
all photos©大木宏之
西澤俊理 / NISHIZAWAARCHITECTSが設計した、ベトナム・ホーチミンシティの「Thong邸」です。
ベトナム南部、ホーチミンシティ。北部の首都ハノイとは違いホーチミンには冬がなく、気温も年間を通じて25度~32度前後と安定している。強い日差しや雨季のスコールさえ凌げれば、半屋外でも十分に快適な生活ができる。そんなおおらかな安心感がこの街の魅力だ。
間口6m、奥行き15mほどで右隣に小さな緑地を臨む敷地、ここに6階建ての個人住宅を作る。地元政府から推奨された断面図は、1Fにリビングやダイニングなどの共用部を集め、2Fから上の階はただひたすら個室を積層する、というものだったが(ベトナムのタウンハウスの殆どがこの形式で造られている)、6層もあると昇り降りするだけでもなかなか大変なので、垂直方向に共用部を分散したほうが、生活に瑞々しさが生まれるのではないか、と考えた。また共用部には高さ6mほどの縦軸回転窓を設けて自然通風を取り入れる他、共用部と個室との境界面もルーバー間仕切り程度とし、家全体がゆるゆかに繋がっていくような住宅を目指した。
各所に植え込んだ南国特有の植物のほか、コンクリート床や木ルーバーに埋め込まれたパターンなど、ベトナムらしいディテールも追求している。


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