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葛島隆之建築設計事務所による、東京・千代田区の「Office Idein」。コロナ禍での事務所の稼働率減少に伴う移転計画。“新しい交流の場”への再編を目指し、人が集まる可能性とその空間の作り方を模索。床に設ける段差で平面計画を行い“居場所や家具的な機能”が生まれる空間を作る
葛島隆之建築設計事務所による、東京・千代田区の「Office Idein」。コロナ禍での事務所の稼働率減少に伴う移転計画。“新しい交流の場”への再編を目指し、人が集まる可能性とその空間の作り方を模索。床に設ける段差で平面計画を行い“居場所や家具的な機能”が生まれる空間を作る1階、ラボスペース photo©葛島隆之建築設計事務所
葛島隆之建築設計事務所による、東京・千代田区の「Office Idein」。コロナ禍での事務所の稼働率減少に伴う移転計画。“新しい交流の場”への再編を目指し、人が集まる可能性とその空間の作り方を模索。床に設ける段差で平面計画を行い“居場所や家具的な機能”が生まれる空間を作る2階、執務スペースの詳細 photo©金川晋吾
葛島隆之建築設計事務所による、東京・千代田区の「Office Idein」。コロナ禍での事務所の稼働率減少に伴う移転計画。“新しい交流の場”への再編を目指し、人が集まる可能性とその空間の作り方を模索。床に設ける段差で平面計画を行い“居場所や家具的な機能”が生まれる空間を作る2階、執務スペースの詳細 photo©金川晋吾

葛島隆之建築設計事務所が設計した、東京・千代田区の「Office Idein」です。
コロナ禍での事務所の稼働率減少に伴う移転計画です。建築家は、“新しい交流の場”への再編を目指し、人が集まる可能性とその空間の作り方を模索しました。そして、床に設ける段差で平面計画を行い“居場所や家具的な機能”が生まれる空間を作りました。施主企業の公式サイトはこちら

IT系ベンチャー企業Ideinのオフィス移転に伴う内装計画。

もともとリモートワークを導入していた企業であったが、コロナ禍によりそれが加速し、オフィスの稼働率が1~2割程度まで減ったことから移転する事を決めた。移転により、約500㎡あった大きな一室空間から約60㎡×3= 約180㎡(3階建ての1棟借り)となる。移転前のオフィスのようにワンフロアでみんなが集まって同じスタイルで仕事をするのではなく、オフィスという場所を何か新しいコミュニケーションの場に変えたいとの事であった。

建築家によるテキストより

求められた機能は、フリーアドレスの執務空間や個別ブース、商品をテストする為のラボスペース、ディスカッションの場、会議スペースなどである。従来の汎用的な合理性をもったオフィス、あるいはカフェやレンタルオフィスの空間では代替できない、自社にリアルで人が集まる可能性とその空間のつくり方を模索し、身体スケールによって作られるオフィスを考えた。

建築家によるテキストより

具体的には床に40cmの段差を設け、その段差によって平面計画を行う事とした。
底面は既存のデッキコンクリート現し(2階はコンクリートの上にカーペット貼り)、造作面はモルタルで仕上げ、その取り合いや縁にアールをつける事で一体化し、大地や水が作り出す地形のような雰囲気とした。
段差によって人が腰を掛けたり、ゆるやかに領域を分けたり、床が展示ブースになったりと細かな居場所や家具的な機能が生まれる。ランドスケープのような一体的な風景の中に具体的な空間をちりばめた。

建築家によるテキストより
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、長野・大町市の住宅「TRIANGLE」。施主の実家の隣で幹線道路にも面する場所。環境との“程よい距離感”を求め、内外で繋がり“遊歩道”の様な動線となる“緩衝帯”としての“道”を敷地内に設ける構成を考案。窓の配置は周辺との適切な接続を意図
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、長野・大町市の住宅「TRIANGLE」。施主の実家の隣で幹線道路にも面する場所。環境との“程よい距離感”を求め、内外で繋がり“遊歩道”の様な動線となる“緩衝帯”としての“道”を敷地内に設ける構成を考案。窓の配置は周辺との適切な接続を意図外観 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、長野・大町市の住宅「TRIANGLE」。施主の実家の隣で幹線道路にも面する場所。環境との“程よい距離感”を求め、内外で繋がり“遊歩道”の様な動線となる“緩衝帯”としての“道”を敷地内に設ける構成を考案。窓の配置は周辺との適切な接続を意図1階、左:ダイニングキッチン、右:リビングA photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、長野・大町市の住宅「TRIANGLE」。施主の実家の隣で幹線道路にも面する場所。環境との“程よい距離感”を求め、内外で繋がり“遊歩道”の様な動線となる“緩衝帯”としての“道”を敷地内に設ける構成を考案。窓の配置は周辺との適切な接続を意図2階、リビングB、廊下、子供室A photo©田中克昌

塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONが設計した、長野・大町市の住宅「TRIANGLE」です。
施主の実家の隣で幹線道路にも面する場所での計画です。建築家は、環境との“程よい距離感”を求め、内外で繋がり“遊歩道”の様な動線となる“緩衝帯”としての“道”を敷地内に設ける構成を考案しました。そして、窓の配置も周辺との適切な接続が意図されています。

長野県大町市にある敷地は北アルプスの麓。山に囲まれた気持ちの良い風景が広がるが、幅員の広い幹線道路に面しており交通量が多い。加えて隣地にはこれまで施主が住んでいた実家があり、施主が離れることを機会に親世帯との程よい距離を求めていた。

建築家によるテキストより

まずは隣接する道路や実家との関係を緩衝するための道を敷地内に作り、玄関は道路と反対に設けることにする。すると敷地内を旋回する動線が生まれる。室内に入ると1階は多方向に視線が抜け、2階は奥に行くにつれて私的で閉じた空間へと切り変わる。大きな窓は光の変化と共に敷地との繋がりを生み、小さな窓は山や空を切り取って敷地の先の風景を見せてくれる。

建築家によるテキストより

住宅内部には4つの床レベルがあり、半地下と1階、中2階と2階には、700mmの段差がある。段差は道の傍らに居場所を作り、床同士のスリットが上下の空間に繋がりを与える。道は室内外を越えて渦を巻くように立体的に続き、遊歩道へとなり変わる。

建築家によるテキストより
青木淳と西澤徹夫による「京都市京セラ美術館」に宿泊できるイベントが開催。中央ホールにキャンプ形式で泊まり、夜の美術館ツアーも付属
青木淳と西澤徹夫による「京都市京セラ美術館」に宿泊できるイベントが開催。中央ホールにキャンプ形式で泊まり、夜の美術館ツアーも付属外観 photo©architecturephoto

青木淳西澤徹夫による「京都市京セラ美術館」に宿泊できるイベントが開催されます。中央ホールにキャンプ形式で泊まり、夜の美術館ツアーも付属してるようです。2023年10月9日まで抽選申込を受付中。本建築は、青木淳・西澤徹夫設計共同体が基本設計と監修を手掛け、松村組・昭和設計が実施設計を手掛けました。

