間取りの既存を改修。“近代の象徴”から“現代の価値”への更新を求め、“外部のような内部、内部のような外部”の空間を中央に配する計画を考案。中庭・リビング・縁側でもある多様な場として機能させる左:キッチン、右手前:ダイニング、右奥:インナーバルコニー photo©磯畑弘樹
栫井寛子+徳永孝平 / atelier SALADによる、鹿児島市の住戸改修「HOUSE F」。標準的な間取りの既存を改修。“近代の象徴”から“現代の価値”への更新を求め、“外部のような内部、内部のような外部”の空間を中央に配する計画を考案。中庭・リビング・縁側でもある多様な場として機能させる左:玄関ホール、右:インナーバルコニー photo©磯畑弘樹
栫井寛子+徳永孝平 / atelier SALADによる、鹿児島市の住戸改修「HOUSE F」。標準的な間取りの既存を改修。“近代の象徴”から“現代の価値”への更新を求め、“外部のような内部、内部のような外部”の空間を中央に配する計画を考案。中庭・リビング・縁側でもある多様な場として機能させるダイニングからインナーバルコニーを見る。 photo©磯畑弘樹
栫井寛子+徳永孝平 / atelier SALADによる、鹿児島市の住戸改修「HOUSE F」。標準的な間取りの既存を改修。“近代の象徴”から“現代の価値”への更新を求め、“外部のような内部、内部のような外部”の空間を中央に配する計画を考案。中庭・リビング・縁側でもある多様な場として機能させるインナーバルコニーから玄関ホールを見る。(建具を閉めた状態)夜景 photo©磯畑弘樹

栫井寛子+徳永孝平 / atelier SALADが設計した、鹿児島市の住戸改修「HOUSE F」です。
標準的な間取りの既存を改修する計画です。建築家は、“近代の象徴”から“現代の価値”への更新を求め、“外部のような内部、内部のような外部”の空間を中央に配する計画を考案しました。そして、中庭・リビング・縁側でもある多様な場として機能させました。

51C以降、2DKの集合住宅が標準とされ、それは、家族形態や社会の様相を表わす近代化の象徴でもあった。
「HOUSE F」は、そのような2DKの計3部屋を一体的に改修し、近代の象徴を、現代の価値へとアップデートすることを目指した。

建築家によるテキストより

外部のような内部、内部のような外部を空間の中央に配した。

ここでは、

1. 床を下げ、天井を開放することで、FLから上下方向の広がりをつくったこと
2. 木と白で穏やかに整えた空間に、躯体の荒々しい表情が対比的に存在すること
3. 外部バルコニーから連続した豊かな植栽を計画すること

によって、中庭でもあり、リビングでもあり、縁側のようでもある多様性のある空間がうまれた。

建築家によるテキストより

大梁の存在を感じさせないよう、構造体を空間に取り込むことを考えた。
大梁下の有効2,000mm、既存天井高2,400mm、の2通りの天井高を組み合わせて様々な居場所に抑揚をつけ、連続する空間の豊かさを生み出している。

例えば、エントランスやホール、キッチン、水回りは2,000mmに抑え、リビング・ダイニングや寝室は2,400mmとした。リビングから低い廊下を通って寝室へ移動することで、空間性の変化を感じられる計画とした。一方で、突板による仕上を、高さ2,000mmに統一することで、統一感と全体性を担保している。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 建築設計を軸に不動産や宿泊運営まで手掛け、“のびやかな建築”を志す「株式会社Fuu」が、建築設計と不動産兼運営のスタッフ(経験者)を募集中
【ap job更新】 建築設計を軸に不動産や宿泊運営まで手掛け、“のびやかな建築”を志す「株式会社Fuu」が、建築設計と不動産兼運営のスタッフ(経験者)を募集中
【ap job更新】 建築設計を軸に不動産や宿泊運営まで手掛け、“のびやかな建築”を志す「株式会社Fuu」が、建築設計と不動産兼運営のスタッフ(経験者)を募集中AO NAKIJIN / amahaji terrace photo©Koichi Torimura

建築設計を軸に不動産や宿泊運営まで手掛け、“のびやかな建築”を志す「株式会社Fuu」の、建築設計と不動産兼運営のスタッフ(経験者) 募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

