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隈研吾による国際文化会館での講演「変わる建築家の社会的役割」の動画

隈研吾による国際文化会館での講演「変わる建築家の社会的役割」の動画です。2022年2月24日に公開されたものです。

自然との調和やサステナビリティなどを重視した独創的な建築スタイルで世界に数々の衝撃を与えてきた隈研吾氏。重厚長大な建築美がもてはやされた時代に、なぜ隈氏はあえて「負ける建築」を目指したのか。そしてコロナ禍で世界が大きく変わる今日、建築のもつ意味はどのように変化していくのか。2025年大阪・関西万博のプロデューサーも務める理事の宮田裕章氏が隈氏とともに建築家の役割を問い直します。
                                                                                                                                                                          スピーカー:隈 研吾(建築家/ACC 1985)
モデレーター:宮田 裕章(慶応義塾大学教授/国際文化会館理事)                                                          主催:公益財団法人国際文化会館                                                                                       共催:アジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)                                                                  助成・協賛:一般財団法人MRAハウス、一般社団法人 住環境財団、清水建設株式会社、株式会社 日建設計、一般社団法人 東京倶楽部

【ap job更新】 シーラカンスアンドアソシエイツ / CAt(東京事務所)が、設計スタッフ(経験者・新卒既卒)を募集中
【ap job更新】 シーラカンスアンドアソシエイツ / CAt(東京事務所)が、設計スタッフ(経験者・新卒既卒)を募集中
【ap job更新】 シーラカンスアンドアソシエイツ / CAt(東京事務所)が、設計スタッフ(経験者・新卒既卒)を募集中流山市立おおたかの森小中学校・おおたかの森センター・こども図書館 ©Makoto Yoshida

シーラカンスアンドアソシエイツ / CAt(東京事務所)の、設計スタッフ(経験者・新卒既卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

シーラカンスアンドアソシエイツ / CAt (東京事務所)にて、設計スタッフを募集いたします。

■C+A(シーラカンスアンドアソシエイツ)について
1986年に小嶋一浩、伊藤恭行ら7人により「シーラカンス」を共同設立。宇野享(1995年~)、赤松佳珠子(2002年~)がパートナーとして加わり、1998年にC+A(シーラカンスアンドアソシエイツ)へ改称、2005年にCAt (C+A tokyo) とCAn (C+A nagoya)へ改組。大村真也(CAt / 2019年〜)、良知康晴(CAn / 2020年〜)がパートナーとして加わり、所属のアソシエイトと議論を交わしながら、それぞれ東京と名古屋を拠点に国内外で建築を発表しています。

《受賞》
1997年に千葉市立打瀬小学校、2016年に流山市立おおたかの森小中学校・おおたかの森センター・こども図書館にて日本建築学会賞〈作品〉受賞。他、日本建築家協会賞、村野藤吾賞、AACA賞、日建連表彰BCS賞など。

■私たちが考えていることーVISIONー
私たちは「建築は“もの”ではなく“出来事”である」と考えています。

建築そのものは物質から成り立っていますが、そこには必ず人々のアクティビティ、風・光・音などの環境的ファクターや時間、その建築を成立させている構造的なちからも含め、多くの流れがあります。

“もの”によって出来た建築が生み出す空間は、アクティビティを喚起するデバイスであり、その建築が生み出す”出来事”そのものを設計しているのです。

設計とは、常にアクティビティの本質を問い、建築がどう働きかけることができるのかを考えることではないでしょうか。

烏野良子 / 烏野建築設計室による、岐阜・高山市の「丹生川の古民家」。明治築の民家を改修した住宅と家具工房のショールームで、要望と面積のバランスを考える中で工房制作の建具等を用いて再生する計画を構想、展示物と一体化した建築の在り方を目指す
烏野良子 / 烏野建築設計室による、岐阜・高山市の「丹生川の古民家」。明治築の民家を改修した住宅と家具工房のショールームで、要望と面積のバランスを考える中で工房制作の建具等を用いて再生する計画を構想、展示物と一体化した建築の在り方を目指す photo©笹の倉舎/笹倉洋平
烏野良子 / 烏野建築設計室による、岐阜・高山市の「丹生川の古民家」。明治築の民家を改修した住宅と家具工房のショールームで、要望と面積のバランスを考える中で工房制作の建具等を用いて再生する計画を構想、展示物と一体化した建築の在り方を目指す photo©笹の倉舎/笹倉洋平
烏野良子 / 烏野建築設計室による、岐阜・高山市の「丹生川の古民家」。明治築の民家を改修した住宅と家具工房のショールームで、要望と面積のバランスを考える中で工房制作の建具等を用いて再生する計画を構想、展示物と一体化した建築の在り方を目指す photo©笹の倉舎/笹倉洋平
烏野良子 / 烏野建築設計室による、岐阜・高山市の「丹生川の古民家」。明治築の民家を改修した住宅と家具工房のショールームで、要望と面積のバランスを考える中で工房制作の建具等を用いて再生する計画を構想、展示物と一体化した建築の在り方を目指す photo©笹の倉舎/笹倉洋平

烏野良子 / 烏野建築設計室が設計した、岐阜・高山市の「丹生川の古民家」です。明治築の民家を改修した住宅と家具工房のショールームで、要望と面積のバランスを考える中で工房制作の建具等を用いて再生する計画を構想、展示物と一体化した建築の在り方が目指されました。