秋の夜長に、一夜限りの美術館を楽しむプレミアムなお泊まり体験です。

以下に、会場となる中央ホールの写真も掲載します。

徳山史典+弓削純平 / UNQUOTEによる、東京・世田谷区の「経堂のクリニック」。駅近の医療ビル内での計画。“多くの診療が可能”な施設を目指し、順路を明確化して移動時間を短縮する“リニアなL字型”の待合空間を備えた建築を考案。木質素材の仕上げで場に“親しみ易さ”も与える
徳山史典+弓削純平 / UNQUOTEによる、東京・世田谷区の「経堂のクリニック」。駅近の医療ビル内での計画。“多くの診療が可能”な施設を目指し、順路を明確化して移動時間を短縮する“リニアなL字型”の待合空間を備えた建築を考案。木質素材の仕上げで場に“親しみ易さ”も与える左:受付・事務、右:キッズスペース、待合(会計) photo©鈴木淳平
徳山史典+弓削純平 / UNQUOTEによる、東京・世田谷区の「経堂のクリニック」。駅近の医療ビル内での計画。“多くの診療が可能”な施設を目指し、順路を明確化して移動時間を短縮する“リニアなL字型”の待合空間を備えた建築を考案。木質素材の仕上げで場に“親しみ易さ”も与える左:エントランス、正面:受付・事務、右:待合(診療) photo©鈴木淳平
徳山史典+弓削純平 / UNQUOTEによる、東京・世田谷区の「経堂のクリニック」。駅近の医療ビル内での計画。“多くの診療が可能”な施設を目指し、順路を明確化して移動時間を短縮する“リニアなL字型”の待合空間を備えた建築を考案。木質素材の仕上げで場に“親しみ易さ”も与えるサイン photo©鈴木淳平

徳山史典+弓削純平 / UNQUOTEが設計した、東京・世田谷区の「経堂のクリニック」です。
駅近の医療ビル内での計画です。建築家は、“多くの診療が可能”な施設を目指し、順路を明確化して移動時間を短縮する“リニアなL字型”の待合空間を備えた建築を考案しました。また、木質素材の仕上げで場に“親しみ易さ”も与える事も意図されました。

新築医療ビルに入居する耳鼻咽喉科クリニックの内装計画。

施主は集客力の高い駅前通り沿いの立地を選択し、この地で老若男女に親しまれる空間を要望した。限られた診療時間内に多くの患者を診るために、無駄のない動線で診療以外にかかる時間を短くする計画とした。

建築家によるテキストより

耳鼻咽喉科の診療は別室に移動して行う処置行為も多く、患者は受付→診察→処置→受付の順に院内を移動する必要があり、順路の明確化と移動時間の短縮が求められた。子供からお年寄りまでが立って、歩いて、座ってを繰り返す中に快適性と安心感を提供できる空間作りが本計画のテーマとなった。

建築家によるテキストより

待合は受付・診察室・処置室へ直接アクセスできる配置とし、順路に沿って患者自身が場所を変えながら移動する待合空間を考えた。立面として視界に入る、床から天井に達する木質の間仕切り壁は、独特の緊張感がある医療施設に温かみを与えつつ、待合空間にリズムと場所性をもたらした。間仕切り壁と丸みを持った垂れ壁によって、L型平面をもつ待合空間の奥行きを可視化し、順路を促す効果を持たせた。

建築家によるテキストより
森下陽 AMP/アンプ建築設計事務所による、静岡・周智郡の「タープハウス」。往来のある地域の左官職人の為の住宅兼倉庫。外の視線からの保護と“開放性”の両立を求め、地表近くまでを覆う“大屋根”の下に内外の空間が広がる構成を考案。仕上げの“ショールーム”も意図して壁面を多く確保
森下陽 AMP/アンプ建築設計事務所による、静岡・周智郡の「タープハウス」。往来のある地域の左官職人の為の住宅兼倉庫。外の視線からの保護と“開放性”の両立を求め、地表近くまでを覆う“大屋根”の下に内外の空間が広がる構成を考案。仕上げの“ショールーム”も意図して壁面を多く確保外観 photo©kenta hasegawa
森下陽 AMP/アンプ建築設計事務所による、静岡・周智郡の「タープハウス」。往来のある地域の左官職人の為の住宅兼倉庫。外の視線からの保護と“開放性”の両立を求め、地表近くまでを覆う“大屋根”の下に内外の空間が広がる構成を考案。仕上げの“ショールーム”も意図して壁面を多く確保外観、ポーチ photo©kenta hasegawa
森下陽 AMP/アンプ建築設計事務所による、静岡・周智郡の「タープハウス」。往来のある地域の左官職人の為の住宅兼倉庫。外の視線からの保護と“開放性”の両立を求め、地表近くまでを覆う“大屋根”の下に内外の空間が広がる構成を考案。仕上げの“ショールーム”も意図して壁面を多く確保LDK photo©kenta hasegawa

森下陽 AMP/アンプ建築設計事務所が設計した、静岡・周智郡の「タープハウス」です。
往来のある地域の左官職人の為の住宅兼倉庫です。建築家は、外の視線からの保護と“開放性”の両立を求め、地表近くまでを覆う“大屋根”の下に内外の空間が広がる構成を考案しました。また、仕上げの“ショールーム”も意図して壁面が多く確保されました。

敷地は遠州飯田城あとの麓にあり、当時は近隣に流れる太田川を引き込み水堀であった場所の一角である。

水堀の周りには家臣団の屋敷が建ち並び、現在もいくつかは当時の名残を残している。その様な状況であるため、旧水堀である土地は一段低く周囲を細い道路で囲まれ多くは畑として利用されてきた。そこに左官業を営む施主の住宅兼倉庫を建てる計画である。

建築家によるテキストより

旧水堀周辺の道路は近隣住民の散歩コースでもある。敷地の周辺環境が良好にも関わらず、一般的な開口の設定では周りの目を気にして内に閉じこもるような生活となりかねない。また左官のショールームとしての機能により、多種多様な仕上げ、更新性が求められた。

建築家によるテキストより

そこでまず、変形した敷地形状をプロットした大きな屋根を、地表近くから掛かるように計画した。大きな屋根の下は出来るだけ凹凸のある平面計画とし、内部も壁面を多くとるため路地のような動線を計画した。

大きく広がる屋根は、外部や開口部に見えがかりを作り開放的かつ包まれた場を確保する。また頻繁に更新されるであろう左官仕上げが現状と全く違うものとなったとしても、この屋根により統合されることを期待している。

建築家によるテキストより
MADによる、中国の「安吉文化芸術センター」。“竹”と“茶”で知られる地域での計画。“竹の葉”を散らした様な屋根の重なりを特徴とし、自然と建築をつなぐ“過渡的な空間”の設計を志向。建築とランドスケープが一体となるように作る
MADによる、中国の「安吉文化芸術センター」。“竹”と“茶”で知られる地域での計画。“竹の葉”を散らした様な屋根の重なりを特徴とし、自然と建築をつなぐ“過渡的な空間”の設計を志向。建築とランドスケープが一体となるように作る image courtesy of MAD
MADによる、中国の「安吉文化芸術センター」。“竹”と“茶”で知られる地域での計画。“竹の葉”を散らした様な屋根の重なりを特徴とし、自然と建築をつなぐ“過渡的な空間”の設計を志向。建築とランドスケープが一体となるように作る image courtesy of MAD
MADによる、中国の「安吉文化芸術センター」。“竹”と“茶”で知られる地域での計画。“竹の葉”を散らした様な屋根の重なりを特徴とし、自然と建築をつなぐ“過渡的な空間”の設計を志向。建築とランドスケープが一体となるように作る image courtesy of MAD

MADによる、中国の「安吉文化芸術センター」です。
“竹”と“茶”で知られる地域での計画です。建築家は、“竹の葉”を散らした様な屋根の重なりを特徴とし、自然と建築をつなぐ“過渡的な空間”の設計を志向しました。また、建築とランドスケープが一体となるように作る事も意図されました。現在、建設が進められており2025年の竣工を予定。


こちらはリリーステキストの翻訳です

マー・ヤンソン率いるMADアーキテクツは、安吉文化芸術センターのデザインを発表しました。中国の南東部、上海に近い浙江省に位置する安吉県は、「国連ハビタット賞」を受賞した唯一の県であり、中国の「竹」と「白茶」の町として賞賛されています。このプロジェクトは、この地域の自然環境と建築環境をつなぐ過渡的な空間として設計されています。東側には街があり、西側には川と遠くの山々が見えます。