Fuuでは、事業拡大と新規プロジェクトに伴い、建築設計・不動産・宿泊運営に関わる幅広い職種で新たなメンバーを募集しています。

【Fuuについて】
建築を軸に、土地探しからのびやかな建築を創造する。
土地探しから不動産売却、宿泊運営までを行うチームが揃っています。

持続可能なリゾートを実現するために、環境に配慮し、地域貢献を意識したプロジェクトを進行できるように力を入れております。様々なプロジェクトが控えており、事業拡大も伴い、私たちと一緒に成長し、デザインを考えてくれる新規メンバーを募集いたします。国内外のプロジェクトを楽しみながら、美意識を持って、前向きにものづくりに取り組める素敵な方との出会いを楽しみにしています。
ご興味のある方は、ぜひお気軽にご一報ください。

【進行中・予定プロジェクト】
・リゾートホテル(沖縄を中心として、全国で複数案件進行中)
・レジャー施設(プール、サウナなど)
・海外プロジェクト(インドネシア・フィリピンなど)

ピーター・ズントーとSOMによる、アメリカの「デイヴィッド・ゲフィン・ギャラリーズ」が完成。ロサンゼルス郡立美術館の新本館として計画。キャンパス全体の活動の中心として、ギャラリー空間を持ち上げて地上レベルを様々な屋外活動の場とする建築を考案。2026年4月のグランドオープンを予定
ピーター・ズントーとSOMによる、アメリカの「デイヴィッド・ゲフィン・ギャラリーズ」が完成。ロサンゼルス郡立美術館の新本館として計画。キャンパス全体の活動の中心として、ギャラリー空間を持ち上げて地上レベルを様々な屋外活動の場とする建築を考案。2026年4月のグランドオープンを予定Aerial view of LACMA buildings, including David Geffen Galleries in context of Miracle Mile photo © Iwan Baan
ピーター・ズントーとSOMによる、アメリカの「デイヴィッド・ゲフィン・ギャラリーズ」が完成。ロサンゼルス郡立美術館の新本館として計画。キャンパス全体の活動の中心として、ギャラリー空間を持ち上げて地上レベルを様々な屋外活動の場とする建築を考案。2026年4月のグランドオープンを予定David Geffen Galleries at LACMA; exterior view southeast toward Wilshire Boulevard with Tony Smith’s Smoke (1967) in foreground photo © Iwan Baan
ピーター・ズントーとSOMによる、アメリカの「デイヴィッド・ゲフィン・ギャラリーズ」が完成。ロサンゼルス郡立美術館の新本館として計画。キャンパス全体の活動の中心として、ギャラリー空間を持ち上げて地上レベルを様々な屋外活動の場とする建築を考案。2026年4月のグランドオープンを予定David Geffen Galleries at LACMA; view from exhibition level northwest with Michael Heizer’s Levitated Mass (2012) in background photo © Iwan Baan
ピーター・ズントーとSOMによる、アメリカの「デイヴィッド・ゲフィン・ギャラリーズ」が完成。ロサンゼルス郡立美術館の新本館として計画。キャンパス全体の活動の中心として、ギャラリー空間を持ち上げて地上レベルを様々な屋外活動の場とする建築を考案。2026年4月のグランドオープンを予定David Geffen Galleries at LACMA; view northwest at dusk from exhibition level toward Resnick Pavilion photo © Iwan Baan

ピーター・ズントーとSOMが設計した、アメリカの「デイヴィッド・ゲフィン・ギャラリーズ」が完成しました。
ロサンゼルス郡立美術館の新本館として計画されました。建築家は、キャンパス全体の活動の中心として、ギャラリー空間を持ち上げて地上レベルを様々な屋外活動の場とする建築を考案しました。2026年4月のグランドオープンを予定しています。


こちらはリリーステキストの翻訳です(文章自体は2025年3月に公開されたもの / 文責:アーキテクチャーフォト)

