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MVRDVによる、ドイツ・ベルリンの「Atelier Gardens Haus 1」。映画スタジオの再開発の一環として施設の入口近くの既存ビルを改修。キャンパスの象徴を目指し、鮮やかな黄色と屋上まで続く外部階段を特徴とする建築を考案。持続可能性を考慮した建材と設備で建物の寿命も伸ばす
MVRDVによる、ドイツ・ベルリンの「Atelier Gardens Haus 1」。映画スタジオの再開発の一環として施設の入口近くの既存ビルを改修。キャンパスの象徴を目指し、鮮やかな黄色と屋上まで続く外部階段を特徴とする建築を考案。持続可能性を考慮した建材と設備で建物の寿命も伸ばす photo©Lukas Drobny
MVRDVによる、ドイツ・ベルリンの「Atelier Gardens Haus 1」。映画スタジオの再開発の一環として施設の入口近くの既存ビルを改修。キャンパスの象徴を目指し、鮮やかな黄色と屋上まで続く外部階段を特徴とする建築を考案。持続可能性を考慮した建材と設備で建物の寿命も伸ばす photo©Schnepp Renou
MVRDVによる、ドイツ・ベルリンの「Atelier Gardens Haus 1」。映画スタジオの再開発の一環として施設の入口近くの既存ビルを改修。キャンパスの象徴を目指し、鮮やかな黄色と屋上まで続く外部階段を特徴とする建築を考案。持続可能性を考慮した建材と設備で建物の寿命も伸ばす photo©Schnepp Renou
MVRDVによる、ドイツ・ベルリンの「Atelier Gardens Haus 1」。映画スタジオの再開発の一環として施設の入口近くの既存ビルを改修。キャンパスの象徴を目指し、鮮やかな黄色と屋上まで続く外部階段を特徴とする建築を考案。持続可能性を考慮した建材と設備で建物の寿命も伸ばす1階 photo©Lukas Drobny

MVRDVによる、ドイツ・ベルリンの「Atelier Gardens Haus 1」です。
映画スタジオの再開発の一環として施設の入口近くの既存ビルを改修しました。建築家は、キャンパスの象徴を目指し、鮮やかな黄色と屋上まで続く外部階段を特徴とする建築を考案しました。また、持続可能性を考慮した建材と設備で建物の寿命も伸ばす事も意図されました。


こちらはリリーステキストの翻訳です

MVRDVがHAUS 1を完成させ、くたびれたオフィスビルをベルリンのアトリエ・ガーデンズ・インパクト・キャンパスの為の大胆なエントランスに変身させました

受賞歴のあるベルリンのアトリエ・ガーデンズのマスタープランの一環として、持続可能な形で生まれ変わった最新の建物、HAUS 1の建設が完了しました。MVRDVは、共同設計者のヒルシュミュラー・シンデレ・アーキテクテンとともに、1990年代の古びたオフィスビルを、この敷地の人目を引くエントランスの目印に変身させました。鮮やかな黄色になったこの建物は、新しいリビングルーフと持続可能な木材を使用した屋上パビリオンとテラスで完成し、外部大階段からアクセスできます。

HAUS 1は、MVRDVがアトリエ・ガーデンズ内で完成させた2番目のプロジェクトで、1920年代に建てられた歴史的な映画スタジオ、TON 1の昨年のリニューアルオープンに続くものです。ベルリンのテンペルホーフ空港の南端に位置するこのマスタープランは、ベルリン・ユニオン・フィルム・アトリエ(BUFA)のキャンパスを、映画製作者だけでなく、気候変動活動や社会正義に焦点を当てた影響力のある組織や個人など、あらゆる形態の「変革者」を包含するように、この場所の利用者層を拡大するというビジョンの一環として変化させるものです。

ロンドンを拠点とする投資家兼デベロッパーのファブリックス社のために設計された、総面積23,800㎡のキャンパスのマスタープラン ─これは、今年初めにMIPIM最優秀都市再生賞を受賞─ は、このマスタープランは、一連の持続可能な変革として構想されており、建物を取り壊すのではなく、既存の構造物を活用することで、建物と建物の間の空間の可能性を最大限に引き出しながら、建物をリフレッシュします。それは徐々に変化していくアプローチをとり、それぞれの建物の変容を以前のものへの応答として考えるものです。これらの改修は、ハリス・バグ・スタジオがデザインしたエコロジーを重視したランドスケープによって補完され、不浸透性舗装の大部分を取り除き、車両の移動を減らし、緑の広場やHAUS 1のための新しいリビングルーフなど、水の透過性と生物多様性を大幅に向上させています。

MVRDVの最初のプロジェクト TON 1が繊細な改修を必要としたのに対し、HAUS 1では大胆なタッチが求められました。もともと1997年に建てられたこのオフィスビルは、キャンパスの特徴にほとんど貢献していません。アトリエ・ガーデンズの入口に隣接し、かつてのテンペルホーフ飛行場からも見える高さであることから、この建物は隣接するオーバーラント通りの象徴的な存在となり、BUFAキャンパスの変貌を象徴するシンボルとなることが決定されました。

MVRDV創立パートナーのヤコブ・ファン・ライスは言います。
「新しく生まれ変わったHAUS1は、インパクトに特化したこのユニークなキャンパスへの入口以上のものです」「これはアトリエ・ガーデンズのコミュニティと、楽観的でありながら先鋭的で革新的な、異なる社会のビジョンを描くという彼らのコミットメントを表しています。私たちのマスタープランにおけるこの2番目のプロジェクトで、私たちは彼らのこのミッションに加わり、より多くの人々に後を追うよう呼びかけます」

この変化の最もわかりやすいサインは、建物の色です。かつてはプレーンな白だった建物は、今では太陽のような黄色一色に染まり、近くからも遠くからもキャンパスに注目されるようになっています。訪問者がキャンパスに入ると、すぐにもうひとつの明確なサインに出会うでしょう。アトリエ・ガーデンズの中央広場から、ジグザグに伸びる黄色い階段が、テンペルホーファー・フェルトとベルリンのスカイラインの眺めを縁取るように、座席と展望台が点在し、HAUS 1の屋上へと導いています。ファン・ライスは強調します。「屋上からは、テンペルホーファー・フェルドを前庭として、ベルリンの都市景観のスカイライン全体を見渡すことができます」

