



山下貴成+カン ヨンア / 山下貴成建築設計事務所が設計した、静岡・御殿場市の「高嶺の森のこども園」です。
森の中の起伏に富む地形の敷地に計画されました。建築家は、各年齢の子供達の生活が“同時に満たされる”在り方を求め、周辺環境に応じて8つの部屋を“円環状”に配置する構成を考案しました。また、地形と呼応し“湾曲する”屋根で全体を緩やかにまとめました。
静岡県御殿場市にたつ、認定こども園の計画である。
事業主は自然環境の中で子どもたちが伸び伸びと過ごせる保育の場を求め、木々が生い茂り起伏に富んだ地形の森を敷地に選んだ。
ここに、0歳から5歳までの園児が通うこども園をつくる。
保育において、乳児と幼児にはある程度の距離が必要であるが、ふれあいによる心身の発育も大切なため、それぞれの部屋は付かず離れずの関係が求められた。私たちは森にある環境を出来るだけ活かし、子どもたちが同じように自然を享受しながら、各々の生活が同時に満たされるあり方を考えた。
園舎は機能と用途に合わせて8つの部屋に分け、運動遊びが増える2-3歳児の部屋は園庭側、より活発な4-5歳児の部屋は起伏のある丘側、個別にアクセスが必要な地域子育て支援室は静かな林側というように、森の環境に応じて輪を描く部屋の配置とした。敷地には2mほどの高低差があったため、地形に沿うように各部屋の床レベルを設定し、なだらかなスロープで全ての部屋をつなげ森まで連続させている。
部屋に囲い込まれた中心は子どもたちがわっと集まれる多目的ホールとなっている。屋根は地形と呼応して湾曲し、様々な向きの部屋を円弧で縁取り全体を緩やかにまとめている。軒の出は縁側として開き、入隅は森を園舎に引き込み、屋根開口は中庭や広場に光を導く。