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井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioによる、東京・小金井市の住宅「大階段室の住居」。駅前の密集地に計画。採光が厳しい中での明るく開放的な住まいの要望に、限られた光を全体に届ける“すり鉢状”の吹抜けを考案。全体を“大きな階段室”になぞらえて緩やかに繋がり分節される空間を作る
井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioによる、東京・小金井市の住宅「大階段室の住居」。駅前の密集地に計画。採光が厳しい中での明るく開放的な住まいの要望に、限られた光を全体に届ける“すり鉢状”の吹抜けを考案。全体を“大きな階段室”になぞらえて緩やかに繋がり分節される空間を作る photo©渡邊聖爾
井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioによる、東京・小金井市の住宅「大階段室の住居」。駅前の密集地に計画。採光が厳しい中での明るく開放的な住まいの要望に、限られた光を全体に届ける“すり鉢状”の吹抜けを考案。全体を“大きな階段室”になぞらえて緩やかに繋がり分節される空間を作る photo©渡邊聖爾
井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioによる、東京・小金井市の住宅「大階段室の住居」。駅前の密集地に計画。採光が厳しい中での明るく開放的な住まいの要望に、限られた光を全体に届ける“すり鉢状”の吹抜けを考案。全体を“大きな階段室”になぞらえて緩やかに繋がり分節される空間を作る photo©渡邊聖爾

井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioが設計した、東京・小金井市の住宅「大階段室の住居」です。
駅前の密集地に計画されました。建築家は、採光が厳しい中での明るく開放的な住まいの要望に、限られた光を全体に届ける“すり鉢状”の吹抜けを考案しました。また、全体を“大きな階段室”になぞらえて緩やかに繋がり分節される空間を作る事も意図されました。

駅前の密集地に立つ3階建住居の新築計画である。
敷地は北側の道路以外3方を3階建てのアパートや住宅に囲まれる周囲の建物が建て迫った状況の立地で、採光面で非常に厳しい条件であった。若い夫婦と小さな子供3人の5人家族は、それでも明るい室内と3階建て特有の閉鎖感のない開放的な住まいを要望していた。

建築家によるテキストより

採光が期待できる部分は、北側の道路と天空、隣地とのわずかな隙間のみ。そのわずかな採光面に開くように、家の中央に1Fの玄関から最上部まで貫く吹抜を設け、その吹抜に沿うように階段を計画した。吹抜は上階へいくほどすり鉢状に広がり、上階で取り込んだ光を効率よく下階へと落とし込むように計画している。外観も、吹抜の形状に応じて上階へ行くほど道路へと迫り出している。

建築家によるテキストより

3階建住宅の場合は、階段が住まいの隅に追いやられ、残りの空間を広くする計画も多いが、ここでは階段自体を肥大化させ、この住居自体が大きな階段室であるかのような計画とした。上方から降り注ぐ光はおおらかな明るさとなって玄関まで届き、肥大化した階段空間が、リビングやダイニング、各諸室を分断された部屋ではなく、「おおきな階段の踊り場の一部」のように変容させる。

建築家によるテキストより
BIGによる、オランダ・アムステルダムの集合住宅「Sluishuis」。都市の水辺に計画。湾に面するブロックを持ち上げる操作で、光や眺望も中庭に取り入れる親水空間を構築。屋上は公共的空間として開放され、観光や住民の為の交流の場として機能
BIGによる、オランダ・アムステルダムの集合住宅「Sluishuis」。都市の水辺に計画。湾に面するブロックを持ち上げる操作で、光や眺望も中庭に取り入れる親水空間を構築。屋上は公共的空間として開放され、観光や住民の為の交流の場として機能 photo©Ossip Van Duivenbode
BIGによる、オランダ・アムステルダムの集合住宅「Sluishuis」。都市の水辺に計画。湾に面するブロックを持ち上げる操作で、光や眺望も中庭に取り入れる親水空間を構築。屋上は公共的空間として開放され、観光や住民の為の交流の場として機能 photo©Ossip Van Duivenbode
BIGによる、オランダ・アムステルダムの集合住宅「Sluishuis」。都市の水辺に計画。湾に面するブロックを持ち上げる操作で、光や眺望も中庭に取り入れる親水空間を構築。屋上は公共的空間として開放され、観光や住民の為の交流の場として機能 photo©Ossip Van Duivenbode
BIGによる、オランダ・アムステルダムの集合住宅「Sluishuis」。都市の水辺に計画。湾に面するブロックを持ち上げる操作で、光や眺望も中庭に取り入れる親水空間を構築。屋上は公共的空間として開放され、観光や住民の為の交流の場として機能 photo©Ossip Van Duivenbode

BIGが設計した、オランダ・アムステルダムの集合住宅「Sluishuis」です。
都市の水辺に計画されました。建築家は、湾に面するブロックを持ち上げる操作で、光や眺望も中庭に取り入れる親水空間を構築しました。また、屋上は公共的空間として開放され、観光や住民の為の交流の場として機能させる事も意図されました。

こちらはリリーステキストの翻訳

アムステルダムの端にある密集した都市と広大な風景の間に位置する新しい「Sluishuis」は、大規模なインフラと小規模な都市集落に近いと同時に、その複雑な環境によって形成されています。水上生活という概念を取り入れ、どの角度から見ても異なる表情を持つ、古典的な中庭のある建物は、2つの変化によって活性化されています。水に向かってブロックを持ち上げ、大きな開口部を設け、アイ湾の水を中庭に導き、アパートメントの内部にも日差しや眺望を取り込んでいます。また、隣接する市街地に向かっては、滝のように段差のあるテラスを設け、街並みから小規模な自然環境へとナチュラルに移行できるようにしました。

BIGの創業パートナーのビャルケ・インゲルスは言います。
「20世紀末にオランダで建築家としての形成期を過ごした私にとって、長い間愛し、賞賛してきた街の建築に貢献できることは、故郷に帰ってきたような気分です。私たちのSluishuisは、アイ湾に浮かぶアムステルダムのダウンタウンの街区として構想され、都市生活のあらゆる面を備えています。街に向かって、中庭の建物はひざまずき、訪れる人をその屋根に登らせ、アイ湾に面した新しい地区のパノラマビューを楽しむように誘います。水面に向かって、建物は川から立ち上がり、巨大なゲートを開いて船が入港し、港・ヤードに停泊します。港の中に建物があり、建物の中に港があるのです」

