アーティストのオラファー・エリアソンが、2021年9月に行った講演の動画です。バイエラー財団の主催で、聞き手をハンス・ウルリッヒ・オブリストが務めました。この時期にオラファーは「LIFE」という展覧会を行っており、それに合わせて企画されたと思われます。アーキテクチャーフォトではその展覧会の様子を特集記事として紹介しています。
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ファラが設計した、ポルトガル・リスボンの、博物館 MAAT((Museum of Art, Architecture and Technology)のための、インフォポイント兼チケットオフィス「infopoint & ticket office」です。簡潔に仕上げられた部屋を、白と黒の大理石でつくられた“厚かましい”ストライプカウンターによって意図的に混乱させるデザインがなされました。
ファラは、フィリップ・マガリャインシュ(filipe magalhães)、アナ・ルイサ・ソアレス(ana luisa soares)、アーメッド・ベルホジャ(ahmed belkhodja)の3人が主宰する建築設計事務所で2013年に設立されました。それぞれ、SANAA、伊東豊雄、アトリエ・ワンという日本の設計事務所に勤務やインターンした経験をもつことも特徴です。またフィリップとアナは、日本滞在中は中銀カプセルタワーに居住していました。
こちらは、建築家によるテキストの翻訳
かつてのテクニカルスペースは、チケットオフィスと小さなバーに生まれ変わりました。遮られていた狭い部屋は最小限にまで削ぎ落とされ、邪魔なパーティションはなくなり、梁は外に出されています。その後、簡潔な一連の介入を行います。壁は、微妙なチェスボード模様とピンクの目地が入った白いタイルで覆われています。不連続な天井はブルーに塗られ、ドアや窓枠にはライトグリーンの色が付けられています。すべての表面と要素は自己完結していますが、補完関係にあります。
しかし、この部屋は厚かましい物体によって混乱させれます。白と黒の大理石でできたストライプのカウンターが、正確かつ無遠慮に置かれています。この長い箱は少し傾いていて、空間全体を占めています。洗練されたカウンターには、小さなキッチン、バー、多数のキャビネット、券売機などが設置されています。同じ縞の箱がインフォポイントに置かれ、一貫しているが散発的な介入を締めくくっています。




杉下均建築工房が設計した、岐阜・関市の「後藤昭夫藝術館」です。約15mの砂利敷の光を抑えた“羨道”のような土間を通り抜け、自然光での作品鑑賞がなされる展示部にいたる空間を構成しています。施設の公式サイトはこちら。
元関市長で前衛美術家集団VAVA(*)創立メンバーの一人である後藤昭夫氏の作品を中心に企画展示する空間である。
米寿の個展を目前に急逝されるまで精力的に続けた作家活動と、VAVAの軌跡を発表し続ける場としてご家族が設立された。
展示空間は15m程の砂利敷の土間を進み、両袖をもつ展示部に向かう構成とした。
光を抑えた土間は横穴式石室の羨道のような場で、中央に杉箱を据えて後藤氏が生涯描き溜めたスケッチブックや、旅の写真帳を収めている。
展示部は自然光での鑑賞を主とするため、東庭からの反射光を室内に取り込むほか、南の窓からは直射光を抑えて拡散させるように衝立状の壁を配している。



クリスト&ジャンヌ=クロードによる、パリの凱旋門を包むアート「L’Arc de Triomphe, Wrapped」が公開。亡くなった作家の意思を継ぎ政府機関等の協力もあり実現された作品を、製作段階の様子を含め紹介します。また、彼らのプロジェクトは、制作されるドローイング作品等の販売による資金にによって実現されることも広く知られています。ジャンヌ=クロードは2009年に、クリストは2020年に亡くなっています。
こちらはリリーステキストの翻訳です
2021年9月18日から10月3日まで、クリスト&ジャンヌ=クロードによる「凱旋門、包まれて、パリ、1961-2021(L’Arc de Triomphe, Wrapped, Paris, 1961-2021)」が開催されます。クリストの遺志により、ポンピドゥー・センターとパリ市立美術館の支援のもと、国立記念物センター(CMN)とのパートナーシップのもと、彼のチームによって完成されます。
凱旋門のモニュメントは、25,000m2のリサイクル可能な銀色のポリプロピレン生地と、3,000メートルのリサイクル可能な赤色のポリプロピレンロープで包まれます。このプロジェクトは、準備段階の習作やコラージュ、模型、1950年代および1960年代の作品、リトグラフなど、クリストのオリジナル作品の販売によってすべての資金が賄われます。クリスト&ジャンヌ=クロードの他のプロジェクトと同様に、このプロジェクトには公的資金やスポンサーはつきません。
「凱旋門、包まれて」を安全に、そして間近で楽しんでいただくために、展示期間中の3日間、エトワール広場は歩行者天国となります。シャルル-ド-ゴール広場の通行止めは例外的なものです。ド・ゴール広場の通行止めは、パリ市と警察署の協力により実施されます。
「凱旋門、包まれて」の開催期間中は、インスタレーションを含む設置(2021年9月17日まで)と解体(2021年10月4日から11月10日まで)の間、モニュメントの内装とパノラマテラスは、CMNによって管理されます。CMNが管理するモニュメントの内部とパノラマテラスは、引き続き一般公開されます。
歴史的建造物の完全性を維持するために、「凱旋門、包まれて」の設置・解体作業は、文化省のチームによる科学的・技術的な監視を受けています。
凱旋門の「無名戦士の墓」の前に設置された「永遠の炎」は、設営・解体、そして作品の展示中も燃え続けます。無名戦士とフランスのために戦って命を落とした人々に敬意を表して、毎日、炎を再燃させる儀式が、必要とされる厳粛さの中で行われます。

