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小笹泉+奥村直子 / IN STUDIOによる、埼玉の住宅「耕の家」
小笹泉+奥村直子 / IN STUDIOによる、埼玉の住宅「耕の家」

小笹泉+奥村直子 / IN STUDIOが設計した、埼玉の住宅「耕の家」です。

農家であった一家は代々埼玉県にあるこの土地を耕してきた。古くは水路・民家・農小屋・田畑が南北に並ぶ農産のためのパタンをなしていたが、近代には住宅と車庫が建て込み、半農半住の農村型郊外都市となった。これらの建物は土地との関係が希薄で豊かな住環境とは言い難いが、量的な見方をすれば農地と低密度な建物の織りなす田園住宅地と言えなくもない。今回の住宅建替えの一手により、周辺農地への広がりを得て、都市空間と歴史の広がりに根ざして生られる場を作りたいと考えた。それは土地の空間と時間を耕して活性することに他ならない。

一般財団法人佐々木泰樹育英会の「2019年度後期 若手建築家助成金」の応募要領が公開 ツバメアーキテクツによる、東京・港区の「パナソニックのデザインスタジオ FUTURE LIFE FACTORY」
ツバメアーキテクツによる、東京・港区の「パナソニックのデザインスタジオ FUTURE LIFE FACTORY」 photo©長谷川健太

ツバメアーキテクツが設計した、東京・港区の「パナソニックのデザインスタジオ FUTURE LIFE FACTORY」です。

パナソニックのFUTURE LIFE FACTORYのインテリアデザインをツバメアーキテクツで担当した。この部署ではこれからの生活におけるデザインとはそもそも何かといったことを考える、いわばメタデザインとも言うべき領域を扱っている。

従ってインテリアデザインとしては、歴史ある組織体において未来に向けた余白ともいうべき空間がまず求められていると解釈し、文字通り余白の空間をオフィスの半分くらい取ることから考えた。余白の空間では社外のアーティストを招いたアート展示や、積極的なコラボレーションワークを行うギャラリー機能が想定された。

次に考えなくてはならないのは〈余白の空間〉と〈執務空間〉の境界面のデザインである。様々な矛盾する条件を調整し、そこで起きる反応のようなものを空間に現象させることを考え、それをこの空間の背骨のように位置付けることにした。

高塚章夫による、神奈川・横浜市の「堀口珈琲横浜ロースタリー」の写真
高塚章夫による、神奈川・横浜市の「堀口珈琲横浜ロースタリー」の写真 photo©japan-architects.com

高塚章夫による、神奈川・横浜市の「堀口珈琲横浜ロースタリー」の写真が、japan-architects.comに掲載されています

高塚章夫が設計した、神奈川・横浜市の「堀口珈琲横浜ロースタリー」の写真が18枚、japan-architects.comに掲載されています。プロデュースは創造系不動産、ブランディングはエイトブランディングデザインが手掛けているとの事。

小嶋一浩+赤松佳珠子+大村真也 / CAtによる、宮城の「山元町役場庁舎」の写真
小嶋一浩+赤松佳珠子+大村真也 / CAtによる、宮城の「山元町役場庁舎」の写真 photo©japan-architects.com

小嶋一浩+赤松佳珠子+大村真也 / CAtによる、宮城の「山元町役場庁舎」の写真がjapan-architects.comに掲載されています

小嶋一浩+赤松佳珠子+大村真也 / CAtが設計した、宮城の「山元町役場庁舎」の写真が30枚、japan-architects.comに掲載されています。

成瀬・猪熊建築設計事務所による、福岡の「ナインアワーズ中洲川端駅」の内覧会が開催
成瀬・猪熊建築設計事務所による、福岡の「ナインアワーズ中洲川端駅」の内覧会が開催 image©成瀬・猪熊建築設計事務所

成瀬・猪熊建築設計事務所が設計した、福岡の「ナインアワーズ中洲川端駅」の内覧会が開催されます。開催日時は2019年8月7日11:00〜16:00 です。※要事前申し込み

この度、弊社にて内装設計・監理をさせていただいておりました、カプセルホテル「ナインアワーズ中洲川端駅」が8月7日(金)にオープン致します。オープンに先駆けて、自由内覧会を開催する運びとなりましたので、ご案内差し上げます。
ナインアワーズなんば駅ともまた違った工夫を凝らした設計となっておりますので、この機会にぜひご覧いただけましたら幸いです。
当日は成瀬・猪熊も参加させていただく予定です。ご多忙と存じますが、皆様のご来場を心よりお待ちしております。

