『西浦教授が語る「新型コロナ」に強い街づくり』という記事が、東洋経済ONLINEに掲載されています。
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代官山 蔦屋書店にて、書籍『“山”と“谷”を楽しむ建築家の人生』の選書フェア「建築家が人生の山と谷をともに歩んだ1冊」が開催されています。会期は2020年8月14日まで。選書しているのは、永山祐子・鈴野浩一・佐久間悠・谷尻誠・五十嵐淳・森田一弥・小堀哲夫・山﨑健太郎・西田司・後藤連平。
社会とともに変わっていく価値観や経済状況に振り回されず、創造的な生き方を実践している建築家たちの姿を描き出した『”山”と”谷”を楽しむ建築家の人生』。
インタビューを受けた建築家7名・編集者3名の計10名の皆様に「人生の山と谷をともに歩んだ1冊」をテーマに、選書頂きました書籍フェアを開催致します。
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建築家・栗田祥弘がヨックモックとクライアントである株式会社ヨックモックホールディングス取締役会長・藤縄利康と5年の歳月をかけた、南青山のピカソのセラミック作品を展示する“家のような”美術館「ヨックモックミュージアム」が竣工した(建築は竣工しているが展示作品は2020年10月の開館に向け準備している状態)。
建築設計と展示計画を担当した栗田祥弘建築都市研究所を主宰する栗田祥弘は、隈研吾建築都市設計事務所出身の建築家。本美術館の計画には、敷地選定から関わり、クライアントとの週一回の打ち合わせを続けて計画を練り上げたのだという。当初は、都市を離れた静謐な森の中などの敷地も候補に挙がったそうだが、計画が進む中で明確になった「家に友人を招くようにお迎えしたい」という建築コンセプトを体現できる敷地として、東京・南青山のこの地が選ばれた。



長坂常 / スキーマ建築計画が設計した、東京・六本木の店舗「DESCENTE BLANC 六本木」です。店舗の公式ページはこちら。
DESCENTE BLANCが六本木ヒルズ内森タワー4階の比較的小さい区画にインショップとしてオープンした.
小さい区画ながら高密度に店舗を計画した。具体的には可動ハンガーバーを前後左右いっぱいに詰め、昇降することによっての変化が目まぐるしく、落ち着いた近隣のお店の中で異彩を放ち際立たせることを考えた。



長坂常 / スキーマ建築計画が設計した、東京・港区の、カレッタ汐留内にあるソロワーキングスペース「Think Lab 汐留」です。
仕事の機会やコラボレーションを期待して集うコワーキングスペースに対して、すでにやることが決まっていて短時間で集中して仕事するソロワーキングスペースの提案です。
一日の中で働く場所を変えて仕事のスピードを切り替えたり、そもそも移動しながら働く人に対し、カフェ以外にもう少し集中できる場所を提案できないだろうか。そんな新しいライフスタイルに欠かせない場として、個人が仕事に集中できる適度に狭く適度にクローズされた環境を追及した、個人のための空間です。



御手洗龍建築設計事務所が設計した、東京・世田谷区の集合住宅の一住戸「Rib」です。
部屋のある4階まで上がると、窓の外に庭の緑が頭を覗かせ、その先には遠くまで景色が広がっているのが印象的であった。そしてL字型の平面をしたこの部屋には沢山の窓があり、その窓辺で陽の光や涼やかな風、緑の葉擦れを日々感じられたらどんなに幸せだろうと想像した。
そこで既存の間仕切り壁と天井を取り去り、躯体の中、一から窓辺に居場所を紡ぎ出していこうと考えた。窓辺を囲むように45mm角のツガ材をリブ状に並べ、そこに13mm 厚の合板を回していく。合板は仕上げと構造を兼ねて二枚張り合わせ、窓側にラワン材、反対側には限りなく白に近いグレー色の塗装面が現れるものとした。そしてここで用いたラワン材は、穏やかな木目に沿って自然オイルを染み込ませていくと、息を吹き返したかのように赤味を帯びてくる。窓から溢れ込む陽の光の束に、肌理の荒いその木面を差し延べると、光の粒がやわらかな濃淡として現れ、得も言われぬあたたかみと落ち着きを感じさせてくれた。


