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妹島和世+西沢立衛 / SANAAが、2022年の「高松宮殿下記念世界文化賞(建築部門)」を受賞。公式のインタビュー動画も公開
妹島和世+西沢立衛 / SANAAが、2022年の「高松宮殿下記念世界文化賞(建築部門)」を受賞。公式のインタビュー動画も公開西沢立衛と妹島和世 photo©architecturephoto

妹島和世+西沢立衛 / SANAAが、2022年の「高松宮殿下記念世界文化賞(建築部門)」を受賞しています。
「大胆な円形と透明性、アートとの親和性が特徴の『金沢21世紀美術館』など、斬新な建築デザインで新世代の牽引役を務めてきた建築家ユニット」と紹介されています。
また、彫刻部門では、中国のアイ・ウェイウェイが受賞しています。また、妹島和世+西沢立衛 / SANAAの受賞記念講演会が2022年10月20日に開催されます。

以下は、同時公開された公式のインタビュー動画です。

齋藤秀行 / Design8°による、熊本市の「清水新地の家」。住宅街に計画。プライバシー配慮と開放性の両立を目指し、低く抑えた軒と軒下テラスが外部の視線を遮ると共に内外を緩やかに繋ぐ構成を考案。人の根源的感覚に応え風土の中の普遍性に寄り添う建築を作る
齋藤秀行 / Design8°による、熊本市の「清水新地の家」。住宅街に計画。プライバシー配慮と開放性の両立を目指し、低く抑えた軒と軒下テラスが外部の視線を遮ると共に内外を緩やかに繋ぐ構成を考案。人の根源的感覚に応え風土の中の普遍性に寄り添う建築を作る photo©白木世志一
齋藤秀行 / Design8°による、熊本市の「清水新地の家」。住宅街に計画。プライバシー配慮と開放性の両立を目指し、低く抑えた軒と軒下テラスが外部の視線を遮ると共に内外を緩やかに繋ぐ構成を考案。人の根源的感覚に応え風土の中の普遍性に寄り添う建築を作る photo©白木世志一
齋藤秀行 / Design8°による、熊本市の「清水新地の家」。住宅街に計画。プライバシー配慮と開放性の両立を目指し、低く抑えた軒と軒下テラスが外部の視線を遮ると共に内外を緩やかに繋ぐ構成を考案。人の根源的感覚に応え風土の中の普遍性に寄り添う建築を作る photo©白木世志一

齋藤秀行 / Design8°が設計した、熊本市の「清水新地の家」です。
住宅街に計画されました。建築家は、プライバシー配慮と開放性の両立を目指し、低く抑えた軒と軒下テラスが外部の視線を遮ると共に内外を緩やかに繋ぐ構成を考案しました。そして、人の根源的感覚に応え風土の中の普遍性に寄り添う建築を作る事を意図しました。

熊本都市圏内の環状道路側に位置する北西角地の平屋住宅です。
密集した住宅地でも採光と通風、プライバシーを配慮しつつ開放的でカーテンを閉めなくても心地よい暮らしができる空間を計画しました。

建築家によるテキストより

片流れの軒先を深く低くおさえて包み込むような内部空間を孕ませ、屋根の下に引き込んだテラスが外からの視線を遮るだけでなく、中間領域として内外を緩やかにつなぐことで落ち着きと多用なアクティビティが喚起されることを期待しています。

建築家によるテキストより

このガラスに囲まれたヴォイドとしてのテラスは、たっぷりと拡散光を室内に取り込み時間や季節の移ろいを感じさせる装置になり、壁を穿った出窓は、庭の植栽を切り取る額縁を兼ねたベンチとして造作することで、自然との関わり方に「間戸/窓」のバリエーションを持たせました。

建築家によるテキストより
カウンタースペースのスマイヤ・ヴァリーとハーバードGDSのサラ・ホワイティングの対談の動画。スマイヤは2021年のサーペンタイン・パヴィリオンを手掛けた南アフリカの建築家

カウンタースペースのスマイヤ・ヴァリーとハーバードGDSのサラ・ホワイティングの対談の動画です。2022年9月8日にハーバード大学で行われたものです。スマイヤは2021年のサーペンタイン・パヴィリオンを手掛けた南アフリカの建築家です。

(翻訳)
スマイヤ・ヴァリーは1990年、南アフリカのプレトリアで生まれました。ヴァリーのデザイン、リサーチ、教育的実践は、ハイブリッドなアイデンティティと領域、特にアフリカとイスラムの状況に対する表現を模索しています。彼女のデザインプロセスはしばしば鑑識的であり、歴史と仕事の生成的な場として聴覚、パフォーマンス、見落とされたものを引き出します。

受賞歴のある建築・研究スタジオ、カウンタースペースの共同設立者であり、代表を務めている。第20回サーペンタイン・パビリオン(2020/2021年)のデザイナーであり、国際的に有名な建築プログラムの依頼を受けた史上最年少の建築家です。彼女は、サーペンタインで開始された新しいフェローシッププログラム「Support Structures for Support Structures」の立ち上げと開発に携わっています。これは、アートと社会正義、アートとアーカイブ、アートとエコロジーが交差する場所での活動を通じて、コミュニティを支援するアーティストやコレクティブを支援するものです。2022年、スマイヤ・ヴァリーは、世界経済フォーラムによって、世界で最も有望なアーティスト、研究者、起業家、活動家、政治家のコミュニティであるヤング・グローバル・リーダーズの一人に選ばれました。

現在、ヴァーリーはアーティスティックディレクターとして、2023年にジェッダで開催される第1回イスラム芸術ビエンナーレのキュレーションに携わっています。現在、リベリアのモンロビアにある「Ellen Johnson Sirleaf Presidential Center for Women and Development」の設計に協力しており、女性国家元首のための初の大統領図書館として、舞台装置、パビリオン、展示スペースを監督します。また、1945年にイギリスのマンチェスターで開催された第5回パンアフリカ会議を記念する庭園と集会所の設計にも携わっています。

スマイヤの仕事は、アカデミーに隣接して運営されています。ヨハネスブルグ大学大学院建築学科では、アフリカ大陸のためのカリキュラムを作ろうとレスリー・ロッコ教授が設立した修士課程スタジオ「Unit 12」を6年間にわたり指導しました。最近では、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の建築学部でペリ特別客員講師を務めるなど、幅広く講義を行っています。

(原文)
Sumayya Vally was born in Pretoria, South Africa in 1990. Vally’s design, research, and pedagogical practice is searching for expression for hybrid identities and territory, particularly for African and Islamic conditions. Her design process is often forensic, and draws on the aural, performance and the overlooked as generative places of history and work.

