ピーター・ズントー事務所でプロジェクトリーダーを務める杉山幸一郎による連載エッセイの最新回「雑誌の季節」が公開されています。
architecture archive
青木淳と品川雅俊のASと昭和設計がプロポーザルで最適候補者に選ばれていた、長野の「松本平広域公園陸上競技場」の2020年11月時点での基本設計案がPDFで公開されています。プロポーザル時の提案書はこちらで閲覧可能です。こちらのページでは、設計者と関連団体等との協議経過と基本設計(案)がそれぞれの打ち合わせ段階ごとに公開されています。


保坂猛建築都市設計事務所が設計した、東京・文京区の、設計者の自邸「LOVE² HOUSE」です。
横浜の自邸LOVE HOUSEに10年住んだ。2015年から早稲田大学芸術学校の教員となり設計事務所との両立、早稲田と横浜の往復は思いのほか時間がかかった。そこで2件目の自邸LOVE² HOUSEの建設を決めた。希望の場所で予算に合う10坪の土地を購入し、2階建ての検討が始めた。丁度その頃、江戸時代の庶民の長屋が9尺2間(9.6m2)で4人家族が生活していたということを本で読んでいた妻が「6坪は広い」と言い出した。そこで延床19m2の平屋で計画をやり直した。
延床20m2を下回る戸建の事例、鴨長明による方丈庵(一丈四方9.18m2)、ル・コルビュジェによるカップマルタンの小屋(16.85m2)、立原道造によるヒアシンスハウス(15.15m2)など、周辺環境と共にその小屋での生活全体をこよなく愛していたことを参考、LOVE HOUSEでの自然要素(太陽の光、雨、雪、動物、植物、人など)がある生活経験も踏まえ、古代ローマ人がヴィラ生活で大切にした5つの要素(学問、入浴、演劇、音楽、美食)を、この小さな家で充実させたいと考え、削ぎ落とされたミニマリズムではなく、あらゆるものをより膨らませて生活を豊かにするよう計画した。


株式会社 the design laboの、設計スタッフ(正社員・アルバイト)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
株式会社 the design laboが正社員・アルバイトを募集中
11月にオフィスを拡張し、作業スペースを増床しました。
弊社は建築設計業務を中心に、幅広くモノ創りに関わっています。
現在、戸建住宅、集合住宅、店舗、文化施設などの建築設計監理業務、海外のメゾンや家具ブランドなどとのプロダクトデザイン業務及びグラフィックデザイン業務など、様々なプロジェクトが進行中です。今回は建築設計・監理を担う正社員と、設計業務をサポートしてくれるアルバイトを募集します。



三上建築事務所・押田建築設計事務所共同企業体が設計した、富山の「砺波市立砺波図書館」です。施設の公式ページはこちら。
砺波平野は比類なき静かな絶景である。加賀百万石を支える穀倉地帯であった散居村の様が今も美しい田園風景として継承されている。ここに住む人々の中に宿る合理性と豊かな心情を兼ね備えた高い品格に由来するものだと、あずまだちと呼ばれるその母屋の佇まいにその所以を感じた。そうした心象を抱きながら市内を縦断する幹線道路に面する「大屋根の下のワンルームの図書館」を構想した。
大屋根はその大きさとともに緩やかなうねりをもって砺波市の新たなランドマークとなることを企図した。それはあずまだちの現代的な解釈であると同時に、未来に飛翔するペーガソスの翼のように市民の教養の象徴でもある。そして、西側の通りと平行に低く構えた軒下から館内の様子を通りに開くように設えた。
OMAが増築を手掛けている、アメリカ・ロサンゼルスのユダヤ教寺院「Audrey Irmas Pavilion」の現場写真が4枚、dezeenに掲載されています。
デイビッド・アジャイが計画している、ナイジェリア・ベニンシティの美術館「Edo Museum of West African Art」の画像が10枚、dezeenに掲載されています。
「老朽化インフラ 教訓はなぜ生かされていないのか~笹子トンネル事故8年~」という番組の内容が、NHK クローズアップ現代のサイトに掲載されています。




