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前田茂樹 / ジオ-グラフィック・デザイン・ラボによる、大阪・泉大津市の高架下につくられた広場「もんとぱーく」
前田茂樹 / ジオ-グラフィック・デザイン・ラボによる、大阪・泉大津市の高架下につくられた広場「もんとぱーく」 photo©笹の倉舎 / 笹倉洋平
前田茂樹 / ジオ-グラフィック・デザイン・ラボによる、大阪・泉大津市の高架下につくられた広場「もんとぱーく」 photo©笹の倉舎 / 笹倉洋平
前田茂樹 / ジオ-グラフィック・デザイン・ラボによる、大阪・泉大津市の高架下につくられた広場「もんとぱーく」 photo©笹の倉舎 / 笹倉洋平

前田茂樹 / ジオ-グラフィック・デザイン・ラボが設計した、大阪・泉大津市の高架下につくられた広場「もんとぱーく」です。

もんとぱーくは、泉大津市の掲げる、「アビリティタウン」(健康を「アビリティ」と捉え、市民一人ひとりが「能力」、「技量」、「才能」を伸ばすまちづくり)構想の、実証フィールドとして、南海電鉄の南海本線高架下につくられた広場です。広場の土地は、所有する南海電鉄が泉大津市へ無償貸与し、市が広場整備費負担・管理・運営を行っています。ジオ-グラフィック・デザイン・ラボへの、泉大津市と南海電鉄の要望は、「今後の泉大津駅-松ノ浜駅間の高架下を活用する、市民共創のまちづくりの実証フィールド」「使い方の決まった遊具を配置するのではなく、子どもたちが自ら遊び方を考え出せるような場所」でした。

建築家によるテキストより
門脇耕三らヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館展示メンバーが、コロナ禍で開催延期された期間に行う新企画の為の資金をクラウドファンディングで募集中。リターンには長坂常・元木大輔・岩瀬諒子らによる展示資材を活用したプロダクトも
門脇耕三らヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館展示メンバーが、コロナ禍で開催延期された期間に行う新企画の為の資金をクラウドファンディングで募集中。リターンには長坂常・元木大輔・岩瀬諒子らによる展示資材を活用したプロダクトも左:長坂常によるテーブルランプ / 中:元木大輔によるフラワーベース / 右:岩瀬諒子によるコースター

門脇耕三らヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館展示メンバーが、コロナ禍で開催延期された期間に行う新企画の為の資金をクラウドファンディングで募集しています。リターンには長坂常・元木大輔・岩瀬諒子らによる展示資材を活用したプロダクトもラインナップされています。リンク先では、ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館展示の内容もまとまっています。

はじめに

わたしたち門脇耕三・長坂常・岩瀬諒子・木内俊克・砂山太一・元木大輔・長嶋りかこ・福元成武は、ふだんは別々にそれぞれの創作活動をしていますが、第17回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の日本館展示の出展者として選定していただくことになり、2020年5月の開幕に向けて、これまで一丸となって準備を進めてきました。

ところが、このコロナ禍で、ヴェネチア・ビエンナーレの開幕が1年延期することになりました。しかしわたしたち日本館展示チームは、より良い展示を安全に実施すべく、延期になった期間も休まずに活動を続けています。また、延期によって生じた時間をつかって、日本館展示とは別に、関連する新たな企画にも取り組んでいます。そこで、この新たな企画を中心とした1年間の活動予算について、みなさまからのご支援をお願いしたく、クラウドファンディングを立ち上げることといたしました。

プロジェクトをやろうと思った理由:コロナ禍と、展覧会後の資材のゆくえ

冒頭でご説明したとおり、この展覧会は、当初2020年5月に開幕する予定でした。しかしご存じの通り、2020年2月末頃から、新型コロナウイルスがイタリアでも猛威を振るいはじめます。そのため、展覧会全体の主催者であるヴェネチア・ビエンナーレ財団は、開幕の1年延期を決定しました。観光都市ヴェネチアの顔ともいえる祭典の延期は、財団にとって苦渋の決断だったと思います。