She is the co-founder and principal of the award-winning architecture and research studio, Counterspace. A TIME100 Next List honouree, Sumayya Vally is named as shaping the future of the architectural canon and practice; and designer of the 20th Serpentine Pavilion (2020/2021), Vally is the youngest architect ever to be commissioned for the internationally renowned architecture programme. She has worked on initiating and developing Support Structures for Support Structures, a new fellowship programme launched at the Serpentine, which supports artists and collectives who support community through their work at the intersections of art and social justice, art and the archive, and art and ecology. In 2022 Sumayya Vally was selected by the World Economic Forum to be one of its Young Global Leaders, a community of the world’s most promising artists, researchers, entrepreneurs, activists, and political leaders.

As Artistic Director, Vally is currently working on curating the first Islamic Arts Biennale taking place in Jeddah in 2023. She is currently collaborating on the design of the Ellen Johnson Sirleaf Presidential Center for Women and Development in Monrovia, Liberia, the first presidential library dedicated to a female head of state, where she will oversee the scenography, pavilions, and exhibition spaces. She is also working on a garden and gathering place commemorating the 5th Pan-African Congress held in Manchester, UK, in 1945.

Sumayya’s practice operates adjacent to the academy. For six years she led the masters’ studio, Unit 12, at the Graduate School of Architecture, University of Johannesburg—founded by Professor Lesley Lokko, with the intent to create a curriculum for the African continent. She has lectured widely, most recently as Pelli Distinguished Visiting Lecturer at the School of Architecture, University of Illinois Urbana-Champaign.

田中洋人建築設計室による、新潟・長岡市の住宅「高畑町の家」。屋根雪対策が条例化する地域に計画。勾配と素材で雪を落とす“落雪式”の規定を肯定的に捉えて、地域環境に寄り添う建築を志向。屋根傾斜を活かして“開放感”と“落ち着き”の両者を備えた内部空間を作る
田中洋人建築設計室による、新潟・長岡市の住宅「高畑町の家」。屋根雪対策が条例化する地域に計画。勾配と素材で雪を落とす“落雪式”の規定を肯定的に捉えて、地域環境に寄り添う建築を志向。屋根傾斜を活かして“開放感”と“落ち着き”の両者を備えた内部空間を作る photo©中村絵
田中洋人建築設計室による、新潟・長岡市の住宅「高畑町の家」。屋根雪対策が条例化する地域に計画。勾配と素材で雪を落とす“落雪式”の規定を肯定的に捉えて、地域環境に寄り添う建築を志向。屋根傾斜を活かして“開放感”と“落ち着き”の両者を備えた内部空間を作る
田中洋人建築設計室による、新潟・長岡市の住宅「高畑町の家」。屋根雪対策が条例化する地域に計画。勾配と素材で雪を落とす“落雪式”の規定を肯定的に捉えて、地域環境に寄り添う建築を志向。屋根傾斜を活かして“開放感”と“落ち着き”の両者を備えた内部空間を作る photo©中村絵

田中洋人建築設計室が設計した、新潟・長岡市の住宅「高畑町の家」です。
屋根雪対策が条例化する地域に計画されました。建築家は、勾配と素材で雪を落とす“落雪式”の規定を肯定的に捉えて、地域環境に寄り添う建築を志向しました。そして、屋根傾斜を活かして“開放感”と“落ち着き”の両者を備えた内部空間を作りました。

多雪地域の新潟県長岡市、市営スキー場から少し下った場所にこの住宅の敷地があります。

雪下ろしの事故がなくならない新潟県では「住宅の屋根雪対策条例」を策定し、「耐雪式」「融雪式」「落雪式」の3つの屋根仕様の克雪(こくせつ)住宅を提示、推奨しています。

建築家によるテキストより

コストを考慮すれば「落雪式」以外は選べないのです。「落雪式」は、切妻や片流れとし、勾配は3/10以上、かつ雪が滑りやすい材料で葺く、この条件が雪国の住宅の屋根の形状を定めています。「落雪式」の屋根形状を肯定的な要素として扱い設計を行いました。

建築家によるテキストより

夏は、丘陵と市街地の間の高台に建つこの住宅の正面から長岡花火が見えます。少し高い位置の大きな木製サッシからは市街地の景色と花火をパノラマで望むことができます。見晴らしがよく「開放感」を感じられます。

冬は、丘陵の裾に積もった雪と屋根からの落雪が壁となり、住宅の背面は閉ざされてしまいます。その閉塞感は安心な居場所の確保ができれば、かまくらの中にいる様な「落ち着き」と捉え直すことができます。