SHARE デイヴィッド・チッパーフィールドが修復を手掛けた、ドイツ・ベルリンのミース設計の「新国立美術館」が6年の修復を終えて2021年8月22日に再オープン。オープニング展として企画されたカルダー展の会場写真を紹介



デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツが修復を手掛けた、ドイツ・ベルリンのミース設計の「新国立美術館」が6年の修復を終えて2021年8月22日に再オープン。本記事では、オープニング展として企画されたアレクサンダー・カルダー展の会場写真を紹介します。カルダー展の会期は2022年2月13日まで。アーキテクチャーフォトでは建築作品についても特集記事にて写真と図面を掲載しています。
こちらは再オープンに関するリリーステキストの抜粋・翻訳
2021年8月22日より、ノイエ・ナショナルギャラリーがリニューアルオープン
ミース・ファン・デル・ローエ設計の「新国立美術館」は、6年間の修復を経て、リニューアルオープンを迎えました。この伝説的なガラスのホールのために特別に企画された展覧会では、ミースと同時代の彫刻家、アレクサンダー・カルダーの作品が展示されます。
新国立美術館は、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエが1965年から1968年にかけて最後の独立した仕事として建設したもので、20世紀を代表する建築家の遺産とされています。20世紀の美術品を重層的に集めた新国立美術館は、西洋モダニズムの自由と限界を学ぶユニークな機会を提供しています。
1968年9月の開館から2015年1月の修復のための閉館までの間に、新国立美術館は約130の重要な展覧会を開催しました。その中には、ピート・モンドリアン(1986年)、イヴ・クライン(1976年)、フランシス・ベーコン(1986年)、アンディ・ウォーホル(2001/2002年)、ゲルハルト・リヒター(1986年と2012年)の回顧展、レベッカ・ホーン(1994年)、ジェニー・ホルツァー(2001年)、オットー・ピーネ(2014年)等の展覧会があります。
2021年6月に開催された「扉開放の日」には、パンデミックによる制限にもかかわらず、3,000人を超える来場者が、まだ誰もいない修復された家を鑑賞しました。そしていよいよ2021年8月22日、の3つの展覧会で、アートが帰ってきます。「The Nationalgalerie Col-lection」、「Alexander Calder. Minimal / Maximal」、「Rosa Barba. In a Perpetual Now.」。同時に、ヘンリー・ムーア、ジョージ・リッキー、エドゥアルド・チリダ、ロバート・インディアナの主要作品を含む、コレクションの彫刻作品の多くが屋外に再設置されました。また、デビッド・ブラックの噴水の彫刻やマリーナ・ヌニェス・デル・プラドの人物像など、再発見され修復された作品も展示されています。
SHARE 田根剛が会場構成を手掛けた、東京ミッドタウン・ホールでの展覧会「北斎づくし」の会場動画
- 日程
- 2021年7月22日(木)–9月17日(金)

SHARE 中村竜治による、資生堂ギャラリーでのインスタレーション「関係」。資生堂の収蔵品から三輪美津子と内藤礼の作品を選び、既存のギャラリー壁に“擬態”する壁を設計し展示することで、鑑賞者に様々な想像や見立てを促す
- 日程
- 2021年6月5日(土)–8月29日(日)