中村拓志 & NAP建築設計事務所のデザイン監修による、東日本の既存建物を改修したヴィラ「Loggia on the Shore」です。
100フィートの大型クルーザーが停留可能な海沿いのヴィラである。RC造の既存建物を改修し、宿泊機能やプール、ジム等を付帯させた迎賓館として再生させた。メインエントランスは海側にある。船から訪れたゲストをまず迎え入れるのは、プールやテラス、そして半屋外空間としてのロッジアである。
ロッジアとは涼しい風と眺めを楽しむ開放的な半屋外空間のことであるが、ここでは幅5mの特注昇降式サッシを設けることで、開放時は内外がつながり、心地よい涼風が山側の高窓へと抜けていく空間となっている。



長坂常 / スキーマ建築計画が設計した、東京・多摩市の、住宅・治療院「取口さんち」です。
“取口さんち”は多摩ニュータウンの中でも最近開発された地域で新し目の建物が周りに建つ。
それは地域の相場に沿った建売住宅であることから、だいたい同じような艶の同じような色の外壁材でできた、そして同じような建具に覆われた建物が周りに建つ。そんな中に外壁をモルタルを塗りたくり、内装を柱梁をむき出しにしてその間をラワンベニヤで覆い、用途に構わず“取口さんち”は建つ。用途は1階を取口さんが営む整体する場で、2階をご自宅として利用している。
取口さんは計画の段階から、細かいところにも関わり、施工会社を探し、そして最後には自ら施工にまで参加するという施主参加型のプロジェクトとなった。もちろん、理由は予算が限られていたからだが、それはいい口実でそのシチュエーションを取口さんは確実に楽しんでいた。
そもそも予算がないのでそこまで欲張らずに今のライフスタイルを全うする場を考えれば良いのだが、やはりそこは強い未来への希望があり絶対に譲って来なかった。よっていずれ新たな構成員を迎え入れることを考えそれぞれに余裕のあるスペースをとって計画した。
そこで我々は実際に手を加えて行く時もどうせならわざわざ我々が出て行かずとも自ら考え、自分で環境を変えていく生きた建築になることを期待し計画してきた。
また、中は敷地目一杯に建てているので単調なプランなはずだが、そのランダムに開いた窓から見える風景がまちまちで繋がらずそこでの体験が抑揚満ちたものとなっている。
つまり、構成するものはいたって単調でも、それらの組み回せ、寸法によって期待を裏切る空間はできるということになる。



中村拓志 & NAP建築設計事務所と大和ハウス工業が設計した、広島市の「畑の下のラボラトリー(IROHA village)」です。施設の公式サイトはこちら。
広島の銘菓「もみじまんじゅう」を製造する老舗和菓子屋、「藤い屋」の新工場である。宮島口の店舗に引き続いて企画から設計、監理までを担当した。敷地は海を埋立てた工業地域でスケールオーバーした無味乾燥な場所であった。そこで我々は単なる工場ではなく、材料生産、研究、加工と消費がひとつながりとなった有機的な場を提案した。このブランドが地元に密着して、人の生活や自然を大切にしながら続けてきたお菓子作りを表現しようと考えた。
まずは菓子の製造と工場見学にとどまらず、つくる人の顔や材料の確かさ、企業哲学を広く伝える場所となるよう、工場と同じ面積の農園「畑LABO」を設けた。畑には小豆や小麦、レモンなどの果樹、アーモンド、オリーブなどのお菓子の材料となる樹木を植えて、食材の研究や食育の場とした。
西沢立衛の設計で2019年に完成した、チリの海岸沿いに建つ週末住宅「House in Los Vilos」の写真と図面が10枚、dezeenに掲載されています。オチョアルクーボと名付けられた建築プロジェクトの一環として建てられたもので、プロジェクトの公式サイトにも写真が28枚掲載されています。2019年1月時点での現場の様子を弊サイトでも紹介していました。
プロジェクトのfbアカウントにも写真が投稿されています。