しかしこの決定のあとも、より良い展示を実現するため、わたしたちは休まず活動を続けています。また、延期によって生じた時間を使って、展示に使用したマテリアルのその後のゆくえをデザインする新たな企画にも取り組んでいます。そこで、この新たな企画を中心とした1年間の活動予算について、みなさまからのご支援をお願いしたく、クラウドファンディングを立ち上げることといたしました。

新型感染症は収束の兆しも見えておらず、ほかにも支援を必要とされている方々が大勢いらっしゃるなか、このようなお願いをすることには躊躇もありました。しかしわたしたちは、このクラウドファンディングに、展覧会のコンセプトをより明確にする積極的な意味も見いだしており、公開を決意するに至りました。

ヴェネチア・ビエンナーレは注目度が高い反面、いかんせん開催地が遠く、現地での盛り上がりがどうしても日本まで伝わってきません。展覧会には興味があるものの、さすがにヴェネチアまでは行けないという方もたくさんいらっしゃることでしょう。クラウドファンディングは、こうした方々にも、展覧会への「参加」の道筋を提供するものだとわたしたちは考えています。

以下は、リターンの為に考案された、現地での展示物をリサイクルして作られるプロダクトの一部です。

片山正通 / ワンダーウォールによる、東京・渋谷区の公共トイレ「恵比寿公園トイレ」の写真
片山正通 / ワンダーウォールによる、東京・渋谷区の公共トイレ「恵比寿公園トイレ」の写真提供:日本財団/撮影:永禮賢 photo©永禮賢

片山正通 / ワンダーウォールが設計した、東京・渋谷区の公共トイレ「恵比寿公園トイレ」の写真が10枚、tokyotoilet.jpに掲載されています。日本財団が行っている「THE TOKYO TOILET」プロジェクトの一環として建てられたものです。

念頭に置いたのは、建築的なものから距離を置き、遊具やベンチや樹木のように何気なく公園に佇むオブジェクトとしての在り方。
日本におけるトイレの起源は川に直接用便する「川屋」(厠の語源)と呼ばれるもので、縄文時代早期に遡る。土で固められたもの、木材を結び付けて作ったものなど極めてプリミティブで質素であった。そんな佇まいをイメージしながらコンクリートでできた壁を15枚いたずらに組み合わせ、トイレでありオブジェクトでもある“曖昧な領域ー現代の川屋(厠)”を構築。壁と壁の間を男性用/女性用/だれでもトイレという3つの空間への導入とするなど、人々が不思議な遊具と戯れるような、ユニークな関係性をデザインした。

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坂茂による、東京・渋谷区の公共トイレ「はるのおがわコミュニティパーク」と「代々木深町小公園トイレ」
坂茂による、東京・渋谷区の公共トイレ「はるのおがわコミュニティパーク」と「代々木深町小公園トイレ」提供:日本財団/撮影:永禮賢 photo©永禮賢
坂茂による、東京・渋谷区の公共トイレ「はるのおがわコミュニティパーク」と「代々木深町小公園トイレ」提供:日本財団/撮影:永禮賢 photo©永禮賢
坂茂による、東京・渋谷区の公共トイレ「はるのおがわコミュニティパーク」と「代々木深町小公園トイレ」提供:日本財団/撮影:永禮賢 photo©永禮賢
坂茂による、東京・渋谷区の公共トイレ「はるのおがわコミュニティパーク」と「代々木深町小公園トイレ」提供:日本財団/撮影:永禮賢 photo©永禮賢

坂茂が設計した、東京・渋谷区の公共トイレ「はるのおがわコミュニティパーク」と「代々木深町小公園トイレ」の写真がtokyotoilet.jpに掲載されています。上記リンク先は「はるのおがわコミュニティパーク」の方で、こちらのページで「代々木深町小公園トイレ」の写真を見ることができます。日本財団が行っている「THE TOKYO TOILET」プロジェクトの一環として建てられたものです。