この建物は、クロスラミネートされたプレハブ・モジュールの木造パヴィリオンで拡張され、バイオベースの素材と粘土天井などの健康的な仕上げが施されています。在来の植物を植えたリビング・ルーフが、新たにアクセスしやすくなった屋上を完成させ、雨水を集め、敷地内で実施される包括的な貯水計画に反映させる役割も果たしています

この緑のランドスケープ、新しい屋根の断熱材、建物の2つのガラスファサードの日除けは、夏の熱上昇を抑え、建物の気候への耐性を向上させ、低温の床暖房は寒い時期の室内気候を緩和します。すべての照明はエネルギー効率の高いLEDシステムに変更され、衛生設備はすべて節水型で、低水量使用トイレは、キャンパスの雨水収集システムの次の段階からリサイクルされた雨水で洗浄されます。

小田真平建築設計事務所とランディ・マリエ・ジェンセンによる、大阪市の住戸改修「弁天の住居」。施主の日本滞在用の住まい。自身が考える日本の“伝統的空間”の導入を目指し、和紙で仕上げた“透過性”の異なる二つの面を用いて“その先を連想させる”空間を構築。既存を活かし最小限の解体と追加で完成させる
小田真平建築設計事務所とランディ・マリエ・ジェンセンによる、大阪市の住戸改修「弁天の住居」。施主の日本滞在用の住まい。自身が考える日本の“伝統的空間”の導入を目指し、和紙で仕上げた“透過性”の異なる二つの面を用いて“その先を連想させる”空間を構築。既存を活かし最小限の解体と追加で完成させる玄関から廊下を見る。 photo©山内紀人
小田真平建築設計事務所とランディ・マリエ・ジェンセンによる、大阪市の住戸改修「弁天の住居」。施主の日本滞在用の住まい。自身が考える日本の“伝統的空間”の導入を目指し、和紙で仕上げた“透過性”の異なる二つの面を用いて“その先を連想させる”空間を構築。既存を活かし最小限の解体と追加で完成させるリビングダイニング photo©山内紀人
小田真平建築設計事務所とランディ・マリエ・ジェンセンによる、大阪市の住戸改修「弁天の住居」。施主の日本滞在用の住まい。自身が考える日本の“伝統的空間”の導入を目指し、和紙で仕上げた“透過性”の異なる二つの面を用いて“その先を連想させる”空間を構築。既存を活かし最小限の解体と追加で完成させる和室からリビングダイニングを見る。 photo©山内紀人

小田真平建築設計事務所とランディ・マリエ・ジェンセンが設計した、大阪市の住戸改修「弁天の住居」です。
施主の日本滞在用の住まいとして計画されました。建築家は、自身が考える日本の“伝統的空間”の導入を目指し、和紙で仕上げた“透過性”の異なる二つの面を用いて“その先を連想させる”空間を構築しました。また、既存を活かし最小限の解体と追加で完成させました。

マンションのリノベーションである。
クライアントは新築マンションを購入し、日本滞在用として標準化されたものではなく、独自の個性をもつ住まいを望んだ。

建築家によるテキストより

解体は、廊下とLDKを仕切る建具だけとし、新たに付け加える要素も最小限の手数で構成した。
和紙を用いた、光を透過する面と透過しない面の2種類を使い、その先にある空間を連想させる装置のようなものが作れないかと考えた。

建築家によるテキストより

和紙で仕上げられた透過しない面としての2つの曲がった壁は、その先に存在する空間を連想させ、人々を招き、LDKに導き入れる。光を透過する太鼓貼り障子の面は、視線を塞ぎ、光のみを通し、その向こうにどのような空間が広がるのかを連想させる。

「すべて見せないことを美徳とし、小さな空間を大きく見せる、連想の美しさを求める、思いがけない空間を展開させ、その変化の美しさを狙う」という、日本の伝統的空間を新築マンションに取り込みたかった。

建築家によるテキストより
畝森泰行による、プリズミックギャラリーでの建築展「ゆっくり庭をつくるように」。進行中の中学校のプロジェクトをメインに据えた展示。建築の“不確かで曖昧な”側面に着目し、それを“庭”と呼んで展覧会のテーマにも設定。他作品のドローイングや模型も並置して“関係性や時間の流れ”も見せる
畝森泰行による、プリズミックギャラリーでの建築展「ゆっくり庭をつくるように」。進行中の中学校のプロジェクトをメインに据えた展示。建築の“不確かで曖昧な”側面に着目し、それを“庭”と呼んで展覧会のテーマにも設定。他作品のドローイングや模型も並置して“関係性や時間の流れ”も見せる photo©Tomoyuki Kusunose
畝森泰行による、プリズミックギャラリーでの建築展「ゆっくり庭をつくるように」。進行中の中学校のプロジェクトをメインに据えた展示。建築の“不確かで曖昧な”側面に着目し、それを“庭”と呼んで展覧会のテーマにも設定。他作品のドローイングや模型も並置して“関係性や時間の流れ”も見せる photo©Tomoyuki Kusunose
畝森泰行による、プリズミックギャラリーでの建築展「ゆっくり庭をつくるように」。進行中の中学校のプロジェクトをメインに据えた展示。建築の“不確かで曖昧な”側面に着目し、それを“庭”と呼んで展覧会のテーマにも設定。他作品のドローイングや模型も並置して“関係性や時間の流れ”も見せる photo©Tomoyuki Kusunose

畝森泰行による、プリズミックギャラリーでの建築展「ゆっくり庭をつくるように」です。
進行中の中学校のプロジェクトをメインに据えた展示です。建築家は、建築の“不確かで曖昧な”側面に着目し、それを“庭”と呼んで展覧会のテーマにも設定しました。また、他作品のドローイングや模型も並置して“関係性や時間の流れ”も見せる事が意図されました。
展示の開催期間は2023年12月23日まで。入場無料です。展覧会の公式ページはこちら。また、2023年12月16日に畝森泰行・西澤徹夫増田信吾が登壇するトークイベントも企画されています(詳細は末尾に掲載)。

私たちは建築の全てを把握できません。その物理的な大きさや複雑さゆえに、一度に全体を眺めるのは難しく、また設計中に模型や図面を使ってどんなに想像しても、どこか理解できない余白が残ります。また建築はたくさんの人が時間をかけてつくります。その過程で個人の考えや当初のイメージから変わっていくことがあり、それらの理由で建築は、強く固定的な存在でありながらも、曖昧で他律的な側面をもつと言えます。