建築家によるテキストより
金山大+小泉宙生 / SWINGによる、大阪・箕面市の「トヨタカローラ新大阪小野原店」。国道沿いの自動車街の店舗改修。単に目立つのでなく“さりげなく”印象に残る存在を目指し、申請不要の構造体を増築して“杉ルーバー”を付加する外観を考案。コストを抑えと工期を短縮し店舗運営への影響を軽減
金山大+小泉宙生 / SWINGによる、大阪・箕面市の「トヨタカローラ新大阪小野原店」。国道沿いの自動車街の店舗改修。単に目立つのでなく“さりげなく”印象に残る存在を目指し、申請不要の構造体を増築して“杉ルーバー”を付加する外観を考案。コストを抑えと工期を短縮し店舗運営への影響を軽減 photo©Stirling Elmendorf Photography
金山大+小泉宙生 / SWINGによる、大阪・箕面市の「トヨタカローラ新大阪小野原店」。国道沿いの自動車街の店舗改修。単に目立つのでなく“さりげなく”印象に残る存在を目指し、申請不要の構造体を増築して“杉ルーバー”を付加する外観を考案。コストを抑えと工期を短縮し店舗運営への影響を軽減 photo©Stirling Elmendorf Photography
金山大+小泉宙生 / SWINGによる、大阪・箕面市の「トヨタカローラ新大阪小野原店」。国道沿いの自動車街の店舗改修。単に目立つのでなく“さりげなく”印象に残る存在を目指し、申請不要の構造体を増築して“杉ルーバー”を付加する外観を考案。コストを抑えと工期を短縮し店舗運営への影響を軽減 photo©Stirling Elmendorf Photography

金山大+小泉宙生 / SWINGが設計した、大阪・箕面市の「トヨタカローラ新大阪小野原店リニューアルプロジェクト」です。
国道沿いの自動車街の店舗改修です。建築家は、単に目立つのでなく“さりげなく”印象に残る存在を目指し、申請不要の構造体を増築して“杉ルーバー”を付加する外観を考案しました。また、コストを抑えと工期を短縮し店舗運営への影響を軽減も実現しています。店舗の公式サイトはこちら

大阪府箕面市の幹線道路沿いに建つ、自動車ショールームのリニューアル工事です。

建築家によるテキストより

国道171号線沿いは、カーディーラー・中古車販売店が多数ひしめき合うエリアで、どんどん「新しく/目立つ」店舗に建て替わっています。そうした環境の中、クライアントはこのエリアの中でも最初期に建ったであろうショールームを”建て替え”ではなく、改装工事で”リニューアル”することによって店舗を生まれ変わらせる、という決断をされました。
改装によりコストを抑え、設計・施工期間を短期間に収めることで店舗運営に与える影響を最小限に抑える目的もありました。

建築家によるテキストより

そこで私たちは、幹線道路のスピード感・直進性から、ドライバーの視界に入った際にさりげなく建物が印象に残るよう、国産杉材による水平ルーバーのスクリーンを提案しました。

はじめに工作物として申請が不要となる高さ4m未満に抑えた鉄骨の構造体を、フィーレンディール架構により計画しました。自動車の屋外展示を想定して邪魔にならないよう、36mのスパンを飛ばしています。その鉄骨の表面に、防腐処理を施した杉ルーバーを取り付ける構成としています。

建築家によるテキストより
武富恭美 / ディーディーティーによる、兵庫・神戸市の住宅改修「岡本の家」。斜面地に建つRC住宅の改修。解体新築で予算が超過する想定に対し、調査の上で既存の1階部分を残して2階部分を木造で増築する計画を考案。軽量化での耐震性向上と工期短縮に加えて元の建物にない空間性も実現
武富恭美 / ディーディーティーによる、兵庫・神戸市の住宅改修「岡本の家」。斜面地に建つRC住宅の改修。解体新築で予算が超過する想定に対し、調査の上で既存の1階部分を残して2階部分を木造で増築する計画を考案。軽量化での耐震性向上と工期短縮に加えて元の建物にない空間性も実現 photo©小川重雄
武富恭美 / ディーディーティーによる、兵庫・神戸市の住宅改修「岡本の家」。斜面地に建つRC住宅の改修。解体新築で予算が超過する想定に対し、調査の上で既存の1階部分を残して2階部分を木造で増築する計画を考案。軽量化での耐震性向上と工期短縮に加えて元の建物にない空間性も実現 photo©小川重雄
武富恭美 / ディーディーティーによる、兵庫・神戸市の住宅改修「岡本の家」。斜面地に建つRC住宅の改修。解体新築で予算が超過する想定に対し、調査の上で既存の1階部分を残して2階部分を木造で増築する計画を考案。軽量化での耐震性向上と工期短縮に加えて元の建物にない空間性も実現 photo©小川重雄

武富恭美 / ディーディーティーが設計した、兵庫・神戸市の住宅改修「岡本の家」です。
斜面地に建つRC住宅の改修です。建築家は、解体新築で予算が超過する想定に対し、調査の上で既存の1階部分を残して2階部分を木造で増築する計画を考案しました。そして、軽量化での耐震性向上と工期短縮に加えて元の建物にない空間性も実現しました。

神戸市の、川の斜面上に建つ戸建て住宅である。

建築家によるテキストより

建築主は解体前提で古家付土地を購入したが、地質調査、隣接する川の護岸の斜面測量を実施した結果、新築の場合は杭基礎工事に伴って建設費が予算を超過する懸念が生じた。一方、既存建物は1974年に竣工した鉄筋コンクリート造2階建てだが、構造図と構造計算書によって、現行の耐震基準を満たしていることが確認できた。
コンクリートコア採取による測定試験も行い、既存部の継続使用が可能であると確認できたため、基礎と1階および2階スラブまでを保存し、それより上部を解体の上、木造で増築することを提案した。

建築家によるテキストより

重厚なRC造の2階を軽快な木造に入れ替えることにより、構造面では建物が軽量化され、耐震性能が向上し、さらには崖の負担を低減できる。また、実利面では解体費用および廃棄物の低減、杭基礎工事の省略、工期の短縮、ひいては総工費の削減が実現した。
さらに、陸屋根だった既存建物は北側からの斜線制限のため天井が低かったが、木造の勾配屋根により、増築後の2階部分が天井の高い伸びやかな空間になったのもメリットである。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 専門誌を含む多様なメディアに評価され、空間から家具までを丁寧に設計する「小長谷亘建築設計事務所」が、設計スタッフ(2023年新卒・既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 専門誌を含む多様なメディアに評価され、空間から家具までを丁寧に設計する「小長谷亘建築設計事務所」が、設計スタッフ(2023年新卒・既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 専門誌を含む多様なメディアに評価され、空間から家具までを丁寧に設計する「小長谷亘建築設計事務所」が、設計スタッフ(2023年新卒・既卒・経験者)を募集中玉園台の家(LDK)