公共のトイレ、特に公園にあるトイレは、入るとき2つの心配なことがあります。一つは中が綺麗(クリーン)かどうか、もうひとつは中に誰も隠れていないかどうか。新しい技術で作られた鍵を締めると不透明になるガラスで外壁を作ることで、トイレに入る前に中が綺麗かどうか、誰もいないか確認でき、その2つの心配をチェックすることができます。そして夜には、美しい行灯のように公園を照らします。

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【ap job更新】 建築設計・地域拠点の運営・ブランディングまでを手掛ける、菅原大輔率いる「SUGAWARADAISUKE建築事務所」が、各種役職のスタッフ(常勤・非常勤)を募集中
【ap job更新】 建築設計・地域拠点の運営・ブランディングまでを手掛ける、菅原大輔率いる「SUGAWARADAISUKE建築事務所」が、各種役職のスタッフ(常勤・非常勤)を募集中
【ap job更新】 建築設計・地域拠点の運営・ブランディングまでを手掛ける、菅原大輔率いる「SUGAWARADAISUKE建築事務所」が、各種役職のスタッフ(常勤・非常勤)を募集中山中湖村平野交差点バス待合所・観光案内所 / 2019年度都市景観大賞・特別賞 / 平成30年度山梨県建築文化賞 / iF DESIGN AWARD 2019 / JCDデザインアワード2018 BEST100など

建築設計・地域拠点の運営・ブランディングまでを手掛ける、菅原大輔率いる「SUGAWARADAISUKE建築事務所」の、各種役職のスタッフ(常勤・非常勤)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

※今回は、常勤スタッフを特に募集しています。

SUGAWARADAISUKE建築事務所は、「物語る風景」を合言葉に、地域性を発見・継承し、新しい世界観を提示する建築事務所です。代表の菅原が経験した欧州の雇用体系に倣い、新型コロナウィルス感染拡大以前から、フレックスやリモートワークなど設計業界でも先駆的な待遇を切り開いてきた建築事務所です。

ウィズコロナ時代やポスト資本主義に求められる新時代のプロトタイプを創造するため新しい仲間を募集しています。(特に常勤スタッフを急募しています)

国内外の政府系組織、法人から個人のお客様まで、様々なクライアントからご依頼いただきその仕事は、世界三大デザイン賞IF Design Award3作同時受賞、日本建築学会作品選集新人賞、東京建築賞最優秀賞、都市景観賞、DFA Awardなど、国内外30以上の受賞実績に繋がっています。

デザインの射程は、まちづくりの拠点となる「○○×交通・地域拠点」でワイナリーや地域診療所の設計、教育・商業・業務施設の設計、6次産業のブランディングなど、様々な設計領域を捉えています。また、新しい公共性と交通の実験場として「FUJIMI LOUNGE」の設計・運営も行っており、企画・空間設計・施工監理・運営コンサルタントまで、一貫したサービスも行います。

カタチの背景となる企画から運営までを視野に入れながらも、ソフトに甘えず、理論に終わらない、審美的なカタチの創造を目指してきました。その全ては未来に求められる建築の可能性を追求する活動でもあります。

僕らの建築と社会の未来像に共感し、ダイナミックな時代に応答する実践で共に成長する、そんな思いを持った人たちと一緒に仕事がしたいです。建築系の学部卒・大学院修了の方であれば、新卒や実務経験者は問いません。

また、社会復帰を希望する女性建築設計者や、建築を志す女性設計者の働きやすい労働環境づくりにも力を入れています(現在3人の女性スタッフ・アルバイトが働いています)。

加えて、事務所で運営するコミュニティカフェ「FUJIMI LOUNGE」をスタッフが割引価格で利用できたり、手作りまかないランチ制度などの仕組みをつくるなど、福利厚生の充実にも力をいれています。