LACMA、2026年の新しいデイヴィッド・ゲフィン・ギャラリーズ(David Geffen Galleries)の盛大な一般公開に向けた2025年の計画を発表

ロサンゼルス郡立美術館(LACMA)は本日、2026年4月に常設コレクションの新たな拠点として開館する新デヴィッド・ゲッフェン・ギャラリーズの開館の準備を進める中で、2025年夏から一般の人々が複数の施設を見学し始めることができるようになると発表しました。プリツカー賞を受賞した建築家ピーター・ズントー氏が設計したこの建物の主要な建設工事は2024年末に完了し、LACMAは主要な運営機能の移転を開始しました。このプロセスが進行する中で、屋外彫刻の設置や飲食・小売スペースのオープン、特別なプレビューイベントによって、建物とその周辺が次第に活気づいていきます。

デヴィッド・ゲッフェンの多大な1億5,000万ドルの寄付に敬意を表してその名が付けられたこの新しい建物には、ロサンゼルス郡が1億2,500万ドルを投資しており、ウィルシャー通りをまたぐ形で建設されています。浮かぶような階段やエレベーターにより、通りの北側と南側の両方から展示レベルのギャラリーへアクセスすることができます。北ウィングは、理事および理事会共同議長であるエレイン・ウィン(Elaine Wynn)の5,000万ドルにのぼるリーダーシップ的寄付に敬意を表して、「エレイン・ウィン・ウィング」と名付けられています。この寄付によって、新しいギャラリー建設のための「ビルディング・LACMA」キャンペーンが立ち上げられました。ギャラリーの南ウィングには、まだ名称が付けられていません。

「ゲッフェン・ギャラリーズは、驚くほど美しい建築作品であると同時に、LACMAのキャンパス全体にわたるダイナミックな活動の中心でもあります」と、LACMAのCEO兼ウォリス・アネンバーグ館長のマイケル・ゴヴァン(Michael Govan)は述べました。「理事会共同議長であるエレイン・ウィンによる2016年の多額の寄付の誓約は、新しいLACMAを支援しようとする多くの人々にとって、非常に意義深いきっかけとなりました。また、LACMAの理事であるスティーブ・ティッシュ(Steve Tisch)氏にも感謝しています。同氏の寛大な支援により、LACMAはロサンゼルスのすべての人々が楽しめる、誰にでも開かれた親しみやすくアクセスしやすい空間をキャンパス内に創出することができています。私たちは、近隣からも遠方からも訪れる来館者の皆さまが、今年でもこの素晴らしい建物の持つ魅力を体感し始めることができることに、胸を躍らせています。2026年のグランドオープニングを盛大に迎えるにあたり、準備を本格化させていきます。芸術が持つ癒やしの力を活かしながら、私たちはまた、前例のない最近の火災から立ち直ろうとしているロサンゼルスの精神的な癒やしの一端を担いたいと願っています」

“デザインホテルの変遷と最近のトレンド”をテーマとしたセミナーが、パナソニックの主催で開催。国内外のデザインホテルに関する書籍も執筆する、寶田陵が講師を務める。参加費無料
“デザインホテルの変遷と最近のトレンド”をテーマとしたセミナーが、パナソニックの主催で開催。国内外のデザインホテルに関する書籍も執筆する、寶田陵が講師を務める。参加費無料寶田陵 / the range designによる「GREENITY IWATA」(静岡・磐田市)、2024年 photo©Tomooki Kengaku

【好評につき募集は終了しました。沢山のご応募ありがとうございました】

“デザインホテルの変遷と最近のトレンド”をテーマとしたセミナーが、パナソニックの主催で開催されます。
国内外のデザインホテルに関する書籍も執筆する、寶田陵が講師を務めます。参加費無料(要事前申込)。会場は、東京・新宿区のリビングデザインセンターOZONE開催日時は、2025年8月7日(木)17:30~20:00。【ap・ad】