専門誌を含む多様なメディアに評価され、空間から家具までを丁寧に設計する「小長谷亘建築設計事務所」の、設計スタッフ(2023年新卒・既卒・経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

小長谷亘建築設計事務所では、現在設計スタッフを募集しております。

代表の小長谷亘は手塚建築研究所を独立し、個人住宅を中心に集合住宅、クリニック、オフィス、ホテル、カフェ、美容室など様々なプロジェクトを手掛けています。
一つ一つのプロジェクトに真摯に向き合い、建築空間はもちろん、建具、家具、照明に至るまで丁寧できめ細やかな設計を心がけています。

2019年に完成した自邸(玉園台の家)の2階がアトリエとなっており、駅からは少し離れますが南に大きな桜の木がある小さな公園、北は高台ならではの眺望と開放感のある気持ちのいい職場です。

現在、10年ほど事務所を支えてくれているスタッフがおり、照明デザイナーの妻とも事務所をシェアしています。
これまでなんとか2名体制でやってきましたが、仕事の依頼が増えつつあり、事務所の新しいチャレンジを一緒に楽しみながら支えてくれるスタッフを募集します。

事務所の雰囲気は非常にアットホームです。近年のコロナへの対応を契機にこれまで以上にスタッフが無理なく働ける環境を模索しつつ、状況の変化に応じてフレキシブルに対応しています(リモート勤務可能。フレックスタイム制)。

入所後すぐに小長谷の下でプロジェクトを担当し、施主打ち合わせへの同行、基本設計から実施設計、現場管理まで全て関わっていただき、一つの建築が立ち上がる過程を細部にわたり習得できます。
新卒の方はもちろん、経験者の方にも、一緒にプロジェクトを完成させる中で様々なことを学んでいただける環境です。熱意のある方のご応募お待ちしております。

大村聡一朗+中村園香 / OHMURA NAKAMURA ATELIERによる、東京・多摩市の「連光寺の家 改修 / 二つの十字と四畳半」。若い家族の為に木造家屋を改修。居室と廊下が分かれた既存平面を刷新し、“十字壁”の配置で等価な“四畳半”空間が連続する構成を考案。生活変化も受け入れる緩やかな“分断”と“接続”の状態を作る
大村聡一朗+中村園香 / OHMURA NAKAMURA ATELIERによる、東京・多摩市の「連光寺の家 改修 / 二つの十字と四畳半」。若い家族の為に木造家屋を改修。居室と廊下が分かれた既存平面を刷新し、“十字壁”の配置で等価な“四畳半”空間が連続する構成を考案。生活変化も受け入れる緩やかな“分断”と“接続”の状態を作る photo©川崎璃乃
大村聡一朗+中村園香 / OHMURA NAKAMURA ATELIERによる、東京・多摩市の「連光寺の家 改修 / 二つの十字と四畳半」。若い家族の為に木造家屋を改修。居室と廊下が分かれた既存平面を刷新し、“十字壁”の配置で等価な“四畳半”空間が連続する構成を考案。生活変化も受け入れる緩やかな“分断”と“接続”の状態を作る photo©川崎璃乃
大村聡一朗+中村園香 / OHMURA NAKAMURA ATELIERによる、東京・多摩市の「連光寺の家 改修 / 二つの十字と四畳半」。若い家族の為に木造家屋を改修。居室と廊下が分かれた既存平面を刷新し、“十字壁”の配置で等価な“四畳半”空間が連続する構成を考案。生活変化も受け入れる緩やかな“分断”と“接続”の状態を作る photo©川崎璃乃

大村聡一朗+中村園香 / OHMURA NAKAMURA ATELIERが設計した、東京・多摩市の「連光寺の家 改修 / 二つの十字と四畳半」です。
若い家族の為に木造家屋を改修です。建築家は、居室と廊下が分かれた既存平面を刷新し、“十字壁”の配置で等価な“四畳半”空間が連続する構成を考案しました。そして、生活変化も受け入れる緩やかな“分断”と“接続”の状態を作る事を意図しました。

多摩市の住宅街に建つ戸建住宅の改修である。この住宅は若い夫婦と生まれたばかりの双子のための住まいである。

建築家によるテキストより

改修設計では、まず、耐力壁を除く内壁及び天井をすべて取り払い、短手方向に1:1、長手方向に1:1:1の位置にグリッドを設定した。そうすることによって、居室空間と移動空間の主従関係を消失させ、等価な四畳半の連続する空間が立ち現れる(実際には隅部の二カ所は敷地形状に対応して切り欠かれているが)。そして、連続する四畳半の交点に二つの十字の壁を配置した。他とは異なる素材を配した十字の壁は「空間の輪郭」と「モノ」の間のような存在を目指した。

建築家によるテキストより

家族の関係性は時間を経るにつれて変化する。特にこの住宅に住む若い夫婦と双子という4人の家族の関係性は子供の成長に伴って日々変化していく。

例えば、子供が大きくなり、勉強のためのスペースが必要になるかもしれない、家族間でのプライバシーの必要性が出てくるかもしれない。そのような変化に対して、この住宅では、二つの十字が示すグリッドに沿って建具や壁を配置し、一つの独立した四畳半空間とすることを想定している。