公共プログラムを備えたプロムナードが建物の周囲を回り水辺へと続き、ハウスボート、ヨットスクール、フローティングガーデンのある島々を形成しています。建物のテラスを登るパブリック・パサージュは、小さな屋上ストリートとして機能し、最終的にはビルの最上階にループして、アイ湾を見渡す展望台となります。このパサージュは、訪問者や近隣住民のための観光地となるだけでなく、住戸同士を結びつけ、居住者同士のユニークな立体的コミュニティを形成することができます。

チームによる、神奈川・川崎市の住戸改修「宮前平のマンション 改修工事」。築50年の集合住宅での計画。既存のnLDKをコロナ禍以降の在宅中心の生活に適応させるべく、最低限の工事で異なる領域を作り“適度な距離感”を構築。同時多発的な状況に応える空間を作る
チームによる、神奈川・川崎市の住戸改修「宮前平のマンション 改修工事」。築50年の集合住宅での計画。既存のnLDKをコロナ禍以降の在宅中心の生活に適応させるべく、最低限の工事で異なる領域を作り“適度な距離感”を構築。同時多発的な状況に応える空間を作る photo©チーム
チームによる、神奈川・川崎市の住戸改修「宮前平のマンション 改修工事」。築50年の集合住宅での計画。既存のnLDKをコロナ禍以降の在宅中心の生活に適応させるべく、最低限の工事で異なる領域を作り“適度な距離感”を構築。同時多発的な状況に応える空間を作る photo©チーム
チームによる、神奈川・川崎市の住戸改修「宮前平のマンション 改修工事」。築50年の集合住宅での計画。既存のnLDKをコロナ禍以降の在宅中心の生活に適応させるべく、最低限の工事で異なる領域を作り“適度な距離感”を構築。同時多発的な状況に応える空間を作る photo©チーム

チームが設計した、神奈川・川崎市の住戸改修「宮前平のマンション 改修工事」です。
築50年の集合住宅での計画です。建築家は、既存のnLDKをコロナ禍以降の在宅中心の生活に適応させるべく、最低限の工事で異なる領域を作り“適度な距離感”を構築しました。また、同時多発的な状況に応える空間も意図されました。

築50年のマンションが持つnLDKの平面計画を、コロナ禍中で変容する在宅中心の生活様式へ適応させることを試みたプロジェクトである。

建築家によるテキストより

解体不可の耐力間仕切り壁・近所迷惑対策による工事内容制限・ローコストといったお馴染みの条件の下、設備絡みの段差の設定・適材適所の仕上げ・劣化した既存仕上げ部分への保護塗装・可動なものとしてのテキスタイルの活用など最低限の工事で、異なる領域 −半屋外的感覚になれる土間・生活の中心は食と言える程大きなカウンターキッチン・たくさんのマイメンが集っても大丈夫な広い空間・寝るときくらいは温かみのある部屋− を設えた。

建築家によるテキストより

それらの領域は間仕切り壁を介して付かず離れず、家内同時多発的な在宅生活の中に適度な距離感を与えてくれることを期待する。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 飯田善彦建築工房が、設計スタッフ(経験者・既卒)と学生アルバイト(模型製作)を募集中
【ap job更新】 飯田善彦建築工房が、設計スタッフ(経験者・既卒)と学生アルバイト(模型製作)を募集中
【ap job更新】 飯田善彦建築工房が、設計スタッフ(経験者・既卒)と学生アルバイト(模型製作)を募集中半居/2009

飯田善彦建築工房の、設計スタッフ(経験者・既卒)と学生アルバイト(模型製作)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

飯田善彦建築工房では設計スタッフ・アルバイトを募集します。

飯田善彦建築工房では、現在13名(1級建築士8名)が在籍し、横浜、京都に事務所を置きながら住宅から大学施設まで様々な規模のプロジェクトを行っています。

大きな案件では、横浜市の公立小学校、福島県の幼保小中が一体となった教育施設、京都府にある大学施設の新築プロジェクト、その他新築・改修を問わず住宅やホテル、ギャラリー等、多種多様な建築が進行中です。さらに国内外のプロポーザルの応募にも積極的に取り組んでいます。

またこれまで私たちは建築の設計監理のみならず、デザイン監修やインテリア・家具デザイン、ワークショップ、自社で運営するブックカフェの営業、イベントの開催など多岐にわたる事業を展開しています。その理由は建築デザインという領域が、狭義の設計活動に留まらない社会と人をつなぐとても重要な役割を担っている、と考えているからです。

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■私たちの姿勢―そこでしかできない建築を考える―
私たちは、その場所のさまざまな記憶、歴史、気候、風土、地形、資源などを十分に読み込み、その目的を最もよく達成するためのプログラム、技術、構造、環境、素材、コストなどを十分に探ることで、つまり、目に見えないことから目に見えるものまで、創造力(想像力)の全てをかけて建築を生みだすこと、を目指したいと考えます。
様々な視点や専門的な領域から建築を考える、プロフェッショナルな集団を目指して日々仕事に取り組んでいます。
詳しくは自社HPにて→http://www.iida-arc.com/about/

■プロジェクトの進め方
大小様々な規模やプログラムのプロジェクトを状況に応じて、有機的なチーム編成で設計に取り組んでいます。
1人で2つ以上のプロジェクトを同時並行で担当する場合は、両方を進めるための時間のやりくりや他方のプロジェクトの経験がもう片方にもフィードバックされる等、工夫や学びが必要とされるため、緊張感を持って考えながら取り組む事になります。またプロポーザルに参加し事務所一丸となって取り組む事で、スタッフ同士の議論やプレゼンテーション技術、リサーチの方法から学びを得る機会も積極的に設けられます。

■キャリアについて
実務経験者が希望するキャリアを尊重し、幅広い経験ができるよう、一人一人が働きやすい職場を目指しています。現在在籍しているスタッフの中にも、様々な案件に携わりながら事務所の中心となって長く勤めている方や、今年産休から復帰し働き始めている女性のスタッフもいます。また独立を視野に入れている経験者も歓迎します。独立して活躍しているOB・OGとの繋がりも深く、コンペやプロジェクト単位で共同する機会も増えています。