家具工房を営むご家族のための住宅兼家具のショールームである。
また親世帯はセカンドハウスとして利用する。敷地は北が斜面の河岸段丘の上にあり、渓流の音が丘下から聞こえ、斜面に植えられた木々が川沿いの美しい景観を生み出している。敷地には主屋、板倉、倉庫2棟が建っていて、そのうち主屋を改修する計画だった。
主屋は大部分が明治期に建てられた古民家で長らく放置されたことにより、積雪のため北屋根の一部が崩落していた。

建築家によるテキストより

建主は、持続可能な生活を形にしたいという強い意志があり、古い建物の再利用、地球に還る材料として木、土、紙、断熱材の羊毛をメインに工業製品のガラスとサッシなどを構成要素とすること、日々工房から出る木片を熱源に利用することを計画していた。方針には賛同するものの、平屋で床面積が大きく、外皮のほぼすべてをやり替える必要があることを考えると、希望の仕様で予算内に納めるには特別な工夫が必要に感じた。

建築家によるテキストより

通常、店と商品は別々につくるためデザインに切れ目がある。「久米製作所」の家具工房のショールームにもなるこの家、すなわち屋根・古く粗野な骨格・垂れ壁で成立している壁のない構造物に久米製作所の要素を織り込みながら補強・再生することで、展示物と一体となる建物にしようと思った。そして、その織り込み作業は木工のプロである建主にも腕を振るっていただくことにした。

建築家によるテキストより
子浦中 / シオ建築設計事務所による、茨城・つくば市の、ZOZO社物流拠点の休憩ラウンジ「Cooperate Lounge」。スタッフの個性と多様性への応答を考慮し、空間の目的から連想した意匠を採用する事で特徴の異なる二つのラウンジを設計、コーポレートカラー採用等で連帯感を高める建築の在り方も探求
子浦中 / シオ建築設計事務所による、茨城・つくば市の、ZOZO社物流拠点の休憩ラウンジ「Cooperate Lounge」。スタッフの個性と多様性への応答を考慮し、空間の目的から連想した意匠を採用する事で特徴の異なる二つのラウンジを設計、コーポレートカラー採用等で連帯感を高める建築の在り方も探求黒板塀通りのような街道ラウンジ。ここは毎日たくさんのスタッフが通るため床はコンクリートとし、LGSの垂木が重なり合って、軒を作っている。 photo©淺川敏
子浦中 / シオ建築設計事務所による、茨城・つくば市の、ZOZO社物流拠点の休憩ラウンジ「Cooperate Lounge」。スタッフの個性と多様性への応答を考慮し、空間の目的から連想した意匠を採用する事で特徴の異なる二つのラウンジを設計、コーポレートカラー採用等で連帯感を高める建築の在り方も探求神輿ラウンジより街道ラウンジ側を見る。スタッフがそれぞれの好きな場所でくつろぐ。 photo©淺川敏
子浦中 / シオ建築設計事務所による、茨城・つくば市の、ZOZO社物流拠点の休憩ラウンジ「Cooperate Lounge」。スタッフの個性と多様性への応答を考慮し、空間の目的から連想した意匠を採用する事で特徴の異なる二つのラウンジを設計、コーポレートカラー採用等で連帯感を高める建築の在り方も探求神輿ラウンジ全体を見る。 photo©淺川敏

子浦中 / シオ建築設計事務所が設計した、茨城・つくば市の、ZOZO社物流拠点の休憩ラウンジ「Cooperate Lounge」です。スタッフの個性と多様性への応答を考慮し、空間の目的から連想した意匠を採用する事で特徴の異なる二つのラウンジを設計、コーポレートカラー採用等で連帯感を高める建築の在り方も探求されました。

ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する株式会社ZOZOの、つくば市で3つ目となる物流拠点「ZOZOBASEつくば2」の休憩ラウンジ「Cooperate Lounge」である。これまでのZOZOBASEと同様に、使いやすさ、拡張性、フレキシビリティを求められた。

建築家によるテキストより

ラウンジは大きく二つのエリアに分けられる。最初にスタッフが休憩ラウンジに入ると、アプローチがある。ZOZOBASEで働くという意識を切り替える場所として、落ち着いて神聖な雰囲気があるアプローチでは、たくさんのスタッフが行き来し、あたかも街道のようだ。
つくばには、筑波山の参拝客で繁栄した黒板塀の続く街道が残っており、このエリアには、ZOZO社がこれまで以上に繁栄するようにとの想いから街道のような意匠を採用し、「街道ラウンジ」と名付けた。

建築家によるテキストより

次に、街道ラウンジに平行して大きなワンルームのラウンジがある。ここは、スタッフが休憩をとるメインエリアで、天井は8層の木が縦横方向に格子を組んで出来ている。この巨大な格子天井は、日本最大級と言われるつくば万灯大神輿の担ぎ棒のようであり、たくさんのスタッフが互いに協力しながら大神輿を担ぐというイメージから、このような意匠を採用し、「神輿ラウンジ」と名付けた。また、神輿は災いや災難を清めると言われており、ZOZO社や働くスタッフに災難がないようにという願いを込めた。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 “軽井沢を避寒地に”の思いで住宅と別荘を手掛ける「株式会社 参創ハウテック」が、軽井沢での設計(新卒既卒・経験者)と施工管理のスタッフを募集中
【ap job更新】 “軽井沢を避寒地に”の思いで住宅と別荘を手掛ける「株式会社 参創ハウテック」が、軽井沢での設計(新卒既卒・経験者)と施工管理のスタッフを募集中
【ap job更新】 “軽井沢を避寒地に”の思いで住宅と別荘を手掛ける「株式会社 参創ハウテック」が、軽井沢での設計(新卒既卒・経験者)と施工管理のスタッフを募集中施工事例「ARPEGGIO」夕暮れの外観