中村竜治による、資生堂ギャラリーでのインスタレーション「関係」。資生堂の収蔵品から三輪美津子と内藤礼の作品を選び、既存のギャラリー壁に“擬態”する壁を設計し展示することで、鑑賞者に様々な想像や見立てを促す作品となっています。中村の作品も出展されている「資生堂 第八次椿会 このあたらしい世界 『触発』」の会期は、2021年6月5日〜8月29日(休館:月曜、8/16〜23)。展覧会の公式ページはこちら。
資生堂ギャラリーでのグループ展「第八次椿会 この新しい世界」でのインスタレーション。
「椿会」は1947年から始まり、複数のアーティストが選ばれ、同じメンバーで数年にわたりグループ展を行うというもので、資生堂はその展示作品を収蔵し続けている(銀座に資生堂ギャラリー、静岡県掛川に資生堂アートハウスを擁する)。
1年目のテーマは「触発」である。今回は特に、メンバーが過去の椿会の収蔵作品から「あたらしい世界」を触発される作品を選び取り、それに対する応えを自身の作品や方法で提示し、収蔵作品に新たな視点を加えつつ未来へとつなげるという今までの椿会にはない試みがなされている。
私は、膨大な量の収蔵作品の中で「関係」が意識されるような作家や作品に興味を持ち、三輪美津子の女性の顔を描いた連作「EBBA-No.9」、「EBBA-No.4」、「四つ目の池I〜IV」と内藤礼の木彫りの「ひと」を選んだ。
普段物自体に焦点を当て過ぎてしまいがちだが、少し焦点をずらし、物と物との間の関係に注目することで、新しい思考ができるようになるのではないか、と二人の作品は教えてくれていると思う。三輪美津子の作品、内藤礼の作品、壁の3つは、それぞれ自立していて無関係なもののようにあるが、訪れた人がそれらの間に様々な関係を見出すことで、自分なりの風景や感覚が立ち上がるような展示になれば、二人の作品の魅力が伝えられるのではないかと考えた。


水谷隼人による、ドイツ・ネブラの「森と空のパヴィリオン」です。
ネブラはドイツ北東部、ザクセン=アンハルト州に位置し、考古学的に有名な天文盤ネブラ・ディスクが発見された場所として知られています。
このコンペティションではネブラ・ディスクのインフォメーションセンターと既存の展望台とを繋ぐ散策路に、天文学またはネブラディスクに関するパブリックアートを提案することが求められました。
僕たちの祖先がかつてネブラ・ディスクを用いて空を観察していたように、このパヴィリオン内では視線が空に導かれています。たくさんの木材で囲まれた内部では外部への視線が木材の間の僅かなスリットに制限されています。また、室内での音はまるで洞窟の中にいるかのようにこの小さな空間に反響します。



大野力 / sinatoが設計した、東京・新宿区の、JR新宿駅前のロータリーを再整備した広場「Shinjuku Station East Square」です。アーティスト松山智一の彫刻と円形テーブル等の関係性でこの場所固有の体験や居心地をつくることを目指しました。
ニューヨークを拠点に活動するアーティストの松山智一氏と共に、JR新宿駅前のロータリーをパブリックアートのある広場として再整備した。
元々ロータリーには直下にある地下街の為の排煙塔が設置されており、通行人が立ち入らぬよう柵で囲われていたが、その排煙性能を損なわずに、道路交通上の安全性や地域の方の要望を満たす新たな居場所をどうつくるか、またそこにアートをどう共存させるかが主題となった。
僕らは既存の排煙塔を解体し、松山氏による高さ7mを超える彫刻の台座を兼ねた巨大な円形テーブルを設置することにした。テーブルには新たな排煙機構を設け、彫刻を支持するのに必要な構造を備えた。
テーブルの席に着く人々は、自ずと中央に立つ彫刻と至近距離で向き合うこととなる。また座る位置によって彫刻は姿を変え、その日の天気や時間帯によっても異なる表情を見せる。つまりテーブルは人々の滞留を促すストリートファニチャーであると同時に、人々と彫刻を繋ぐ体験装置でもあるのだ。