建築家によるテキストより

私はそういう建築の不確かな部分に惹かれます。朧げで変わりうるところがあるからこそ、緩やかに動く自然や異なる他者と結びつく可能性をもつのであり、それがいま、バラバラな個人をつなぎ、早すぎる時間を緩め、閉じた世界をほぐすことになるのではないだろうか、そう期待するのです。この不確かで曖昧な存在を今回私は「庭」と呼ぼうと思いました。

建築家によるテキストより

今年9月に、この会場とは別に展覧会を開催する機会があり、今回もその時と同じタイトルとテーマにしました。ここでは、現在も進行中(2期工事中)の奈義町立中学校をベースに、他の作品のドローイングや模型などを断片的にいくつか並置するように展示しています。それらは当然異なるものですが、どこかでつながっているところもあり、そういう関係性や時間の流れも含めて展示したいと考えました。試行錯誤しながらも続く、私たちの建築の一端を感じていただければ幸いです。

建築家によるテキストより
萬代基介による、東京・港区の「WALL_alternative」。古いビルの一室を改修した“オルタナティブスペース”。積み重なった塗装の剥離から計画を始め、壁や柱の研磨等で“自然が持つ不均質さ”をまとった空間を創出。既存の段差を削り出して岩の様な質感の“崖”も作る
萬代基介による、東京・港区の「WALL_alternative」。古いビルの一室を改修した“オルタナティブスペース”。積み重なった塗装の剥離から計画を始め、壁や柱の研磨等で“自然が持つ不均質さ”をまとった空間を創出。既存の段差を削り出して岩の様な質感の“崖”も作るギャラリー1 photo©河内彩
萬代基介による、東京・港区の「WALL_alternative」。古いビルの一室を改修した“オルタナティブスペース”。積み重なった塗装の剥離から計画を始め、壁や柱の研磨等で“自然が持つ不均質さ”をまとった空間を創出。既存の段差を削り出して岩の様な質感の“崖”も作る「崖」、空間の中心にあった段差をに手を入れ、2つの空間を緩やかに繋いでいる。 photo©河内彩
萬代基介による、東京・港区の「WALL_alternative」。古いビルの一室を改修した“オルタナティブスペース”。積み重なった塗装の剥離から計画を始め、壁や柱の研磨等で“自然が持つ不均質さ”をまとった空間を創出。既存の段差を削り出して岩の様な質感の“崖”も作るギャラリー1からギャラリー2を見る。 photo©河内彩

萬代基介が設計した、東京・港区の「WALL_alternative」です。
古いビルの一室を改修した“オルタナティブスペース”の計画です。建築家は、積み重なった塗装の剥離から計画を始め、壁や柱の研磨等で“自然が持つ不均質さ”をまとった空間を創出しました。また、既存の段差を削り出して岩の様な質感の“崖”も作られました。施設の公式ページはこちら

東京の西麻布にある古いビルの一室をナイトギャラリーやバーといった機能を持つオルタナティブスペースにする計画。

建築家によるテキストより

この設計は年月をかけて地層のように積み重なった塗装を一枚ずつ剥がしていくことから始まった。
かつてのナイトクラブやラウンジの痕跡を追跡するように様々なテクスチャーを発掘していく。塗装をヘラで少しずつ剥がし、コンクリート面を研磨し、仕上げを剥がし隠れていた不思議な模様を露出させる。人工的なビルではあるが、自然が持っているザラザラとした不均質さが現れ、自然の中にいるような新しい開放性を感じた。

建築家によるテキストより

この空間の中心には段差があったので、2つの空間を緩やかにつなぐように「崖」をつくることにした。コンクリートを人の手でひたすら削り出していく。砕かれたコンクリートは岩のような質感になる。

人工的な都市の中にある時間の蓄積を逆再生して空間化していき、自然に近づける実験である。

建築家によるテキストより
清正崇建築設計スタジオと若井和典による、北海道・余市郡の住宅「Niki-K」。施主が営む葡萄畑とワイナリーに隣接する敷地。周囲との関係性の構築と内部からの眺望を考慮し、コールテン鋼を用いた外観と畑を俯瞰するリビングを備えた建築を考案。自然と建築が“お互い高め合う”風景を作る
清正崇建築設計スタジオと若井和典による、北海道・余市郡の住宅「Niki-K」。施主が営む葡萄畑とワイナリーに隣接する敷地。周囲との関係性の構築と内部からの眺望を考慮し、コールテン鋼を用いた外観と畑を俯瞰するリビングを備えた建築を考案。自然と建築が“お互い高め合う”風景を作る外観、葡萄畑より見る。 photo©浅川敏
清正崇建築設計スタジオと若井和典による、北海道・余市郡の住宅「Niki-K」。施主が営む葡萄畑とワイナリーに隣接する敷地。周囲との関係性の構築と内部からの眺望を考慮し、コールテン鋼を用いた外観と畑を俯瞰するリビングを備えた建築を考案。自然と建築が“お互い高め合う”風景を作る外観、玄関側を見る。 photo©浅川敏
清正崇建築設計スタジオと若井和典による、北海道・余市郡の住宅「Niki-K」。施主が営む葡萄畑とワイナリーに隣接する敷地。周囲との関係性の構築と内部からの眺望を考慮し、コールテン鋼を用いた外観と畑を俯瞰するリビングを備えた建築を考案。自然と建築が“お互い高め合う”風景を作る1階、リビングダイニング photo©浅川敏
清正崇建築設計スタジオと若井和典による、北海道・余市郡の住宅「Niki-K」。施主が営む葡萄畑とワイナリーに隣接する敷地。周囲との関係性の構築と内部からの眺望を考慮し、コールテン鋼を用いた外観と畑を俯瞰するリビングを備えた建築を考案。自然と建築が“お互い高め合う”風景を作る1階、リビングダイニングから葡萄畑を見る。 photo©浅川敏

清正崇建築設計スタジオと若井和典が設計した、北海道・余市郡の住宅「Niki-K」です。
施主が営む葡萄畑とワイナリーに隣接する敷地に計画されました。建築家は、周囲との関係性の構築と内部からの眺望を考慮し、コールテン鋼を用いた外観と畑を俯瞰するリビングを備えた建築を考案しました。そして、自然と建築が“お互い高め合う”風景を作る事も意図されました。

北海道で葡萄畑及びワイナリーを営む若い夫婦のための住宅です。

建築家によるテキストより

浮遊するボリュームが大自然と心地よい対比を生み出し、ここにしかない風景となっています。
外壁はコールテン鋼です。年月をかけて安定し風合いが増していくこの外壁は、ワインのように熟成する楽しさを持ち、時を過ごす嬉しさを与えます。