広島にも事務所を開設した、堤由匡建築設計工作室が設計した、中国・杭州市の店舗「松子快餐」です。先に特集記事として掲載した「料亭松子」と同じ建物内の1階に位置する店舗です。
杭州西湖湖畔の三階建古民家全体を日本食の飲食店へと改修した。観光客の人通りが多い一階路面には、客単価が低く回転数の多いファストフード店を計画した。
天井高の低い古民家であるため、大きく天井を変化させることはできない。また機能要求を満たしていくと、不規則な平面となり外部の観光客を奥まで惹きつける設計も難しいなものになっていた。そこで日本の伝統建築でしばしば用いられる、船底天井を応用することにした。緩い勾配をつけることで、低い中にも空間の広がりが感じられる。さらに太めの天井パネルを上下交互に配置し、頂部を奥へと誘うように曲線でつないでいった。天井パネルが壁にぶつかる箇所はそのまま降ろし、壁のデザインとしている。
日本では細長い長屋のことを鰻の寝床と呼ぶが、この食堂ではのちに鰻を主商品として売り出すことになり、「鰻の寝床」のような空間デザインと商品が図らずも一致することになった。


小嶋伸也+小嶋綾香 / 小大建築設計事務所が設計した、上海当代芸術博物館での期間限定のカフェ「PSA×Blacksheep Pop-up Café」です。2018年に設置された店舗です。
大きなルーフトップテラスに面した窓ガラスに、見る角度や光の角度によって色が変化し、さらに透過性も備えているタマムシフィルムを手でくしゃくしゃに揉んでから接着した。通常のフラットなフィルムよりも多角に曲がったフィルムからは、オープンしてから日没までの日光による色彩の変化、日が落ちてから室内の照明をつけてからの色彩の変化まで、時間経過と人の動きに合わせて刻々と変化する色彩のインパクトを作り出した。
また、既存の窓ガラスを支えている支柱を両側から鏡貼りにし合わせ鏡とすることで、切れ目の無いシームレスな大色彩空間を演出すると共に、窓際のスタンド席にインした際に視覚的反復の現象で遊びのある体験に一役買っている。
限られた材料で造作物のみを設計するのではなく、限られた材料に手間をかけて、1つでも多くの「現象」を副産物として生み出すという視点で設計をすることで、コスト制約の厳しいポップアップストアにおいても多様な体験を創り出すことができたのではないだろうか。
写真家・小川重雄の撮影で捉えた建築を、クオリティの高い装丁でmillegraphが出版するシリーズ「Timeless Landscapes」の第二弾は、イサム・ノグチの「モエレ沼公園」を特集しています。刊行は2020年8月を予定しているとの事。millegraphは富井雄太郎による出版社です。
ちなみに同シリーズの第一弾は『国宝・閑谷学校』でした。
彫刻家イサム・ノグチが1988年、死の直前に遺した《モエレ沼公園》マスタープラン。終生のテーマであった壮大な「彫刻としての大地」は、没後17年もの時間を経て、札幌に公共の空間としてオープンした。
さらに15年が経過し、その自然と人間の創造物との調和、四季折々の風景を、写真家の小川重雄が3年にわたって撮影。
イサム・ノグチが描いた複数の図面、マスタープランに関わる最晩年の詳細な記録、および美術史家の越前俊也による解説「モエレ沼公園—死を生に反転させる庭」も収録。写真 小川重雄
解説 越前俊也
デザイン 秋山伸
翻訳 ハート・ララビー
判型 304×230mm・上製本・88頁
言語 日・英
発行 2020年8月
定価 本体4,000円+税
ISBN 978-4-910032-02-3
刊行に合わせて、東京と大阪で展覧会も行われるようです(2020/7/14時点での情報)。
刊行記念
小川重雄写真展「イサム・ノグチ モエレ沼公園|Timeless Landscapes 2」東京展
会期 2020年8月8日[土]– 8月16日[日]
時間 12:00–19:00
会場 GALLERY O[東京都台東区根岸3-22-5]
入場無料大阪展
会期 2020年9月19日[土]・20日[日]・21日[祝]・22日[祝]・26日[土]・27日[日]
時間 12:00–19:00
会場 ギャラリー日本橋の家[大阪市中央区日本橋2-5-15 1F]
入場無料