海外経験が豊富なスタッフ(フランス等からの外国人スタッフ・パートも在籍)と一緒に、未来の世界を「物語る風景」をつくっていきましょう。

■代表紹介:菅原大輔■
【略歴】
菅原大輔は、日仏の建築事務所で10か国22都市のプロジェクトを担当後、独立。建築家やクリエーティブディレクター、大学教員としての活動に加え、山梨県・港区・渋谷区で景観アドバイザーを務め、広域視点でのあるべき建築のあり方を提案している。また、自ら地域・交通拠点の「FUJIMI LOUNGE」の運営を行い、ローカルとグローバルが同時存在するデザインの追及を行っています。

槇文彦の設計で完成した、東京・恵比寿の、公共トイレ「恵比寿東公園トイレ」の写真
槇文彦の設計で完成した、東京・恵比寿の、公共トイレ「恵比寿東公園トイレ」の写真提供:日本財団/撮影:永禮賢 photo©永禮賢

槇文彦の設計で完成した、東京・恵比寿の、公共トイレ「恵比寿東公園トイレ」の写真が10枚、tokyotoilet.jpに掲載されています。構造デザイン協力はKAPです。場所はこちら(Google Map)。日本財団が行っている「THE TOKYO TOILET」プロジェクトの一環として建てられたものです。

このパブリックトイレをきっかけに、公共空間のあり方について再考する機会を与えられたことに感謝いたします。
敷地の恵比寿東公園は、緑豊かな児童遊園として普段から近隣の人々に親しまれている公園です。私たちはこの施設を単なるパブリックトイレとしてだけでなく、休憩所を備えた公園内のパビリオンとして機能する公共空間としたいと考えました。子どもたちから通勤中の人々まで、多様な利用者に配慮し、施設ボリュームの分散配置によって視線を制御しながら、安全で快適な空間の創出を目指しました。ボリュームを統合する軽快な屋根は、通風を促し自然光を呼び込む形態とし、明るく清潔な環境と同時に、公園内の遊具のようなユニークな姿を生み出すことを意図しました。
タコの遊具によって「タコ公園」と呼ばれる恵比寿東公園に、新しく生まれた「イカのトイレ」として親しまれることを望んでいます。

以下の写真はクリックで拡大します。

ホンマタカシが監督・撮影して、妹島和世が出演するドキュメンタリー「建築と時間と妹島和世」の公式サイトが公開。2020年10月に渋谷のユーロスペースでロードショー
ホンマタカシが監督・撮影して、妹島和世が出演するドキュメンタリー「建築と時間と妹島和世」の公式サイトが公開。2020年10月に渋谷のユーロスペースでロードショー

ホンマタカシが監督・撮影して、妹島和世が出演するドキュメンタリー「建築と時間と妹島和世」の公式サイトが公開されています。妹島和世建築設計事務所が2018年に完成させた「大阪芸術大学 アートサイエンス学科棟」の完成までに密着した映像だそう。制作は大阪芸術大学。同建築はアーキテクチャーフォトでも特集記事として紹介しています。

大阪芸術大学アートサイエンス学科。
アートとサイエンスとテクノロジーを柔軟に連携させて、
これまでになかった研究と教育を行う新校舎に、
妹島和世が込めた思いは「公園のような建物」。

妹島和世。
金沢21世紀美術館やルーブル美術館ランス別館などを手がけ、
建築界のノーベル賞とも称されるプリツカー賞を受賞した建築家。
彼女は新校舎の設計・建築にあたり大切にしたことを3つ挙げている。
一つは、建物が立つ「丘」に合せた外観であること。
それは周辺の環境と美しく調和する、有機的なフォルムを導き出した。
さらに、建物が「開かれている」こと。
様々な方向からの出入りでき、様々な方向への視界が確保できるような、
内と外との自然なつながりを実現した。
そして、そこが人々の「交流の場」となること。
まさに、誰もが立ち寄れる、見晴らしのいい丘の上の「公園」である。