寶田 陵氏が語る 国内・海外のデザインホテルの変遷と最近のトレンドについて

講師はthe rangedesignINC. 代表取締役 寶田 陵さん。
寶田 陵さんは今まで、数多くのホテルの設計を手がけています

ご自身の勉強の目的で、著名な国内外のホテルに宿泊し、客室のスケッチを行い、「実測 世界のデザインホテル」という書籍を出版されたほどです

今回は国内外のホテルを知り尽くした寶田さんに、デザインホテルの変遷と最近のトレンドについて、お話いただきます。

リリーステキストより

以下に、詳細な情報を掲載します。

ネリ&フーによる、中国・上海の飲食店「ザ・インプリント / ブルーボトルコーヒー コロンビア・サークル・カフェ」。既存建物を転用した活気ある複合施設内での計画。“暮らし”の本質を再考させる存在を目指し、“家庭らしさ”を暗示する空間を志向。家の“原型的な屋根”を“不在の形態”として表現した天井を考案
ネリ&フーによる、中国・上海の飲食店「ザ・インプリント / ブルーボトルコーヒー コロンビア・サークル・カフェ」。既存建物を転用した活気ある複合施設内での計画。“暮らし”の本質を再考させる存在を目指し、“家庭らしさ”を暗示する空間を志向。家の“原型的な屋根”を“不在の形態”として表現した天井を考案 photo©Zhu Runzi
ネリ&フーによる、中国・上海の飲食店「ザ・インプリント / ブルーボトルコーヒー コロンビア・サークル・カフェ」。既存建物を転用した活気ある複合施設内での計画。“暮らし”の本質を再考させる存在を目指し、“家庭らしさ”を暗示する空間を志向。家の“原型的な屋根”を“不在の形態”として表現した天井を考案 photo©Zhu Runzi
ネリ&フーによる、中国・上海の飲食店「ザ・インプリント / ブルーボトルコーヒー コロンビア・サークル・カフェ」。既存建物を転用した活気ある複合施設内での計画。“暮らし”の本質を再考させる存在を目指し、“家庭らしさ”を暗示する空間を志向。家の“原型的な屋根”を“不在の形態”として表現した天井を考案 photo©Zhu Runzi

ネリ&フーが設計した、中国・上海の飲食店「ザ・インプリント / ブルーボトルコーヒー コロンビア・サークル・カフェ」です。
既存建物を転用した活気ある複合施設内での計画です。建築家は、“暮らし”の本質を再考させる存在を目指し、“家庭らしさ”を暗示する空間を志向しました。そして、家の“原型的な屋根”を“不在の形態”として表現した天井を考案しました。


こちらはリリーステキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)

ザ・インプリント
ブルーボトルコーヒー コロンビア・サークル・カフェ

上海のコロンビア・サークルは、1920年代に外国人向けのカントリークラブとして始まり、1950年代には11棟の建物が加わったことで工業団地となり、そして最も最近では2016年にOMAによって改修され、現在では上海で最も成功した都市再生プロジェクトの一つと見なされる、活気ある複合用途の拠点へと生まれ変わりました。コロンビア・サークルの南側区域では、公共の文化活動スペースが重視されており、ブルーボトルコーヒーは、コミュニティ文化という自社のブランド価値を体現するカフェの設計をネリ&フーに依頼し、人々がコーヒーを通じてつながり、交流するよう招くカフェを設計しました。ネリ&フーは、都市のペースに合わせて周囲のものが常に移り変わり変化していく状況の中で、「生活する」ということの本質を見つめ直すために、暗示的な家庭らしさ、すなわち「家」の痕跡を表現することに着想を得ました。

レイチェル・ホワイトリードが自身の作品「the connection between architectural absence and memory」で主張しているように、かつて存在した建物の不在の形態は、「痕跡」の視覚的再現として用いることができ、それは人が自分の家に抱く愛着の感情を呼び起こします。ネリ&フーは、原型的な屋根の不在の形態をかたどった白い吊り構造を使用しており、それはあたかも型を使ってその場に家を鋳造したかのようで、表面には波板の屋根排水のラインの痕跡までもが刻まれています。その下には、再生粘土レンガと漆喰による連続した表面が広がり、仕上げが剥がされた家の姿が現れます。そこには、建物の接地跡のかすかな輪郭や、表面および隣接するファサードに残る痕跡までもが露わになっています。たとえその建物が物理的な世界から姿を消していても、それが私たち一人ひとり、あるいは集団の記憶の中に残した痕跡は、郷愁や記憶を呼び起こす源となります。