安吉文化芸術センターの敷地面積は約14万9000㎡で、総工事面積は約12万㎡です。グランド・シアター、カンファレンス・センター、レジャー・センター、スポーツ・センター、青少年活動センター、芸術教育センターなど6つの会場が、安吉特有の緑茶畑を囲む「竹の葉」の屋根の下に広がっています。

マー・ヤンソンは言います。
「私たちはこの地域が持つ独特のオーラを追求し、日常生活に統合していきます」

このプロジェクトは、あらゆる方向、あらゆる時間帯から一般市民がアクセスできる多孔性のミーティング・スペースなのです。中央のコリドーが開放的な屋外プラットフォームとなるように、両側のヴィジュアルコリドーの軸線に沿って配置され、来訪者はフレームに収められた山々や上空の景色を眺めることができます。

建物のヴォリュームは白いタイル張りの屋根の下に均等に配分され、その起伏のあるシルエットは、安吉白茶が植えられた周囲の丘の形と呼応します。敷地全体にわたって設けられた複数の中庭は、屋内と屋外の境界をなくすプログラム的ギャップとして機能します。プロジェクトの西側にある大きなステージは、パフォーマンスやコンサート、展示会などの屋外会場として利用できます。

安吉文化芸術センターの見どころは、竹の葉を散らしたような金属製の屋根が幾重にも重なり、その尾根が息を呑むような景観に複雑な視覚効果を加えていることです。その間の隙間から自然光を室内に取り込み、メインのファサードは透明度が高く、側面からも自然光を招き入れます。メインファサードは最大17メートルで、完成すれば中国で最も高い自立式ガラス壁となります。

ツバメアーキテクツによる、さいたま市の「旗竿地に立つ保育園」。様々な規模の建物に囲まれた敷地。“環境の質”の向上を目指し、周辺のヴォリューム感の差に注目して中庭や各室等の配置を計画。各箇所の窓は“風と光の抜け”に加えて隣接する住宅等のプライバシーにも配慮
ツバメアーキテクツによる、さいたま市の「旗竿地に立つ保育園」。様々な規模の建物に囲まれた敷地。“環境の質”の向上を目指し、周辺のヴォリューム感の差に注目して中庭や各室等の配置を計画。各箇所の窓は“風と光の抜け”に加えて隣接する住宅等のプライバシーにも配慮鳥瞰 photo©楠瀬友将
ツバメアーキテクツによる、さいたま市の「旗竿地に立つ保育園」。様々な規模の建物に囲まれた敷地。“環境の質”の向上を目指し、周辺のヴォリューム感の差に注目して中庭や各室等の配置を計画。各箇所の窓は“風と光の抜け”に加えて隣接する住宅等のプライバシーにも配慮アプローチ。縁取り窓とベロのような大庇が出迎えるエントランス。 photo©楠瀬友将
ツバメアーキテクツによる、さいたま市の「旗竿地に立つ保育園」。様々な規模の建物に囲まれた敷地。“環境の質”の向上を目指し、周辺のヴォリューム感の差に注目して中庭や各室等の配置を計画。各箇所の窓は“風と光の抜け”に加えて隣接する住宅等のプライバシーにも配慮2階、廊下から0・1歳児室を見る。 photo©楠瀬友将
ツバメアーキテクツによる、さいたま市の「旗竿地に立つ保育園」。様々な規模の建物に囲まれた敷地。“環境の質”の向上を目指し、周辺のヴォリューム感の差に注目して中庭や各室等の配置を計画。各箇所の窓は“風と光の抜け”に加えて隣接する住宅等のプライバシーにも配慮2階、0・1歳児室。架構のぬいぐるみとスカートを履いたような腰壁。 photo©楠瀬友将

ツバメアーキテクツが設計した、さいたま市の「旗竿地に立つ保育園 彩の調保育園南浦和宙」です。
様々な規模の建物に囲まれた敷地に計画されました。建築家は、“環境の質”の向上を目指し、周辺のヴォリューム感の差に注目して中庭や各室等の配置を計画しました。また、各箇所の窓は“風と光の抜け”に加えて隣接する住宅等のプライバシーにも配慮されています。

住宅地の保育園は、床面積の確保と、近隣への配慮を両立させようとすると、園庭はなくなり、窓は小さくなり、建築は閉じていく。
今回の敷地は旗竿。マンション、アパート、個人住宅、駐車場に囲まれている。このボリューム感の差に注目することで、アプローチや庭の環境の質を高めようとした。

建築家によるテキストより

具体的には、周辺に対する余白の取り方や、窓の在り方、さらに風や光の抜ける架構がテーマとなった。
まず、旗竿特有のアプローチは、緩やかにカーブする道路を模したデザインとし、大庇のベロが伸びてくる。白いドット模様にはベビーカーや自転車が可愛く駐車する。個人住宅やバルコニーに配慮し、エントランス側の窓は絞りつつも、パンダの目のように縁取ることでリズムを作り出す。