建築家によるテキストより
山田伸彦建築設計事務所による、東京・文京区の住戸改修「大塚の家」。約200㎡の空間での計画。広さに起因する単調さの回避と豊かさの付与を目指し、視覚に加え触覚にも訴える“肌理”に注目して多様な素材を組合せる建築を志向。畳や障子等も採用し“日本的な美”の要素も導入して設計
山田伸彦建築設計事務所による、東京・文京区の住戸改修「大塚の家」。約200㎡の空間での計画。広さに起因する単調さの回避と豊かさの付与を目指し、視覚に加え触覚にも訴える“肌理”に注目して多様な素材を組合せる建築を志向。畳や障子等も採用し“日本的な美”の要素も導入して設計 photo©Nacasa&Partners 金子美由紀
山田伸彦建築設計事務所による、東京・文京区の住戸改修「大塚の家」。約200㎡の空間での計画。広さに起因する単調さの回避と豊かさの付与を目指し、視覚に加え触覚にも訴える“肌理”に注目して多様な素材を組合せる建築を志向。畳や障子等も採用し“日本的な美”の要素も導入して設計 photo©Nacasa&Partners 金子美由紀
山田伸彦建築設計事務所による、東京・文京区の住戸改修「大塚の家」。約200㎡の空間での計画。広さに起因する単調さの回避と豊かさの付与を目指し、視覚に加え触覚にも訴える“肌理”に注目して多様な素材を組合せる建築を志向。畳や障子等も採用し“日本的な美”の要素も導入して設計 photo©Nacasa&Partners 金子美由紀

山田伸彦建築設計事務所が設計した、東京・文京区の住戸改修「大塚の家」です。
約200㎡の空間での計画です。建築家は、広さに起因する単調さの回避と豊かさの付与を目指し、視覚に加え触覚にも訴える“肌理”に注目して多様な素材を組合せる建築を志向しました。また、畳や障子等も採用し“日本的な美”の要素も導入して設計しました。

東京都文京区の築50年の集合住宅の内装の改修計画。

建築家によるテキストより

一般的にイメージする集合住宅とは規模が異なり、200㎡ほどの面積がある。広い空間では、素材の使い方によっては「のっぺり」とした空間となる懸念が出てくる。施主の要望に加えて、ここでは劇的に空間のつくりを変えるのではなく、さまざまな素材の集積によって空間の質に豊かさを与えるような、人の視覚と触覚の琴線に触れる建築が良いのではないかと考えた。

建築家によるテキストより

全部を同じ肌理で統一するのではなく、「ざらざら」した左官の壁や天井、「すっきり」したディテール、「ざっくり」「つるり」とした素材感をちりばめることに加え、畳や障子、明かり、重心の低い空間、陰りや柔らかな光、中間領域を作ることで、日本に培われた美しいと思うモノを組み合わせながら建築の構成を試みた。

建築家によるテキストより
フランシス・ケレの2022年のプリツカー賞授賞式の動画。ロンドンで行われたセレモニーの様子を紹介。アラヴェナや妹島和世らがコメントを寄せる

ダイジェスト版

フルバージョン

フランシス・ケレの2022年のプリツカー賞授賞式の動画です。
2022年5月27日にロンドンで行われたセレモニーの様子を紹介しています。動画内では、アレハンドロ・アラヴェナや妹島和世、グレン・マーカットらがコメントを寄せています。また、本ページでは、ケレの代表作品も掲載します。アーキテクチャーフォトではケレのプリツカー賞受賞時の文章を日本語で紹介しています。

こちらはリリーステキストの翻訳

プリツカー建築賞は、2022年の受賞者であるフランシス・ケレを称える特別セレモニービデオを公開しました。

「プリツカー建築賞が私に与えてくれたものは勇気です。私は、ヴィジョンとミッションを持つ他の人たち、すべての人たちに、同じようにプッシュし続ける勇気を与えたいと思います。私に能力がある限り、アフリカが私に教えてくれたように、私の建築、あなたが私に依頼するすべてのものに、熱意、喜び、想像力を注入していきます」と、第51回プリツカー賞受賞者のフランシス・ケレは、5月27日の授賞式で、感動的に語っています。そして彼は懇願します。「親愛なる友人たち、親愛なるヒーローたち、親愛なる家族たち、親愛なるすべての人たちへ – 今日の課題は何でしょう?みんなにとって、建築家にとって、人類にとって、今日の大きな関心事は何でしょうか?私たちにとって、何がそんなに重要なのでしょうか?気候の危機は現実です。材料は限られています。資源をめぐる争いは世界のいたるところで激化し、人口増加も差し迫っています。どこの国の人であろうと、これは私たちの関心事であるはずです」

プリツカー審査委員長で2016年の受賞者であるアレハンドロ・アラヴェナは詳しく説明します。「私たちは道具箱を広げているのです。今までにない挑戦をしているのですから、新しいロールモデルが必要なのは当然で、それにおいてフランシスに勝る人はいないでしょう。今日、私たちがお祝いしたいフランシスは、私たちに別の可能性を示してくれるでしょう」

ドキュメンタリー風の映像には、ケレ、アラヴェナ、ハイアット財団会長のトム・プリツカーが、最近オープンしたロンドン大学経済政治学院マーシャル棟の大ホールで行った発言の全文が含まれています。マーシャル棟は、2020年プリツカー賞受賞者のイヴォンヌ・ファレルとシェリー・マクナマラが主導しているグラフトン・アーキテクツが設計しました。プリツカーは、ケレに2022年のプリツカー賞メダルを授与する前に、「彼は、美しさと謙虚さ、大胆さと発明を同時に表現する建築物を設計することによって、プリツカー建築賞の使命を体現しています」と述べ、この建築家を受賞者として認定しています。