藤貴彰+藤悠子が設計した、東京・渋谷区の、設計者の自邸兼事務所「出窓の塔居」です。また2020年12月12日14時に設計者によるオンラインレクチャーが開催されます。
新旧の街並みが混在する都心の狭小地に、自邸兼事務所を設計した。駅前で、様々な用途になり得る可能性のある場所なので、家でなく居場所をつくるべきだと考えた。自分たちの手を離れた後、用途や持ち主が変わっても生き続けられる、居心地の良い居場所である。
居場所をつくる手法として、空間そのものを構築するのではなく、何気ない人の振る舞いの一つ一つを意識的に具現化し、空間が立ち上がることを試みた。そこで用いた形式が出窓である。日本における出窓の法令上の寸法体系が家具的であることに着目した。出幅は500mmまで、床面からの立ち上がりは300mm以上、天井面から窓の上枠が立ち下がっているという基準があり、用途が生じない場合は容積不算入でもある。出窓を家具的に扱い、階ごとに全周ぐるりと巻き付け積層することで、建物の周囲に家具的境界を作った。座る、寝転ぶ、手を洗う、料理する、入浴する、物を書くなど日常の様々な振る舞いが出窓と共にある。
また、狭小地の宿命として、新たに建物を建築すると、隣家の窓前に壁が立ち、息苦しい思いをさせてしまう。隣家にも居心地の良さをもたらす形態とはどうあるべきかを考えた。建物の角を45度で落とし敷地の四隅に空地のポケットをつくることで、隣家の窓の振る舞いも確保し光と風を享受できるようにした。八角形の建物形状は、通常の矩形の建物と比べて周囲の風環境への悪影響が小さいこともシミュレーションによって確認した。
さらに、居心地の良い場所を作るために、シミュレーションにて周囲も含めた微気候の振る舞いを観察すると、採光のための光窓、通風のための風窓、熱も風も遮ったほうがよい壁窓、3つの出窓の状態が浮かび上がってきた。3種の窓を光・風・熱の条件が最も効果的になるように配置をしたが、それでも真夏や真冬は、熱負荷が大きくなってしまう部位があるため、外装材には軽量で断熱性が高く、吸音性もあり不朽もしない炭化コルクにて外断熱を行い、熱負荷を低減することとした。



岸名大輔 / BAUMが設計した、福井・大野市の、築90年の蔵を曳家し改修した住宅「S HOUSE」です。
福井県大野市の山間に位置するこの敷地は古くからある日本家屋と田畑に囲まれた静かな土地である。施主の要望は実家と隣接して建てられていた築90年の蔵の解体と住居の新築であったが、両親の希望により蔵を残しリノベーションをすることとなった。
住宅としての耐震性・断熱性などの構造的な問題と駐車場の確保が課題であったことを踏まえ曳家を提案したところ施主も両親も納得しこの計画を進めることとなった。
現代では珍しくなった梁組や8寸の柱などの既存の構造材を意匠として見せ、必要な場所は新しい材料で補強。小屋組に使われている丸太も現しにして天井を再構築した。解体してから分かる可能なこと不可能なことを都度施主と相談しながら工事を進めていった。



