photo©長谷川健太
ツバメアーキテクツが設計した、埼玉の保育所「ツルガソネ保育所・特養通り抜けプロジェクト」です。
ここでは、保育所とともに特養までを通り抜けられる道を通し、多世代の活動を定着させることで、敷地を超えた人々の関係性を生み出す空間をつくり出している。まず保育所を、東側に開くL型の構成で、前面道路に寄せて配置。大きな軒下空間を設け、通り抜けの入口としての構えをつくりだした。
軒下空間は方形天井とし、ベンチ、ゲームや携帯電話の充電ができるコンセント、自動販売機、AEDや機械警備を設えている。軒下の土間は保育所内部に連続し、誰でも利用できるトイレが隣接する。保育室からは、デッキ、スロープを通って特養の居間コーナーに接続。園庭を通り抜けた位置にある、職員、入居者が利用する特養会議室の壁を撤去し、デッキと掃出し窓を設けることで、裏となっていた場所に居場所をつくりだした。さらに隣地の畑に接続する抜け道や、バスケットコートを設置。コートと対面する、フェンスと植栽を取り払い、高齢者が眺められるようにした。もちろん、地域への開放とともに、特養と保育所の消防設備や機械警備を連動させ、包括的な防犯・防災対策にも配慮している。