亀田潤+佐々木洸奈 / STUDIO ALUCによる、東京・世田谷区の住戸改修「K-HOUSE」。デザイナーの自邸。限られた面積の中で最大限の広さを感じる構成を求めて、長手方向への視線の抜けと間接照明で空間の繋がりと奥行きを強調。水墨画に見立てた“モルタル壁”と“床板”で芸術的な感性を喚起
亀田潤+佐々木洸奈 / STUDIO ALUCによる、東京・世田谷区の住戸改修「K-HOUSE」。デザイナーの自邸。限られた面積の中で最大限の広さを感じる構成を求めて、長手方向への視線の抜けと間接照明で空間の繋がりと奥行きを強調。水墨画に見立てた“モルタル壁”と“床板”で芸術的な感性を喚起 photo©淺川敏
亀田潤+佐々木洸奈 / STUDIO ALUCによる、東京・世田谷区の住戸改修「K-HOUSE」。デザイナーの自邸。限られた面積の中で最大限の広さを感じる構成を求めて、長手方向への視線の抜けと間接照明で空間の繋がりと奥行きを強調。水墨画に見立てた“モルタル壁”と“床板”で芸術的な感性を喚起 photo©淺川敏
亀田潤+佐々木洸奈 / STUDIO ALUCによる、東京・世田谷区の住戸改修「K-HOUSE」。デザイナーの自邸。限られた面積の中で最大限の広さを感じる構成を求めて、長手方向への視線の抜けと間接照明で空間の繋がりと奥行きを強調。水墨画に見立てた“モルタル壁”と“床板”で芸術的な感性を喚起 photo©淺川敏

亀田潤+佐々木洸奈 / STUDIO ALUCが設計した、東京・世田谷区の住戸改修「K-HOUSE」です。
デザイナーの自邸です。デザイナーは、限られた面積の中で最大限の広さを感じる構成を求めて、長手方向への視線の抜けと間接照明で空間の繋がりと奥行きを強調しました。また、水墨画に見立てた“モルタル壁”と“床板”で芸術的な感性を喚起する事も意図されました。

STUDIO ALUCの亀田潤・佐々木洸奈が住まう、中古マンションのリノベーションプロジェクト。

60㎡という限られた面積の中で可能な限り広さを感じることのできるよう、無駄のない効率的な空間構成が求められた。

建築家によるテキストより

住宅としての機能を満たすだけでなく、ささやかな暮らしの豊かさが感じられるよう工夫を凝らしている。
天井の低い空間で効果的に広さを感じられるよう壁を取り払い、キッチンからリビングダイニングまで視線が通る構成にした。

さらに間接照明を連続させることで空間の繋がりと奥行きを強調している。また人のコミュニケーションにおいてもオープンでスムーズになり開放的な印象となった。

ダイニングはその中央部に位置し、ビックテーブルが生活の中心となっている。意匠性が強い“椅子”は置かず、大型ソファを造作し座面下を収納にすることで、生活感が生まれにくいミニマムな空間づくりを目指した。

建築家によるテキストより

現代の居住空間に日本人の芸術的な感性を呼び起こす装置として「床板」を設置。
自由に花や器をしつらえて、季節の移ろいを愛でることができる。床板の存在は空間に余白を生み出し、精神的な安らぎと静けさを与えてくれる。

移ろいゆく光と影に意識をかたむけ、アートを鑑賞するための背景となるようマテリアルはモノトーンに統一した。

建築家によるテキストより
篠元貴之 / rhymedesignによる、愛知の、歯科医院運営の相談室「Garnish / パセリの役割」。交差点に面する区画の内装。敷地特徴の活用と要求機能の適切な配置を目指し、都市空間の“付け合せ”と言える“植栽帯”を参照した空間を志向。外を内に取り込む事で場の高揚感を導入し用途間の関係性も整理
篠元貴之 / rhymedesignによる、愛知の、歯科医院運営の相談室「Garnish / パセリの役割」。交差点に面する区画の内装。敷地特徴の活用と要求機能の適切な配置を目指し、都市空間の“付け合せ”と言える“植栽帯”を参照した空間を志向。外を内に取り込む事で場の高揚感を導入し用途間の関係性も整理 photo©森田真悠
篠元貴之 / rhymedesignによる、愛知の、歯科医院運営の相談室「Garnish / パセリの役割」。交差点に面する区画の内装。敷地特徴の活用と要求機能の適切な配置を目指し、都市空間の“付け合せ”と言える“植栽帯”を参照した空間を志向。外を内に取り込む事で場の高揚感を導入し用途間の関係性も整理 photo©森田真悠
篠元貴之 / rhymedesignによる、愛知の、歯科医院運営の相談室「Garnish / パセリの役割」。交差点に面する区画の内装。敷地特徴の活用と要求機能の適切な配置を目指し、都市空間の“付け合せ”と言える“植栽帯”を参照した空間を志向。外を内に取り込む事で場の高揚感を導入し用途間の関係性も整理 photo©森田真悠

篠元貴之 / rhymedesignが設計した、愛知・春日井市の、歯科医院運営の相談室「Garnish / パセリの役割」です。
交差点に面する区画の内装計画です。建築家は、敷地特徴の活用と要求機能の適切な配置を目指し、都市空間の“付け合せ”と言える“植栽帯”を参照した空間を志向しました。そして、外を内に取り込む事で場の高揚感を導入し用途間の関係性も整理しました。

愛知県春日井市の主要駅前の交差点の一角に位置する、歯科クリニックの相談室の内装計画。
70㎡弱の内部空間に、セミナールームと、カウンセリングスペース、受付等を設ける必要があり、それぞれ、性格が異なるため、その境界線の引き方に配慮をした。

建築家によるテキストより

パセリや、お寿司におけるガリ、刺し身におけるツマ、ステーキプレートに乗る人参やブロッコリー、それらは、付け合せと呼ばれ、中心になることはなく、副次的に生まれたものである。
ただ、不要かと言われたら、そうではなく「メイン」を主たらんとするために不可欠なものとも言える。

都市空間においても、副次的に生まれる要素というものは、いくつも存在していて、例えば、敷地境界と建築の間に生まれる植栽帯なども、その一つと捉えられる。

建築家によるテキストより

交差点の一角を成す、内装計画であることから、擬似的に外部空間を内部に引き込んで考えてみるということと、交差点に身を置いたときに感じる独特の高揚を、内部でも感じられないだろうかという試みから、植栽帯のような小上がりを中心につくり、敷地の境界の引き方を少しズラして、外部と内部の空間の分け方に実態とズレを生じざせている。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 坂茂建築設計が、設計スタッフ(経験者)を募集中
【ap job更新】 坂茂建築設計が、設計スタッフ(経験者)を募集中
【ap job更新】 坂茂建築設計が、設計スタッフ(経験者)を募集中SWATCH HEADQUARTER / photo©Didier Boy de la Tour