■コロナ禍における働き方
月に1回抗原検査を実施しており、体調に不安がある場合などは自宅作業としたり、状況に応じてフレキシブルに対応できるようにしています。自宅での作業環境を支援する為のPC機器やIpad等の設備に関しても支給をしています。

代表・飯田善彦からのコメント
「私たちの仕事の大半はプロポーザルコンペで獲得したものです。全てが次の社会に繋がっている。まさしく未来をつくる仕事です。新しい建築に挑戦し、実現していく意欲を持った人にぜひチームに参加して欲しいと思います。」

Horibe Associatesによる、京都市の「上京のオフィス」。金属工事に携わる企業の為に計画。“景観政策”と施主の要望への応答を目指して、規則を読み解きながら相応しい寸法や面積を考慮し設計。構造の“張弦梁”に社の理念の伝達の意図も重ねる
Horibe Associatesによる、京都市の「上京のオフィス」。金属工事に携わる企業の為に計画。“景観政策”と施主の要望への応答を目指して、規則を読み解きながら相応しい寸法や面積を考慮し設計。構造の“張弦梁”に社の理念の伝達の意図も重ねる photo©三木夕渚
Horibe Associatesによる、京都市の「上京のオフィス」。金属工事に携わる企業の為に計画。“景観政策”と施主の要望への応答を目指して、規則を読み解きながら相応しい寸法や面積を考慮し設計。構造の“張弦梁”に社の理念の伝達の意図も重ねる photo©三木夕渚
Horibe Associatesによる、京都市の「上京のオフィス」。金属工事に携わる企業の為に計画。“景観政策”と施主の要望への応答を目指して、規則を読み解きながら相応しい寸法や面積を考慮し設計。構造の“張弦梁”に社の理念の伝達の意図も重ねる photo©三木夕渚

Horibe Associatesが設計した、京都市の「上京のオフィス」です。
金属工事に携わる企業の為に計画です。建築家は、“景観政策”と施主の要望への応答を目指して、規則を読み解きながら相応しい寸法や面積を考慮し設計します。また、構造の“張弦梁”に社の理念の伝達の意図も重ねました。

場所は京都、金属工事の設計施工を行う企業オフィスの計画です。


建築家によるテキストより

京都市では100年後の京都の将来を見据えた景観政策が展開され、
計画地においては明治時代から残る京町家も点在し、それら歴史的建造物との調和を目的に「旧市街地型美観地区」に指定されています。
その景観政策において建築形態に大きく影響を与えた3つの要素があります。


①屋根は特定勾配(3/10~4.5/10)とし軒の出は60cm以上とする(高さ10m超える場合は90cm)。

②道路面には各階60cm以上の軒を出すこと(高さ10m超える場合は90cm)。

③3階の壁面は下階より90cm以上後退させること。

建築家によるテキストより

軒の出を90cm以上とすると指定容積を有効に活用できないため高さを10m以下とする必要がありました。

敷地形状をオフセットし屋根を掛け、必要な軒の出(60cm)と3階道路側壁面のセットバック(90cm)より外皮を設定。
階高について1階はテナントを想定した天井高さの他、隣家の軒庇レベルを揃えることで街並みの連続性に配慮、約20名の執務空間の2階は一人あたり10m3程度の気積を確保するために必要な階高、3階は手摺高さと消防法によって定められた進入口寸法が確保できる高さ。それらが10m以下の特定勾配3寸の屋根ボリューム内に収まるよう配分しました。

建築家によるテキストより
小野晃央 / シグマ建設+ONOによる、埼玉の「熊谷のペンシルビル」。駅前大通りと裏通りに接道する敷地に計画。街との連続性を考慮し、通り抜けできる1階の構成と全面開放できる各階の開口を考案。夜間には見上げた天井面がファサードとして機能するよう意図
小野晃央 / シグマ建設+ONOによる、埼玉の「熊谷のペンシルビル」。駅前大通りと裏通りに接道する敷地に計画。街との連続性を考慮し、通り抜けできる1階の構成と全面開放できる各階の開口を考案。夜間には見上げた天井面がファサードとして機能するよう意図 photo©竹内吉彦
小野晃央 / シグマ建設+ONOによる、埼玉の「熊谷のペンシルビル」。駅前大通りと裏通りに接道する敷地に計画。街との連続性を考慮し、通り抜けできる1階の構成と全面開放できる各階の開口を考案。夜間には見上げた天井面がファサードとして機能するよう意図 photo©竹内吉彦
小野晃央 / シグマ建設+ONOによる、埼玉の「熊谷のペンシルビル」。駅前大通りと裏通りに接道する敷地に計画。街との連続性を考慮し、通り抜けできる1階の構成と全面開放できる各階の開口を考案。夜間には見上げた天井面がファサードとして機能するよう意図 photo©竹内吉彦

小野晃央 / シグマ建設+ONOが設計した、埼玉の「熊谷のペンシルビル」です。
駅前大通りと裏通りに接道する敷地に計画されました。建築家は、街との連続性を考慮し、通り抜けできる1階の構成と全面開放できる各階の開口を考案しました。また、夜間には見上げた天井面がファサードとして機能するよう意図しました。

熊谷駅前の16m道路と裏手住宅街の4m道路を繋ぐ
3.8m×14mの敷地に、鰻の寝床状の木造準耐火3階建てのペンシルビルを計画した。
オーナーは長年この周辺で古着屋を営み、最上階をオーナー用の店舗兼事務所として活用し、1、2階をテナントとする計画である。


建築家によるテキストより

住宅地に面した裏通りには、小さな店舗や住宅が建ち並び、
前面の駅前通りとは異なった静かながらも魅力的な通りとなっている。
現状空地となっている隣地は駅側から歩いて来た人が通り抜け動線として活用し、本計画でも表通りと裏通りを繋ぐように通り抜け可能な構成としている。
裏通り側の建具は3層全てが全面開放可能な引戸とし、各階が街に対し開放的に連続できる設えとなっている。