“軽井沢を避寒地に”の思いで住宅と別荘を手掛ける「株式会社 参創ハウテック」の、軽井沢での設計(新卒既卒・経験者)と施工管理のスタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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「軽井沢を避寒地に」
この思いに賛同する設計スタッフと施工管理スタッフを正社員として募集します。

東京・文京区と軽井沢で住宅建築をメインに活動する設計工務店です。デザインと性能の両立を目指し、5年前に軽井沢へ拠点進出。断熱性能が高く、パッシブデザインに特化した移住型住宅を別荘建築を専門に展開しています。

軽井沢における住宅・別荘建築事業に目途がたったことから、新たに仲間として共に成長できるスタッフを募集します。

出町慎 / SAJIHAUSと河津恭平による、兵庫・丹波市の「納屋の改修」。歴史ある母屋に隣接する納屋活用の相談から開始、既存の時が停止した様な状態を肯定的に捉えて活かす方法を構想、環境を読み解き冬室と夏室を設け“自分だけの時間”を感じる空間をつくる
出町慎 / SAJIHAUSと河津恭平による、兵庫・丹波市の「納屋の改修」。歴史ある母屋に隣接する納屋活用の相談から開始、既存の時が停止した様な状態を肯定的に捉えて活かす方法を構想、環境を読み解き冬室と夏室を設け“自分だけの時間”を感じる空間をつくる photo©繁田諭
出町慎 / SAJIHAUSと河津恭平による、兵庫・丹波市の「納屋の改修」。歴史ある母屋に隣接する納屋活用の相談から開始、既存の時が停止した様な状態を肯定的に捉えて活かす方法を構想、環境を読み解き冬室と夏室を設け“自分だけの時間”を感じる空間をつくる photo©繁田諭
出町慎 / SAJIHAUSと河津恭平による、兵庫・丹波市の「納屋の改修」。歴史ある母屋に隣接する納屋活用の相談から開始、既存の時が停止した様な状態を肯定的に捉えて活かす方法を構想、環境を読み解き冬室と夏室を設け“自分だけの時間”を感じる空間をつくる photo©繁田諭

出町慎 / SAJIHAUS河津恭平が設計した、兵庫・丹波市の「納屋の改修」です。歴史ある母屋に隣接する納屋活用の相談から開始、既存の時が停止した様な状態を肯定的に捉えて活かす方法を構想、環境を読み解き冬室と夏室を設け“自分だけの時間”を感じる空間をつくる事が意図されました。

空き家になっていた古民家を買われた方から、母屋に隣接する納屋の使い道を相談されたのが設計の始まりだった。

訪問してまず、立派なお屋敷であることに驚いた。山裾の見晴らしの良い場所で、敷地の南側には日本庭園があり、母屋の座敷からの眺めは、まさに古き良き日本の住まいだった。母屋には家史が残されていて、450年前に先祖がこの地に移ってきたことが書かれていた。

建築家によるテキストより

敷地内には400年の記念碑も立っている。家史には初代から1995年当時までの家系図と一人ひとりの略歴がまとめられていた。そして納屋は母屋の西側にひっそりとあった。そのひっそりさがとても良かった。堂々とした母屋と庭を邪魔することなく、外被のトタンは時間による風化でその場所に馴染んでいた。夏の眩しい外から、納屋に入ると桁と垂木のわずかな隙間からの光により、柱と小屋組がシルエットとして見えるだけだった。

建築家によるテキストより

そんな陰影の空間で入口に向かって涼しい風が流れていた。田舎には使われなくなり、そのまま放置されている建物が多くある。その中は時間が止まっていて、そのままでは近寄りがたいが、時間が止まっていることや用途がない状態は考え方によっては貴重である。この納屋もそんな状態であり、この状態のまま人が寄りつける場所にできないかと考えた。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 自然環境が豊かな場所での住宅や別荘等を手掛ける「株式会社セルスペース」が、設計スタッフ(新卒既卒・経験者・アルバイト)を募集中
【ap job更新】 自然環境が豊かな場所での住宅や別荘等を手掛ける「株式会社セルスペース」が、設計スタッフ(新卒既卒・経験者・アルバイト)を募集中
【ap job更新】 自然環境が豊かな場所での住宅や別荘等を手掛ける「株式会社セルスペース」が、設計スタッフ(新卒既卒・経験者・アルバイト)を募集中L型キャンチレバーの家

自然環境が豊かな場所での住宅や別荘等を手掛ける「株式会社セルスペース」の、設計スタッフ(新卒既卒・経験者・アルバイト)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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セルスペースでは設計スタッフを募集しています。

自然環境が豊かなところでの住宅や別荘、保養所、商業施設、共同住宅等のプロジェクトを多数手がけています。

デザインのみでなく性能面まで含めて、深く設計監理の技術を学ぶことができます。

長く一緒に仕事ができるように、働き方、給与、体制なども考慮致します。

【ap job更新】 芦沢啓治建築設計事務所が、設計スタッフ(経験者正社員・プロジェクト契約)とCGスタッフを募集中
【ap job更新】 芦沢啓治建築設計事務所が、設計スタッフ(経験者正社員・プロジェクト契約)とCGスタッフを募集中
【ap job更新】 芦沢啓治建築設計事務所が、設計スタッフ(経験者正社員・プロジェクト契約)とCGスタッフを募集中