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鍵山昌信 / ア・ティエスと斉藤智士 / SAI工房による、広島・呉市の「KOKAGEビル」。駅前の“医療モール”。街への情報発信と休息や交流を促す施設を目指し、地域文化から着想した“誰もが自由に出入可能な街路空間”を立体的に織り込む構成を考案。身体的活動の低迷に歯止めをかける環境作りも意図
鍵山昌信 / ア・ティエスと斉藤智士 / SAI工房による、広島・呉市の「KOKAGEビル」。駅前の“医療モール”。街への情報発信と休息や交流を促す施設を目指し、地域文化から着想した“誰もが自由に出入可能な街路空間”を立体的に織り込む構成を考案。身体的活動の低迷に歯止めをかける環境作りも意図 photo©山内紀人
鍵山昌信 / ア・ティエスと斉藤智士 / SAI工房による、広島・呉市の「KOKAGEビル」。駅前の“医療モール”。街への情報発信と休息や交流を促す施設を目指し、地域文化から着想した“誰もが自由に出入可能な街路空間”を立体的に織り込む構成を考案。身体的活動の低迷に歯止めをかける環境作りも意図 photo©山内紀人
鍵山昌信 / ア・ティエスと斉藤智士 / SAI工房による、広島・呉市の「KOKAGEビル」。駅前の“医療モール”。街への情報発信と休息や交流を促す施設を目指し、地域文化から着想した“誰もが自由に出入可能な街路空間”を立体的に織り込む構成を考案。身体的活動の低迷に歯止めをかける環境作りも意図3階、テナントスペース photo©山内紀人

鍵山昌信 / ア・ティエス環境+建築設計事務所斉藤智士 / 建築設計事務所SAI工房が設計した、広島・呉市の「KOKAGEビル」です。
駅前の“医療モール”です。建築家は、街への情報発信と休息や交流を促す施設を目指し、地域文化から着想した“誰もが自由に出入可能な街路空間”を立体的に織り込む構成を考案しました。また、身体的活動の低迷に歯止めをかける環境作りも意図されました。

この「KOKAGE」は、広島県呉市を舞台に、老若男女問わず、その人らしい暮らしをおくるための「地域共生社会」を理念とした医療法人を主体とし、社会的障壁を超えて「誰もが気軽に集える交流の仕組み」を持つ新しい地域医療・地域福祉のあり方を提案するプロジェクトである。

建築家によるテキストより

その最初となる本計画は、周囲に郵便局や病院などの公益施設が集合する呉市中心市街地に位置し、JR呉駅から徒歩5分という人の流れが比較的多い立地に展開する「医療モール」で、青少年とその家族に心の通った精神治療・自立支援を提供でき、かつ、まちに開いた情報発信機能を備え、様々な休息や交流が促される施設が求められた。