建築家によるテキストより

3階建てというスケール感は、大通り沿いの風景として特に夜間、最上階の天井面見上げの印象が強く残る。
そこで、屋根形状を寄棟とし、日中のシンプルな三角屋根の印象とは対照的に、夜間は屋根形状が天井面として現れるつくりとする事で、木質の天井面をファサードとして捉えた設計としている。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス [期間:2022/7/18-7/24]
最も注目を集めたトピックス [期間:2022/7/18-7/24]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2022/7/18-7/24)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 溝部礼士建築設計事務所による、東京・江戸川区の住宅「石黒邸」。親水緑道に面した敷地に計画。施主が望んだ“ブルータル”と場所への相応しさを求めて、道との関係を作る深いヴォイドを持つ建築を考案。木造750mmモデュールが生む特異な均衡も空間を特徴づける
  2. 永山祐子がデザインを手掛ける、2025年大阪・関西万博のパナソニックグループのパヴィリオン「ノモの国」が発表。設計のコンセプトは「風で“揺らぐ゙”軽やかで自由な建築」。完成予想の内外観パースも公開
  3. 川島範久建築設計事務所による、愛知の「豊田の立体最小限住宅」。地球環境危機時代のプロトタイプも目指し計画。周辺への応答と快適性や省エネ性を求め、街との距離を計る開口部と限られた費用でも実現する断熱と空調のシステムを考案。現しの仕様で居住者の仕組の理解も促進
  4. 大西麻貴が選定された、2023年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館の指名コンペの、各者の提案書と講評が公開。候補者には、大西麻貴・腰原幹雄・杉本博司・田根剛・西牧厚子・原田真宏 / 原田麻魚が名を連ねる
  5. 神本豊秋+再生建築研究所による、東京・千代田区の「旧岡田ビル再生計画」のレポート。都心の築約50年の事務所ビルを改修。法令抵触部の是正と空間性向上の両立を目指して、環境との緩衝帯となる5層の吹抜に加え様々なアイデアを実践。改修だからこそ生み出せる豊かさを持つ建築
  6. 山田誠一建築設計事務所による、静岡市の「西千代田町の家」。住宅地に建つ設計者の自邸。伝統を尊敬した上での更新と“これからの日本の家”を求め、厳密な寸法体系で部材と空間を統率し空間を構築。銀色の外壁は一部が開閉し街と家との多様な関係を作る
  7. 河部圭佑建築設計事務所による、愛知・大府市の改修「八寸勾配の見世」。運動の盛んなエリアに建つ飲食店とジム。地域性の象徴と装飾の可能性を求め、店の発信とは別の存在となる“走る人”を屋根面に描画。内外の意匠もイラストとの関係を際立たせる設計を意図
  8. イランイランによる、愛知・名古屋市の住宅「K house 4」。閑静な住宅街に計画。日々の移り変わる感覚を許容する空間を求めて、素材の選択や諸室の配置で対照的な要素が共存する設計を志向。五感で繊細に感じる住宅をつくる
  9. トラフ建築設計事務所のデザイン監修、東急電鉄と交建設計の設計監理による、東京の「東急池上線長原駅」。商店街の築50年駅舎の改修計画。街とに繋がる親しみある存在を目指し、県産木製ルーバーを用いて軒下空間から改札内への連続性を構築。壁等の基本色は利用者の安心感への寄与を考慮
  10. 桐山啓一 / Airhouseによる、神奈川・横浜市の「横浜の家」。三方を建物が囲む敷地に計画。プライバシー確保と開放性の両立を求めて、盛土掘削で隣地より接地面を下げて鋭角三角屋根で隙間を作り天窓採光する建築を考案。隣家の採光や街並への圧迫感軽減も意図
  11. 仙田満の環境デザイン研究所が、新石川県立図書館設計プロポで、設計候補者に選定
  12. 藤本壮介+東畑建築事務所+梓設計による、2025年大阪・関西万博の「大屋根(リング)」。外側高さ約20mで内径約615mの世界最大級の木造建築。会場の主動線として交通空間であると共に、雨風等を遮る快適な滞留空間としても機能。屋上には緑の丘が広がり瀬戸内海の景観を眺望
  13. スティーブン・シェンク+服部大祐 / Schenk Hattoriによる、ベルギーのインフォメーションセンター。大戦の過去を持つ自然保護区に計画。ランドマークでエリアの動線の明確化や展示と集いも担う建築の要望に、構造ユニットが微細にずれながら連続する構成を考案。奥行の変化が軒下に動線であり広場でもある空間を作る
  14. 水野芳康 / 水野建築事務所による、静岡・焼津市の子育て支援施設「ターントクルこども館」。駅前商店街の並びに建つ施設。地域の賑わい創出を目指して、人の流れを受け入れる配置の芝生広場や街との関係を作る雁行ファサードを考案。半屋外を各所に設けて内から外へ活気を連鎖させる
  15. 元木大輔 / DDAAによる、東京・千代田区の、期間限定のショールーム「WABARA LABORATORY TOKYO」。滋賀が拠点のバラ園の為に計画。バラの存在の“ドレスダウン”と新たな面の提示を目指して、工業製品を極力“無加工”で組み合わせた什器による空間を考案。コスト面や会期後の移動や再利用も考慮
  16. 北野慶 / KKAAと八木貴伸 / YTAAによる、奈良市の「学園前の家」。建て込むエリアの高低差のある敷地に計画。自然を身近に感じたいとの要望に、分棟形式で光・風・緑を感受できる“余白”を差し込む構成を考案。接道する棟を高床とし周囲との緩やかな繋がりも作る
  17. MVRDVによる、オランダ・ハーグの二棟の高層集合住宅。中央駅前にある高さ100mを超える建築。頭頂部のテラスが積み重なった“王冠”の様なデザインが、都市に対して特徴的な景観を提供。居住者用の交流アプリでも社会的結束を促進
  18. 新井里志+中富慶 / Kiiによる、東京・渋谷区のオフィス「LYONESSE PICTURES」。異業種と協業する映像制作会社の為に計画。既存の採光を活かしつつ交流を促進する空間を目指して、家具の色と透過素材のカーテンでのゾーニングを考案。人や物の繋がりを担保しつつ緩やかな境界を作る
  19. 東京建築士会主催の「住宅建築賞2022入賞作品展」をフォトレポート。受賞者は、畠山鉄生+吉野太基(金賞)、小林佐絵子+塩崎太伸、横井創馬+佐瀬和穂+大沢美幸、武田清明
  20. 片田友樹 / micelleによる、鹿児島の「KOTOBUKI cheese factory」。イベント空間も備えた施設。施主の中古コンテナ使用の要望に、建築の基本単位としてコンテナを扱い其々の隙間を操作する事で多様な空間を構築。再利用ならではの固有な表情を内装にも活かす