その構想から完成までの、3年6か月という時間を追ったドキュメンタリー。
一人の建築家の一つの建築に向き合う姿を鮮明に描き出している。
監督・撮影は、ル・コルビジェ、丹下健三など
数々の建築物を撮影してきた写真家 ホンマタカシ。
90年代に妹島と出会い、それ以来妹島建築を撮影してきた。
その彼の映像の力が、妹島の作品を通して「もう一つの作品」を作りあげた。

その他のヴィジュアルイメージとポスター画像は以下で紹介します。

MADの設計で2021年の竣工を予定している、中国海南省の海岸に建つ図書館「Wormhole Library」
MADの設計で2021年の竣工を予定している、中国海南省の海岸に建つ図書館「Wormhole Library」 image©SAN
MADの設計で2021年の竣工を予定している、中国海南省の海岸に建つ図書館「Wormhole Library」 image©SAN
MADの設計で2021年の竣工を予定している、中国海南省の海岸に建つ図書館「Wormhole Library」 image©SAN

MADの設計で2021年の竣工を予定している、中国海南省の海岸に建つ図書館「Wormhole Library」です。ここでは計画案の画像と現場写真を紹介します。
本建築は、約1万冊の本を収納できる690平方メートルの読書スペース、カフェとテラス、駐輪場、公衆トイレ、シャワールームを備えた300平方メートルの公衆休憩スペースの機能を備えています。また、曲面の正確さと継ぎ目のなさを確保するために、建物はCNCと3Dプリントモデルの両方を使用して鋳造され、すべての建築設備は、その外観を最小化し、視覚的な一貫性を作成するために、コンクリートの空洞内に隠れるように設計されているとのこと。

Led by Ma Yansong, MAD Architects releases the design of the Wormhole Library, which sits on the coast in Haikou, Hainan Province in China. The sensuously curved pavilion appears to be a “wormhole” that transcends time and space. It serves as a multi-functional building that allows visitors to read, enjoy views of the sea, and attend open-air performances, temporarily removing themselves from the hustle and bustle of everyday life. The building is now under construction and will be completed in 2021.

建築家によるテキストより
小田真平建築設計事務所+アトリエロウエによる、大阪のコーヒーショップ「aoma coffee」
小田真平建築設計事務所+アトリエロウエによる、大阪のコーヒーショップ「aoma coffee」 photo©山内紀人
小田真平建築設計事務所+アトリエロウエによる、大阪のコーヒーショップ「aoma coffee」 photo©山内紀人

小田真平建築設計事務所アトリエロウエが設計した、大阪のコーヒーショップ「aoma coffee」です。店舗の公式サイトはこちら

コーヒーショップのインテリアデザインである。

敷地となる空間は大阪を代表するオフィス街にあり、足場用単管パイプをファサードに持つビルの1階に位置する。

前面には多くの人々が行き交う道路と喫煙スペースがあり、平日には必ずと言っていいほど人が集まる、いわば「ちいさな人だまり」ができていた。
既存の建物は、建具をすべて開け放てば前面道路と結び付き、外部空間へと変化するように感じられる可変的な空間であった。

多様な個性が集まって働くオフィス環境の中、道路や公園などに設置されるキオスクのようなコーヒースタンドをつくることにより「ちいさな人だまり」を発生させ、前面の「ちいさな人だまり」と繋ぎ、「おおきな人だまり」へと成長させることができないかと考えた。