成瀬友梨 猪熊純

・空間デザインコンセプト
今回のナインアワーズは、巨大な商業施設の地下階で、物販や飲食店と並んで配置されるという極めて特殊な立地です。買い物客の行き来と近接する、宿泊にとってはタフな環境にあって、私たちはこれを逆手に取り、唯一無二の魅力的な個性を生み出しました。
私たちはまず、大型施設特有のグリッド状の巨大な SRC の柱に対し、15 度傾いた壁を多用し、奥へとシーンが展開する空間を作り出しました。これによって利用者は、シークエンスを楽しみながら、いつのまにか施設の共用通路から遠ざかり、宿泊にふさわしいプライベートな空間へと導かれます。
一番奥の宿泊室は、施設の巨大な躯体を露出させることで、カプセルと躯体が異なる角度で混在する、大施設の地下ならではの空間となっています。そしてここで再び、黒いガラスを通して、映像のように施設の共用部を見ることができます。
これは、フラットで人工的な商業施設の中に奥を作り出し、心地よい滞在を守りながら、都市を裏側からハックする、全く新しい宿泊施設です。

参加ご希望の方は2019年7月30 日[火]までに、お名前・ご所属・ご連絡先をご明記の上、下記のMail までご連絡下さいますようお願い申し上げます
Mail.info@ninehours.co.jp Tel.03-6721-5903

以下にその他のパースと開催情報を掲載します。

ヨネダ設計舎 / 米田雅樹による、三重・亀山市の住宅「野原の家」
ヨネダ設計舎 / 米田雅樹による、三重・亀山市の住宅「野原の家」 photo©Hiroshi Tanigawa

ヨネダ設計舎 / 米田雅樹が設計した、三重・亀山市の住宅「野原の家」です。

ご夫婦は自身が育ったこの農村地域で、小さくても家族同士がつながりを感じることができ、敷地内の野原や、隣地の林、お寺の大きな木々たちと一体となった生活を望まれた。
計画地は農地法により建築面積は敷地に対して22%以上であることが求められた。
不足する建築面積分として東屋2棟をセルフビルドで築造した。
それらを敷地に散りばめることで、母屋と野原の間に生活の領域をつくった。

母屋は小屋型総2階とし周囲の農具小屋や家屋に馴染む建ち方とした。
玄関はこの地方にいまも点在する田舎屋敷の長屋門をくぐり、領域に入っていく形式に重ねた。
前面道路に面する玄関を入ると、迎える垂壁の向こうに野原が見える。
玄関と生活領域を切り替えるこの垂壁を曲面、くぐる高さにすることで、トンネルのような抜け感と包まれるような抱擁感、鳥居のような領域の切替わり感と空間の連続感、といった体感の重なりをつくり、意識を野原へ向けた。

ヨネダ設計舎 / 米田雅樹による、三重・松阪市の「納屋の美容室」
ヨネダ設計舎 / 米田雅樹による、三重・松阪市の「納屋の美容室」 photo©Takashi Uemura

ヨネダ設計舎 / 米田雅樹による、三重・松阪市の「納屋の美容室」です。

子育てのため、しばらく美容師から離れていた女性が営むちいさな美容室.

家族が住まうニワにあった納屋を半セルフビルドで改装した.

田んぼにかこまれた住宅地.

周りに点在する小屋たちにまぎれ込み、農具にかわってひっそりと差し込まれた部屋.

OMAがコンペで勝利した、中国・深セン市の、国際金融交流センターの画像 アトリエ設計事務所に寄り添い成長してきた施工会社「ルーヴィス」が、新規案件の相談を募集中
アトリエ設計事務所に寄り添い成長してきた施工会社「ルーヴィス」が、新規案件の相談を募集中

 
アトリエ設計事務所に寄り添い成長してきた施工会社「ルーヴィス」が、新規案件の相談を募集しています

アトリエ設計事務所に寄り添い成長してきた施工会社「ルーヴィス」が、新規案件の相談を募集しています。【ap・pr】

ルーヴィスは施工会社として多くのアトリエ設計事務所の施工を手掛けた実績があります

更に自社での設計施工、不動産系事業として「カリアゲ」の運営などでは、京急グループとコラボレーションするなど、社会的に注目を集める事業を手がけるまでになりました。

しかし、ルーヴィスとしては、あくまでも主軸は建築施工にあると考えています

特に文化に貢献する建築に関わりたいと考えています。

例えば昨年、ルーヴィスでは、藤本壮介氏が設計した「Tokyo Apartment」を取得いたしました。それは、現代の名作と言われる建築を後世に伝えたい、建築の世界に貢献したいという思いからです。