建築家によるテキストより

内部は緩やかに領域分けされたワンルームです。浮かぶスラブに対し、中央のキッチンレベルを下げることで、空間に動きを与えています。冷蔵庫やレンジフードのレベルも下がり、ワンルームの連続性を阻害しないキッチンです。

リビングは畑に向かって広い開口を持ち、日常の畑作業よりも少し高い視線から畑を眺められます。畑の中に住まいながらも、畑を客観的に感じられ、日々の作業から距離がとれる寛げる場所です。

建築家によるテキストより
西久保毅人 / ニコ設計室による、福岡市の店舗兼住宅「道山さんの家」。広狭の二道に面する三角形の敷地。街と繋がりながら私生活も守る為に、親しみを与える大小の切妻屋根が複雑に連なる“内部の想像がされにくい”建築を考案。店舗や駐車場は非常時などに街に貢献する使い方も想定
西久保毅人 / ニコ設計室による、福岡市の店舗兼住宅「道山さんの家」。広狭の二道に面する三角形の敷地。街と繋がりながら私生活も守る為に、親しみを与える大小の切妻屋根が複雑に連なる“内部の想像がされにくい”建築を考案。店舗や駐車場は非常時などに街に貢献する使い方も想定外観、30m道路側より見る。 photo©大森今日子
西久保毅人 / ニコ設計室による、福岡市の店舗兼住宅「道山さんの家」。広狭の二道に面する三角形の敷地。街と繋がりながら私生活も守る為に、親しみを与える大小の切妻屋根が複雑に連なる“内部の想像がされにくい”建築を考案。店舗や駐車場は非常時などに街に貢献する使い方も想定外観、4m道路側より見る。 photo©大森今日子
西久保毅人 / ニコ設計室による、福岡市の店舗兼住宅「道山さんの家」。広狭の二道に面する三角形の敷地。街と繋がりながら私生活も守る為に、親しみを与える大小の切妻屋根が複雑に連なる“内部の想像がされにくい”建築を考案。店舗や駐車場は非常時などに街に貢献する使い方も想定1階、住宅部分、玄関 photo©大森今日子
西久保毅人 / ニコ設計室による、福岡市の店舗兼住宅「道山さんの家」。広狭の二道に面する三角形の敷地。街と繋がりながら私生活も守る為に、親しみを与える大小の切妻屋根が複雑に連なる“内部の想像がされにくい”建築を考案。店舗や駐車場は非常時などに街に貢献する使い方も想定1階、住宅部分、「食堂」 photo©大森今日子

西久保毅人 / ニコ設計室が設計した、福岡市の店舗兼住宅「道山さんの家」です。
広狭の二道に面する三角形の敷地に計画されました。建築家は、街と繋がりながら私生活も守る為に、親しみを与える大小の切妻屋根が複雑に連なる“内部の想像がされにくい”建築を考案しました。また、店舗や駐車場は非常時などに街に貢献する使い方も想定されています。

道山さんの家は福岡市の室見川にほど近い街に計画した店舗併用住宅です。

敷地形状はほぼ三角形で、中層マンションの立ち並ぶ大通りと住宅街のはざまにある鋭角な角地でした。元々は古い木造2階建てのご実家が建っていたのですが、この数十年で周りの風景も変わり、立地も良いことから将来貸し店舗を併設した住まいの設計を求められました。

建築家によるテキストより

暮らしのイメージとしては街とのんびりとした連続感があり、人が気軽に集まり長居してしまうような居心地の良い家をご希望されましたが、幅員30mと幅員4mという両極端な2つの道路に面した角地であり、しかも三角形であるため敷地周長の2/3以上が道路に接していました。あからさまに住宅の横に店舗があるのも、あからさまに住居の一部が店舗であるのもプライバシーが守りにくそうです。

建築家によるテキストより

そこでまず用途より先に大小の屋根がぱらぱらと分散しているような全体像をイメージしました。そしてその屋根の下にいろんな内外のスペースを内包するように計画しました。平面形状がいびつであることから見る場所によって表情を変える複数の切妻屋根の連なる外観は、内部を想像されにくくしてご家族の暮らしを守るとともに、ダイナミックな軒先の変化が街ゆく人、子供達にとって も親しみのある存在になる事を目指しました。



建築家によるテキストより
【ap job更新】 設計の枠を超えて、“何をつくるべきか?”から空間づくりに取り掛かる「AGI design」が、建築設計、内装設計、施工管理のスタッフを募集中
【ap job更新】 設計の枠を超えて、“何をつくるべきか?”から空間づくりに取り掛かる「AGI design」が、建築設計、内装設計、施工管理のスタッフを募集中
【ap job更新】 設計の枠を超えて、“何をつくるべきか?”から空間づくりに取り掛かる「AGI design」が、建築設計、内装設計、施工管理のスタッフを募集中

設計の枠を超えて、“何をつくるべきか?”から空間づくりに取り掛かる「AGI design」の、建築設計、内装設計、施工管理のスタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

AGI designでは事業拡大に伴い、設計スタッフ(シニア・アーキテクト、ジュニア・アーキテクト、エンジニアリング・アーキテクト)を募集します。

代表の萩原 浩は、New York School of Interior Designを修了後、william nicholas bodouva + associates, NYCを経て、
プランテック総合計画事務所に入所。同社執行役員として、日本初の商業複合型クラブハウスや、集合住宅(グッドデザイン賞受賞)、工場・生産施設、都市再開発など幅広く設計に携わる。

独立後は、海外経験での英語力を活かした外資系プロジェクトのローカルアーキテクトや、ハイエンド施設のインテリアデザイン、某スポーツチームの施設計画及びマーケティングリサーチなど幅広く活動。

建築/インテリアデザインに関わらず、プロジェクトの価値を高めるための手法を考えることを得意とし、wow factor体験を生みだす空間をデザインする。

【面白いコトを考える】
設計という行為から考えると、やるべきことが決まった中で、空間をどう考えるかという発想になります。
AGI designでは設計という枠を超えて、何をつくるべきか?というマーケティングから始めます。何をするための空間なのか、そこで何を行うべきなのかといった、企画・コンテンツづくりを入念に行った上で設計を進めていくため、空間デザインだけでは導けない面白いコト、新しいデザインが生まれます。