芦沢啓治建築設計事務所の、設計スタッフ(経験者正社員・プロジェクト契約)とCGスタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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芦沢啓治建築設計事務所では設計スタッフ(経験者)、プロジェクト契約、CGスタッフを募集しています。

東京・小石川にある建築設計事務所です。建築・インテリア・プロダクトを横断しながらより良い環境づくりを目指し活動しています。建築においては住宅からホテル案件など。(新しいトランクホテルなど)インテリアにおいてはカフェ、レストラン、アパレル店舗のショールームなど。(ブルーボトルコーヒー、ドットコムスペースなど)どの仕事に対してもクライアントからのオーダーとして高いクオリティーが求められる仕事をしています。家具においては、国内外の家具ブランドと協働しております。昨今ではカリモクの新しいブランド、ケーススタディーや海外メーカーとのコラボレーションで大きなラインナップを作ることもあります。

我々のスタジオは特徴の一つは、様々なコラボレーターと常に仕事をしていることです。製作においては、金属加工、木加工のスペシャリスト、家具メーカー、照明メーカーや、同業であるデザイン事務所との協業も行っています(デンマークのNorm Architectsなど)。また家具のブランディングの仕事などを通じて、カメラマンやグラフィックデザイナーとの協業することも多々あります。コラボレーターから学ぶことによって、スキルの向上や新しい気づきをもらっていることが多々あります。

また、プロダクトデザインから建築までの幅広く仕事をしているため、例えばホテルなどの案件においては、ホテル内のFFEも含めたあらゆるデザイン業務に関わっています。そうすることで空間のクオリティーを上げていくことができます。建築家が空間に関わるあらゆるデザインを行うこと、20世紀の名だたる建築家が目指し、達成してきた世界感を私たちは21世紀において小さな事務所ながら目指していきたいと考えています。

事務所としていかなるプロジェクトにもしっかりとコミットをしていきたいため、大幅な拡大は考えていませんが、質の高い仕事を継続するためにも、一緒に働いてくれるスタッフが最も重要だと考えています。そのためにも、スタッフに対する環境を一層整えていきたいと思っています。参画してくださる方には、2022年、出来ればそれ以降もご一緒いただき、一緒に仕事してよかったとお互い思える関係を作ることを目標にしています。

ご自身がやられてきたこと、お持ちのスキル、センスを考慮して納得してもらえるように、待遇などはご相談いただければと思っていますが、弊スタジオの仲間として一緒にチャレンジを共にしてもらえる才能あるスタッフに来ていただければ幸いです。ご応募お待ちしています。

小原賢一+深川礼子 / ofaによる、兵庫・神戸市の「六甲最高峰トイレ」。六甲山の価値向上と整備の為に作られた公共トイレ兼休憩所、ここだけの環境の楽しみを意図しベンチの形状や天高の変化により多様な居場所を設計、折れ繋がる屋根は周囲の山並みとも呼応
小原賢一+深川礼子 / ofaによる、兵庫・神戸市の「六甲最高峰トイレ」。六甲山の価値向上と整備の為に作られた公共トイレ兼休憩所、ここだけの環境の楽しみを意図しベンチの形状や天高の変化により多様な居場所を設計、折れ繋がる屋根は周囲の山並みとも呼応 photo©Shigeo Ogawa
小原賢一+深川礼子 / ofaによる、兵庫・神戸市の「六甲最高峰トイレ」。六甲山の価値向上と整備の為に作られた公共トイレ兼休憩所、ここだけの環境の楽しみを意図しベンチの形状や天高の変化により多様な居場所を設計、折れ繋がる屋根は周囲の山並みとも呼応 photo©Shigeo Ogawa
小原賢一+深川礼子 / ofaによる、兵庫・神戸市の「六甲最高峰トイレ」。六甲山の価値向上と整備の為に作られた公共トイレ兼休憩所、ここだけの環境の楽しみを意図しベンチの形状や天高の変化により多様な居場所を設計、折れ繋がる屋根は周囲の山並みとも呼応 photo©Shigeo Ogawa
小原賢一+深川礼子 / ofaによる、兵庫・神戸市の「六甲最高峰トイレ」。六甲山の価値向上と整備の為に作られた公共トイレ兼休憩所、ここだけの環境の楽しみを意図しベンチの形状や天高の変化により多様な居場所を設計、折れ繋がる屋根は周囲の山並みとも呼応 photo©Shigeo Ogawa

小原賢一+深川礼子 / ofaが設計した、兵庫・神戸市の「六甲最高峰トイレ」です。六甲山の価値向上と整備の為に作られた公共トイレ兼休憩所、ここだけの環境の楽しみを意図しベンチの形状や天高の変化により多様な居場所を設計、折れ繋がる屋根は周囲の山並みとも呼応します。施設の公式ページはこちら

神戸の都市の魅力の一つである六甲山の価値向上、環境整備の一環として、六甲山頂エリアに新設された公衆トイレ・休憩スペースと園地のプロジェクトです。プロポーザルで選定され、設計と施工時の意図伝達を担当しました。

建築家によるテキストより

敷地は人気のハイキングコースに位置し、多くのハイカーが利用します。最近ではロードバイク訪れる人も増えています。当初の要件である既存トイレの建替えに対し、敷地全体を園地とし、ここならではの環境が楽しめる、山のレストスペースとして整備することを提案しました。

建築家によるテキストより

建物は、周辺の山並みに呼応するように折れ繋がるCLTで作った薄い木の屋根が、大きな家具のようなベンチの上に掛かり、ランダムに建てられた鉄骨柱で支えられて軽快に浮かんでいます。国立公園の自然に調和する木や仕上の色合いで、六甲山の環境になじみ、のびやかな景観をつくっています。