写真家Gottinghamの撮影・制作マネジメント等を行う「Studio Xxingham株式会社」の、プロダクションマネジャー(正社員)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
Studio Xxingham株式会社は、写真家Gottinghamの撮影・制作マネジメントと著作権の管理・運用を行う法人です。2021年に10期目を迎え、新たなフェーズへと前進するため商号を株式会社ゴッティンガムから変更しました。
写真家Gottinghamは、これまで美術館、博物館、行政、学会、研究開発機関、メーカー、ファッションブランド、建築設計事務所、デザイン事務所、広告代理店、出版社等との協働のもとに撮影を行ってきました。様々な分野に画像のライセンスを提供する一方で、そのプリントはコレクションへ。その協働の仕組みは、写真家Gottinghamの表現と不可分です。協働=「コラボレーション/コミッション」のあり方を提示する写真家の実践は、Studio Xxingham株式会社の活動に支えられています。
この度、Studio Xxingham株式会社は、写真家Gottinghamによるオリジナルプリントの展示機会の増加に伴い、以下の職種で正社員を募集いたします。
募集する職種は、多岐にわたる業務をサポートいただくポジションです。プロトタイピングを志向するチーム環境なので、マネジメントやレタッチの実務未経験者でも会社と個人の成長を意識しながら業務に取り組んでいただけます。美術、写真、デザインの領域境界に関心の高い方や、作家と伴走するのが好きな方、第一線の専門家たちと現場でコミュニケーションを取りたい方、感性と論理性を大切にしたい方、知識と技術を両方磨きたい方などにおすすめです。
業務内容には、写真作品に関するフレームや展示の設計なども含まれます。ですので、建築学科等でで学んだり、設計事務所等に勤務経験がある方で、写真を含むその他のクリエ―ション分野に飛び込んでみたい方も適していると思います。
Gottinghamの建築に関わる作品はこちらでも閲覧できます。
https://architecturephoto.net/tag/gottingham/皆様のご応募をお待ちしております。


意匠設計に限らず、土木・都市計画から、構造・設備、アートなど分野を問わず、将来「まち」に関わる全ての学生対象のエリア別アイデアコンペ 「+ミライプロジェクト」が開催されます。三菱地所設計が設立20周年として行う学生向け特別企画で、藤本壮介ら全国の建築家がエリア審査を実施。入選者を対象に日本全国を縦断する建築ツアーが行われ、賞金(最優秀者100万円)も贈呈されます。応募締め切りは2021年7月30日必着で、応募事前登録はこちらから。【ap・ad】
※締め切りは「2021年7月30日必着」です。当初31日と誤って表記しておりましたお詫びして訂正いたします。
※当コンペ、ツアーの開催においては新型コロナ感染症対策への対応を十分に行います(会場の換気、三密回避、消毒等)。また、新型コロナ感染症等の社会情勢の変化でコンペ、ツアーの開催、時期、方法等を変更する可能性があります。ご了承ください。
株式会社三菱地所設計は、2021年の設立20周年を記念し、今夏~秋にかけて、学生向け特別企画「+ミライプロジェクト」を開催します。
これは、日本全国の学生を対象とする、
①全国を6つの地域に分けて実施する、エリア別のアイデア・コンペティション
②その上位入選者を対象とする全国縦断ツアー
の連携企画です。将来、「まち」との関わりを持ちながら活動したいと考えている学生の方々に向けて、「日本のさまざまな都市やそこにたつ建物を体験し、見聞を広めること」や、「同じ志を持つ全国の仲間たちとの交流によって、同世代間でのつながりが生まれること」によって、将来の夢への糧としていただきたいと考えています。本企画は、こうした想いを持つ社内有志による企画からスタートした、学生応援イベントです。
テーマ:『目抜き通り ─ そして、そこにたつ建物』
多くの街には、その街の中心となる「目抜き通り」が存在します。
街において目抜き通りは人々の日々の活動の中心となり、我々がその街で生活していくうえでなくてはならない通りです。日本で「目抜き通り」といえば、とある歌にもあるように「銀座中央通り」をイメージする人も多いでしょう。パリでは「シャンゼリゼ通り」、マンハッタンでは「ブロードウェイ」など、海外ではダイナミックで劇場的な目抜き通りも存在します。
人々の生活の中心という視点に立てば、ヴェネツィアの「カナル・グランデ」も目抜き通りと捉えられます。私たちも丸の内において、約130年の年月をかけまちづくりを行ってきました。
その中で、もともとは裏通りであった「丸の内仲通り」が人々の活動の中心となるように、通りと一つひとつの建物の関係について考えてきました。
その一つひとつが歴史となり、今では丸の内を代表する目抜き通りとなりました。では、みなさんの街における「目抜き通り」はこれからどのようになってゆくでしょうか。
みなさんの過ごす街の歴史や文化、地域の特性を紐解き、『目抜き通りと、そこにたつ建物』について考えてみてください。
通りと一つひとつの建物の関係を考えることで、すでにある目抜き通りをもっと魅力的にすることも、新たな目抜き通りを生み出すこともできるはずです。
みなさんの提案もまた歴史の一部となり、その街を形作ってゆきます。建築設計のみならず、アーバンデザイン・ストラクチャー・環境・インフラエンジニアリング・デジタルテクノロジー・アートなど様々な視点に立ち、提案してください。 みなさんの自由な発想、提案をお待ちしております。