建築家によるテキストより

保育室は、南北に大きな開口を設け、それに合わせ架構を連続させた。耐火被覆は現しとすることで架構のぬいぐるみとしている。南側には、駐車場と連続するように中庭を作った。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2023/9/25-10/1]
最も注目を集めたトピックス[期間:2023/9/25-10/1]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2023/9/25-10/1)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 伊東豊雄建築設計事務所が計画している、東京・渋谷区の分譲集合住宅の画像
  2. 工藤浩平建築設計事務所による、秋田市の「鳥海邸」。未接道の土地や空き家が目立つ地域での計画。街の特徴を“余白”として捉えて継承も意図し、様々な使い方を促す“半屋外空間”で囲われた中庭を中心とした建築を考案。寒冷地での“暮らしの範囲”の拡張も試みる
  3. 針谷將史建築設計事務所による、埼玉の「安部邸」。一家6人の為の住まい。家族の為の“公共空間”としての“家”を求め、“親密な距離”と“個人の距離”が同時に存在する建築を志向。他者としての“自律する構造体”で複数の小さな中心と周縁をひとつに繋ぐ
  4. 五十嵐敏恭と佐藤研吾による建築展「グルグル広がって上がっていく」の会場写真。建築と生き方の“表裏一体”を体現する二人の建築家の展覧会。対話の中で見い出された“言葉”をキーに“思考モデル”とも言える作品を制作して展示。畝森泰行と金野千恵の事務所“BASE”を会場に開催
  5. 伊東豊雄の、芝浦工業大学での展覧会「伊東豊雄の挑戦1971-1986」。世界的に評価される建築家の活動初期の作品に注目した展示。“全エネルギーを注いだ”と言う図面やスケッチを中心に紹介。当時の製本青焼図面を閲覧できるスペースも用意
  6. 粟屋大紀による、神奈川・横浜市の住戸改修「room206」。二人家族の為に計画された住まい。必要な個室数の少なさを活かし、“明るく風の抜ける室内環境”を整える設計を志向。住戸の中央に“島状”の寝室を配置して玄関からリビングまでの抜けを作る
  7. 長坂大 / Megaの設計による、京都市左京区岩倉の分譲住宅「composition colors iwakura」の特設サイトが公開。個々の住宅の豊かな居住環境の構築に加えて、街区全体の美観等も考慮したプロジェクト。サイトでは計画の詳細や設計者のインタビュー等を掲載。資料請求・来場予約・オンライン相談も可能
  8. studioSHUWARIによる、富山市の「2枚屋根の家」。丘陵地にある住宅街の中の敷地。街との“緩やかな繋がり”を求め、敷地の高低差を斜面で処理して勾配に沿う“2枚の屋根”を持つ建築を考案。窓の位置等の工夫で景観を取り込み日常の中に“季節感”を持ち込む
  9. GENETOによる、長野・白馬村の「KANOLLY Resorts」。リゾート開発が進む豪雪地の宿泊施設。地域の山々や風土への敬意と積雪対策を意図し、“合掌造り”を参照した建物を3つ雁行配置して繋げる構成を考案。環境を堪能できるように部屋毎に内外の関係性を調整
  10. 小島弘旭 / hiroaki kojimaによる、西日本の住宅「湖畔の整理」。古い住宅と新建材の建売が混在する地域に計画。施主の描く間取りや既製品の使用を肯定した上で、其々を“レイアウト”して在るべき建築の実現を追求。生活と風景の“整理”は将来的な変化の許容も意図
  11. 上林剛典 / platによる、東京の「渋谷のオフィス」。数年後に解体されるビル内の事務所の改修。解体過程で現れた痕跡に“味わい”を見出し、“時間の蓄積”と要求機能を“擦り合わせる”設計を志向。既存の無機質で閉塞感のある空間を“生き生きとした”場所に変える
  12. 小野龍人+三浦朋訓+ヤン・シカン / T2Pアーキテクツによる、大阪市の宿泊施設「シェア型レジデンス花園」。更新が進み古い長屋が減りつつある地域に計画。街との繋がり方を主題とし、地域にも開かれた中庭等の“対話を誘発する共用空間”を備えた建築を考案。“小屋根”が連続する外観は風景との“調和”と“継承”も意図
  13. 吉岡徳仁による「ガラスの炬火台」と「ガラスのトーチ」。2024年の国民スポーツ大会のセレモニーの為に制作。炎から放たれる“光”に着目し、透明なガラスの造形から生み出されたプロダクト
  14. 川合健二による、愛知・豊橋市のコルゲートハウス(1965年竣工)が宿泊施設に転用。1棟貸のホテルとして2023年9月から運営開始
  15. SDレビュー2023の入選作品の展覧会レポート(前編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
  16. 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
  17. ザハ・ハディド事務所による、モザイク装飾「ダイヤモンド」。イタリアのアトラス・コンコルド社の為に開発。12世紀のモザイク模様を参照しつつ、独自のアルゴリズムを開発して古典的な模様に“破壊的な要素”を取入れる意匠を考案。表面で空間の性質を定義する可能性も追求
  18. ODS / 鬼木孝一郎による、北海道の店舗「SHIRO 砂川本店」。化粧品の製造工場内に計画。自分で香りを調合できる“ブレンダーラボ”を中心に、同心円状に平台什器を配置して様々な方向から出入りできる空間を構築。地域材の使用を思案して近隣で採れた木材を什器の土台に採用
  19. 山口誠デザインによる、東京・台東区の、オフィスビル「MONOSPINAL」。ゲーム制作会社の本社。従業員の“集中力”と“リラックス”のバランス確保を目指し、環境要素も向上をさせる“斜壁”を持つ建築を考案。小スケールの素材を集積をさせる仕上げで“あらたな風景”を作る
  20. 中村竜治建築設計事務所の会場構成よる、21_21 DESIGN SIGHTでの展覧会「Material, or 」。マテリアルについての再考を促す展示。“素の状態”で物や作品に向合う状況を目指し、出来る限り“展示っぽさ”を排除する設計を志向。既存平面を“半ば無視した”壁を配して施設を廃墟の様な無意味な場所に戻す

OMA / イヤド・アルサカによる、バングラデシュの高層ビル「ダッカ・タワー」。急速に経済発展してきた国での計画。“ピラミッド型”の基壇の上にタワー部分が建つ構成とし、景観の良い外部空間と接するアトリウム空間を提供。都市のスカイラインに大胆なステートメントを打ち出す
OMA / イヤド・アルサカによる、バングラデシュの高層ビル「ダッカ・タワー」。急速に経済発展してきた国での計画。“ピラミッド型”の基壇の上にタワー部分が建つ構成とし、景観の良い外部空間と接するアトリウム空間を提供。都市のスカイラインに大胆なステートメントを打ち出す image Filippo Bolognese and OMA ©OMA
OMA / イヤド・アルサカによる、バングラデシュの高層ビル「ダッカ・タワー」。急速に経済発展してきた国での計画。“ピラミッド型”の基壇の上にタワー部分が建つ構成とし、景観の良い外部空間と接するアトリウム空間を提供。都市のスカイラインに大胆なステートメントを打ち出す image Filippo Bolognese and OMA ©OMA

OMA / イヤド・アルサカによる、バングラデシュの高層ビル「ダッカ・タワー」です。
急速に経済発展してきた国での計画です。建築家は、“ピラミッド型”の基壇の上にタワー部分が建つ構成とし、景観の良い外部空間と接するアトリウム空間を提供します。また、都市のスカイラインに大胆なステートメントを打ち出す事も意図されました。


こちらはリリーステキストの翻訳です

高さ150メートル、広さ18万㎡のダッカ・タワーは、この国で最も高いビルのひとつとなる予定であり、着工しました。設計はOMAのパートナーであるイヤド・アルサカが主導し、ダッカを拠点とする不動産デベロッパー、シャンタ・ホールディングスが開発を手掛けます。

バングラデシュの経済は、世界で最も急速に成長しているうちのひとつです。独立から50年、バングラデシュは南アジアにおける第二の経済大国となりました。この急速な経済成長を受け、バングラデシュの首都も同様に急速に変化しています。ダッカ・タワーは、テズガオンの端に位置する新しい商業地区で、この規模のランドマークとなる最初の建物であす。かつては市の工業活動の中心地であったテズガオンは、現在では地元企業や多国籍企業の本拠地となっています。

ハティルヒール湖畔に立つダッカ・タワーは、シンプルな押し出し形状で抽象的な形をしています。2つの三角形のフロアプレートは、湖を見下ろすパノラマリフトのある長方形のコアでつながっています。構成は、建物の方位とフリットガラスによってコントロールされ、広々とした眺望と自然な日照が可能とします。基壇部の上にタワーが建つという標準的なゾーニングに合わせるのではなく、基壇部をピラミッド型にすることで、景観の良い外部空間と直結した、高くそびえるアトリウムを提供しています。商業施設とダイニング・スペースは、3層吹き抜けのロビーの両側にあり、バンケット・ディナーやプレゼンテーションの会場にもなります。ダッカの水景からインスピレーションを得た特注のパターンが、両方のアトリウムの背景を形成しています。基部には最大高さ40メートルに及ぶ展示スペースが含まれています。ビルの最上階にはレストランがあり、屋内と屋外の席が用意されています。それに隣接して、一般利用可能な2層の展望デッキがあり、大都市を一望できます。