OMA / クリス・ヴァン・ドゥインによる、中国の「JOMOO本社」。高層ビル群と森林に覆われた丘陵に挟まれた敷地。“二重性”のある環境の受容を意図し、基壇とタワーを融合させた“連続的で彫刻的な形態”の建築を考案。国の都市拡張を担ってきたタワーの類型の再解釈も意図
OMA / クリス・ヴァン・ドゥインによる、中国の「JOMOO本社」。高層ビル群と森林に覆われた丘陵に挟まれた敷地。“二重性”のある環境の受容を意図し、基壇とタワーを融合させた“連続的で彫刻的な形態”の建築を考案。国の都市拡張を担ってきたタワーの類型の再解釈も意図 photo by Xia Zhi, courtesy of OMA
OMA / クリス・ヴァン・ドゥインによる、中国の「JOMOO本社」。高層ビル群と森林に覆われた丘陵に挟まれた敷地。“二重性”のある環境の受容を意図し、基壇とタワーを融合させた“連続的で彫刻的な形態”の建築を考案。国の都市拡張を担ってきたタワーの類型の再解釈も意図 photo by Chen Hao, courtesy of OMA
OMA / クリス・ヴァン・ドゥインによる、中国の「JOMOO本社」。高層ビル群と森林に覆われた丘陵に挟まれた敷地。“二重性”のある環境の受容を意図し、基壇とタワーを融合させた“連続的で彫刻的な形態”の建築を考案。国の都市拡張を担ってきたタワーの類型の再解釈も意図 photo by Chen Hao, courtesy of OMA
OMA / クリス・ヴァン・ドゥインによる、中国の「JOMOO本社」。高層ビル群と森林に覆われた丘陵に挟まれた敷地。“二重性”のある環境の受容を意図し、基壇とタワーを融合させた“連続的で彫刻的な形態”の建築を考案。国の都市拡張を担ってきたタワーの類型の再解釈も意図 photo by Xia Zhi, courtesy of OMA

OMA / クリス・ヴァン・ドゥインによる、中国の「JOMOO本社」です。
高層ビル群と森林に覆われた丘陵に挟まれた敷地での計画です。建築家は、“二重性”のある環境の受容を意図し、基壇とタワーを融合させた“連続的で彫刻的な形態”の建築を考案しました。また、国の都市拡張を担ってきたタワーの類型の再解釈も意図されました。


こちらはリリーステキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)

OMAが設計したアモイのJOMOO本社が完成

2025年7月8日、アモイ — OMAは、中国最大の衛生設備メーカーであるJOMOOの初のオフィスキャンパスであるアモイのJOMOO本社を完成させました。市の中心業務地区の端に位置するこの新本社は、すでに使用が開始されており、JOMOOがグローバルブランドへと変革を遂げる上での重要な節目となっています。

この建物は、対照的な二つの環境の交差点に位置しています。一方には都市の高層ビルが密集し、もう一方には森林に覆われた丘陵があります。このデザインは、基壇とタワーを融合させた連続的で彫刻的な形態によって、この二重性を受け入れ、従来のオフィスのタイポロジーを再解釈しています。

OMAのパートナーであるクリス・ヴァン・ドゥイン(Chris van Duijn)「JOMOOの新本社の完成は、私たちの事務所が過去10年間に中国で設計してきた一連の高層プロジェクトの第一弾です。杭州、アモイ、深センといった急速に成長する都市に位置するこれらのプロジェクトは、周囲の都市環境との新たな関係性を探求し、中国の近年の都市拡張を形作ってきた主流のタワータイポロジーを再解釈しています」

白いセラミックのストライプで構成されたファサードと、公共機能と企業機能を統合したプログラムを持つJOMOO本社は、職人技とハイテク生産の両方を反映しており、それらはいずれも同社の使命の一部であり、アモイの過去と現在の文化の特徴でもあります。