角度・奥行きの異なるベンチや、天井高さの変化によって、居方も山の見え方も異なる、多様な居場所を作り出しています。屋根は深い庇の軒先を下げて雨の降り込みを抑え、雨天時にも利用しやすくするとともに、外壁の保護の役割も果たしています。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 KIAS イシダアーキテクツスタジオが、実務経験のある建築設計スタッフを募集中
【ap job更新】 KIAS イシダアーキテクツスタジオが、実務経験のある建築設計スタッフを募集中
【ap job更新】 KIAS イシダアーキテクツスタジオが、実務経験のある建築設計スタッフを募集中南雪谷の集合住宅

KIAS イシダアーキテクツスタジオの、実務経験のある建築設計スタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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イシダアーキテクツスタジオ(KIAS)は、建築家石田建太朗の主宰する建築設計事務所です。これまでに那須の美術館N’s YARDをはじめ都内の集合住宅や軽井沢の別荘など様々な建築の設計に携わってきました。

2020年には軽井沢の別荘「積葉の家」がイギリスの建築誌Architectural Review が主催するAR House Award 2020を受賞するなど海外メディアからも高い評価を受けています。

現在、ヴィラタイプのホテルのほか美術館や別荘などのデザイン性の高いプロジェクトが進行中です。スタッフ全員がRhinocerosなどの3Dソフトを使用してデザインスタディを進めていくので、CG制作などのスキルをまわりのスタッフから習得しながら設計業務に取り組むことができます。

新しいものを一緒に創造していく熱意のある方、明るくコミュニケーション能力に長けている方のご応募をお待ちしております。

応募希望者の事務所の見学も可能ですので、お気軽にご連絡ください。

MVRDVによる、オランダ・ロッテルダムの仮設イベントスペース「The Podium」。建築月間の為に既存ビルの屋上に作られる約600㎡の仮設イベントスペースで、足場構造とリサイクル可能なピンクの床材で構成、都市の屋上活用の有効性を示すことも意図
MVRDVによる、オランダ・ロッテルダムの仮設イベントスペース「The Podium」。建築月間の為に既存ビルの屋上に作られる約600㎡の仮設イベントスペースで、足場構造とリサイクル可能なピンクの床材で構成、都市の屋上活用の有効性を示すことも意図 image courtesy of MVRDV
MVRDVによる、オランダ・ロッテルダムの仮設イベントスペース「The Podium」。建築月間の為に既存ビルの屋上に作られる約600㎡の仮設イベントスペースで、足場構造とリサイクル可能なピンクの床材で構成、都市の屋上活用の有効性を示すことも意図 image courtesy of MVRDV
MVRDVによる、オランダ・ロッテルダムの仮設イベントスペース「The Podium」。建築月間の為に既存ビルの屋上に作られる約600㎡の仮設イベントスペースで、足場構造とリサイクル可能なピンクの床材で構成、都市の屋上活用の有効性を示すことも意図 image courtesy of MVRDV

MVRDVが設計している、オランダ・ロッテルダムの仮設イベントスペース「The Podium」。建築月間の為に既存ビルの屋上に作られる約600㎡の仮設イベントスペースで、足場構造とリサイクル可能なピンクの床材で構成、都市の屋上活用の有効性を示すことも意図されています。2022年の夏に実現される予定です。

こちらはリリーステキストの翻訳

MVRDVがヘット・ニュー・インスティテュート(Het Nieuwe Instituut)の屋上に「The Podium」をデザイン、ロッテルダム建築月間の舞台をセッティング

この夏、ロッテルダムのヘット・ニュー・インスティテュートの屋上に、新しいテンポラリーなイベント会場が誕生します。高さ29m、143段の階段で上がるThe Podiumは、その印象的なピンク色で視認性を高めています。ヘット・ニュー・インスティテュートがMVRDVに依頼したこの600㎡のイベントスペースでは、ロッテルダムの様々な機関やクリエーターによって催しが計画される予定です。これまで一般に公開されることのなかった屋上を利用できるThe Podiumは、建築、都市、ミュージアムパーク、ヘット・ニュー・インスティテュートを全く新しい視点から体験できるユニークな機会を提供します。The Podiumは2022年6月1日にオープンし、ロッテルダム建築月間フェスティバルの中心を形成し、8月17日までイベントに使用される予定です。

ロッテルダムの屋根には大きな可能性があり、特にヘット・ニュー・インスティテュートの屋根には大きな可能性があります。ヨー・クーネン(Jo Coenen)によるこの建物の特徴的なパーゴラからのパノラマビューに触発され、デザインチームは高さ29mのプラットフォームを作りました。600㎡の広さのプラットフォームは、さまざまなイベントやミーティングを開催するのに十分な広さです。プラットフォームからは、市街地、ミュゼーアム公園、そして隣接するMVRDV設計のデポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲンの景色を眺めることができます。

The Podiumは、後でリサイクル可能な床仕上げの足場構造の上に作られます。The Podiumへは、外階段、仮設エレベーター、または現在最上階に展示されているMVRDVとHNIのキュレーションによるMVRDVの初期作品を紹介する共同展示「The Living Archive of a Studio」からアクセスすることが可能です。The Podiumは、建築に関する一般の人々の知識を高めようとするヘット・ニュー・インスティテュートの意欲を表しています。また、都市の屋上をより有効に活用するというMVRDVのアジェンダを示すものであり、都市のスプロールを防ぐことで持続可能な発展を可能にする高密度化の重要なアプローチであると同時に、緑や水管理、必要とされる建築機能を追加する機会を創出するものでもあります。