谷口建築設計研究所による、清掃工場「広島市環境局中工場(2004)」を紹介する国際交流基金が作成した動画

谷口建築設計研究所が設計した、清掃工場「広島市環境局中工場(2004年)」を紹介する国際交流基金が作成した動画です。世界各地を巡回している展示「構築環境:もうひとつの日本ガイド」の為に作成されたものとの事。

四季の変化に富む一方で、地震、噴火、津波、台風などの自然災害に頻繁に見舞われてきた日本。自然環境と対話し、格闘し、また地域性を継承することで創造された魅力的な建築物や構造物が全国各地に数多くあります。そうした各地の魅力的な、しかしこれまであまり注目されてこなかった建築物や構造物を、このビデオシリーズでは「建築」「土木」「ランドスケープ」を分け隔てなく考える「構築環境」の視点から改めて紹介いたします。名所旧跡を辿るのではない、もうひとつの日本建築ガイドです。

象設計集団+アトリエ・モビルによる、沖縄の「名護市庁舎(1981)」を紹介する国際交流基金が作成した動画

象設計集団+アトリエ・モビルが設計した、沖縄の「名護市庁舎(1981年竣工)」を紹介する国際交流基金が作成した動画です。
世界各地を巡回している展示「構築環境:もうひとつの日本ガイド」の為に作成されたものとの事。

四季の変化に富む一方で、地震、噴火、津波、台風などの自然災害に頻繁に見舞われてきた日本。自然環境と対話し、格闘し、また地域性を継承することで創造された魅力的な建築物や構造物が全国各地に数多くあります。そうした各地の魅力的な、しかしこれまであまり注目されてこなかった建築物や構造物を、このビデオシリーズでは「建築」「土木」「ランドスケープ」を分け隔てなく考える「構築環境」の視点から改めて紹介いたします。名所旧跡を辿るのではない、もうひとつの日本建築ガイドです。

大西麻貴が選定された、2023年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館の指名コンペの、各者の提案書と講評が公開。候補者には、大西麻貴・腰原幹雄・杉本博司・田根剛・西牧厚子・原田真宏 / 原田麻魚が名を連ねる

大西麻貴が選定された、2023年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館のキュレーター指名コンペティションの、最終候補者の提案書と講評が公開されています。

国際交流基金(JF)は、第18回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の日本館キュレーターを選出するため、指名コンペティションを行いました。6名の候補者の方にご参加いただき、選考委員会において審査を行った結果、このたび大西麻貴氏がキュレーターに選出されましたので、お知らせします。選考の経過などは、以下のリンクの資料をご参照ください。

以下は、公開された提案書のデータへの直接リンクです。

審査講評のデータへの直接リンクはこちら

MVRDVによる、オランダ・ハーグの二棟の高層集合住宅。中央駅前にある高さ100mを超える建築。頭頂部のテラスが積み重なった“王冠”の様なデザインが、都市に対して特徴的な景観を提供。居住者用の交流アプリでも社会的結束を促進
MVRDVによる、オランダ・ハーグの二棟の高層集合住宅。中央駅前にある高さ100mを超える建築。頭頂部のテラスが積み重なった“王冠”の様なデザインが、都市に対して特徴的な景観を提供。居住者用の交流アプリでも社会的結束を促進 photo©Emmely van Mierlo
MVRDVによる、オランダ・ハーグの二棟の高層集合住宅。中央駅前にある高さ100mを超える建築。頭頂部のテラスが積み重なった“王冠”の様なデザインが、都市に対して特徴的な景観を提供。居住者用の交流アプリでも社会的結束を促進 photo©Daria Scagliola
MVRDVによる、オランダ・ハーグの二棟の高層集合住宅。中央駅前にある高さ100mを超える建築。頭頂部のテラスが積み重なった“王冠”の様なデザインが、都市に対して特徴的な景観を提供。居住者用の交流アプリでも社会的結束を促進 photo©Daria Scagliola
MVRDVによる、オランダ・ハーグの二棟の高層集合住宅。中央駅前にある高さ100mを超える建築。頭頂部のテラスが積み重なった“王冠”の様なデザインが、都市に対して特徴的な景観を提供。居住者用の交流アプリでも社会的結束を促進 photo©Emmely van Mierlo

MVRDVが設計した、オランダ・ハーグの二棟の高層集合住宅「グロティウス・タワーズ」です。
都市の中央駅前にある高さ100mを超える建築です。建築家による、頭頂部のテラスが積み重なった“王冠”の様なデザインが、都市に対して特徴的な景観を提供しています。また、居住者用の交流アプリでも社会的結束を促進します。

こちらはリリーステキストの翻訳です

ハーグに新たな2つの王冠が誕生。MVRDVのグロティウス・タワーズは、印象的なスカイラインを形成し、中央駅周辺の高密度化を促進します

MVRDVがデベロッパーのプロヴァストのために設計した2つの住居タワーが、ハーグに完成しました。高さ120mと100mのグロティウス・タワーズは、中央駅からほど近いグロティウス広場に位置し、オランダ王立図書館と並んでいます。このタワーは、アパートメントを積み重ねた印象的な王冠を持ち、公共交通機関のハブが目の前にある街のまさに中心部に、手頃な価格の賃貸住宅を提供します。655戸のうち、114戸がソーシャル賃貸、295戸がミッドマーケット向け賃貸となっています。

グロティウス・タワーズの最上階は、セットバックとテラスのあるランドスケープへと伸びています。このタワーは遠くからでも見ることができ、ハーグのスカイラインに人目を引く新たなアクセントを加えています。面積の隅々まで賢く使わなければならないこの地域で、MVRDVは延べ床面積61,800㎡の2棟の集合住宅を設計しました。タワーの建築面積を巧みに配置することで、デザインチームは、通りを維持しながら新しい広場を作り出し、新しい視点から見た際に微妙に形が変わって見える2棟の建物を開発することに成功したのです。