企画コンテンツから空間を生み出す、時には収益性を考える、こうした一連の手法が学べます。

ヘザウィック・スタジオが低層部デザインを手掛けた、東京・港区の「麻布台ヒルズ」。都心の約2.4haの敷地に計画。東京の建物が密集する多様性を称賛し、施設を“立体的で探索可能”なランドスケープと組合せる設計を志向。エグゼクティブアーキテクトとして日本設計・日建設計・山下設計も参画
ヘザウィック・スタジオが低層部デザインを手掛けた、東京・港区の「麻布台ヒルズ」。都心の約2.4haの敷地に計画。東京の建物が密集する多様性を称賛し、施設を“立体的で探索可能”なランドスケープと組合せる設計を志向。エグゼクティブアーキテクトとして日本設計・日建設計・山下設計も参画 photo©Raquel Diniz
ヘザウィック・スタジオが低層部デザインを手掛けた、東京・港区の「麻布台ヒルズ」。都心の約2.4haの敷地に計画。東京の建物が密集する多様性を称賛し、施設を“立体的で探索可能”なランドスケープと組合せる設計を志向。エグゼクティブアーキテクトとして日本設計・日建設計・山下設計も参画 photo©Raquel Diniz
ヘザウィック・スタジオが低層部デザインを手掛けた、東京・港区の「麻布台ヒルズ」。都心の約2.4haの敷地に計画。東京の建物が密集する多様性を称賛し、施設を“立体的で探索可能”なランドスケープと組合せる設計を志向。エグゼクティブアーキテクトとして日本設計・日建設計・山下設計も参画 photo©Raquel Diniz

ヘザウィック・スタジオが低層部デザインを手掛けた、東京・港区の「麻布台ヒルズ」です。
都心の約2.4haの敷地に計画されました。デザイナーは、東京の建物が密集する多様性を称賛し、施設を“立体的で探索可能”なランドスケープと組合せる設計を志向しました。また、エグゼクティブアーキテクトとして日本設計・日建設計・山下設計も参画しています。詳細なクレジットは末尾に掲載しています。また、こちらのファクトブックもご参考ください。

麻布台ヒルズとして知られるこのプロジェクトは、日本を代表する都市開発デベロッパーである森ビル株式会社によって、30年の再生プロセスを経て集大成されました。

新しい地区は、住宅、商業施設、学校、2つの寺社、アート ギャラリー、オフィス、レストランで構成されており、全てが公共がアクセスできる緑豊かな 2.4平方ヘクタールの敷地内にあります。ヘザウィックスタジオは、公共エリアと低層レベル設計の主任アーキテクトとしてプロジェクトに携わりました。

このデザインは、通勤者・住民・公共の人と人との繋がりを促し、8.1ヘクタールの地域は木々、花、水の設備で満たされています。曲がりくねったルートや歩ける屋上のスロープは、人々の探究心やカジュアルな集まりを誘います。

リリーステキストより

トマス・ヘザウィック、ヘザウィックスタジオ創始者
「私たちは、これまでとは違う方法で人々の感情とつながれる場所を作りたい思いました。文化的・社会的施設を非常に立体的で探索可能な景観と組み合わせることによって、訪れる人とコミュニティが互いにつながったりオープンで緑豊かな公共スペースを一緒に楽しんだりできる場所を提供することが可能になりました。ここは、長い間大切にされるように設計された東京の楽しくユニークな公共の場です。」

リリーステキストより

東京は古い建築と新しい建築が混在し大小の建物が密集しています。このデザインは、この豊かな層の混合やこの都市のあらゆる多様性と強さを称賛しています。住民や訪れる人が寄り集まり、広い公園や中央広場、The Cloud イベントスペースを含む新しい風景からインスピレーションを受けることができます。この地区は、今では東京で最も緑豊かな場所の一つであり、森ビルが目指す景観が自然と人をつなげるガーデンシティーとしてこれからもあり続けます。

リリーステキストより
トラフ建築設計事務所による、京都・下京区の、宝飾店「Hirotaka 京都高島屋店」。モノトーンの共用部に囲まれた長細い区画。色鮮やかな“青錆加工”の銅板を主要素材とし、“白い樹脂系の塗り床”で浮かび上がらせる空間を考案。銅板の素地の茶色と緑青のバランスで“独特な表情”も作り出す
トラフ建築設計事務所による、京都・下京区の、宝飾店「Hirotaka 京都高島屋店」。モノトーンの共用部に囲まれた長細い区画。色鮮やかな“青錆加工”の銅板を主要素材とし、“白い樹脂系の塗り床”で浮かび上がらせる空間を考案。銅板の素地の茶色と緑青のバランスで“独特な表情”も作り出す共有部から店内を見る。 photo©太田拓実
トラフ建築設計事務所による、京都・下京区の、宝飾店「Hirotaka 京都高島屋店」。モノトーンの共用部に囲まれた長細い区画。色鮮やかな“青錆加工”の銅板を主要素材とし、“白い樹脂系の塗り床”で浮かび上がらせる空間を考案。銅板の素地の茶色と緑青のバランスで“独特な表情”も作り出す共有部から店内を見る。 photo©太田拓実
トラフ建築設計事務所による、京都・下京区の、宝飾店「Hirotaka 京都高島屋店」。モノトーンの共用部に囲まれた長細い区画。色鮮やかな“青錆加工”の銅板を主要素材とし、“白い樹脂系の塗り床”で浮かび上がらせる空間を考案。銅板の素地の茶色と緑青のバランスで“独特な表情”も作り出す売り場 photo©太田拓実

トラフ建築設計事務所が設計した、京都・下京区の、宝飾店「Hirotaka 京都高島屋店」です。
モノトーンの共用部に囲まれた長細い区画での計画です。建築家は、色鮮やかな“青錆加工”の銅板を主要素材とし、“白い樹脂系の塗り床”で浮かび上がらせる空間を考案しました。また、銅板の素地の茶色と緑青のバランスで“独特な表情”を作り出す事も意図されました。店舗の公式ページはこちら

ジュエリーブランド「Hirotaka(ヒロタカ)」の京都高島屋の内装計画。
共有部のエスカレーターに隣接する、島状の14m×3.5mの長細い区画が計画地となった。