相坂研介設計アトリエが設計した、福島県福島市の「てぞーろ保育園」です。
季節ごとの山の景観と、巨大遊具のような園舎自体を楽しめる建築で、建主命名の「てぞーろ」とは宝箱を指している。
当初窮屈な3階建てが想定されていたが、園児がのびのび遊べる豊かな環境づくりのため敷地のとり方から逆提案した。具体的には事業者所有の私道を敷地に合筆、ピロティとして地表のアクセシビリティを受け継ぎつつ上階は合法的な道路上建築とし、広く整形な園庭を確保しながらも全体を平たい2階建に納めることで、建物を安全に広々と利用しやすくした上、構造を準耐火の木造とすることも出来た。
藤本壮介が、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の会場デザインプロデューサーに就任しています。リンク先は、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会のウェブサイトです。
公益社団法人2025年日本国際博覧会協会は、2025年の日本国際博覧会(大阪・関西万博)の会場デザインプロデューサー、会場運営プロデューサー、テーマ事業プロデューサーを決定しました。
豊かな創造力と力強い情報発信力を持った10名のプロデューサーには、それぞれの知識や経験を活かした担当分野への取り組みにより、本万博の魅力を高めるとともに、世界中にメッセージを発信していただきます。
会場デザインプロデューサーは、「いのち輝く未来社会のデザイン」という大阪・関西万博のテーマを、会場のデザインで実現します。会場運営プロデューサーは、来場者が快適に楽しめるようにするなど、万博を成功させるための運営を担当します。
そして、本万博では、大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」を実現するため、「いのちを知る」、「いのちを育む」、「いのちを守る」、「いのちをつむぐ」、「いのちを拡げる」、「いのちを高める」、「いのちを磨く」、「いのちを響き合わせる」という、8つのテーマ事業を設けます。テーマ事業プロデューサーには、この8つのテーマ事業を、パビリオンでの展示やイベントを通じて表現し、発信していただきます。
会場デザインプロデューサーには、建築家の藤本壮介氏、会場運営プロデューサーには、プランナー、プロデューサーの石川勝氏が就任しました。
藤本壮介(ふじもと そうすけ)/ 建築家
1971年北海道生まれ。東京大学工学部建築学科卒業後、2000年藤本壮介建築設計事務所を設立。2014年フランス・モンペリエ国際設計競技最優秀賞(ラルブル・ブラン)に続き、2015、2017、2018年にもヨーロッパ各国の国際設計競技にて最優秀賞を受賞。2019年には津田塾大学小平キャンパスマスタープラン策定業務のマスターアーキテクトに選定される。
主な作品に、ロンドンのサーペンタイン・ギャラリー・パビリオン2013 (2013年)、House NA (2011年)、武蔵野美術大学 美術館・図書館 (2010年)、House N (2008年) 等がある。
こちらが藤本自身が就任にあたってtwitterに投稿した内容。
2025年の大阪・関西万博の「会場デザイン」プロデューサーに就任しました。
1970年大阪万博で丹下健三さんが務めた重責。
人々の記憶に残るような新しい万博の風景を作り上げたいと思います。— Sou Fujimoto 藤本壮介 (@soufujimoto) July 13, 2020
同時に、これを機会に、建築界全体が、これからの社会を巡ってさまざまに議論が盛り上がり、若い才能が世に出るような動きを、どんな形が良いのかまだわかりませんが、うまく作り出せればと思っています。
— Sou Fujimoto 藤本壮介 (@soufujimoto) July 13, 2020
1970年に行われた大阪万博では丹下健三が「基幹施設プロデューサー」を務め、「お祭り広場大屋根」の設計なども手掛けています。こちらの丹下都市建築設計のサイトに大阪万博会場の空撮写真が掲載されています。また、この万博の誘致段階の会場計画策定等にはnoizの豊田啓介が関わっていました。