木下昌大 / KINO architectsによる、福岡の「福岡市平尾霊園合葬式墓所」。死生観等の変化に沿った新たな形態の公共墓地、特定の宗教観を避け故人を偲ぶ場とすべく敷地の山の力を借りる計画を考案、山裾の献花台を取り囲む円弧状壁が追悼の為の非日常をつくる
木下昌大 / KINO architectsによる、福岡の「福岡市平尾霊園合葬式墓所」。死生観等の変化に沿った新たな形態の公共墓地、特定の宗教観を避け故人を偲ぶ場とすべく敷地の山の力を借りる計画を考案、山裾の献花台を取り囲む円弧状壁が追悼の為の非日常をつくる photo©中村絵
木下昌大 / KINO architectsによる、福岡の「福岡市平尾霊園合葬式墓所」。死生観等の変化に沿った新たな形態の公共墓地、特定の宗教観を避け故人を偲ぶ場とすべく敷地の山の力を借りる計画を考案、山裾の献花台を取り囲む円弧状壁が追悼の為の非日常をつくる photo©中村絵
木下昌大 / KINO architectsによる、福岡の「福岡市平尾霊園合葬式墓所」。死生観等の変化に沿った新たな形態の公共墓地、特定の宗教観を避け故人を偲ぶ場とすべく敷地の山の力を借りる計画を考案、山裾の献花台を取り囲む円弧状壁が追悼の為の非日常をつくる photo©中村絵

木下昌大 / KINO architectsが設計した、福岡の「福岡市平尾霊園合葬式墓所」です。死生観等の変化に沿った新たな形態の公共墓地、特定の宗教観を避け故人を偲ぶ場とすべく敷地の山の力を借りる計画を考案、山裾の献花台を取り囲む円弧状壁が追悼の為の非日常をつくります。

少子高齢化や核家族化、死生観の変化により、新たな形態の墓地を求めるニーズが高まり、福岡市が平尾霊園内に整備した合葬式墓所。
2019年に行われた建築設計プロポーザルにおいて、キノアーキテクツが一等に選ばれ、2021年4月から墓所の運用が始まりました。

建築家によるテキストより

プロポーザルの初期段階から心がけていたことは、さまざまな立場の人が利用する公共墓所であるため、特定の宗教観を現すデザインを避けるということ。一方で、お墓はきわめてプライベートな場でもあります。誰もが公平に利用できながら、個々の思い入れを抱ける場所。公共性がありながら、プライベートな場所。特定多数のお墓であり、遺された人々の祈りの場所。これら表裏の関係性を解くために、山の力を借りることにしました。

建築家によるテキストより

かつて、平尾霊園を造成するために山々が削られました。
今回の合葬式墓所の建設にあたり、その緑を修復するように山裾をのばし、その下に埋蔵室を埋めることを提案しました。

故人は山々に抱かれながら眠り、訪れた人々は山裾に設けた献花台に花を手向けます。その献花台を円弧状の休憩所が囲み、故人を偲ぶための非日常の場になります。

建築家によるテキストより
森下陽 amp/アンプ建築設計事務所による、静岡・浜松市の「仏壇仏具店 迦葉」。国道沿いの敷地で道からの視認性向上と入りやすさの要望に、駐車場を奥に確保した上で建物間口を最大限広くし道路側に配置して前面を緑化、小屋組表しのおおらかな内部空間で気軽さと安心感を与える
森下陽 amp/アンプ建築設計事務所による、静岡・浜松市の「仏壇仏具店 迦葉」。国道沿いの敷地で道からの視認性向上と入りやすさの要望に、駐車場を奥に確保した上で建物間口を最大限広くし道路側に配置して前面を緑化、小屋組表しのおおらかな内部空間で気軽さと安心感を与える photo©長谷川健太
森下陽 amp/アンプ建築設計事務所による、静岡・浜松市の「仏壇仏具店 迦葉」。国道沿いの敷地で道からの視認性向上と入りやすさの要望に、駐車場を奥に確保した上で建物間口を最大限広くし道路側に配置して前面を緑化、小屋組表しのおおらかな内部空間で気軽さと安心感を与える photo©長谷川健太
森下陽 amp/アンプ建築設計事務所による、静岡・浜松市の「仏壇仏具店 迦葉」。国道沿いの敷地で道からの視認性向上と入りやすさの要望に、駐車場を奥に確保した上で建物間口を最大限広くし道路側に配置して前面を緑化、小屋組表しのおおらかな内部空間で気軽さと安心感を与える photo©長谷川健太

森下陽 amp/アンプ建築設計事務所が設計した、静岡・浜松市の「仏壇仏具店 迦葉」です。国道沿いの敷地で道からの視認性向上と入りやすさの要望に、駐車場を奥に確保した上で建物間口を最大限広くし道路側に配置して前面を緑化、小屋組表しのおおらかな内部空間で気軽さと安心感を与える事が意図されました。店舗の公式サイトはこちら

敷地は近隣の生活主要道路であり、日常的に渋滞も起こる駅へとつながる国道に面している。
この場所で創業から約20年営業してきた仏壇、仏具、墓石を扱う店舗の建替え計画である。

建築家によるテキストより

既存の店舗は別の業態の店舗を引き継いだものであり、道路に対して間口が狭く2階建てであったため外部から中を窺い知ることが難しい建物であった。またフロアの面積が限られていたため仏壇の展示は2階となり、店舗空間が分断されている状況でもあった。