アトリエ・ピーター・ズントーが設計した、スイス・バーゼルの、バイエラー財団美術館の増築です。展示棟・サービス棟・イベント棟の3つの建物がピアノ設計の既存美術館の周囲に建設されます。2021年6月に建築許可が下り2021年晩夏に建設がスタートするとの事です。
こちらはリリーステキストの翻訳・抜粋
2021年6月2日、バイエラー財団は、バーゼル州建物検査局(BGI)より、アトリエ・ピーター・ズントーによる拡張プロジェクトの建築許可を取得しました。これで建設開始への道が開けました。2020年夏、バイエラー財団理事会は、コロナウイルスの大流行にもかかわらず、この困難な時期にバーゼルとスイスの芸術と経済に前向きなシグナルを送ることを願い、計画申請を進めることを決定しました。この増築計画は、スイスで最も多くの人が訪れる美術館の長期的な発展にとって非常に重要であり、今後の活動を決定的に左右するものです。工事の開始は2021年の晩夏を予定しています。
この拡張工事により、美術館の建物はユニークなアンサンブルを形成し、一般公開される公園の面積は約2倍になります。スイスで最も訪問者数の多い美術館であるバイエラー財団は、21世紀になっても、訪問者や地域住民の期待に応え続けたいと考えています。
アトリエ・ピーター・ズントーが設計した増築部分は、芸術の家、管理・物流施設を提供するサービス棟、イベント用パヴィリオンの3つの建物で構成されています。最初の2つの建物は、現在の美術館の敷地に南側で隣接するイゼリン・ウェーバー公園に建設され、平屋建てのパヴィリオンは、既存の境界壁の隣にあるベラワー公園に設置されます。このパヴィリオンは、イゼリン・ウェーバー公園の新しい建物、ベラワー邸の歴史的建築物、レンゾ・ピアノの既存の建物の中で、重要な役割を果たす位置にあります。1,500㎡の展示スペースを持つ新しいミュージアム棟は、コレクションの展示や小規模なショーに適しています。サービス棟には、オフィスや技術設備があり、特に美術品の配送に力を入れています。
写真家 ヴォルフガング・ティルマンスの、ハンガリーの現代美術館での展覧会「Your body is yours」の会場写真が43枚、公式サイトに掲載されています。会期は2021年7月18日まで。展覧会の公式ページはこちら。ティルマンスは自身の作品を再構成しインスタレーション的に展示会場で見せる事でも知られているアーティストで、作品のみならずその空間の中での見せ方も注目されている写真家です。日本では2004年にオペラシティアートギャラリーで大規模な展覧会が行われました。この展示の直前にパリで行われた展示の会場写真と比較してみると興味深いです。



元木大輔 / DDAAによる、アート展の会場設計「MR. BRAINWASH EXHIBITION “LIFE IS BEAUTIFUL” at Shinsaibashi PARCO」です。大阪の心斎橋パルコでの展覧会でした(※会期は終了しています)。
LA在住のストリートアーティスト、MR.BRAINWASHによる日本初の大型個展「LIFE IS BEAUTIFUL」の会場構成。会場である心斎橋パルコ SPACE 14のこけら落としの展覧会となった。
バンクシー初監督作品となったドキュメンタリー映画『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』(2010年)でアーティストに仕立て上げられたMR.BRAINWASHは、大衆・消費文化における大量生産の側面や、ストリートアートに用いられるペンキやスプレーなどの表現手法をアッセンブルし、異なる価値観を顕在化させるアート作品を制作する。そうした彼の作品、約80点を展示するにあたり、展示空間そのものをリフレーミングする会場構成を模索した。
会場となった心斎橋パルコのSPACE 14は、普段は劇場として使用されるコンサバティブな空間だった。たとえば、会場を真っ白にし、普段の状況をなかったことにしてアートのための空間にすることもできたが、「ものの見方を変える」というストリートアート、ポップアートの歴史を引き継いだ構成にしようと考えた。
アイ・ウェイウェイへの日本語で読めるインタビュー記事「芸術家 アイ・ウェイウェイと モフモフな仲間たち」が、The New York Times Style magazine : Japanに掲載されています。