そんなルーヴィスですが、最初はたった一人ほとんど実績のなかった代表が試行錯誤の中立ち上げたプロジェクトでした。試行錯誤、手探りの中で建築家の方のプロジェクトを意図を汲み取りながらひとつひとつ実現する中で信頼を得てここまで参りました。

その経験から、ルーヴィスは「アトリエ設計事務所が大切にしていること」「成し遂げたいこと」その想いを理解出来る施工会社だと思っています

是非皆様のご相談をお待ちしております。

過去の施工実績等は以下で紹介します。

最も注目を集めたトピックス [期間:2019/7/22-7/28]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2019/7/22-7/28)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


1、谷口吉生の設計でオープンした、石川・金沢の「谷口吉郎・吉生記念金沢建築館」の写真

2、藤本壮介が、青森・十和田市の「(仮称)地域交流センター」設計プロポで最優秀者に。次点者は西沢立衛。

3、森田悠紀+古谷野裕一による、長野・小諸市の住宅「小諸の家」

4、吉岡徳仁による、東京・青山の、HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKEの新旗艦店

5、ウエノアトリエ / 堀越ふみ江+長谷川欣則による、広島の住宅「PARA house」

6、西下太一建築設計室による、愛媛・伊予市の住宅「稲荷の家」

7、長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・千代田区の「ブルーボトルコーヒー大丸東京カフェスタンド」

8、徳田直之 / tokudactionによる、東京・豊島区の「駒込の託児所」

9、新森雄大+ジェームス・ジャミソン / NIIMORI JAMISON ARCHITECTSと米田匡志 / 米田建築アトリエによる、大阪のヘアサロン「qol」

10、秀田佑美+秀田和則 / 秀田建築設計事務所による、京都・木津川市の住宅「城山台の家」

11、山田紗子建築設計事務所による、東京・世田谷区の自宅兼事務所「daita2019」の動画

12、古谷野裕一+濱谷明博+森田悠紀による、東京・板橋区の集合住宅「ハスネG.F.」

13、隈研吾による、熊本の醤油蔵を改修した工場・ショップ・カフェ「浜田醤油」の写真

14、田根剛・中川エリカ・髙橋一平・横内敏人の作品が紹介される『TOTO通信 2019年夏号 特集:借景 家のまわりも家の中』のオンライン版

15、長野・茅野市の「永明小学校永明中学校」設計プロポで受託候補者に選ばれた、東畑建築事務所の提案書

16、秀田佑美+秀田和則 / 秀田建築設計事務所による、奈良の住宅「田原本の家」

17、UMA / design farmによるプロジェクトディレクション、dot architects+アトリエ縁と加藤正基による空き家改修で宿泊施設等が完成した、島根・邑南町日貫の地域再生の取り組み「日貫一日」(7/28にオープンハウスも開催)

18、「(仮称)豊田市博物館」設計プロポで、坂茂建築設計が設計者に特定

19、シーザー・ペリ氏が亡くなりました

20、Buttondesign / 村上譲・菊田康平による、静岡の住宅「朝霧高原の家」


過去の「最も注目を集めたトピックス」はこちらでどうぞ

谷口吉生の設計でオープンした、石川・金沢の「谷口吉郎・吉生記念金沢建築館」の写真
谷口吉生の設計でオープンした、石川・金沢の「谷口吉郎・吉生記念金沢建築館」の写真 photo©japan-architects.com

谷口吉生の設計でオープンした、石川・金沢の「谷口吉郎・吉生記念金沢建築館」の写真がjapan-architects.comに掲載されています

谷口吉生の設計でオープンした、石川・金沢の「谷口吉郎・吉生記念金沢建築館」の写真が31枚、japan-architects.comに掲載されています。開催中の展覧会「清らかな意匠 —金沢が育んだ建築家・谷口吉郎の世界—」の様子も閲覧できます。公式サイトもオープンしていて施設の情報を閲覧できます。
以下は、美術館公式の概要。

はじめに

金沢建築館は、建築・都市についてのミュージアムです。金沢の名誉市民第一号の建築家 谷口吉郎氏の住まい跡地に、吉郎氏の長男で、国際的に著名な建築家である谷口吉生氏の設計により建設されました。
当館は、展覧会をはじめ、講座や建築ツアーなどさまざまな活動を通じて、金沢から世界へ建築文化の発信拠点を目指しています。