2023年9月にアーキテクチャーフォトで注目を集めたトピックス
2023年9月にアーキテクチャーフォトで注目を集めたトピックス

アーキテクチャーフォトで、2023年9月に注目を集めたトピックスをランキング形式でご紹介します。

※本記事は2023年10月11日に追加されました。掲載作業を失念しており申し訳ございませんでした。


  1. ピーター・ズントーの建築展「Architectural Models from the Atelier Peter Zumthor」。自身が設計した建築を会場に開催。40個の模型を建物の内外に展示。建築に“アトモスフィア”を与える為の接合と組み合わせの論理を示す
  2. 藤本壮介事務所のデザイン監修、梓設計の基本計画による、新潟市の再開発プロジェクトの画像が公開。約150mの高層建築で商業・オフィス・住宅を内包。2025年に着工して2029年の竣工を予定
  3. 伊東豊雄建築設計事務所が計画している、東京・渋谷区の分譲集合住宅の画像
  4. 妹島和世による、岡山・玉野市の「Power Base モジュール工場」。自然エネルギーに関わる企業“Power X”の為に計画。約6300㎡の蓄電池モジュールの生産拠点施設。快適な労働環境の構築も意図
  5. 針谷將史建築設計事務所による、埼玉の「安部邸」。一家6人の為の住まい。家族の為の“公共空間”としての“家”を求め、“親密な距離”と“個人の距離”が同時に存在する建築を志向。他者としての“自律する構造体”で複数の小さな中心と周縁をひとつに繋ぐ
  6. 遠藤隆洋建築設計事務所による、長野の別荘「軽井沢の居場所」。4家族14人が集まる別荘の建替。今までの“林での活動”と“合宿の様な過ごし方”に着目して、林との接点を最大化する“約30mの細長い”建築を考案。広縁と濡れ縁を設けて滞在中の“溢れる活動”も受け止める
  7. 安藤忠雄の設計で、香川・直島に「直島新美術館(仮称)」が建設。島で10番目となる安藤による建築。アジア地域の作家の作品を収集し展示する施設。2025年春の開館を予定
  8. SDレビュー2023の入選作品の展覧会レポート(前編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
  9. 妹島和世による、2021年の東京大学入学式での祝辞の全文
  10. 妹島和世+西沢立衛 / SANAAによる、ハンガリー・ブダペストの「新国立ギャラリー」のCG動画。国内最大規模の市民公園の中に建設
  11. 原広司による、神奈川・多摩区の“粟津潔邸”(1972年竣工)を会場にした展覧会「吉國元展」が開催
  12. 清家清による、東京・大田区の住宅「私の家」(1954 年竣工) の見学ツアーが2023年9月より開始
  13. 川合健二による、愛知・豊橋市のコルゲートハウス(1965年竣工)が宿泊施設に転用。1棟貸のホテルとして2023年9月から運営開始
  14. 橋本尚樹+増崎陽介 / NHAによる、山梨・北都留郡の「丹波山村新庁舎」。東京と繋がる街道があり山村留学も行う地域。交通と移住という“人の流れ”を育む場を目指し、街道に“正対した構え”で全体が“一室空間”となる建築を考案。土砂崩れも想定して主機能はRCの基壇部に収める
  15. SDレビュー2023の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
  16. 菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る
  17. プリツカー賞受賞建築家のシェリー・マクナマラへのインタビュー動画「楽観的でなければ建築家にはなれない」。ルイジアナ美術館が制作して2023年9月に公開されたもの
  18. 山口誠デザインによる、東京・台東区の、オフィスビル「MONOSPINAL」。ゲーム制作会社の本社。従業員の“集中力”と“リラックス”のバランス確保を目指し、環境要素も向上をさせる“斜壁”を持つ建築を考案。小スケールの素材を集積をさせる仕上げで“あらたな風景”を作る
  19. 伯耆原洋太 / HAMS and, Studioによる、東京の住戸改修「切断の諸相04『One Nuance』」。共働きの夫婦の為の住居。多様な活動の受容と将来の変化への追従を求め、構成・色・素材の操作で空間全体に“微妙な差異”をつくる設計を志向。各部屋毎に異なる建具を用いて主空間のリビングの多様な表情も作る
  20. 成瀬・猪熊建築設計事務所による、長野の「旧軽井沢倶楽部の別荘」。様々な表情を見せる自然林の中の敷地。恵まれた環境を“感じる”建築を目指し、開口部等の操作で“過ごし方”と“外の環境”が結びついた空間を多数構築。暮らしの存在が自然を“より豊かに”感じさせる場を作る
  21. 荒尾英生建築設計事務所とtamari architectsによる、京都の「京丹後の週末住宅」。サーフィンが趣味の夫婦の為に計画。大自然を楽しむ“ベースキャンプ”の様な場を求め、“汎用性”と“経済性”も考慮して木架構の周りをCBの非構造壁で囲む構成を考案。内部空間はレベル差があり連続的に繋がる
  22. 工藤浩平建築設計事務所による、秋田市の「鳥海邸」。未接道の土地や空き家が目立つ地域での計画。街の特徴を“余白”として捉えて継承も意図し、様々な使い方を促す“半屋外空間”で囲われた中庭を中心とした建築を考案。寒冷地での“暮らしの範囲”の拡張も試みる
  23. 光浦高史 / DABURA.mによる、大分・佐伯市の工場「U meme Lab.」。美容液の開発製造を行う建築。地域に開かれた親しみのある存在を目指し、内部の可視化と共に“門型フレーム”の段階的な変化で“柔らかな”外部形状を構築。自然光が入り風景を望む諸室は労働環境の向上も叶える
  24. 木元洋佑建築設計室による、東京・江東区の飲食店「みらいのテーブル 門前仲町」。寺院の参道と公園に挟まれた敷地のパン店。両者を繋ぐ“裏道”の様な場を目指し、路地の様なスケール感の“トンネル”を備えた空間を考案。作業場を覗ける等の様々な仕掛けで大人に子供にも“ワクワク”を与える
  25. 内藤廣の大規模展の公式図録『建築家・内藤廣 BuiltとUnbuilt 赤鬼と青鬼の果てしなき戦い』を先行プレビュー。島根で開催される過去最大規模の内藤廣の展覧会に合わせて制作。全80プロジェクトの“初公開資料”を含むドローイング・写真・図面などを収録
  26. 畝森泰行による、愛知淑徳大学での建築展「ゆっくり庭をつくるように」の会場写真。建築家と学生が協働して作る展覧会。“総体的な建築体験”を与える会場を目指し、8つの木造フレームを用いて空間と展示物が緩やかに一体化する構成を考案。代表作の一部を再現した“原寸”モックアップ等も展示
  27. 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
  28. 五十嵐敏恭と佐藤研吾による建築展「グルグル広がって上がっていく」の会場写真。建築と生き方の“表裏一体”を体現する二人の建築家の展覧会。対話の中で見い出された“言葉”をキーに“思考モデル”とも言える作品を制作して展示。畝森泰行と金野千恵の事務所“BASE”を会場に開催
  29. 多田正治アトリエ+ENDO SHOJIRO DESIGNによる、京都市の飲食店「河道屋 倖松庵」。京町家の改修した蕎麦店。原型への敬意と新しさを両立する建築を目指し、復元した既存要素と新設要素の“混ざり方”や“距離感”に意識的な設計を志向。壁と床の操作で玄関から客席までの“シークエンス”も演出
  30. 徳本賢洛 / TOK205による、福島・耶麻郡の別荘「O/4」。高原の多数の樹木が存在する敷地。木々との距離を設計する建築を求め、幹や枝の実測を行い既存樹木を避けた配置計画を考案。自然との関係も考慮しファサードの曲面部分にガラスを用いて“万華鏡の様に”取り込む
  31. 【シリーズ・部分から広がる建築思考】藤田雄介インタビュー・前編「試行錯誤の中で発見した自身のテーマ“建具”を展開して建築の新たな可能性を追求する」
  32. studioSHUWARIによる、富山市の「2枚屋根の家」。丘陵地にある住宅街の中の敷地。街との“緩やかな繋がり”を求め、敷地の高低差を斜面で処理して勾配に沿う“2枚の屋根”を持つ建築を考案。窓の位置等の工夫で景観を取り込み日常の中に“季節感”を持ち込む
  33. 阿曽芙実建築設計事務所による、兵庫・神戸市の住戸改修「house N apartment renovation」。街中の集合住宅の55㎡の区画での計画。面積以上の可能性や柔軟性を求め、玄関からテラスまで繋がる“通り土間”を備えた空間を考案。其々の機能空間と土間空間が連携して多様な使い方にも応える
  34. TAB / 河合啓吾による、岐阜・郡上市の住宅「SLBH4」
  35. 中村竜治建築設計事務所の会場構成よる、21_21 DESIGN SIGHTでの展覧会「Material, or 」。マテリアルについての再考を促す展示。“素の状態”で物や作品に向合う状況を目指し、出来る限り“展示っぽさ”を排除する設計を志向。既存平面を“半ば無視した”壁を配して施設を廃墟の様な無意味な場所に戻す
  36. GENETOによる、長野・白馬村の「KANOLLY Resorts」。リゾート開発が進む豪雪地の宿泊施設。地域の山々や風土への敬意と積雪対策を意図し、“合掌造り”を参照した建物を3つ雁行配置して繋げる構成を考案。環境を堪能できるように部屋毎に内外の関係性を調整
  37. 三野貞佳 / アリアナ建築設計事務所による、京都・向日市の「つづき屋根の集合住宅」。住宅街の裏表がない敷地に計画。周辺の低層建物との調和を求め、要素が連続する外観ではない“個性の集合体”の様な建築を志向。チューブ状の量塊から専有部を切り分けるプロセスで様々な住戸タイプを生み出す
  38. 【シリーズ・部分から広がる建築思考】藤田雄介インタビュー・後編「建築家としての活動の延長線上で“建具メーカー”を運営する」 
  39. ザハ・ハディド事務所による、中国・マカオの、宿泊施設「W Macau – Studio City」。約600の客室と飲食等の付帯機能を備えた施設。建築デザインは、アールデコ時代の豊かなディテール・大胆な幾何学模様・複雑な職人技を現代的に再解釈して考案。環境性能や敷地内の植物群の保全等にも配慮
  40. ODS / 鬼木孝一郎による、北海道の店舗「SHIRO 砂川本店」。化粧品の製造工場内に計画。自分で香りを調合できる“ブレンダーラボ”を中心に、同心円状に平台什器を配置して様々な方向から出入りできる空間を構築。地域材の使用を思案して近隣で採れた木材を什器の土台に採用