この設計では、タワーの最上部に特に注意を払いました。最上部を非対称に「崩す」ことで、南側が北側よりも多く、テラスが積み重なったような特徴的な景観を生み出しています。また、テラスとファサードにサステナブルな竹の複合材を使用し、色と素材を変えることで、王冠にさらなるアクセントを与えています。また、タワーの基部には、上層部がベージュ、下層部がアンスラサイトグレーと色のグラデーションがなされており、地上へのソフトランディングを実現しています。

グロティウス・タワーのアパートメントは、家賃も広さもさまざまですが、最も小さな角部屋でも、各部屋に実現された大きな窓から美しい景色を眺めることができます。居住者一人ひとりに、屋外スペースが与えられています。上層部では、居住者はクラウンのテラスに出ることができ、タワーの他の部分では一部が突出し、また一部がロッジアとしてアパートメントにセットバックするバルコニーになっています。

MVRDVの設立パートナーであるヴィニー・マースは言います。
「このデザインによって、すでに賑やかなこのエリアに新しい空間を作り出しました」
「タワーは細く見えますが、大きな床面積を持ち、様々な住宅が混在しています。最上部の “ヴィレッジ”は、文字通りこのデザインの頂点に位置しています。眺望だけでなく、このテラスの積み重ねによって、居住者同士が簡単に出会えるようになります。まるで1階に住んでいるかのように、気軽にワインや食事に誘い合うことができるのです。」

スティーブン・シェンク+服部大祐 / Schenk Hattoriによる、ベルギーのインフォメーションセンター。大戦の過去を持つ自然保護区に計画。ランドマークでエリアの動線の明確化や展示と集いも担う建築の要望に、構造ユニットが微細にずれながら連続する構成を考案。奥行の変化が軒下に動線であり広場でもある空間を作る
スティーブン・シェンク+服部大祐 / Schenk Hattoriによる、ベルギーのインフォメーションセンター。大戦の過去を持つ自然保護区に計画。ランドマークでエリアの動線の明確化や展示と集いも担う建築の要望に、構造ユニットが微細にずれながら連続する構成を考案。奥行の変化が軒下に動線であり広場でもある空間を作る photo©Michiel De Cleene
スティーブン・シェンク+服部大祐 / Schenk Hattoriによる、ベルギーのインフォメーションセンター。大戦の過去を持つ自然保護区に計画。ランドマークでエリアの動線の明確化や展示と集いも担う建築の要望に、構造ユニットが微細にずれながら連続する構成を考案。奥行の変化が軒下に動線であり広場でもある空間を作る photo©Michiel De Cleene
スティーブン・シェンク+服部大祐 / Schenk Hattoriによる、ベルギーのインフォメーションセンター。大戦の過去を持つ自然保護区に計画。ランドマークでエリアの動線の明確化や展示と集いも担う建築の要望に、構造ユニットが微細にずれながら連続する構成を考案。奥行の変化が軒下に動線であり広場でもある空間を作る photo©Michiel De Cleene

スティーブン・シェンク+服部大祐 / Schenk Hattoriが設計した、ベルギー・イーパーのインフォメーションセンター「Entrance Pavilion in Palingbeek」です。
大戦の過去を持つ自然保護区に計画されました。建築家は、ランドマークでエリアの動線の明確化や展示と集いも担う建築の要望に、構造ユニットが微細にずれながら連続する構成を考案しました。そして、奥行の変化が軒下に動線であり広場でもある空間を作ります。施設の公式サイトはこちら

かつての第一次世界大戦の最前線、今は美しい緑が広がる自然保護区。
この広大な敷地入口に「エントランスを明示するランドマーク機能」「大戦の歴史と保護区に関する展示スペース」「来園者の集いの空間」「保護区全体のアクセスの明確化」という役割を担う建築物が求められた。

建築家によるテキストより

公園のエントランスへ向かう長い一本道を進んでゆくと、水平に伸びた一枚の屋根が木々の間から姿を現す。奥に伸びるもう一枚の小振りな屋根とその下の案内ボードは、背後にあるコンシェルジュの住まいのプライバシーを確保すると同時に、その先にあるカフェテリアへのアクセスを明示する。

建築家によるテキストより

長い屋根を支える1830mmスパン(2ヤードの部材寸法を採用)の短手構造ユニットの、部材同士の接合位置を徐々にずらしていくことでプロポーションに連続的な変化を与える。その結果、軒下空間は、端部から中央に向かうにつれ、動線的空間から広場的空間へと少しずつその性格を変えてゆく。

また、平面的な歪みが生む異なる厚みを持った内部空間には、集会所・展示室・ロッカーといった機能が収められ、直行する案内ボードによってその存在が覆い隠される。

建築家によるテキストより
元木大輔 / DDAAによる、東京・千代田区の、期間限定のショールーム「WABARA LABORATORY TOKYO」。滋賀が拠点のバラ園の為に計画。バラの存在の“ドレスダウン”と新たな面の提示を目指して、工業製品を極力“無加工”で組み合わせた什器による空間を考案。コスト面や会期後の移動や再利用も考慮
元木大輔 / DDAAによる、東京・千代田区の、期間限定のショールーム「WABARA LABORATORY TOKYO」。滋賀が拠点のバラ園の為に計画。バラの存在の“ドレスダウン”と新たな面の提示を目指して、工業製品を極力“無加工”で組み合わせた什器による空間を考案。コスト面や会期後の移動や再利用も考慮 photo©長谷川健太
元木大輔 / DDAAによる、東京・千代田区の、期間限定のショールーム「WABARA LABORATORY TOKYO」。滋賀が拠点のバラ園の為に計画。バラの存在の“ドレスダウン”と新たな面の提示を目指して、工業製品を極力“無加工”で組み合わせた什器による空間を考案。コスト面や会期後の移動や再利用も考慮 photo©長谷川健太
元木大輔 / DDAAによる、東京・千代田区の、期間限定のショールーム「WABARA LABORATORY TOKYO」。滋賀が拠点のバラ園の為に計画。バラの存在の“ドレスダウン”と新たな面の提示を目指して、工業製品を極力“無加工”で組み合わせた什器による空間を考案。コスト面や会期後の移動や再利用も考慮 photo©長谷川健太