建築家によるテキストより

店舗奥正面に、幅3mにわたる銅板に青錆加工を施した、鮮やかでダイナミックな壁面を設えた。通路側に面したコーナー部と、POSカウンター側面などに、同様の加工を施した銅板を配置。一般的な緑青加工を採用するのではなく、銅板素地の茶色と緑青が発生している箇所のバランスをとり、何度もサンプルを作成し試行錯誤しながら設計した。

建築家によるテキストより

白いエポキシ樹脂系の塗り床とすることで、ギャラリーを思わせる艶やかさを持たせ、店内をより明るく見せながら、銅板を浮かび上がらせた。中央什器にも銅板を配置し、ガラスケースはランダムに高低差をつけ、ディスプレイにリズムを与える。什器の脚は二本柱で支え、浮遊するように演出している。

店舗奥壁面上部の天井を折り上げ、区画端まで直線の間接照明を仕込み、銅板と壁面を照らす。POSカウンターの上のペンダントライトは店舗内の銅板とトーンを合わせ、銅板を円盤状にカットし折り曲げたようなデザインを採用した。ファサードは幅4mのグレーのガラスで共有部と区画内とを緩やかに仕切っている。

建築家によるテキストより
早坂直貴+斧田裕太 / 邸宅巣箱による、神奈川・葉山町の住宅「ポジティブ・イミテーション」。海沿いの別荘地に計画。イミテーション肯定での“豊かな建築体験”の創出を意識し、眺望確保の為の“仮想の崖”の上に“大開口の平家”を載せる構成を考案。模造品を“現代技術の結晶”として捉え“美点”を見出す
早坂直貴+斧田裕太 / 邸宅巣箱による、神奈川・葉山町の住宅「ポジティブ・イミテーション」。海沿いの別荘地に計画。イミテーション肯定での“豊かな建築体験”の創出を意識し、眺望確保の為の“仮想の崖”の上に“大開口の平家”を載せる構成を考案。模造品を“現代技術の結晶”として捉え“美点”を見出す外観 photo©長谷川健太
早坂直貴+斧田裕太 / 邸宅巣箱による、神奈川・葉山町の住宅「ポジティブ・イミテーション」。海沿いの別荘地に計画。イミテーション肯定での“豊かな建築体験”の創出を意識し、眺望確保の為の“仮想の崖”の上に“大開口の平家”を載せる構成を考案。模造品を“現代技術の結晶”として捉え“美点”を見出す1階、ガレージからエントリーと出入口のドアを見る。 photo©長谷川健太
早坂直貴+斧田裕太 / 邸宅巣箱による、神奈川・葉山町の住宅「ポジティブ・イミテーション」。海沿いの別荘地に計画。イミテーション肯定での“豊かな建築体験”の創出を意識し、眺望確保の為の“仮想の崖”の上に“大開口の平家”を載せる構成を考案。模造品を“現代技術の結晶”として捉え“美点”を見出す2階、ダイニングからリビングを見る。 photo©長谷川健太
早坂直貴+斧田裕太 / 邸宅巣箱による、神奈川・葉山町の住宅「ポジティブ・イミテーション」。海沿いの別荘地に計画。イミテーション肯定での“豊かな建築体験”の創出を意識し、眺望確保の為の“仮想の崖”の上に“大開口の平家”を載せる構成を考案。模造品を“現代技術の結晶”として捉え“美点”を見出す2階、キッチンからダイニング越しに景色を見る。 photo©長谷川健太

早坂直貴+斧田裕太 / 邸宅巣箱が設計した、神奈川・葉山町の住宅「ポジティブ・イミテーション」です。
海沿いの別荘地に計画されました。建築家は、イミテーション肯定での“豊かな建築体験”の創出を意識し、眺望確保の為の“仮想の崖”の上に“大開口の平家”を載せる構成を考案しました。また、模造品を“現代技術の結晶”として捉え“美点”を見出す事が意図されました。

我々はオーセンティックなことこそ正義であると疑いを持たない。
天然であることを称賛し、イミテーションを忌み嫌う。しかし類い稀なクオリティでつくられた模造品をみるとき、その背後にある高い技術力、製造者の企業努力が透けてみえて、むしろ感動することはないだろうか。
本物こそ美しいと感ずるべきだという正義感に反する感覚。その感覚に蓋をするのでなく、イミテーションを潔く肯定することで可能性を開き、いっそう豊かな建築体験を生み出すことができないかと日頃から考えていた。本作はその実践の一である。

建築家によるテキストより

敷地は初夏にオープンカーでドライブをするのにぴったりの海岸通りに位置する。その絶景を求めて海沿いに別荘が連なっているわけだが、それぞれのオーナーが思い描く別荘らしさは、北欧風、西欧風、和風とまちまちで、有象無象の建物が建ち並ぶ異様な風景に、逆説的な面白さがある。これほどイミテーションが自然発生している場所はないだろう。そのイミテーションの連なりの一端に、これを肯定する建築を試みたのである。

建築家によるテキストより

具体的な建築の構成に話を移そう。この敷地の絶対的価値は景色であるので、リビングからどれだけダイナミックなオーシャンビューを獲得できるか、ということが最重要命題であった。しかし問題は、致命的な高さに太い電線が走り、標準的な階高で2階建て住宅を建ててしまうと、その電線で海へと抜ける視線が遮られることだった。

そこでこの電線と同じ高さまで仮想の崖ボリュームを立ち上げて、その上に大開口の平家を載せるという構成とし、まるで崖上から眼下に海を見渡す体験を再現することを目指した。

建築家によるテキストより
橋本吉史とカンミレによる、千葉・松戸市の「OH邸」。親世帯と子世帯の計5人が暮らす住まい。人数分の個室がある住宅の要望に、採光を考慮した“L字型”平面の隅に個室を配置して中間に共用部を設ける構成を考案。扉の開閉で“家族の距離感”を調整できる空間を作る
橋本吉史とカンミレによる、千葉・松戸市の「OH邸」。親世帯と子世帯の計5人が暮らす住まい。人数分の個室がある住宅の要望に、採光を考慮した“L字型”平面の隅に個室を配置して中間に共用部を設ける構成を考案。扉の開閉で“家族の距離感”を調整できる空間を作る外観 photo©中山保寛
橋本吉史とカンミレによる、千葉・松戸市の「OH邸」。親世帯と子世帯の計5人が暮らす住まい。人数分の個室がある住宅の要望に、採光を考慮した“L字型”平面の隅に個室を配置して中間に共用部を設ける構成を考案。扉の開閉で“家族の距離感”を調整できる空間を作る1階、世帯1、ダイニング、右奥:個室 photo©中山保寛
橋本吉史とカンミレによる、千葉・松戸市の「OH邸」。親世帯と子世帯の計5人が暮らす住まい。人数分の個室がある住宅の要望に、採光を考慮した“L字型”平面の隅に個室を配置して中間に共用部を設ける構成を考案。扉の開閉で“家族の距離感”を調整できる空間を作る2階、世帯2、ダイニングとリビング、中奥:個室 photo©中山保寛