建築家によるテキストより
鈴木理考建築都市事務所+座二郎+高橋みのり による、東京の、建蔽率50%の敷地を最大限活用する為に屋根のないリビングを計画した住宅「オープンスカイハウス」
鈴木理考建築都市事務所+座二郎+高橋みのり による、東京の、建蔽率50%の敷地を最大限活用する為に屋根のないリビングを計画した住宅「オープンスカイハウス」 photo©中山保寛
鈴木理考建築都市事務所+座二郎+高橋みのり による、東京の、建蔽率50%の敷地を最大限活用する為に屋根のないリビングを計画した住宅「オープンスカイハウス」 photo©中山保寛
鈴木理考建築都市事務所+座二郎+高橋みのり による、東京の、建蔽率50%の敷地を最大限活用する為に屋根のないリビングを計画した住宅「オープンスカイハウス」 photo©中山保寛

鈴木理考建築都市事務所座二郎+高橋みのり が設計した、東京の、建蔽率50%(うち角地緩和10%)の敷地を最大限活用する為に屋根のないリビングを計画した住宅「オープンスカイハウス」です。

夫婦と子ども3人、5人家族の小住宅である。都会の土地の価格は高く、場所と建築可能面積によって、あからさまな偏差の体系がある。何とか手に入れたこの土地も、計算上は狭小な住宅(許容延床61㎡)しか建てられず、1人当たり最大でも12㎡という厳しい現実だった。

しかし家族は、そのような都市経済の論理から脱出するために、家の半分に屋根を架けずに生活するという、未知で大胆な生活を選択した。だからこの住宅には、「居間」などの家の面積の半分近くに屋根が無い。

その結果ここでの日常は、空という都会の唯一で圧倒的な自然に晒されている。家の中には、雨も降るし、風も吹き付けてくる。雪も降るし、虫もやってくる。その毎日は、予測不能な世界に曝されていて、住宅を資産や道具として考えている人々には、理解しがたいものだろう。

しかし家族は、この生活を嬉々として楽しんでいる。

建築家によるテキストより
日建設計がプロジェクトアーキテクト、竹中工務店の設計・施工で完成した、東京・渋谷の「MIYASHITA PARK」の写真。立体都市公園制度を活用し公園・駐車場・商業施設・ホテルが一体となった施設

日建設計がプロジェクトアーキテクト、竹中工務店の設計・施工で完成した、東京・渋谷の「MIYASHITA PARK」の写真が79枚、fashion-press.netに掲載されています。こちらの事業主の三井不動産のサイトに建築系の情報が掲載されています。立体都市公園制度を活用し公園・駐車場・商業施設・ホテルが一体となった施設です。

渋谷区は、三井不動産株式会社をパートナーとするPPP事業として、本事業を推進してまいりました。本事業は、2004年の都市公園法改正に基づき制度化された「立体都市公園制度*2」を渋谷区内で初めて活用した事業です。
1966年に東京初の屋上公園として整備された渋谷区立宮下公園は、バリアフリー動線の確保や経年変化による耐震性の課題解決に加え、防災意識の高まりや来街者の増加といった社会変化への対応が求められていることから、民間のノウハウも活用して、渋谷区立宮下公園がさらに魅力的な「広域利用公園」となるように再整備するものです。「MIYASHITA PARK」は、敷地面積約10,740m2、延床面積約46,000m2、全長約330mからなる、公園・駐車場・商業施設・ホテルが一体となった新しい“低層複合施設”です。これまでの都市機能(公園、駐車場)の再整備に加え、多種多様な人々が集まる商業施設やホテルなどを融合することで、公園の持つ魅力を施設全体で最大化させ、これまで以上に街全体の賑わいを創出します。
また、耐震性能も向上し、災害発生時には周辺地域滞在者などの帰宅困難者の一時退避場所として機能します。

*2 立体都市公園制度とは、都市公園の区域を立体的に定め、他の施設と都市公園を一体的に整備することで、土地の有効活用を図り、都市公園の効率的な整備を図ることを目的とした制度です

オッペンハイム・アーキテクチャーが計画している、スイス・ロカルノの、地域の集落を参照し、そこでの素材や廃材を建材としても利用する建築プロジェクト「lago maggiore retreat」。プログラムは住宅・ホテル・スパなど

