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ローラン・ネイによる、長崎の「出島表門橋」に関するドキュメンタリーの上映会が開催。豊田啓介らも出演するトークも同時開催


予告動画

ローラン・ネイによる、長崎の「出島表門橋」に関するドキュメンタリーの上映会が開催されます。トークには、豊田啓介・八馬智・渡邉竜一・岩本健太が出演します。参加にはこちらのページでの予約が必要です。またこの作品は『新建築2018年1月号』にも掲載されています。

出島表門橋製作ドキュメンタリー映像『BRIDGE』上映会+トークイベント ​

日時:​2018年5月25日[金] 19:30-21:30

『BRIDGE』上映:約65分

トーク:豊田啓介(建築家)×八馬智(千葉工業大学)×渡邉竜一×岩本健太(映像監督)

会場:Impact HUB Tokyo[東京都目黒区目黒2-11-3]

入場料:1,500円 定員:100名

海法圭による、南青山のプリズミックギャラリーでの建築展「モダリティと泡」の会場写真
海法圭による、南青山のプリズミックギャラリーでの建築展「モダリティと泡」の会場写真 photo©soichiro suizu

海法圭による、東京・南青山のプリズミックギャラリーでの建築展「モダリティと泡」の会場写真です。

日常生活のあらゆる瞬間で僕たちは一所懸命に想像力を働かせて、自分の世界をなんとか構築し続ける。僕がこう言ったとき、あの人があんな表情をしたのはなんでだろう。みたいなささやかで身近な想像力もあれば、このような事態にはなんらかの忖度が働いたに違いない、、みたいなワイドショー的想像力もある。この棚をこう作らないと、あの人はこう動いてケガしちゃうだろうか。みたいな作り手ならではの想像力もある。
 そのような想像力を働かせて、じゃあ僕はこうしよう、と行動する。そこには、現実と想像を互いにいったりきたりして世界を構築する両者の豊かな関係性が見えるとも言えるし、想像や仮定なくして現実を定めることができない現実世界の途方もない頼りなさも垣間見える。目の前には現実しか見えないように思えるけど、実はそこには自分でも気づかないくらい頻繁かつ膨大な想像の眼差しが投げこまれ、現実に変化を及ぼし続けている。
 そう考えると、この世界の大半は目には見えない想像でできていて、実在する空間に対して想像上の空間は天文学的なボリュームをもっている、なんていう突拍子もない観念が生まれてくるのだ。

■展覧会概要
海法圭展/モダリティと泡
会期:2018/3/24(土)~2018/5/19(土)
閉廊日:日曜、祝日(ただしGW中の5/4(金)は開廊)
開廊時間:10:00 ~ 18:00

宮晶子による、埼玉・深谷の「食堂の壁のはなれ、屋根と窓のある家」
宮晶子による、埼玉・深谷の「食堂の壁のはなれ、屋根と窓のある家」 photo©太田拓実
宮晶子による、埼玉・深谷の「食堂の壁のはなれ、屋根と窓のある家」 photo©太田拓実

宮晶子 / miya akiko architecture atelierが設計した、埼玉・深谷の「食堂の壁のはなれ、屋根と窓のある家|roofs and windows near wall behavior」です。

「食堂の壁」のはなれ、に建つ家です。食堂からはそれほど引きが取れないなかで見る対象となり、日常の場でもあります。赤城山脈から葱畑、お墓から電波塔、住宅から高校まで、さまざまなものが混在する光景が広がる中で、敷地内で完結した原理とするのではなく、ロードサイに広がる風景をかたちづくりたいと考え、食堂の「壁」ではなく背景の家々と同じ「屋根と窓」のエレメントを用いました。
そして、絵本にでてくる家のような、現実的な存在感から少しだけ異なる佇まいを目指していきました。
家は、食堂からはできるだけ距離のとれる北東の角に、4つの部屋が寄せ集まった配置とし、それぞれの小さな屋根を対角線状に勾配させ、すべてを食堂側に向けることでキュビズムの絵のように背後との遠近感を圧縮し、背景の家々へと後退させていきます。屋根の一番低いところは人の背よりも低く、室内の床は地盤より低く掘込み、小さく遠く遠近感を増幅します。窓は小さな窓に用いられる突出し窓を大きなサイズで、小さな家に用いながら、全て同じサイズの窓が変化する床と地面の関係によって、地面を足元に見下ろせたり、目線で見たり、空だけを見上げたり、身体との距離と位置の関係性で変容していきます。
見慣れたもののいつもとは少しずつ異なる経験の重なりが、無意識へ働きかけ、室外からも室内からも、風景がいままでとは違ったものとなり、距離感と存在感を揺るがしていってくれたのではないかと感じています。