コンセプト

①建築とまちづくりを考える

金沢には近世以来の多くの歴史的建造物と金沢21世紀美術館や鈴木大拙館などの現代建築がモザイクのように市街地に点在し、魅力ある建築文化が形成されています。金沢建築館は、美しい建築と美しいまちについて、市民とともに考えます。

②谷口吉郎氏・吉生氏の顕彰
吉郎氏は金沢育ちの建築家で、東宮御所の設計やその他建築界での数々の功績を認められて文化勲章を受章するとともに、金沢の景観まちづくりにも尽力した人物です。吉生氏は世界で活躍する一方で、金沢に鈴木大拙館などの設計を通して、金沢の新たな魅力を創出しています。また吉生氏は幼少期、金沢に疎開した経験があり、祖父と父から金沢の文化を教えられて育ったと語っています。このように「金沢が育み、金沢を育てた」建築家親子の建築思想を伝えていきます。

③洗練された建築意匠
常設展示室は、吉郎氏が設計した迎賓館赤坂離宮 和風別館「游心亭」の広間と茶室を忠実に再現した空間です。それを包み込む吉生氏の洗練された建築が、常設展示を一層際立たせます。このように、当館では建築家谷口親子の作品を同時に体感することができます。

④建築資料の保存・活用
金沢市に寄贈された谷口吉郎・吉生氏の資料を中心に建築アーカイブズの構築を目指します。

⑤世界に開かれた交流施設
国内外の建築をテーマとした博物館やアーカイブズ施設、吉生氏設計のニューヨーク近代美術館、東京や京都の国立博物館などの博物館との交流・連携を目指します。

ギャラリー間の次の展覧会「アーキテクテン・デ・ヴィルダー・ヴィンク・タユー展」の概要

ギャラリー間の次の展覧会「アーキテクテン・デ・ヴィルダー・ヴィンク・タユー展」の概要が公開されています。会期は2019年9月13日~11月24日。こちらのページでアーキテクテン・デ・ヴィルダー・ヴィンク・タユーの経歴や作品写真が紹介されていて理解が進みます

TOTOギャラリー・間では、ベルギーのゲントを拠点に活動し、世界的な注目を集めつつある建築家ユニット アーキテクテン・デ・ヴィルダー・ヴィンク・タユー(以下ADVVT)の日本での初めての展覧会を開催します。
ADVVTは、自分たちがコントロールできない偶然性や既存条件も積極的に設計に取り入れながら、予算の多寡や新築・改修といった条件にとらわれず、多彩な空間を生み出してきました。
代表作のひとつ「カリタス」(2016年)は、取り壊しが進んでいた19世紀の精神科病棟の改修プロジェクトで、医師や療法士、患者とのディスカッションを重ね、屋根すら撤去されていた既存建物に温室を挿入し補修を行っただけで、多様な用途に応える開放的な空間を生み出しました。このプロジェクトを紹介した2018年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展では、時間をかけて建築と向き合う態度が、建築の未来それ自体を開かれたものにするという理解を得て、銀獅子賞を受賞しました。
教育も設計活動の重要な一部分と考えているADVVTは、本展覧会のためにこの春、東京工業大学においてワークショップを実施しました。ADVVTの作品のコンセプトを学生が読み解き、そのコンセプトを再解釈し、日本というコンテクストに挿入する際にどのように設計に反映されるかを探究することで、ベルギーと日本のコンテクストの相違だけでなく、普遍的な建築のエッセンスを抽出しようとしています。
会場ではワークショップで制作した模型やドローイングを交え、柔軟な発想で与条件をポジティブに転換するADVVTの作品と、彼らのまなざしをぜひご覧ください。

新森雄大+ジェームス・ジャミソン / NIIMORI JAMISON ARCHITECTSと米田匡志 / 米田建築アトリエによる、大阪のヘアサロン「qol」
新森雄大+ジェームス・ジャミソン / NIIMORI JAMISON ARCHITECTSと米田匡志 / 米田建築アトリエによる、大阪のヘアサロン「qol」 photo©河田弘樹
新森雄大+ジェームス・ジャミソン / NIIMORI JAMISON ARCHITECTSと米田匡志 / 米田建築アトリエによる、大阪のヘアサロン「qol」 photo©河田弘樹
新森雄大+ジェームス・ジャミソン / NIIMORI JAMISON ARCHITECTSと米田匡志 / 米田建築アトリエによる、大阪のヘアサロン「qol」 photo©河田弘樹