オッペンハイム・アーキテクチャー(oppenheim architecture)が計画している、スイス・ロカルノの、地域の集落を参照し、そこでの素材や廃材を建材としても利用する建築プロジェクト「lago maggiore retreat」の画像が30枚、designboomに掲載されています。プログラムは住宅・ホテル・スパなどだそうです。

前田圭介 / UIDによる、広島・福山市の住宅「しふく」
前田圭介 / UIDによる、広島・福山市の住宅「しふく」南側外観。 photo©藤井浩司(TOREAL)
前田圭介 / UIDによる、広島・福山市の住宅「しふく」2,200~3,570mmと変化するホール天井高さ。 photo©藤井浩司(TOREAL)
前田圭介 / UIDによる、広島・福山市の住宅「しふく」湾曲した杉集成材による音と人を包み込む空間。 photo©藤井浩司(TOREAL)

前田圭介 / UIDが設計した、広島・福山市の住宅(離れ)「しふく」です。

別荘といえば、本宅における日々の生活から距離をとり、自然の中で非日常の特別な時間を過ごす場所という近代からのひとつの形式がある一方、働き方や余暇の楽しみ方などライフスタイルが多様化する現代において、そもそも日常/非日常が切り分けられるものなのだろうか。
わざわざ特別な場所に非日常を求めて行くのではなく、日常の延長に余暇を楽しむ住居を考えてみたい。

今回増築した離れに対する母屋は、2007年に私自身が設計を手掛けた4つの茶室を内包する住居「美孔庵」。市街地に位置しながらも、市中山居として世俗から離れた茶の湯空間と日常を併せ持った住宅である。
12年の月日を経て更に建主のライフスタイルを拡張するように、母屋東隣にご主人の趣味としての無線や読書空間、 そしてご夫婦共通の趣味としての音楽や演奏会・映像の鑑賞空間をつくり、愛犬仲間と一緒に楽しめる新たな離れが求められた。

建築家によるテキストより
ズントー事務所でプロジェクトリーダーを務める杉山幸一郎による連載エッセイの最新回「素直で健康的である、建築。」

ピーター・ズントー事務所でプロジェクトリーダーを務める杉山幸一郎による連載エッセイの最新回「素直で健康的である、建築。」が、公開されています。また、エッセイが連載されている「ギャラリーときの忘れも」のサイトで、杉山幸一郎によるアートワークが紹介・販売されています。

最も注目を集めたトピックス [期間:2020/8/3-8/9]
最も注目を集めたトピックス [期間:2020/8/3-8/9]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2020/8/3-8/9)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 川島範久と日本土地建物が、次世代の中規模賃事務所のプロトタイプを目指し完成させた、東京・港区のオフィスビル「REVZO虎ノ門」をレポート
  2. 伊東豊雄が審査員長を務めた、くまもとアートポリスプロジェクト「立田山憩の森・お祭り広場公衆トイレ」の結果と提案書が公開
  3. 今津康夫 / ninkipen!による、兵庫・川西市の「鶴之荘保育園」
  4. 青木淳が自身の設計事務所「青木淳建築計画事務所」を「AS」に改名。品川雅俊をパートナーに迎え、新しい建築の局面を切り開く為の判断とのこと
  5. 原研哉とLIXILが、共同開発した公共用トイレの便器などの写真
  6. SNSを中心に話題となっていた、渋谷区の鍵を閉めるとガラスが不透明になるトイレの設計者は“坂茂”
  7. 川辺直哉建築設計事務所による、東京・豊島区の小規模複合施設「角花」
  8. 乾久美子らが審査した、徳島の、あらわし木造4階建て集合住宅の設計コンペ「awaもくよんプロジェクト」の結果と提案書が公開
  9. 隈研吾が、自身の東大での最終講義「コンピューテーショナルデザインとクラフト」を振り返って感想を書いているエッセイ
  10. 前田圭介 / UIDによる、広島市の住宅「PeacoQ」
  11. 片山正通 / Wonderwallが設計した、コンクリート壁が特徴的な東京・恵比寿公園の公共トイレが完成。日本財団による「THE TOKYO TOILET」プロジェクトの一環とのこと
  12. 様々な建築家にも信頼される写真家ゴッティンガムが、法律家・水野祐のサポートを得て制作した契約書についての記事「創造性を高める契約書 〜 写真家ゴッティンガムが示す共同著作のビジョン」が、期間限定で無料公開中
  13. 坂茂による、東京・渋谷区の公衆トイレ「ザ トウメイ トウキョウ トイレット」の写真
  14. フォスター+パートナーズによる、タイ・バンコクの、片持ち式キャノピーによってアップル店舗史上初の全面ガラス張りになった、新店舗「Apple Central World」
  15. 鈴木理考建築都市事務所による、福岡市の住戸「エル・ビル」
  16. 伊東豊雄の新しい作品集『伊東豊雄 自選作品集: 身体で建築を考える』
  17. 吉本考臣建築設計事務所による、北海道・札幌市の、既存木造建物の一室を改修した自身の事務所「office M」
  18. 構造家の木下洋介が「2020年第15回 日本構造デザイン賞」を受賞
  19. 石黒泰司+和祐里 / アンビエントデザインズによる、広島の介護老人保健施設「計画と雰囲気」
  20. 向山博 / 向山建築設計事務所による、東京の「江東区の医院併用住宅」