【ap job更新】 再生建築のリーディングカンパニー「青木茂建築工房」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2024年新卒)を募集中
【ap job更新】 再生建築のリーディングカンパニー「青木茂建築工房」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2024年新卒)を募集中
【ap job更新】 再生建築のリーディングカンパニー「青木茂建築工房」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2024年新卒)を募集中

再生建築のリーディングカンパニー「青木茂建築工房」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2024年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

青木茂建築工房では、東京・福岡両事務所で設計スタッフを緊急募集します。実務経験のある方を積極採用します。2024年4月入社の新卒スタッフも募集中です。

青木茂建築工房は、主に再生建築に取り組む建築設計事務所です。
国内でいち早く再生建築に取り組み始め、事務所開設から46年で100件以上の実作実績があり、建築学会賞(業績)、BCS賞、公共建築賞、BELCA賞など多数の受賞実績を持ちます。

「リファイニング建築」と名付けた環境に優しく持続可能な建築再生手法を用いて、古い建物の構造躯体を再利用し、耐震補強や劣化部分の補修、違法部分の適法化などを行い、建物の安全性・遵法性を明確にします。さらに、建物が持っている可能性を提案によって新たな価値へと昇華させ、建物を長く使えるようにすることで循環型社会の実現に貢献しています。

現在、文化施設、教育施設、大規模店舗、病院、オフィスビル、集合住宅、PFI事業など30以上のプロジェクトが進行しており、企画から設計監理まで再生建築にまつわる全ての業務の流れを経験することができ、幅広く社会性のある実務経験を積むことができます。また、デザインだけではなく、建設技術、法律やファイナンスを含めた再生建築を取り巻く多様なアプローチを実践、習得することができます。

東京・福岡の2カ所に事務所を構え、約20名のスタッフが働いています。海外からの注目も高く、外国人スタッフも活躍する多国籍な職場環境で様々な経験を得ることができます。また、スタッフの中には働きながら博士課程を履修したり、大学の非常勤講師を務めるスタッフもおり、個人の力も養える事務所です。

再生建築のリーディングカンパニーとして確かな実績と経験を持ちながらも、常に次の時代を見据えた新しい建築に取り組むチームの一員となり、共に成長していく仲間をお待ちしています。

【ap job更新】 Herzog & de Meuronで“M+美術館”などを担当した小室舞が主宰する「KOMPAS」が、東京事務所での設計スタッフを募集中
【ap job更新】 Herzog & de Meuronで“M+美術館”などを担当した小室舞が主宰する「KOMPAS」が、東京事務所での設計スタッフを募集中
【ap job更新】 Herzog & de Meuronで“M+美術館”などを担当した小室舞が主宰する「KOMPAS」が、東京事務所での設計スタッフを募集中NISHIJI PROJECT (©Vincent Hecht)

Herzog & de Meuronで“M+美術館”などを担当した小室舞が主宰する「KOMPAS」の、東京事務所での設計スタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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大きな新規新築案件が動き始めることもあり、これから一緒にさまざまな建築を実現させて事務所を軌道に乗せていく設計スタッフ(アーキテクト・有給インターンも可、実務経験者優遇)を募集しています。

KOMPASは2018年に香港と東京に設立され、最近のメインオフィスは東京です。主宰者のHerzog & de Meuronでの経験を活かし、日本も海外もなるべくフラットに捉えて、チャンスのある場所・人と柔軟に仕事をしていきたいところです。多様な個々の強みを集め、「いい人たちといい環境でいいモノを創る」というシンプルなことを、高いレベルで目指していきたいなと思っています。

前職から美術館などのプロジェクトに関わる機会が多かったこともあり、展覧会会場設計やギャラリーなどのアート関係の案件も多く、大阪・関西万博の若手建築家向けコンペで選定された展示施設の設計も進んでいます。招待コンペに呼ばれる機会も増え、数千平米クラスの新築文化系施設やハイエンドな宿泊施設の設計者にも選定いただき、プロジェクトの規模や種類も広がり始めています。場所やプログラムの特性を活かしながらもグローバルにも通用するような、自分がユーザーとしても使いたくなるような、関係者皆が誇りに思えるような、まだ見えぬ魅力的な建築・空間を共に探求していく仲間を集めていきたいです。

デザインプロセスとしては、まずは要件や周辺環境のリサーチで土台を固め、スケッチや模型などの手を動かしながら考える行為を重要視しながら、ある程度方向性が決まれば2Dと3Dを同時並行で検討できるRevitを利用しています。アナログ技術もデジタルテクノロジーも、設計プロセスでのツールとして役立つものは何でも、それ自体が目的化しないようにしつつ柔軟に使っていければと思っています。効率化できる作業は効率化して、なるべくデザインを考えることに時間を使えるような進め方を探求中です。

働き方はおそらく海外の影響が強いので、なるべく個々の自主性や目標を尊重しながら、皆が自分の強みを活かして上手く協働できる環境を作っていきたいです。各々が指示を待たずとも先を考えて行動でき、勤務時間は集中してしっかり働きつつも休暇やプライベートもしっかり楽しみ、年齢や経験に関わらず成果を出す人がよりチャンスを得て責任を持つ、という環境が理想かと思っています。その分働き方はなるべく個々の希望に応じたいので、柔軟に対応可能です。

まだまだ小さな駆け出し事務所で上手くいっていないことも多いですが、皆で世界に通用する建築を創るというチャレンジに共感して意欲がある方にぜひとも加わっていただきたく思います。以下のような人が理想的ですが、やる気と興味があれば積極的にコンタクトしてもらえると嬉しいです。