橋本吉史カンミレが設計した、千葉・松戸市の「OH邸」です。
親世帯と子世帯の計5人が暮らす住まいの計画です。建築家は、人数分の個室がある住宅の要望に、採光を考慮した“L字型”平面の隅に個室を配置して中間に共用部を設ける構成を考案しました。また、扉の開閉で“家族の距離感”を調整できる空間を作る事も意図されました。

千葉県松戸市に位置する二世帯住宅の計画である。

建築家によるテキストより

親夫婦、子夫婦は共に関係は円満ではあるが、個人ごとの部屋を設けることを求めていた。孫1人を含めると、合計5室の個室が要求される。個室は、就寝の他にそれぞれのテレワーク、勉強スペースも兼ねており、音の関係から互いが隣接しないことがのぞまれた。

建築家によるテキストより

この住宅では、敷地奥まで南側から採光が取れるように計画したL字型のボリュームの隅に個室を配置していき、室の間に水回りや共有部を設けた。それにより、単に廊下に面して並ぶ従来の個室ではなく、個々の部屋の独立性を保つと共に、扉を開ければ共有部と連続した空間として感じられるような住居を設計した。音やプライバシーの確保といった要求に壁を立てるのではなく、室の配置によって家族の距離感を調整してゆき、個室・共用部の二項対立を崩していくことを意図した。

建築家によるテキストより
小松隼人建築設計事務所による、広島・呉市の「Oshigome Base」。事務所と住宅に加え“会所”機能を持つ建築。地域に貢献する存在を求め、庭と一体となる“かつての民家の庭先”の様な“セミパブリックな性質”の空間を考案。外観を特徴づける“草屋根”は周辺環境との連続も意図
小松隼人建築設計事務所による、広島・呉市の「Oshigome Base」。事務所と住宅に加え“会所”機能を持つ建築。地域に貢献する存在を求め、庭と一体となる“かつての民家の庭先”の様な“セミパブリックな性質”の空間を考案。外観を特徴づける“草屋根”は周辺環境との連続も意図外観 photo©矢野紀行
小松隼人建築設計事務所による、広島・呉市の「Oshigome Base」。事務所と住宅に加え“会所”機能を持つ建築。地域に貢献する存在を求め、庭と一体となる“かつての民家の庭先”の様な“セミパブリックな性質”の空間を考案。外観を特徴づける“草屋根”は周辺環境との連続も意図1階、事務所部分、庭から多目的室を見る。 photo©矢野紀行
小松隼人建築設計事務所による、広島・呉市の「Oshigome Base」。事務所と住宅に加え“会所”機能を持つ建築。地域に貢献する存在を求め、庭と一体となる“かつての民家の庭先”の様な“セミパブリックな性質”の空間を考案。外観を特徴づける“草屋根”は周辺環境との連続も意図1階、事務所部分、手前:会議室、奥:執務室 photo©矢野紀行
小松隼人建築設計事務所による、広島・呉市の「Oshigome Base」。事務所と住宅に加え“会所”機能を持つ建築。地域に貢献する存在を求め、庭と一体となる“かつての民家の庭先”の様な“セミパブリックな性質”の空間を考案。外観を特徴づける“草屋根”は周辺環境との連続も意図2階、住宅部分、リビングから吹抜側を見る。 photo©矢野紀行

小松隼人建築設計事務所が設計した、広島・呉市の「Oshigome Base」です。
事務所と住宅に加え“会所”機能を持つ建築です。建築家は、地域に貢献する存在を求め、庭と一体となる“かつての民家の庭先”の様な“セミパブリックな性質”の空間を考案しました。また、外観を特徴づける“草屋根”は周辺環境との連続も意図されました。

敷地は広島県呉市の山間で、東は本庄水源地という貯水池と、その手前に呉湾まで繋がる二河川が流れる。
西は絵下山を中心とした山々が連なり、その麓には新旧の住宅が等高線に沿うように建ち並んでいる。建主は長くこの地で工務店を営んでいることから、地域に貢献できる建築をつくりたいという思いが強く、事務所と住宅の機能に加えて、地域の「会所」としての場を望んだ。


建築家によるテキストより

まず屋根の操作によって環境と建築の繋がりをつくり、諸室もそれに準じた配置を行なった。具体的には屋根を1方向に絞るのではなく、貯水池から山並みまでの緑の連続性をつくるための草屋根の下屋、南からの直射を遮り河川の下流から吹く強風を受け流すための主屋、この2方向の屋根の重なりによって全体を統合させている。