ペギー・グッゲンハイムの孫が、メキシコ・トゥルムにオープンさせた、ツリーハウスや民族工芸品のような印象のアート・ギャラリーの写真

ペギー・グッゲンハイムの孫が、メキシコ・トゥルムにオープンさせた、ツリーハウスや民族工芸品のような印象のアート・ギャラリーの写真がdesignboomに掲載されています

ペギー・グッゲンハイムの孫 サンティアゴ・ランミー・グッゲンハイムが、メキシコ・トゥルムにオープンさせた、ツリーハウスや民族工芸品のような印象のアート・ギャラリーの写真が14枚、designboomに掲載されています。設計にはジョージ・エデュアルド・ネイラ・スターケル(jorge eduardo neira sterkel)というメキシコのアズリク・リゾートの創設者が関わっているとの事です。

チッパーフィールドによる、カナダ・モントリオールの、ファッションネットショップ・SSENSEの実店舗の写真

チッパーフィールドによる、カナダ・モントリオールの、ファッションネットショップ・SSENSEの実店舗の写真がdezeenに掲載されています

デイビッド・チッパーフィールドによる、カナダ・モントリオールの、ファッションネットショップ・SSENSEの実店舗の写真が10枚、dezeenに掲載されています。ファッションメディアにも同店オープンのニュースが掲載されています。

アトリエ・ワンによる2017年に完成した、京都の「理科まちや」の写真 石本・千葉学による、新潟県の「魚沼市新庁舎」の実施設計(概要版)と模型写真が公開

石本建築事務所千葉学建築計画事務所設計共同体による、新潟県の「魚沼市新庁舎」の実施設計(概要版)と模型写真が公開されています。プロポーザルが行われ2016年4月に同事務所が最優秀者に選ばれていました。

実施設計・概要版(PDF)

新庁舎完成イメージ

海法圭、美術家・飯田竜太、門脇耕三(モデレータ)によるギャラリートーク「建築と美術のモダリティについて」がプリズミックギャラリーで開催
海法圭、美術家・飯田竜太、門脇耕三(モデレータ)によるギャラリートーク「建築と美術のモダリティについて」がプリズミックギャラリーで開催

 
海法圭、美術家・飯田竜太、門脇耕三(モデレータ)によるギャラリートーク「建築と美術のモダリティについて」がプリズミックギャラリーで開催されます

海法圭、美術家・飯田竜太門脇耕三(モデレータ)によるギャラリートーク「建築と美術のモダリティについて」がプリズミックギャラリーで開催されます。

建築と美術のモダリティについて
2018.5.11(金) 18:30 ~
美術家の飯田竜太さんをお招きし、普段の創作活動を通して考えていることや作品に対する思いをお聞きします。

建築家の門脇耕三さんをモデレータにお迎えして、建築家・美術家双方の日頃の眼差しから、モダリティ(=非現実事態に対する文法手法)をお題目にさまざまなお話を展開できればと思います。

チャオ・ヤンによる、中国・大理市の、中庭と路地から各部屋にアプローチするコンクリートと木製建具の素材感が印象的なホテル「sunyata hotel in dali old town」の写真など

チャオ・ヤン・アーキテクツによる、中国・大理市の、中庭と路地から各部屋にアプローチするコンクリートと木製建具の素材感が印象的なホテル「sunyata hotel in dali old town」の写真などがdesignboomに掲載されています