ザハ・ハディド事務所による、中国・三亜市の、湾岸文化地区の開発計画「Sanya Cultural District」。多くの観光客が訪れる南端地域での計画。何層にも重なる“羽の様な”屋根を特徴とし、文化や商業等に関する様々な機能を内包。現地の気候や環境に対して採光や換気を最適化する最新技術も導入
ザハ・ハディド事務所による、中国・三亜市の、湾岸文化地区の開発計画「Sanya Cultural District」。多くの観光客が訪れる南端地域での計画。何層にも重なる“羽の様な”屋根を特徴とし、文化や商業等に関する様々な機能を内包。現地の気候や環境に対して採光や換気を最適化する最新技術も導入 image©Brick Visual
ザハ・ハディド事務所による、中国・三亜市の、湾岸文化地区の開発計画「Sanya Cultural District」。多くの観光客が訪れる南端地域での計画。何層にも重なる“羽の様な”屋根を特徴とし、文化や商業等に関する様々な機能を内包。現地の気候や環境に対して採光や換気を最適化する最新技術も導入 image©Brick Visual
ザハ・ハディド事務所による、中国・三亜市の、湾岸文化地区の開発計画「Sanya Cultural District」。多くの観光客が訪れる南端地域での計画。何層にも重なる“羽の様な”屋根を特徴とし、文化や商業等に関する様々な機能を内包。現地の気候や環境に対して採光や換気を最適化する最新技術も導入 image©Brick Visual
ザハ・ハディド事務所による、中国・三亜市の、湾岸文化地区の開発計画「Sanya Cultural District」。多くの観光客が訪れる南端地域での計画。何層にも重なる“羽の様な”屋根を特徴とし、文化や商業等に関する様々な機能を内包。現地の気候や環境に対して採光や換気を最適化する最新技術も導入 image©Brick Visual

ザハ・ハディド・アーキテクツによる、中国・三亜市の、湾岸文化地区の開発計画「Sanya Cultural District」です。
多くの観光客が訪れる南端地域での計画です。何層にも重なる“羽の様な”屋根を特徴とし、文化や商業等に関する様々な機能を内包しています。また、現地の気候や環境に対して採光や換気を最適化する最新技術も導入されるとの事です。


こちらは、リリーステキストの翻訳です

中国海南省三亜市は、同市の新しい湾岸文化地区を建設するための国際設計コンペティションの勝者をザハ・ハディド・アーキテクツ(ZHA)に決定したと発表しました。

中国最南端の省である海南島の南端に位置し、熱帯雨林、山岳公園、白砂のビーチが毎年8000万人以上の観光客を迎えている三亜は、人口100万人を超える都市に成長しました。

三亜湾に面した港は、レジャー、ショッピング、ビジネスの中心地です。ヨット・マリーナや中国で最も忙しいクルーズ船ターミナルのひとつが組み込まれたこの港には、市内の商業港や漁港もあります。

三亜の港の入り口に位置するZHAによる新しい文化地区は、三亜のトラムネットワークの江路の終点に隣接しています。このトラムは、三亜湾沿いの多くの住宅街やホテル街と市の高速鉄道駅を結んでいます。

三亜の文化生活の中心としての港を確立し、新地区は三亜湾の熱帯の海、そしてその先の南シナ海へのゲートウェイとして都市を定義します。

マスタープランを貫く中心軸は、新しいハーバーサイド地区と既存の都市を直接結びつけ、パフォーミング・アーツ・シアターやエキシビション・ギャラリーの文化的なプログラムと、会議や見本市のための商業的なプログラムを分離しています。両施設は、港を一望できる新しい公共広場を共有し、その中で開催されるイベントへの訪問者、観客、参加者を歓迎しています。

センターの何層にも重なる屋根は、この軸線に沿って最も高い位置から外に向かって羽のように広がり滝のように流れ、舞台芸術劇場と会議場のエントランス・ロビーを縁取っている。港と三亜湾から見えるこれらの屋根は、太陽光を柔らかく反射し、潮風に吹かれる帆のように水面に浮かんでいるように見え、街の背後に広がる海南内陸部の山々の風景と呼応する、上昇するような幾何学形状の建築的ランドマークとなっています。

連勇太朗が監修する、LIXILのサイトでの特集「建築とまちのぐるぐる資本論」が公開中。須藤剛と深野弘之・能作淳平・福田和則・豊田雅子との対話、野澤千絵と高橋寿太郎との鼎談、木村佳菜子と松村淳の論考が掲載
連勇太朗が監修する、LIXILのサイトでの特集「建築とまちのぐるぐる資本論」が公開中。須藤剛と深野弘之・能作淳平・福田和則・豊田雅子との対話、野澤千絵と高橋寿太郎との鼎談、木村佳菜子と松村淳の論考が掲載 image©荒牧悠
連勇太朗が監修する、LIXILのサイトでの特集「建築とまちのぐるぐる資本論」が公開中。須藤剛と深野弘之・能作淳平・福田和則・豊田雅子との対話、野澤千絵と高橋寿太郎との鼎談、木村佳菜子と松村淳の論考が掲載企画を監修している、建築家の連勇太朗。 photo©富井雄太郎

建築家の連勇太朗が監修する、LIXILのサイトでの連載「建築とまちのぐるぐる資本論」の公開中の記事を紹介します。
現在までに、須藤剛と深野弘之に聞く「ニシイケバレイ」能作淳平に聞く「富士見台トンネル」福田和則に聞く「ソーシャルキャピタル」野澤千絵と高橋寿太郎が参加した鼎談木村佳菜子・松村淳が執筆した論考豊田雅子に聞く「尾道空家再生プロジェクト」が掲載されています。【ap・ad】

連勇太朗によるイントロダクションより

これから一年間かけて「建築とまちのぐるぐる資本論」というシリーズで、LIXILのこのウェブサイトから様々なコンテンツをお届けしていきます。まず名前を見て「ぐるぐる資本論ってなんだ!?」と思った方が大半なのではないでしょうか。それもそのはず。ぐるぐる資本論はこの特集を始めるにあたって考えたオリジナルの概念です。この原稿で初めてのお披露目となります。まだ世の中で認知されていないこの言葉について一緒に考えていく、それがこの特集の目的です。

(中略)

私たちの創造性を発揮するには、背後にある経済モデルを無視することができない状況が訪れている、それが現代の状況だというのが私の基本的な認識です。

だからこの特集ではお金の巡りについても積極的に考えていきます。大きい経済モデルの話から、各個人のお金に対する認識から、事業の運営についてまで、様々な観点からお金について考えていきます。一昔前(例えば私が学生だった2000年代)まで、建築領域においてお金の話や事業の話をすることは「格がひくい」ことでした。とある有名な建築家に「建築家になりたいならそういう話はよしなさい」と諭されたりもしたものでした。しかし既に書いたように、これからの都市やまちについて考え、哲学や理念を実体化するためには、お金の話を避けて通ることはできません。

(中略)

金融資本主義そのものを止めることや変えることは難しいかもしれませんが、だからといってその波に飲まれ諦めるのではなく、たとえ小さなスケールであったとしても、経済モデルそのものを変革したりデザインしたりすることに挑戦しなければ、私たちの社会を真に支える空間、地域、環境、まちを実現することはできないのではないというのが「ぐるぐる資本論」の仮説です。建築やまちづくりに関わるプレイヤーはこのことに対して自覚的になる必要があり、積極的に介入していく必要があるのではないでしょうか。