元木大輔 / DDAAが設計した、東京・千代田区の、期間限定ショールーム「WABARA LABORATORY TOKYO」です。
滋賀が拠点のバラ園の為に計画されました。建築家は、バラの存在の“ドレスダウン”と新たな面の提示を目指して、工業製品を極力“無加工”で組み合わせた什器による空間を考案しました。また、コスト面や会期後の移動や再利用も考慮されました。※既に会期は終了しています

滋賀は琵琶湖畔のばら園「WABARA」のためのショールームを設計した。
解体直前の古いビルの一室が店舗兼展示スペースとなっている。

当初の依頼は、このスペースに設置する什器を購入したいというものだった。
しかし、WABARAが自ら探し当てた取り壊し予定のビルと、バラという対象の組み合わせの妙に惹かれ、厚かましくも展示空間そのものの設計を申し出た。

建築家によるテキストより

考えたのは、バラというコンサバティブな対象をいかにドレスダウンするかということだった。花のなかでもバラはとりわけ派手な存在だ。その存在感はそのままに、バラの多面性というか、新たな面を見せられるようなショールームにしたいと考えた。

建築家によるテキストより

なるべく建材を無加工で使用するという工夫は、コスト面でも有利だし、プロジェクト上の合理性にも基づいている。今回のショールームは期間限定なので、什器はいずれ次の店舗に移動する必要がある。その際、建材の組み合わせで簡易的につくった什器であればそのまま移動できるし、ばらせば建材として再利用もできる。ゴミもほとんど出ないし、工業製品をなるべく加工しないという素っ気ないアプローチによってバラをドレスダウンしている。

建築家によるテキストより
イランイランによる、愛知・名古屋市の住宅「K house 4」。閑静な住宅街に計画。日々の移り変わる感覚を許容する空間を求めて、素材の選択や諸室の配置で対照的な要素が共存する設計を志向。五感で繊細に感じる住宅をつくる
イランイランによる、愛知・名古屋市の住宅「K house 4」。閑静な住宅街に計画。日々の移り変わる感覚を許容する空間を求めて、素材の選択や諸室の配置で対照的な要素が共存する設計を志向。五感で繊細に感じる住宅をつくる photo©ナカサ&パートナーズ 大谷宗平
イランイランによる、愛知・名古屋市の住宅「K house 4」。閑静な住宅街に計画。日々の移り変わる感覚を許容する空間を求めて、素材の選択や諸室の配置で対照的な要素が共存する設計を志向。五感で繊細に感じる住宅をつくる photo©ナカサ&パートナーズ 大谷宗平
イランイランによる、愛知・名古屋市の住宅「K house 4」。閑静な住宅街に計画。日々の移り変わる感覚を許容する空間を求めて、素材の選択や諸室の配置で対照的な要素が共存する設計を志向。五感で繊細に感じる住宅をつくる photo©ナカサ&パートナーズ 大谷宗平

藤川祐二郎+金瑛実+近藤道太郎 / イランイランが設計した、愛知・名古屋市の住宅「K house 4」です。
閑静な住宅街に計画されました。建築家は、日々の移り変わる感覚を許容する空間を求めて、素材の選択や諸室の配置で対照的な要素が共存する設計を志向しました。また、五感で繊細に感じる住宅をつくる事も意図されました。

敷地は愛知県名古屋市緑区。閑静な住宅街の計画である。
日本の文化には相反する事柄を両立かつ調和させてきた「二項共存」の精神がある。静と動、光と影、乾と湿などを移ろう時間の中で、五感をつかって繊細に感じ取ってきたのである。

今回の計画でも、二項のバランスを保ち、居心地良い空間を創ることを心掛けた。

建築家によるテキストより

生活をつかさどるLDKを北側、お風呂、トイレ等の利用時間が短い水回りを隣地が密接している南側に持ってきた。その対照的なゾーンの中間領域に吹き抜け階段スペースを設けて、緩やかにつなげた。

建築家によるテキストより

明るさと広がりを持たせたLDKの隅には狭小で暗い雰囲気の和のスペースを配置した。
ここへの開口を小さくすることで違和感を排除し、陽と陰の両立を表現した。またLDKは部屋の中心からモルタル床ラインを施し、4つのグリッドを作成した。その対でダイニングキッチンとリビングの天井高さを変化させ、均一とズレを共存させた。

建築家によるテキストより
水野芳康 / 水野建築事務所による、静岡・焼津市の子育て支援施設「ターントクルこども館」。駅前商店街の並びに建つ施設。地域の賑わい創出を目指して、人の流れを受け入れる配置の芝生広場や街との関係を作る雁行ファサードを考案。半屋外を各所に設けて内から外へ活気を連鎖させる
水野芳康 / 水野建築事務所による、静岡・焼津市の子育て支援施設「ターントクルこども館」。駅前商店街の並びに建つ施設。地域の賑わい創出を目指して、人の流れを受け入れる配置の芝生広場や街との関係を作る雁行ファサードを考案。半屋外を各所に設けて内から外へ活気を連鎖させる photo©長谷川健太
水野芳康 / 水野建築事務所による、静岡・焼津市の子育て支援施設「ターントクルこども館」。駅前商店街の並びに建つ施設。地域の賑わい創出を目指して、人の流れを受け入れる配置の芝生広場や街との関係を作る雁行ファサードを考案。半屋外を各所に設けて内から外へ活気を連鎖させる photo©長谷川健太
水野芳康 / 水野建築事務所による、静岡・焼津市の子育て支援施設「ターントクルこども館」。駅前商店街の並びに建つ施設。地域の賑わい創出を目指して、人の流れを受け入れる配置の芝生広場や街との関係を作る雁行ファサードを考案。半屋外を各所に設けて内から外へ活気を連鎖させる photo©長谷川健太
水野芳康 / 水野建築事務所による、静岡・焼津市の子育て支援施設「ターントクルこども館」。駅前商店街の並びに建つ施設。地域の賑わい創出を目指して、人の流れを受け入れる配置の芝生広場や街との関係を作る雁行ファサードを考案。半屋外を各所に設けて内から外へ活気を連鎖させる photo©長谷川健太

水野芳康 / 水野建築事務所が設計した、静岡・焼津市の子育て支援施設「ターントクルこども館」です。
駅前商店街の並びに建つ施設です。建築家は、地域の賑わい創出を目指して、人の流れを受け入れる配置の芝生広場や街との関係を作る雁行ファサードを考案しました。また、半屋外空間を各所に設けて内から外へ活気を連鎖させる事も意図されました。施設の公式サイトはこちら