チャオ・ヤン・アーキテクツ(zhaoyang architects)による、中国・大理市の、中庭と路地から各部屋にアプローチするコンクリートと木製建具の素材感が印象的なホテル「sunyata hotel in dali old town」の写真と図面が20枚、designboomに掲載されています。
チャオ・ヤンは、ロレックス メントー&プロトジェ アート・プログラムにて妹島和世とコラボレーションして「気仙沼大谷のみんなの家」の設計を手掛けたり(より詳細な写真はこちらに掲載)、ギャラリー間での建築展「アジアの日常から」にも出店するなど日本にもなじみ深い建築家です。

エノタによる、スロベニアの村につくられた、地形に沿うように作られた屋外の教会の写真

エノタによる、スロベニアの村につくられた、地形に沿うように作られた屋外の教会の写真がdezeenに掲載されています

エノタ(Enota)が設計した、スロベニアの村につくられた、地形に沿うように作られた屋外の教会の写真が7枚、dezeenに掲載されています。

+ticの設計施工による、スペースシャワーネットワーク社のためのアパレル工房兼ギャラリー「skin」
+ticの設計施工による、スペースシャワーネットワーク社のためのアパレル工房兼ギャラリー「skin」 photo©+tic
+ticの設計施工による、スペースシャワーネットワーク社のためのアパレル工房兼ギャラリー「skin」 photo©+tic

+ticの設計施工による、スペースシャワーネットワーク社のためのアパレル工房兼ギャラリー「skin」です。お店のウェブサイトはこちら(店名はyachtです。)

音楽専門チャンネルやメディアを主催する、スペースシャワーネットワークが新しく運営するアパレル工房兼ギャラリー“yacht”の設計施工プロジェクト。衣類に直接印刷が可能なガーメントプリンターと全自動刺繍機を備え、一枚の衣類を作ることから地域の拠点を目指す場である。

計画地は都心の駅前の路面に位置し、プラスターボードで覆われた簡素な居抜き物件である。更新の激しい都心部の物件の多くがそうであるように、このプロジェクトでも「現状復帰」を前提とした計画を求められた。そこで、構造を露出する骨格的なリノベーションではなく、床壁天井の簡易な更新による、表皮的な場の作られ方とその施工性について考えることは自然な流れだったように思う。一見、チープとも言えるような「側」の更新の仕方を見直すことで、周囲の状況を巻き込みつつ軽やかな場作りの実現が、設計と施工を横断することで可能だと考えた。

このプロジェクトは、浜松を拠点にする私たちにとって東京という遠方の地で設計施工を一貫して実現され、しかもそれが初回打ち合わせから竣工まで1ヶ月半という凝縮した期間で行われた。クライアントの関係性が近かったこともその要因として挙げられるが、場の作り方自体を設計できたことが大きい。設計と施工を断絶せず、また施工においての職人的(追求/仕口/速度)あるいは素人的(発見/素材/手数)とどちらにも収束しない、プロジェクトとの適切な距離感の上で実現された建築である。

石上純也が設計して建設が進められている、山口のレストラン兼住宅の写真

石上純也が設計して建設が進められている、山口のレストラン兼住宅の写真が、店舗の公式サイトに多数掲載されています

石上純也が設計して建設が進められている、山口のレストラン兼住宅の写真が、店舗の公式サイトに多数掲載されています。店舗の名前は「レストランノエル」でオープン情報もこちらのサイトでリリースされるそうです。
こちらのサイトには模型写真やプロジェクトの概要も掲載されています。現在森美術館で開催中の建築展「建築の日本」でも模型や図面、施工プロセスの動画が展示されています。

【ap job 更新】 山田伸彦建築設計事務所が、設計スタッフを募集中
【ap job 更新】 山田伸彦建築設計事務所が、設計スタッフを募集中
【ap job 更新】 山田伸彦建築設計事務所が、設計スタッフを募集中 下北方町の家

 
アーキテクチャーフォトジョブボードに新しい情報が追加されました

山田伸彦建築設計事務所の、設計スタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

東京と九州の宮崎の2カ所に事務所があり、それぞれの地域で仕事を行っております.