隈研吾の建築展をオンライン上に再構築された架空のギャラリーで体験可能にする、クリエイションの未来展「Multiplication」が開催(ファイルダウンロードで閲覧可)

上の動画は展覧会の様子を収録したもの。アプリケーションをダウンロードすれば自由に行動可能です。

隈研吾の建築展を、今年9月末に閉廊する LIXILギャラリー(東京)を3Dモデル化しオンライン上に再構築された架空のギャラリーで体験可能にする、クリエイションの未来展 第23回 隈研吾監修「Multiplication」Powered by historia Enterprise、が開催されています。上記リンク先からアプリケーションをダウンロードすることで体験可能です。会期は2020年9月30日まで。

本展について

新型コロナウイルスの感染拡大により、公共空間での人やものとのかかわり方に変化が求められています。「クリエイションの未来展」第23回隈研吾監修企画では、このような状況において、場所や時間にとらわれず多くの人に届けられるオンライン展「Multiplication」を開催いたします。
本展では、今年9月末に閉廊する LIXILギャラリー(東京)を3Dモデル化し、オンライン上に再構築された架空のギャラリーにて隈研吾展を開催します。展示では、ゲームの企画・開発・販売などを行う株式会社ヒストリアのエンタープライズブランドである「ヒストリア・エンタープライズ」と協力し、ゲームエンジンによる新しい3Dの表現を用いて、抽象化された隈氏の建築作品などを体験いただきます。バーチャル空間での建築作品との出会いは、私たちに実際の建築では得られない体感と新しい視座を与えてくれるでしょう。
2014年より各監修者の現在進行形の考えを具現化し提示してきた「クリエイションの未来展」のフィナーレを飾るにふさわしい、隈研吾氏による現在と未来を見据えた建築の新しいデジタル表現にご期待ください。

監修者からのメッセージ

LIXILギャラリーの第23回クリエイションの未来展のプロジェクト。KKAAとしては6回目の作品となる。今秋で閉廊となるギャラリーを3DCGで再構築、過去6回のKKAAの作品のアーカイブ展示とKKAA建築の新しいデジタル表現を試みた。
リアルタイムでレンダリングされるギャラリー内を歩き回る体験から、抽象化され分解されたKKAAの建築が目の前で再構築されるインタラクティブな経験ができることを目指した。
場所と人、過去と現在、虚と実、さまざまな事象が掛け合わされた展示である。

隈 研吾

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