以下に、各記事の概要と記事へのリンクを掲載します。

伊東豊雄の、芝浦工業大学での展覧会「伊東豊雄の挑戦1971-1986」。世界的に評価される建築家の活動初期の作品に注目した展示。“全エネルギーを注いだ”と言う図面やスケッチを中心に紹介。当時の製本青焼図面を閲覧できるスペースも用意
伊東豊雄の、芝浦工業大学での展覧会「伊東豊雄の挑戦1971-1986」。世界的に評価される建築家の活動初期の作品に注目した展示。“全エネルギーを注いだ”と言う図面やスケッチを中心に紹介。当時の製本青焼図面を閲覧できるスペースも用意 photo©architecturephoto
伊東豊雄の、芝浦工業大学での展覧会「伊東豊雄の挑戦1971-1986」。世界的に評価される建築家の活動初期の作品に注目した展示。“全エネルギーを注いだ”と言う図面やスケッチを中心に紹介。当時の製本青焼図面を閲覧できるスペースも用意 photo©architecturephoto
伊東豊雄の、芝浦工業大学での展覧会「伊東豊雄の挑戦1971-1986」。世界的に評価される建築家の活動初期の作品に注目した展示。“全エネルギーを注いだ”と言う図面やスケッチを中心に紹介。当時の製本青焼図面を閲覧できるスペースも用意 photo©architecturephoto
伊東豊雄の、芝浦工業大学での展覧会「伊東豊雄の挑戦1971-1986」。世界的に評価される建築家の活動初期の作品に注目した展示。“全エネルギーを注いだ”と言う図面やスケッチを中心に紹介。当時の製本青焼図面を閲覧できるスペースも用意 photo©architecturephoto

伊東豊雄の、芝浦工業大学での展覧会「伊東豊雄の挑戦1971-1986」です。
世界的に評価される建築家の活動初期の作品に注目した展示です。伊東が“全エネルギーを注いだ”と言う図面やスケッチを中心に紹介しています。また、当時の製本青焼図面を閲覧できるスペースも用意されています。会期は2023年9月28日~10月29日。入場料は無料です。展覧会の公式ページはこちら

芝浦工業大学(東京都江東区/学長 山田純)建築学部は、世界的な建築家である伊東豊雄氏の初期の作品を展示する「伊東豊雄の挑戦1971-1986」を豊洲キャンパスで開催します。

伊東氏が30歳で事務所を開設された時期の作品、「中野本町の家」や「東京遊牧少女の包」の一次資料(アトリエで制作した設計図面やスケッチ)を中心に展示します。

その時代の多くのスケッチや図面・模型等は今後カナダのCCA(Canadian Centre for Architecture)に寄贈されることになっており、寄贈の前に日本で観られる貴重な機会となります。

※CCA:モントリオールを拠点とする世界でも有数の建築ミュージアム及びリサーチセンター

リリーステキストより

伊東豊雄のコメント

私は1971年に30歳で独立し、小さなアトリエを設立しました。

1970年の大阪万博を境に、70年代の日本社会は60年代の経済成長から一転、右肩下がりの内向的な時代を迎えました。
そんな70年代に設計を始めた私は、スタッフ2~3名と小さな住宅の設計に向き合うほか仕事はなく、外に飲みに行く金銭的余裕すらない苦難の時代を過ごしていました。

当時トレーシングペーパーに手で描いたスケッチや図面には、私の全エネルギーを注いだ建築への情熱が込められています。
このたび私はその時代のスケッチや図面・模型等のほとんどすべてをカナダのCCA(Canadian Centre for Architecture)に寄贈することにしました。CCAはモントリオールを拠点とする世界でも有数の建築ミュージアム及びリサーチセンターです。

今回芝浦工業大学の御厚意により、これらの図面等をCCAに送る前に同大学で展示させていただくことになりました。
この機会に皆様にぜひ御覧頂きたく御案内申し上げる次第です。

リリーステキストより
小野龍人+三浦朋訓+ヤン・シカン / T2Pアーキテクツによる、大阪市の宿泊施設「シェア型レジデンス花園」。更新が進み古い長屋が減りつつある地域に計画。街との繋がり方を主題とし、地域にも開かれた中庭等の“対話を誘発する共用空間”を備えた建築を考案。“小屋根”が連続する外観は風景との“調和”と“継承”も意図
小野龍人+三浦朋訓+ヤン・シカン / T2Pアーキテクツによる、大阪市の宿泊施設「シェア型レジデンス花園」。更新が進み古い長屋が減りつつある地域に計画。街との繋がり方を主題とし、地域にも開かれた中庭等の“対話を誘発する共用空間”を備えた建築を考案。“小屋根”が連続する外観は風景との“調和”と“継承”も意図外観 photo©河田弘樹
小野龍人+三浦朋訓+ヤン・シカン / T2Pアーキテクツによる、大阪市の宿泊施設「シェア型レジデンス花園」。更新が進み古い長屋が減りつつある地域に計画。街との繋がり方を主題とし、地域にも開かれた中庭等の“対話を誘発する共用空間”を備えた建築を考案。“小屋根”が連続する外観は風景との“調和”と“継承”も意図1階、まちのテラス photo©河田弘樹
小野龍人+三浦朋訓+ヤン・シカン / T2Pアーキテクツによる、大阪市の宿泊施設「シェア型レジデンス花園」。更新が進み古い長屋が減りつつある地域に計画。街との繋がり方を主題とし、地域にも開かれた中庭等の“対話を誘発する共用空間”を備えた建築を考案。“小屋根”が連続する外観は風景との“調和”と“継承”も意図1階、個室(102) photo©河田弘樹
小野龍人+三浦朋訓+ヤン・シカン / T2Pアーキテクツによる、大阪市の宿泊施設「シェア型レジデンス花園」。更新が進み古い長屋が減りつつある地域に計画。街との繋がり方を主題とし、地域にも開かれた中庭等の“対話を誘発する共用空間”を備えた建築を考案。“小屋根”が連続する外観は風景との“調和”と“継承”も意図道路からまちのテラスを見る、夜景。 photo©河田弘樹

小野龍人+三浦朋訓+ヤン・シカン / T2Pアーキテクツが設計した、大阪市の宿泊施設「シェア型レジデンス花園」です。
更新が進み古い長屋が減りつつある地域に計画されました。建築家は、街との繋がり方を主題とし、地域にも開かれた中庭等の“対話を誘発する共用空間”を備えた建築を考案しました。また、“小屋根”が連続する外観は風景との“調和”と“継承”も意図されました。

日本における観光ビジネスに関心をもった、中国武漢でホテル業を営む施主が計画する宿泊施設である。
敷地は大阪の四つ橋線花園町駅から徒歩5分、低価格の宿泊施設や民宿でも知られる西成区に位置する。

建築家によるテキストより

古い長屋が残るこの地域は、中心地の難波から2駅の利便性と比較的安価な地価から街の更新が進み、日常的な対話の場であった路地や低層の長屋が木造3階建アパートや中層マンションに変わり、閉じた環境をつくっている。本計画では、ホテルのようにプライバシーは確保しながら、シェアハウスのように共用部を選択的に利用できる、新しい宿泊施設「シェア型レジデンス」を築くことで、まちとのつながりを考える。

建築家によるテキストより

周囲にあわせて高さは2層に抑え、リニアなボリュームをCの字型に折り畳むことで、落ちついた中庭を形づくる。2階の個室にはそれぞれ勾配屋根をかけ、全体を小さな個室の集合体として表現した。小屋根が連続する集合体としての佇まいが、大小スケールの建物が混在する街並みと調和し、ヒューマンスケールなまちの風景のゆるやかな継承を心掛けた。

各個室は中庭を介して様々な方位から採光ができ、最大限の個室数を確保した。個室ごとに寝室、キッチン、バスルーム、トイレが備えられプライバシーを確保する一方、通りに面した「まちのリビング」、2階の通路を拡張した「ランドリーテラス」、自然を感じられる「まちのテラス」が、対話を誘発する共用空間となり、地域に対しても開かれている。

建築家によるテキストより

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