東京では住宅、ホテル、子供の空間(幼稚園・保育園)、宮崎では外部空間のたっぷりあるような住宅や併用住宅が多いです.
また、一昨年は東京町田市でのプロポーザルで最優秀賞をいただき、初めての公共建築も進んでおります.
仕事に偏りがなく様々なタイプの建築をすることで、それぞれの良さをお互いに取り込みながら建築を考えております. また地方と都市、新築と改修(リノベーション)、住宅と商業空間や子供の空間などという違った建築タイプを経験できるのは面白いと思います.
私たちはひとりひとりのスキルを向上させながら、楽しんで建築を考えられる人が来てもらえると嬉しいです.

弊社HP(http://yamada-architects.com/)をご覧ください.
興味があり、一度話をしてみたいという方も気にせずにご連絡ください.

藤原徹平 / フジワラテッペイアーキテクツラボの会場構成による「岡本太郎の写真」展の写真

藤原徹平 / フジワラテッペイアーキテクツラボの会場構成による「岡本太郎の写真」展の写真が、japan-architects.comに掲載されています

藤原徹平 / フジワラテッペイアーキテクツラボの会場構成による「岡本太郎の写真」展の写真が12枚、japan-architects.comに掲載されています。開催場所は川崎市岡本太郎美術館です。
以下は展覧会公式の概要です。

岡本太郎は若い日に留学したパリで、画家としての方向を模索するかたわら、自分の行く道への裏づけを得たいという切実な思いから哲学や社会学に関心を持ちます。そして人間の生き方の根源を探るべく、パリ大学で民族学・文化人類学を学びました。パリでは、画家だけでなく写真家たちとも親しく交流し、ブラッサイやマン・レイに写真の手ほどきをうけ、引き伸ばし機を譲り受けたり、たわむれに展覧会にも出品しています。しかし、岡本が猛烈な勢いで写真を撮りはじめるのは、戦後、雑誌に寄稿した文章の挿図に、自分が見たものを伝える手段としてこのメディアを選んだ時からでした。
こどもたち、風土、祭りの熱狂、動物、石と木、坂道の多い街、屋根、境界。岡本がフィルムに写し取ったイメージは、取材した土地、旅先でとらえられたものです。見過ごしてしまうようなささいな瞬間の、しかし絶対的なイメージ。フィルムには、レンズを通してひたすらに見つめた、岡本太郎の眼の痕跡が残されています。旅の同行者である秘書・敏子は「一つ一つ、いったい、いつこんなものを見ていたんだろう、とびっくりさせられるし、そのシャープな、動かしようのない絶対感にも息を呑む。一緒に歩いていても、岡本太郎の眼が捉えていた世界を、私はまるで見ていないんだな、といつも思った。」*と述べています。
本展では、岡本がフィルムに切り取ったモチーフ、採集したイメージを軸に、岡本太郎の眼が見つめ捉えたものを検証することで、絵画や彫刻にも通底していく彼の思考を探ります。カメラのレンズが眼そのものになったような、岡本太郎の眼差しを追体験してみてください。

隈研吾がデザイン監修した、東京・赤坂の高層集合住宅「パークコート赤坂檜町ザタワー」の写真

隈研吾がデザイン監修した、東京・赤坂の高層集合住宅「パークコート赤坂檜町ザタワー」の写真が公開されています

隈研吾がデザイン監修した、東京・赤坂の高層集合住宅「パークコート赤坂檜町ザタワー」の写真が8枚公開されています。設計監理は日建設計・日建ハウジングシステムだそう。販売サイト等はこちらです