水谷元 / atelierHUGEが設計した、兵庫・神戸市の「東遊園地ミストガーデン2020」です。(この設置は既に終了しています)
2020年のウイルス感染症拡大禍の夏、神戸市役所の南側に位置する市民に親しまれる公園である東遊園地を夏期にも利用してもらおうと、異常高温対策の一環でミストを発生する装置を約2ヶ月間設置した。ミストを発生する装置は、東遊園地の景観をより良いものにすると同時に、公園への親しみを増幅させるものでなければならない。
人口約150万人の神戸市だが、背後にそびえる自然あふれる六甲山に親しみをより感じてもらい、その山並みの景観と環境の保全に関心を持ってもらうため、六甲山の間伐材を利用した『シビック・パレッド』を開発した。足場板の標準的な製材寸法である幅200mm x 30mmを基本とし、4種類の長さのシビック・パレッドを製作した。誰にでも簡単に様々なファニチャーを組み立てることのできる仕組みである。
ネリ&フーが設計した、中国・上海の、既存オフィス兼社員寮を改修した自身の最新のオフィス「No 31」の写真と図面が12枚、dezeenに掲載されています。
ヘルツォーグ&ド・ムーロンが完成させた、スイス・バーゼルの宿泊施設「フォルクスハウス・バーゼル」の写真が16枚、archdailyに掲載されています。施設の公式サイトはこちら。
島根県邑南町立石見中学校改築プロポーザルで、シーラカンスアンドアソシエイツが受託候補者に選定されています。二次審査に選ばれていた4社の技術提案書が公開されています。
令和2年11月25日(水)邑南町矢上公民館を会場に、一次審査通過者による公開プレゼンテーション及び非公開質疑応答を実施し、選定委員会により評価基準に基づく二次審査を実施した結果は次のとおりです。
審査結果
発表順 名 称
1 有限会社ナック建築事務所
2 株式会社浦辺設計 【次点者】
3 共同設計・ラーバンデザインオフィス 設計共同体
4 株式会社シーラカンスアンドアソシエイツ【受託候補者】
技術提案書のPDFはこちらで

SHARE “建築と今” / no.0005「猪熊純」
「建築と今」は、2003年のはじまりから、常に建築の「今」に注目し続けてきたメディアarchitecturephoto®が考案したプロジェクトです。様々な分野の建築関係者の皆さんに、3つの「今」考えていることを伺いご紹介していきます。それは同時代を生きる我々にとって貴重な学びになるのは勿論、アーカイブされていく内容は歴史となりその時代性や社会性をも映す貴重な資料にもなるはずです。

猪熊純(いのくま じゅん)
2004年東京大学大学院修士課程修了。2006年まで千葉学建築計画事務所勤務。2007年成瀬・猪熊建築設計事務所共同設立。2008年より現職。
代表作に「LT城西」「柏の葉オープンイノベーションラボ」「豊島八百万ラボ」「ソウルメトロ・ノクサピョン駅デザイン改修」「ナインアワーズなんば駅」など。
主な受賞に、2015年日本建築学会作品選集新人賞 JID AWARDS 2015 大賞 第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 出展 特別表彰
著書に、『シェアをデザインする』、『シェア空間の設計手法』
URL:https://www.narukuma.com/
今、手掛けている「仕事」を通して考えていることを教えてください。
シェアする場を設計すると宣言してから10年以上経ちました。
人口縮小するなかで、低密度化しかねない郊外に人の集まるハブを作ったり、平均世帯人数が3人を切る時代の住まいを考えたり、きっと出来ることはたくさんあるはず、と思ってシェアハウスやコミュニティカフェなどを作ってきました。
最近は結果として、我々に求められる仕事は当初の想像を超え、イノベーションオフィス・商業施設・アート施設・宿泊施設なども手掛けています。
こうした中で、私は「シェア」が集まるためのもの場であるのはもちろんのこと、近代的なツリー状の社会システムを複雑化させる仕掛けとしても、有効だと考え始めています。



金山大+小泉宙生 / SWINGが設計した、大阪市のコワーキング・シェアオフィス「billageOSAKA 大阪駅前第一ビル」です。施設の公式ページはこちら
「billage」はコワーキング・レンタルオフィスとして、2018年4月にスタート致しました。
「ヒト・モノ・カネ・情報が集まるワークスペース」をコンセプトに、企業や起業家を支援するサービスを提供しています。近年のフレキシブルオフィス市場の需要に応える形で拠点拡大を進めてきました。本件は待望の梅田エリアでの第4拠点目となる施設で、これまでの運営実績から導かれた様々なデータベースを元に、事業収支と理想的なワークシェア設計のバランスが求められました。
本件は施設初のFC展開で、運営会社様のオフィス移転と並行して設計が進みました。
築50年のビルは、共用設備や空調なども旧く、現代の施設基準にアップデートさせることから始まりました。レンタルルームの有効率を事業採算に乗せながら、魅力的な共用部の仕掛けを検証しました。