敷地は焼津駅から伸びる駅前商店街の突き当りに位置する。

1階2階に絵本を中心に閲覧できるこども図書館を、3階4階に様々な木のおもちゃで遊ぶことのできるおもちゃ美術館が整備された焼津市ターントクルこども館は、焼津市が子育て環境のより一層の質的向上と量的拡充を図るため、乳幼児から小中高生までが集い・遊び・学べる子育て支援施設として構想された。

駅と計画地の延長線上に位置する焼津市庁舎の建て替え計画も同時期に進行していたため、点から線へ、さらには面的なまちの賑わいの創出を期待された。

建築家によるテキストより

外からのアプローチとしては、まちとの連続性をつくりだし、建物の賑わいが伝播するような配置計画を検討した。
駅からまっすぐに伸びる駅前商店街道路は、丁度この敷地の位置で鈍角に曲がっているため、軸線が敷地の対角線を横切る形となる。そこで、建物を対角線に沿って配置し建物と反対側を芝生広場とすることで、駅前商店街をまっすぐ歩いていくと芝生広場に行きつく計画とした。まちの流れに沿わせた建物の配置とすることで、まちに溶け込んだ建ち方となる。

また、芝生広場側のファサードは面を雁行させ、まちに対する影響範囲を増やすことで賑わいが伝わりやすい計画としている。

建築家によるテキストより

内部からのアプローチとしては、1、2階のこども図書館は、プログラムに対する空間の変化を建築が拾い骨格を変形させていく操作をしている。たとえば、床に座ったり寝転がったりして絵本を読む「読み聞かせスペース」は、段状に掘り下げ、天井高も低く抑えることで落ち着きのある空間としている。それに伴い2階部分の階高が低くなりスキップフロアのような空間構成となっている。

一方で3、4階のおもちゃ美術館は、企画された遊びの空間は遊具などで造られることで、テーマパーク的な世界観をつくりだしているため、極力建築的な操作は見せないフラットな空間として提供した。しかしながら、施設全体の連続性や空間のつながりをつくるために中央に貫く吹き抜け空間を設けることとした。1階のこども図書館に居ながら、3,4階に行ってみたくなるような誘う効果を意図している。

建築家によるテキストより
河部圭佑建築設計事務所による、愛知・大府市の改修「八寸勾配の見世」。運動の盛んなエリアに建つ飲食店とジム。地域性の象徴と装飾の可能性を求め、店の発信とは別の存在となる“走る人”を屋根面に描画。内外の意匠もイラストとの関係を際立たせる設計を意図
河部圭佑建築設計事務所による、愛知・大府市の改修「八寸勾配の見世」。運動の盛んなエリアに建つ飲食店とジム。地域性の象徴と装飾の可能性を求め、店の発信とは別の存在となる“走る人”を屋根面に描画。内外の意匠もイラストとの関係を際立たせる設計を意図 photo©きまたこはる
河部圭佑建築設計事務所による、愛知・大府市の改修「八寸勾配の見世」。運動の盛んなエリアに建つ飲食店とジム。地域性の象徴と装飾の可能性を求め、店の発信とは別の存在となる“走る人”を屋根面に描画。内外の意匠もイラストとの関係を際立たせる設計を意図 photo©きまたこはる
河部圭佑建築設計事務所による、愛知・大府市の改修「八寸勾配の見世」。運動の盛んなエリアに建つ飲食店とジム。地域性の象徴と装飾の可能性を求め、店の発信とは別の存在となる“走る人”を屋根面に描画。内外の意匠もイラストとの関係を際立たせる設計を意図 photo©きまたこはる

河部圭佑建築設計事務所が設計した、愛知・大府市の改修「八寸勾配の見世」です。
運動の盛んなエリアに建つ飲食店とジムの計画です。建築家は、地域性の象徴と装飾の可能性を求め、店の発信とは別の存在となる“走る人”を屋根面に描画しました。そして、内外の意匠もイラストとの関係を際立たせる設計を意図しました。店舗の公式ページはこちら

愛知県大府市に設計したお店です。
この地域の地域性を建築によって象徴すること、現代建築における装飾とその可能性を模索したプロジェクトです。
本テクストの後半では、ポストモダニズムを代表する建築家ロバート・ヴェンチューリの著作「ラスベガス」を引用しながら、近代以降の建築の象徴性について考察します。

建築家によるテキストより

プログラムについてです。
敷地ほど近くにある至学館大学で講師を務める管理栄養士の方が施主で、彼の「食育」研究の実践の場所として計画されました。

1階は、栄養食や健康食を提供するレストランで、健康づくり、スポーツ、ダイエットをする人や高齢者など幅広い人に合わせてそれぞれ考案されたメニューがあります。2階は、それに付随したトレーニングジムで、食事による栄養摂取と身体づくりとを共に学ぶことのできる、主にジュニアアスリート向けのスクールが開かれています。
1階と2階は外部階段によって繋がっているので、それぞれを単独で使うことも、連続したプログラムとして使うこともできます。

建築家によるテキストより

街に向かって降りてくる屋根に、大きなイラストレーションを設けました。イラストレーターのミヤザキさんが作成、グラフィックデザイナーの阿部航太さんがイラストディレクションを行いました。

「走る人」の抽象的な表象によって、上述したこの街の地域性を象徴しようとしました。
前面道路の角度に合わせて北側の外壁ラインと屋根が斜めに切り欠かれていますが、ちょうど地面を蹴る方の脚が、屋根の切り欠きにかかるようにイラストを配置しています。屋根の切り欠きを、陸上競技の踏切板=スターティングブロックと見立てています。建築物としての意匠と、サインとしての表象が、相互作用を持つような関係性を目指しました。

濃いグレーの背景に、白くて太い線で描かれたラインは、アスファルト上の路面標示の意匠を引用していて、街を構成する土木的なものの一部となるようにと考えました(配置図)。その方が、専有物ではなく共有物のような佇まいになると思ったからです。傾きの大きな屋根(八寸勾配)なので、離れた所から見ると壁画のように見えます。

イラストは一点物としてイラストレーターによって描画されました。お店のロゴやその他発信ツールとは別個の存在です。

建築家によるテキストより

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