檜町という地名より着想を得て、一本のヒノキのような建築を都市の中に建てようと考えた。
東京ミッドタウンと乃木坂の町の間の崖地を緑の斜面に作り換え、その新しい地面の上に、ヒノキの塔を建てた。
庇、水盤等を低層部に重層的に配置し、この再生した斜面地と溶けあう「根」を作り、建物と大地とをスムーズにつないだ。
「幹」にはヒノキの樹皮をモチーフとしたアルミの外装パネル、「樹冠」には都市のスカイラインに潤いを与えるグリーンキャノピーを配置し、東京ミッドタウンにわれわれがデザインしたガーデンテラス、ガーデンサイド、サントリー美術館とも響き合うヒノキを立ちあげた。

【特集:建築家のためのウェブ発信講義】創造系不動産・高橋寿太郎によるレビュー『「在り方」についてのビジネス思想』

書籍『建築家のためのウェブ発信講義』を特集するにあたり、辻琢磨さん(403architecture [dajiba])・猪熊純さん(成瀬・猪熊建築設計事務所)・高橋寿太郎さん(創造系不動産)にレビューを依頼しました。

本書では建築家の世界を「学問としての建築」「ビジネスとしての建築」という視点で語っています。レビュー企画を行うにあたり、これらの視点を体現していると以前より感じていた方々に依頼することで、本書籍の多様な見方が浮かび上がるのではと思いました。

辻さんには「学問としての建築」を体現している立場として、建築家をサポートする活動で注目を集める高橋さんには「ビジネスとしての建築」として、そして、住宅にとどまらず公共・商業など幅広く活動する猪熊さんは、その両方を架橋する視点でのレビューを期待し依頼しました。

執筆頂いたレビューは、建築人としてのそれぞれの立場と実践からの正に「生きた言葉」と言ってよいものになっています。本書籍を理解するための補助線として閲覧いただければ幸いです。
(アーキテクチャーフォト編集部)

【特集:建築家のためのウェブ発信講義】創造系不動産・高橋寿太郎によるレビュー『「在り方」についてのビジネス思想』

 
「在り方」についてのビジネス思想

text:創造系不動産 高橋寿太郎

 
 
 ビジネスモデルを単純化して表現すると、「提供価値と収益構造」と言えます。だから、あるビジネスを差別化するということは、この提供価値と収益構造において、独自に工夫を凝らし、差別化を図るということになります。それは製造業であれ、仲介業であれ、またサービス業、物販、飲食業、教育、通信、ネットビジネスに関わらず共通していて、そしてもちろん、建築設計事務所経営にも当てはまります。その試行錯誤の努力の結果、生まれる新しい「立場(Position)」があります。後藤連平さんの言葉が、その平易な語りかたにも関わらず、いままで聞いたことがない、新鮮な響きがあるのは、その新しい「立場(Position)」から言葉が発せられているからだと思います。

 『建築家のためのウェブ発信講義』は、単なる題名通りの一講義ではありません。また彼が慎重に使用を避けた(と思われる)「マーケティング」に関する書籍でもありません。彼はもっと人間的で、より素朴で身近な言葉を用いて、そのウェブ発信スキルを公開しました。その結果として、これは経営者の「在り方」について触れているビジネス思想についての書籍になったと思います。

 しかし今まで、建築家や設計事務所の仕事が、いわゆるビジネスのテーブルで語られたことがあったでしょうか。ほとんど無かったと思います。彼らの仕事とは、芸術的で知的、時に華々しく、時に深淵で、また社会的な責任に向き合う存在ではなかったでしょうか。彼は本書で、その聖域に身を委ねつつ、同時に切り込むという、果敢なチャレンジャーの役割を担っています。

後藤連平さんは本書の冒頭で、「建築の世界には学問とビジネスの2つの側面がある」と述べました。その通りだと思います。ではビジネスの面をなぜ考えるべきなのか。企業としての設計事務所の売上や収益を上げるために? または家族を養い生活していくために? 有名になって自己実現するために? 後藤さんはそうは言っていません。「どちらも大切である」と言っています。そして「学問とビジネス」という分類にひとまず納得しつつも、読み進めて行くうちに、それらは一体で考えたほうが良いのではないか、という気になってきます。例えばこうです。

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