新森雄大+ジェームス・ジャミソン / NIIMORI JAMISON ARCHITECTS米田匡志 / 米田建築アトリエが設計した、大阪のヘアサロン「qol」です。

テナントビル一室の美容室への改修である。
敷地は大阪市内の閑静な文教地区。周辺には学校や教会があり、住宅地が広がる。前面の歩道は広く、日中でも多くの人々が往来する。既存のテナントはもともと32年に渡り印刷所が入っており、耐久性や摩耗性に対して強度のあるインテリアであった。

新しいものと古いものが混在するこのプロジェクトでは、それらを”切り替える”操作と”繋ぐ”操作を施した。言い換えるならば、ディテールにおいての「トメとアール」のようなものである。

エクステリアとインテリア、内部の更新部分と未更新部分を「トメとアール」の操作で個別に関係を作り、それらを再構築し、統合する。インテリアを改修することは、ただ単純に内部空間のナラティブを描くことではなく、既存建築を拡張し、その意味を再定義することであると私たちは考えている。

インタビュー集『アーキテクトプラス “設計周辺”を巻き込む』のプレビュー(3)、蘆田暢人(蘆田暢人建築設計事務所)と落合正行(日本大学理工学部まちづくり工学科 落合研究室)
インタビュー集『アーキテクトプラス “設計周辺”を巻き込む』のプレビュー(3)、蘆田暢人(蘆田暢人建築設計事務所)と落合正行(日本大学理工学部まちづくり工学科 落合研究室)

ユウブックスから刊行されたインタビュー集『アーキテクトプラス “設計周辺”を巻き込む』をプレビューします。
3回目のプレビューは、蘆田暢人 / 蘆田暢人建築設計事務所のインタビュー「エネルギー関連のデザインリサーチから建築企画の上流を目指す」と落合正行 / 日本大学理工学部まちづくり工学科 落合研究室のインタビュー「研究室でリサーチやコンサルティングを担い、良い設計与件をつくっていく」です。

 本書はユウブックス の1作目『リノベーションプラス 拡張する建築家の職能』の続編です。

 「建築家の職能の拡張」を共通のテーマにしながらも、『リノベーションプラス』が「探求と生活の両立」であるならば、今作は「探求の延長にある領域で、フィーについて考える」に編集者の個人的な関心が移ったことも反映されました。

 具体的には設計業務を遂行するうえで、それをより良いものとするために自然と考察し、手掛けることになる領域、つまり建物のソフトの部分に関わってくる「企画」「リサーチ」「コンサルティング」といった、“設計周辺”に積極的に携わることの可能性を探っています。

 取材を通し、ソフト面でも提案した価値に見合う対価を得ること、それがアトリエ系設計事務所の置かれた経営状況をより良い方向に導き、ひいては設計者の地位の向上につながるのではと、建築家の方々には教えていただきました。

 もちろんそれらの領域への進出が仕事を取るための工夫、フィーについての試行錯誤、といった側面だけで行われているわけでは決してありません。
 多くが社会問題を解決し、またよりよい設計ができるような環境を整えたり、多様化する社会にプロジェクトを対応させたり、歴史文化やコミュニティに貢献する事業を生み出すなど、建築家らしい視点でより広く社会に良い影響を与える手法について深く考え、試みられています。
 ちなみに、いわゆる“上流工程”に建築家が関わることの意味とは何か、についても巻頭鼎談では熱く議論が交わされました。

 本書ではこのように、社会と同時に建築界に対し、建築家が“設計周辺”に職能を広げることへの可能性を探っています。

 ぜひご一読いただけましたら幸いです。

徳田直之 / tokudactionによる、東京・豊島区の「駒込の託児所」
徳田直之 / tokudactionによる、東京・豊島区の「駒込の託児所」 photo©Masaki Komatsu

徳田直之 / tokudactionが設計した、東京・豊島区の「駒込の託児所」です。

東京都豊島区に建つ10階建てのビルの2階を託児所にする改修になります。

ビルの寿命が長いとはいえないなかで、比較的に安価に他でも持続可能なパーツによって空間を構成することが求められていました。そこで、主に家具やカーテンで全体を構成し、トイレの振る舞いを捉えなおすことにしました。

通常トイレは隅に追いやるものですが、ここでは中心に配置しそれぞれの場所をくっつける接着剤のような役割を与えています。体内に入ったかのようなピンクに包まれた中で園児は用をたす訓練をし、その色はそれぞれの部屋ににじみ出るようにしています。

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