保坂猛による、東京・港区のオフィス「ECD 地球中心デザイン研究所」。環境配慮の徹底も意図した計画。企業コンセプト“地球中心”の体現を求め、“古代からの地図”を印刷した15台のテーブルを中心とする空間を考案。既存部材の数量調査を行って“ほぼ全ての再利用/再生”も実現
保坂猛による、東京・港区のオフィス「ECD 地球中心デザイン研究所」。環境配慮の徹底も意図した計画。企業コンセプト“地球中心”の体現を求め、“古代からの地図”を印刷した15台のテーブルを中心とする空間を考案。既存部材の数量調査を行って“ほぼ全ての再利用/再生”も実現オフィスが入居する建物の外観。夜景(建築家による解説:オフィス9Fが青く光る) photo©井上登
保坂猛による、東京・港区のオフィス「ECD 地球中心デザイン研究所」。環境配慮の徹底も意図した計画。企業コンセプト“地球中心”の体現を求め、“古代からの地図”を印刷した15台のテーブルを中心とする空間を考案。既存部材の数量調査を行って“ほぼ全ての再利用/再生”も実現「地球の間」から「ブルーカウンター」を見る。夜景(建築家による解説:暗くなるにつれて地図の写像はくっきりと照射される。この空間の様相の変化は、水平横長窓から入る自然光の変化によるもので、1日の時間の流れを身体で感じながら仕事ができるワークプレイス。人類が地球について考えてきた時間と空間の延長の上に、この「地球の間」が今から地球について考える時間と空間となることを願い計画した) photo©井上登
保坂猛による、東京・港区のオフィス「ECD 地球中心デザイン研究所」。環境配慮の徹底も意図した計画。企業コンセプト“地球中心”の体現を求め、“古代からの地図”を印刷した15台のテーブルを中心とする空間を考案。既存部材の数量調査を行って“ほぼ全ての再利用/再生”も実現「地球の間」から「ブルーカウンター」側を見る。 (建築家による解説:昼間自然光が強い時間は床面にうっすらと写像が照射される) photo©井上登
保坂猛による、東京・港区のオフィス「ECD 地球中心デザイン研究所」。環境配慮の徹底も意図した計画。企業コンセプト“地球中心”の体現を求め、“古代からの地図”を印刷した15台のテーブルを中心とする空間を考案。既存部材の数量調査を行って“ほぼ全ての再利用/再生”も実現THE EARTH TABLE no.11 [ Brown’s Map of Asia] photo©井上登

保坂猛が設計した、東京・港区のオフィス「ECD 地球中心デザイン研究所 超環境配慮型内装工事」です。
環境配慮の徹底も意図した計画です。建築家は、企業コンセプト“地球中心”の体現を求め、“古代からの地図”を印刷した15台のテーブルを中心とする空間を考案しました。また、既存部材の数量調査を行って“ほぼ全ての再利用/再生”も実現しました。

TBWA HAKUHODOが設立した新会社「ECD(地球中心デザイン研究所)」のオフィス内装計画。

設計から竣工まで環境配慮を徹底し、既存オフィスの建材や家具の再利用、再利用できないものは「産業廃棄物マニフェスト」を徹底管理し再利用100%を達成、超環境配慮型内装工事を行った。
この条件下で「地球中心」をコンセプトに地球のことを考えるための空間デザインを行った。

建築家によるテキストより

ECDの会社コンセプト「地球中心」を元に「地球について考えるための空間と時間をもつオフィス」を計画。
古代からの地図をガラスに印刷して製作した15台のガラステーブル「THE EARTH TABLE」が並ぶ「地球の間」は、ガラス天板の地図が床面に写像として浮かび上がる。
自然光の変化により写像の濃さが変化する地球を感じる空間である。

夕方になると45mの水平窓辺空間が青く点灯する「ブルーカウンター」は、宇宙空間から見た地球のサーフェイス(アースリム)を彷彿とさせ、毎日の決まった時刻に地球について考える時間を与えてくれることを願い計画した。
大人数のイベントに対応する「シロクマホール」にはTHE EARTH TABLE製作時の端材を用いて廃材再生士により製作されたシロクマが佇んでいる。

建築家によるテキストより

環境負荷を最小限とすべく、施主・設計・施工が三位一体で「解体時の廃棄物やCO2排出量をできる限り減らす、超環境配慮型の内装工事」に挑戦した。
まず、既存を全て拾い上げ「発生材数量調書」を作成(ガラス、自動ドアや引戸、タイルカーペット、ライダク、家具、家電など全て)、
この中で
[再利用1]:新オフィスで可能な限り再利用
[再利用2]:新オフィスで再利用できないものは、他の場所で再利用
[リサイクル]:再利用できないものは、資源としてリサイクル「産業廃棄物マニフェスト」を徹底管理
により、建材ほぼ100%、家具・設備100%再生/再利用することに成功した。