建替えにあたりクライアントからは、道路側からの視認性の向上と従来の様な重厚な構えでなく暖かみのある入りやすいお店、店舗部分をワンフロアにまとめることが求められた。それに加え前面道路である国道は計画道路となっているため、将来を見越し、セットバックする必要があった。

建築家によるテキストより

まずは展示する商品の本数や種類、陳列方法により建物の大まかなヴォリュームを決定した。
そして建物の間口を出来る限り広くとれるよう調整し道路側に配置、奥にメインの駐車スペースを確保し、墓石スペースを設けたうえでセットバックが必要な道路沿いを近隣のような駐車場ではなく緑地帯として開放した。

大きな切妻屋根で覆われた内部は、天井が高く開放的な仏具スペースと天井を低く抑え実際のスケール感覚と合わせた仏壇スペースに分けた。今後のレイアウトの変更にも対応出来るよう、日本民家の小屋組のような矩勾配の切妻屋根を利用してトラスを組み柱を規則的に配置した可変性の高い空間とした。小屋空間の半分は仏具スペース上部の吹抜け、もう半分は2階としてイベント空間と倉庫になっている。

建築家によるテキストより
村山徹と杉山幸一郎による連載エッセイ ”今、なに考えて建築つくってる?” 第1回「コストとレギュレーション」
村山徹と杉山幸一郎による連載エッセイ ”今、なに考えて建築つくってる?” 第1回「コストとレギュレーション」

「今、なに考えて建築つくってる?」は、建築家の村山徹と杉山幸一郎によるリレー形式のエッセイ連載です。彼ら自身が、切実に向き合っている問題や、実践者だからこその気づきや思考を読者の皆さんと共有したいと思い企画されました。この企画のはじまりや趣旨については第0回「イントロダクション」にて紹介しています。今まさに建築人生の真っただ中にいる二人の紡ぐ言葉を通して、改めてこの時代に建築に取り組むという事を再考して頂ければ幸いです。
(アーキテクチャーフォト編集部)


第1回 コストとレギュレーション

text:村山徹

 
 
僕がエッセイを書こうと思った訳

みなさん、こんにちは。これから杉山幸一郎さんとリレー形式でエッセイを書くことになりました。ムトカ建築事務所の村山徹です。どうぞよろしくお願いします。

まず簡単に僕の自己紹介と、なぜこのようなエッセイを書こうと思ったかをお話しておきます。僕は1978年生まれの43歳で、建築家としては中堅に入りつつある世代になります。学生時代に見た雑誌に掲載されていた建築家すごろくのように、学部、大学院を経て、アトリエ事務所で修行して独立、大学でも教えているという建築家人生を辿っています。

2000年頃の僕が学生の時はこのルートが一般的で、ネットもそれほど発達していなかったこともあり、井の中の蛙のごとく迷うことなくこの道をめざしました。でも、もし今自分が学生だったら、卒業設計日本一決定戦や建築新人戦などの学生コンテストやSNSで視覚化される優秀な学生や作品に触れて怖気付いて独立してのびのび建築を考え楽しむことができなかったかもしれない、と思ったりしています。たぶんそんな学生や若い人も多いのではないでしょうか。

今の日本の建築界の状況は、みなさんには明るく見えていないのではないかと思います。バジェットの下降に反比例して建築コストは上がり、レギュレーションもどんどん厳しくなり、一方でサステイナブルやコモンの正しさが求められ、挙句の果てにプログラムからその事業性まで設計しなくてはいけない。

一見すると窮屈で学生時代のように真っ直ぐに建築をつくれる状況ではないように思われるかもしれません。ですが、そんな状況の中でも、自身が理想とする建築をつくる方法はあるはずで、その方法をこのエッセイで自分なりにも見つけていければ幸いですし、みなさんの気づきやヒントになればなお嬉しいと思います。

もう一点、今回のエッセイでは、スイスを拠点に設計活動をしている杉山幸一郎さんとご一緒できるということも、ぼくにとって大きな出来事でした。このエッセイをスタートするにあたって、彼と何度かやりとりをしました。その過程で、スイス(海外)と日本の状況を相対的に見ることができ、大きな気付きを与えてくれたのです。

世界で最も自身の理想を具現化している建築家の一人であるピーター・ズントーの元で設計活動をしていた経験から語られる、杉山さんの言葉には、強度とワクワク感があります。僕は、建築ってロマンだと思うし、建築でワクワクしたい。そんなワクワク感を如何に生み出せるかを、現代的なテーマを元に考えてみたいと思います。

村山徹と杉山幸一郎による連載エッセイ ”今、なに考えて建築つくってる?” 第1回「コストとレギュレーション」ムトカのコンセプトドローイング

僕は現在まで建築設計の実務に十数年携わってきました。その間に設計を経験したビルディングタイプは、美術館、大型コンプレックスビル、豪邸、ギャラリー、展示構成、小住宅、物販店舗、集合住宅など。規模も数万平米から数十平米、コストは数百億から数百万まで、その振れ幅は大きく、また社会的な出来事としても、06年の姉歯事件、08年のリーマンショック、11年の大震災、20年のコロナウイルス感染症を経験し、その過程で建築を取り巻く状況も大きく変わりました。

様々な出来事を経るたびに、思い描くように建築をつくることが難しくなってきていることは間違いありません。ですが、考え方や捉え方を変えてみると今だからできること、今しかできないことがあるはずだと思っています。その探求から自身が考える建築の実現にたどり着けると思っています。