建築家によるテキストより

この建築は、呉に根付いた“通りで交流する独自の文化” から着想し、誰もが自由に出入りできる街路空間を立体的に織り込みながら都市に奥行を生み出している。空間の自由度を高め、自然と居心地の良い場所で脚を休めることのできる「木陰のような」都市的空間の創出を目指している。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2022/9/5-9/11]
最も注目を集めたトピックス[期間:2022/9/5-9/11]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2022/9/5-9/11)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 今津康夫 / ninkipen!による、和歌山・白浜町の住宅「崖荘」。国立公園に指定されるエリアの崖地に計画。自然の豊かさを享受し巨大な岩盤と呼応する存在を目指し、型枠で繊細な木目を転写したRC造の建築を考案。外部に風呂とバルコニーを設け“ダイレクト”に海に開く
  2. 葛島隆之建築設計事務所による、愛知・西尾市の住宅「7部屋のコートハウス」。SNS等で多くの情報を集める施主の為に計画。様々な期待の具現化と街との繋がりの両立を目指し、要望を考慮した7つの部屋が周辺環境の成り立ちとも呼応する構成を考案。余白としての中庭は様々な距離感や領域の形成にも寄与
  3. 近藤陽子+近藤直人 / nLDKによる、奈良の住宅「食住一体」。徒歩圏に本宅を持つ施主の別邸。畑と非日常の生活を楽む家の要望に、コロナ禍以降の在り方を重ねて“人と植物のヒエラルキー”を排した空間構成を志向。住まうと食料生産の相互作用で生活と社会の向上を促す
  4. 百貨店のファサードや空間的側面に注目した建築展「百貨店展─夢と憧れの建築史」のフォトレポート。浅子佳英と菊地尊也が監修を手掛け、ビルディングタイプの変遷を年表や模型を通して辿る。日本橋高島屋内のギャラリーで開催
  5. 長坂大 / Megaによる、京都市の「庭の家」。週末を過ごす為の別邸。地域の庭園に囲まれた邸宅の“密集市街地における現代版”を目指し、内外に石を敷いた“庭の様な”1階と開口を絞った“庭の眺めを楽しむ”2階を考案。別世界の様に静かな時間が流れる空間を作る
  6. 小林裕志 / フォーアイズによる、東京・世田谷区の住宅「静かな光の家」。住宅街の地盤面が道より高い街区に計画。世代を超え生き続けて街並みにも寄与する建築を目指し、様々な生活場面に応えつつ道側の高さを抑え風と光が抜ける構成を考案。周辺関係を読み解き開放性とプライバシーも両立
  7. 菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、埼玉・熊谷市の「大塚医院ファミリークリニック」。“地域を診る”を掲げる施設。治療以外でも集まれる開かれた存在を目指し、様々な用途に応える待合室や公園の様な庭等の“多様な居場所群”を設計。柔軟な空間の使い方を促すと共にコロナ禍以降に求められる動線も作る
  8. 田中了多 / MIRRORによる、奈良市の飲食店「宿雨」。商業ビルの奥にあるコーヒースタンド。道との程良い距離と外の共用部に注目し、店のイメージを象徴して外装とも繋がる“紺色”に染色した空間を考案。カウンターに収納もできる椅子が内外の境界横断を促進
  9. 建築家の連勇太朗・金野千恵・上野有里紗による鼎談「今、空間・建築にできること/できないこと」の動画が、LIXILのサイトで期間限定で無料配信。其々が自身の教育背景や現在進行中の実践からの学びを“生きた言葉で”共有する内容
  10. 中倉康介建築設計事務所による、千葉・八街市の住宅改修「時を囲む家 Niche & Nook」。築約100年の木造家屋の玄関と和室に手を入れる計画。“囲んで場所を作る”という建築行為に注目し、美しく彩る“ニッチ”と居心地の良さを生む“ヌック”を用いた空間を考案。家の時間とも繋がる出会いと団欒の場を作る
  11. 坂茂建築設計による、東京・港区の店舗「アコリウム」の写真
  12. 大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入
  13. 大畑正彦建築設計事務所による、兵庫・神戸市の住戸改修「脇浜海岸通の家」。住人数に対し少し小さな一戸をリノベ。既製品でなく空間に合う最良の物との要望に、木材・左官・タイル等を用いた“素材を生かした”設計を志向。個室を最小限に抑えて広さを確保したLDKに多様な居場所を作る
  14. 梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る
  15. 伊原慶 / TA+Aによる、東京・代官山の美容室「SAL Hair Salon」。流行の変化が盛んな地域に計画。本来の機能にギャラリーを加えた3層の店舗で、散髪行為に見出した“彫塑性”を“敢えて直截的”に什器等で表現。可変性も導入し運営者の完成に応答する柔軟な空間を作る
  16. MADによる、中国の「アランヤ・クラウド・センター」。2023年の完全竣工を目指す複合施設。雲の形等を参照して構想され、コアからのキャンチで白いヴォリュームが“浮遊”する建築を実現。無柱空間は可動壁との組み合わせで多様な用途にも応える
  17. ファラによる、ポルトガル・ポルトの住居「very tiny palazzo」。狭いながらも緑豊かな庭の中に計画。人の高さでは透明で、“宝石で飾られた”王冠を持つ建築を考案。緑を強調する為フロアの一部を沈め、機能諸室はキャビネットの背後に配置
  18. 高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureによる建築展「SESSIONS」の会場写真。愛知淑徳大学で開催され、建築家と学生が協働して作り上げた展覧会。オンライン会場も同時公開
  19. 相坂研介設計アトリエによる、東京・千代田区の「Building of Music」。音楽教室や楽器販売等を手掛ける企業のビル。音楽を表象する建築を求め、“スピーカー”を連想させ日射や視線等の制御も担うメッシュ膜のファサードを考案。側面の避難階段や設備配管等も楽器の一部に見立て設計
  20. ネリ&フーによる、中国・上海の、国際家具見本市でのパヴィリオン「The Structural Field」。家具ブランドの為の仮設展示空間。イベント文脈の中での“展示デザイン再考”を目指し、“1000本以上”の竹のグリッドの中に通路や体験空間が展開する構成を考案。他会場に持ち込めるように工法や詳細も設計

ファラによる、ポルトガル・ポルトの住居「very tiny palazzo」。狭いながらも緑豊かな庭の中に計画。人の高さでは透明で、“宝石で飾られた”王冠を持つ建築を考案。緑を強調する為フロアの一部を沈め、機能諸室はキャビネットの背後に配置
ファラによる、ポルトガル・ポルトの住居「very tiny palazzo」。狭いながらも緑豊かな庭の中に計画。人の高さでは透明で、“宝石で飾られた”王冠を持つ建築を考案。緑を強調する為フロアの一部を沈め、機能諸室はキャビネットの背後に配置 photo©ivo tavares
ファラによる、ポルトガル・ポルトの住居「very tiny palazzo」。狭いながらも緑豊かな庭の中に計画。人の高さでは透明で、“宝石で飾られた”王冠を持つ建築を考案。緑を強調する為フロアの一部を沈め、機能諸室はキャビネットの背後に配置 photo©ivo tavares
ファラによる、ポルトガル・ポルトの住居「very tiny palazzo」。狭いながらも緑豊かな庭の中に計画。人の高さでは透明で、“宝石で飾られた”王冠を持つ建築を考案。緑を強調する為フロアの一部を沈め、機能諸室はキャビネットの背後に配置 photo©ivo tavares

ファラが設計した、ポルトガル・ポルトの住居「very tiny palazzo」です。
狭いながらも緑豊かな庭の中に計画されました。建築家は、人の高さでは透明で、“宝石で飾られた”王冠を持つ建築を考案しました。そして、緑を強調する為フロアの一部を沈め、機能諸室はキャビネットの背後に配置しました。

こちらは建築家によるテキストの翻訳

狭い庭にある小さな宮殿。その豊かな環境は、建築物に対するアンビバレントなアプローチを示唆しました。人間の高さでは宮殿は透明ですが、その王冠は誇らしく宝石で飾られ、外周の壁にまたがっています。

内部は極めてシンプルでありながら、同様に豊かで、周囲の緑の存在を強調するために一部が沈んでいます。このように、アドルフ・ロースのような手法で、異なるフロアによって、親密度の異なる2つの代表的なエリアが定義されています。壁は空間の長手方向の側面のみで、庭の周縁と連続します。バスルームと納戸は、漆塗りの木製ユニットキャビネットの背後に隠されており、そのスケールは建築と家具の間に意図的に置かれています。宮殿はやはりシンプルであるべきなのです。

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