建築家によるテキストより
佐藤充 / SATO+ARCHITECTSによる、宮城・仙台市の「中山の家」。林縁の雛壇状に造成された敷地。擁壁を“副産物”ではなく“生活に寄り添う‘壁面’”と捉え、建築との“親密な関係”の構築を志向。擁壁を跨ぐように建築を配置して其々に暮らしに寄与する様々な役割を与える
佐藤充 / SATO+ARCHITECTSによる、宮城・仙台市の「中山の家」。林縁の雛壇状に造成された敷地。擁壁を“副産物”ではなく“生活に寄り添う‘壁面’”と捉え、建築との“親密な関係”の構築を志向。擁壁を跨ぐように建築を配置して其々に暮らしに寄与する様々な役割を与える外観、南側の道路より見る。 photo©中山保寛
佐藤充 / SATO+ARCHITECTSによる、宮城・仙台市の「中山の家」。林縁の雛壇状に造成された敷地。擁壁を“副産物”ではなく“生活に寄り添う‘壁面’”と捉え、建築との“親密な関係”の構築を志向。擁壁を跨ぐように建築を配置して其々に暮らしに寄与する様々な役割を与える1階 下、左:ホビールーム、右:「アプローチテラス」 photo©中山保寛
佐藤充 / SATO+ARCHITECTSによる、宮城・仙台市の「中山の家」。林縁の雛壇状に造成された敷地。擁壁を“副産物”ではなく“生活に寄り添う‘壁面’”と捉え、建築との“親密な関係”の構築を志向。擁壁を跨ぐように建築を配置して其々に暮らしに寄与する様々な役割を与える1階 上、リビングからダイニングを見る。 photo©中山保寛
佐藤充 / SATO+ARCHITECTSによる、宮城・仙台市の「中山の家」。林縁の雛壇状に造成された敷地。擁壁を“副産物”ではなく“生活に寄り添う‘壁面’”と捉え、建築との“親密な関係”の構築を志向。擁壁を跨ぐように建築を配置して其々に暮らしに寄与する様々な役割を与える1階 上、左:「ユーティリティテラス」、右:衣裳部屋 photo©中山保寛

佐藤充 / SATO+ARCHITECTSが設計した、宮城・仙台市の「中山の家」です。
林縁の雛壇状に造成された敷地での計画です。建築家は、擁壁を“副産物”ではなく“生活に寄り添う‘壁面’”と捉え、建築との“親密な関係”の構築を志向しました。そして、擁壁を跨ぐように建築を配置して其々に暮らしに寄与する様々な役割を与えました。

敷地は、1960年代に山を切り開き宅地造成された住宅地と山林のエッジにある。
もともと山林の一部だった斜面地を数年前に切土と3枚の擁壁によって雛壇状に造成された敷地であり、接道レベルに駐車場、擁壁上の平地に建築を配置するという定型化された建ち方が真っ先に想像される。
それは、私たちが無意識のうちに土木と建築を一切関係しあうことなく切り離して風景を捉えているからに他ならない。

建築家によるテキストより

「南光台東の家」を設計した際に、擁壁の崩壊メカニズムとその上に建つことの危うさについて把握していたことから、80坪という比較的ゆとりのある敷地に対し、安全に計画可能な敷地面積は、ごく僅かであることが見て取れた。
そこで、擁壁を宅地造成による「副産物」としてではなく、生活に寄り添う「壁面」と捉え、擁壁と建築が親密な関係を構築することで都市の風景、そこでの体験を豊かなものに変えることができないだろうか、と考えた。

建築家によるテキストより

2段目の平地を構成する擁壁の底盤を避けてヴォリュームを配置し、道路レベルの平地から立ち上げたヴォリュームと擁壁を跨ぐように上部で接続させた。上下2つの基礎と既存擁壁を刺し筋で接合し、せん断力の伝達を担保することで一体性を確保し、さらに3つの地面のレベルに合わせて3枚のスラブを配置し、全ての生活空間に雛壇状の地形との関係性を持たせている。

擁壁が成す微かな角度を手掛かりに、前面道路から1枚目の擁壁は、内外に貫入し、空間の流れを生むとともに、建主の趣味の観葉植物やサーフボードのメンテナンススペースとなり、2枚目の擁壁は、物干しスペースや家事の合間の気分転換を図るユーティリティーテラスを構成し、さらにレフ板として太陽光を北側から回折させ住まいの奥まで陽光を導く。

建築家によるテキストより

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