年々厳しくなるコストとレギュレーション

まず、最初に考えたいのは、「コストとレギュレーション」というテーマです。建築物を「作品」として捉える観点のなかで、コストについて話すことは意外とタブーになっているところがあります。それは、コストの話が先行してしまうと、建築の歴史や文脈から切り離され経済の問題にシフトしてしまうからでしょう。でも、現代に建築をつくるうえでコストは一番大きなコンテクストと言っても過言ではありません。実際に僕も、まずはコストでそのプロジェクトでの立ち位置を図っており、コストありきでないと前に進めないくらい重要な要素なっている実感があります。

実務に関わっている方なら共感して頂けると思いますが、年々建築コストが下がり続けていることに異論はないと思います。特に若い世代(僕より下の世代)にとっては、そもそもコストが掛けられる案件が存在すること自体が別の世界の話に聞こえるでしょうし、予算があるからこそできることは設計手法の範疇に入っていない、持ち得ていないというのが正直なところではないでしょうか。

実際に僕が実務に携わった十数年で建築にまつわる上述のような出来事がある度にコストは下がり、レギュレーションは厳しくなる一方です。だからこそ建築設計以外の部分で職能を発揮し、新たな手法をもって報酬を得る建築家が増えてきているとも言えます。そして、このような状況のなかで建築をつくり始める若い世代の人たちの話を聞いていると、まあ、それが当たり前で悲観的にならず肯定的に捉え設計をしているようことも分かります。

【ap job更新】 多様な人材による様々な働き方のできる事務所を目指す「伊藤潤一建築都市設計事務所」が、設計デザイン(新卒既卒・経験者)・マネジメント・秘書とアルバイトを募集中
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多様な人材による様々な働き方のできる事務所を目指す「伊藤潤一建築都市設計事務所」の、設計デザイン(新卒既卒・経験者)・マネジメント・秘書とアルバイト募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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伊藤潤一建築都市設計事務所では、新規スタッフを募集しています。

建築設計・デザインに限らず、ものづくりが好きな多様な人材を求めています。

年齢、経験、環境に応じた様々な働き方のできる事務所です。

岡佑亮 / チドリスタジオによる、石川・金沢市の、自邸兼事務所「北陸住居 No.1」。地域と向き合いバナキュラーと作品の間の在り方を模索、建築に伝統的中庭“セド”を現代化した空間を設け公と私を緩やかに接続、歴史を基とした北陸らしさの実践を通し建築の普遍的可能性も追求
岡佑亮 / チドリスタジオによる、石川・金沢市の、自邸兼事務所「北陸住居 No.1」。地域と向き合いバナキュラーと作品の間の在り方を模索、建築に伝統的中庭“セド”を現代化した空間を設け公と私を緩やかに接続、歴史を基とした北陸らしさの実践を通し建築の普遍的可能性も追求 photo©中山保寛
岡佑亮 / チドリスタジオによる、石川・金沢市の、自邸兼事務所「北陸住居 No.1」。地域と向き合いバナキュラーと作品の間の在り方を模索、建築に伝統的中庭“セド”を現代化した空間を設け公と私を緩やかに接続、歴史を基とした北陸らしさの実践を通し建築の普遍的可能性も追求 photo©中山保寛
岡佑亮 / チドリスタジオによる、石川・金沢市の、自邸兼事務所「北陸住居 No.1」。地域と向き合いバナキュラーと作品の間の在り方を模索、建築に伝統的中庭“セド”を現代化した空間を設け公と私を緩やかに接続、歴史を基とした北陸らしさの実践を通し建築の普遍的可能性も追求 photo©中山保寛

岡佑亮 / チドリスタジオが設計した、石川・金沢市の、自邸兼事務所「北陸住居 No.1」です。地域と向き合いバナキュラーと作品の間の在り方を模索、建築に伝統的中庭“セド”を現代化した空間を設け公と私を緩やかに接続、歴史を基とした北陸らしさの実践を通し建築の普遍的可能性も追求されました。岡は、ツバメアーキテクツ出身の建築家です。

設計事務所を併設した自邸である。

そしてここでは、これまでに実践してきたシェアやケアといった分野での設計経験を活かすため、モノやスキルを地域の人と共有しあう「寺町コモンズ」という活動もしている。敷地は藩政期に寺社が集められた重要伝統的建造物群保存地区のすぐ脇にあり、周辺には古い町家や大きな庭木が残っている。

建築家によるテキストより

変型的なL字型の敷地に対し、道路沿いに建築をワンヴォリュームで据え、奥に隣家にも光を届ける庭を設けた。
交差点と接する敷地角に人を迎える土間+前庭、ヴォリュームの反対側には金沢の町家で見られるセド(奥庭の手前に雪下ろしや洗濯ができるスペース)+奥庭を設け、その間をLDK機能が繋ぐ構成である。

土間は道路沿いに全面開口とし、パブリックスペースの延長のような透明感ある場とした。セドは、道路沿いに軒高さいっぱいのスリット開口と屋外カーテンを設けて大きなスケールの玄関口をつくり、奥庭に開いた連続的な場としている。

建築家によるテキストより

故郷である北陸地方で初めて設計し、この地域の雨雪に対する屋外スペースのつくり方、曇天に適した色づかい、冬季の自然光と日射熱の扱い等について考えた。それらへの応答として洗練された北陸建築の系譜と接続する、バナキュラーと住宅作品の中間のようなものを模索していた。

環境を制御する屋根や開口部などの建築的エレメントを風土に合わせて再考して、歴史的知性のうえに成り立つ北陸らしいケーススタディを通し、建築の普遍的な可能性を見出したい。

建築家によるテキストより

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