建築家によるテキストより

2階の居住スペースからは草屋根と貯水池を重ねた風景を望みながら暮らすことができ、下屋の諸室は深い軒と地面からもち上がった植栽によって守りながら風景に開いた。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2023/11/20-11/26]
最も注目を集めたトピックス[期間:2023/11/20-11/26]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2023/11/20-11/26)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 安藤忠雄による、オーストラリア・メルボルンの「MPavilion 10」。建築家が招聘されパヴィリオンを造る企画の10番目の作品。人々の記憶に永遠に残る存在を求め、古代からの秩序をもたらす手段“原初の幾何学形態”を用いた建築を考案。人間の想像の原点となる“余白”を生み出す
  2. 青木淳の東京藝術大学退任記念展「雲と息つぎ」。同大学敷地内の“陳列館”を舞台に開催。“建築とは何か?”という自問自答を促される展覧会。青木と助手の笹田侑志が学生達と議論した構想を様々な協力も得てDIYで完成させる
  3. 成田和弘+成田麻依 / kufuによる、広島市の、住宅兼ギャラリー「tobe」。祖母宅に隣にアートを集める施主家族の為に計画。祖母との繋がりとギャラリー運営を考慮し、住宅側の全面が開口部で多様な性質の部屋が並列する建築を考案。既存建物の景色の維持を意図して“視線の抜け”も作る
  4. 栗本祐輔 / クリテクツと佐藤秀デザインによる、東京の集合住宅「番町會所」。都心の賃貸と施主住戸等を内包する建築。密集地での“付加価値提供”を目指し、4つの専有部ユニットを中央の共用部で繋ぐ構成で全方位に開口を持つ住戸群を実現。余裕を持たせた共用廊下は交流空間としても機能
  5. 中田敦大による、大阪・豊中市の住戸改修「光縁の家」。躯体に特徴がある区画をリノベした設計者の自邸。天井形状等を活かす設計を意図し、上部を照射する“光縁”と名付けた間接照明を備えた空間を考案。私的領域はリビングと繋げつつ“緩やかに距離を取る”ように配置
  6. 倉俣史朗の、世田谷美術館での展覧会「倉俣史朗のデザイン―記憶のなかの小宇宙」。没後30年を超えた今も国内外で評価され続けるデザイナーの回顧展。作家自身を主軸として“初期から晩年までの作品”を紹介する構成。創作の源泉とも言える“イメージスケッチや夢日記”も公開
  7. 後藤周平建築設計事務所による、静岡・浜松市の「山手の家」。作品を集める施主家族の為に計画。生活と収集物が混ざり合う場を目指し、内外に8つのレベル差があり多方向に“視線が抜ける”構成を考案。展示する写真を窓に見立て実際の開口と並置して内部空間に奥行きも与える
  8. 岡山泰士+森田修平+仲本兼一郎 / STUDIO MONAKAによる、沖縄・国頭村の「謝敷集落の宿」。地域の再生を目的とした宿泊施設。“美しい集落の継承”も目指し、現地のリソースを活かした工法で造る建築を志向。職人が手慣れた2×4工法とブロック造を組合せて開放感と重厚感を両立する豊かな場を生み出す
  9. 永冶祐太 / 永冶建築研究所による、岐阜・多治見市の「間の家」。様々な用途の建物が並ぶ地域の扇形敷地に計画。街と程よく繋がる住宅を目指し、周辺環境との“間”を考慮する設計を志向。建物の量塊と木壁が作り出す“間”の空間から光や景色を室内に取り込む
  10. 伊原慶+三角俊喜 / TA+Aによる、東京の「セントラルクリニック世田谷」。崖線の丘上に建つ高性能機器を備える診療施設。精神と身体の負荷軽減を求め、周囲の緑を引き入れた検査後を安静状態で過ごせる空間を備えた建築を考案。外装に“テラコッタルーバー”を配して賑やかさと陰影も付与
  11. 小堀哲夫建築設計事務所が、吉祥寺の「武蔵野公会堂改修」設計プロポで最優秀提案者に選定。次点者は、青木淳と品川雅俊のAS
  12. 武田幸司 / Ginga architectsによる、山形市の住宅「空と軒下の間」。積雪と猛暑が特徴の地域での計画。除雪と日差しへの対応を意図し、諸室を持上げて地上階を駐車や遊びの為の“半外部空間”とする構成を考案。上階は中央に吹抜を設けて“空への意識を高める”一室空間として作る
  13. 藤本壮介+東畑建築事務所+梓設計による、2025年大阪・関西万博の「大屋根(リング)」。外側高さ約20mで内径約615mの世界最大級の木造建築。会場の主動線として交通空間であると共に、雨風等を遮る快適な滞留空間としても機能。屋上には緑の丘が広がり瀬戸内海の景観を眺望
  14. 橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案
  15. 遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る
  16. 花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の「広本町の家」。様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地。周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案。街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出す
  17. 内藤廣の講演会の動画。自身の建築展「建築家・内藤廣/BuiltとUnbuilt 赤鬼と青鬼の果てしなき戦い」の開催に合わせて2023年9月に行われたもの
  18. 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
  19. OMA / クリス・ヴァン・ドゥインによる、韓国の「弘益大学校ソウルキャンパス」。若者が集まるエリア“弘大”に隣接する敷地。地域の活気を取込む建築を目指し、周辺と繋がる小道を敷地全体に配置して諸機能を地下に収める構成を考案。光を取込む“滝の様な”中庭で内外のシークエンスも作り出す
  20. 塩塚隆生アトリエと下村正樹建築設計事務所による、大分・国東市の「鶴川商店街周辺拠点施設」。歴史遺産が残る街の地域振興の為の施設。エリアの歴史も横断できる建築として、現代的な木造の“新築棟”と築120年の民家を基にした“改修棟”を設計。新築棟は将来の可変性を考慮し“極めて簡素な”仕様で造る

妹島和世+西沢立衛 / SANAAによる講演「環境と建築」の記録。東西アスファルト事業協同組合の主催で2023年2月に行われたもの

妹島和世+西沢立衛 / SANAAによる講演「環境と建築」の記録が公開されています。東西アスファルト事業協同組合の主催で2023年2月に行われたものです。語られた作品の写真や図面なども掲載されています。

日建設計の大谷弘明による講演「組織で設計する」の記録。東西アスファルト事業協同組合の主催で2022年11月に行われたもの

日建設計の大谷弘明による講演「組織で設計する」の記録が公開されています。東西アスファルト事業協同組合の主催で2022年11月に行われたものです。

MVRDVのヴィニー・マースの講演の動画。RIBAとVitrAの主催で2023年6月に行われたもの

MVRDVのヴィニー・マースの講演の動画です。RIBAとVitrAの主催で2023年6月に行われたもの。

(翻訳)
今年の講演は、国際的に著名な建築家、都市計画家、ランドスケープアーキテクトであり、オランダのプラクティスMVRDVの共同設立者でもあるウィニー・マース氏によるもの。

これは、2023年6月22日にロンドンのポートランド・プレイス66で開催されたライブイベントの録画です。

講演の中でマースは、建築がいかに物理的な形を超え、人々の間に新たなつながりや相互作用を生み出すツールとなるかを探求し、デザインの選択がいかに私たちの空間体験を形成し、私たちの振る舞いに影響を与えるかを掘り下げ、思慮深い建築がいかにコミュニティ、コミュニケーション、創造性を育むことができるかを示した。

(原文)
This year’s talk was given by internationally renowned architect, urbanist, landscape architect, and co-founder of the Dutch practice MVRDV, Winy Maas.

This is a recording of a live event that took place at 66 Portland Place, London on 22 June 2023.

In his lecture, Maas explores how architecture transcends physical forms and becomes a tool for creating new connections and interactions between people, delving into the ways in which design choices can shape our experiences of space and influence our behaviours, showing how thoughtful architecture can foster community, communication, and creativity.

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