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田根剛が会場構成を手掛けた、東京ミッドタウン・ホールでの展覧会「北斎づくし」の会場動画

田根剛が会場構成を手掛けた、東京ミッドタウン・ホールでの展覧会「北斎づくし」の会場動画です。こちらのページには写真が11枚掲載されています。会期は2021年9月17日まで。展覧会の公式サイトはこちら

以下は、展覧会公式の概要。

20歳で浮世絵師としてデビューしてから90歳で没するまでの70年間、常に挑戦を続けて森羅万象を描き抜こうとした画狂の絵師・葛飾北斎。
その生誕260年を記念し、代表作である『北斎漫画』、「冨嶽三十六景」、『富嶽百景』の全頁(ページ)・全点・全図が一堂に会する前代未聞の特別展が2021年7月、東京・六本木に出現します。

トラフ建築設計事務所による、角川武蔵野ミュージアムでの展覧会の会場構成「俵万智 展 #たったひとつの「いいね」 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」
トラフ建築設計事務所による、角川武蔵野ミュージアムでの展覧会の会場構成「俵万智 展 #たったひとつの「いいね」 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」 photo©小川真輝
トラフ建築設計事務所による、角川武蔵野ミュージアムでの展覧会の会場構成「俵万智 展 #たったひとつの「いいね」 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」 photo©小川真輝
トラフ建築設計事務所による、角川武蔵野ミュージアムでの展覧会の会場構成「俵万智 展 #たったひとつの「いいね」 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」 photo©小川真輝

トラフ建築設計事務所が設計した、角川武蔵野ミュージアム エディットアンドギャラリーでの展覧会の会場構成「俵万智 展 #たったひとつの「いいね」 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」です。展覧会の会期は2021年11月7日まで。公式ページはこちら

現代日本を代表する歌人、俵万智氏の初の本格個展「俵万智 展 #たったひとつの「いいね」 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」の会場構成を手掛けた。

建築家によるテキストより

35年にわたる歌業から厳選された約300首の短歌を、『サラダ記念日』、回廊、『未来のサイズ』の3つのエリアに分けて展示し、来館者は普段は目にすることのないスケールで展示される俵氏の言葉と世界観を楽しめる。ベストセラー『サラダ記念日』のエリアではピンクをテーマカラーとし、恋愛歌20首が施された大きなハートの什器や、学生時代に家族に寄せたはがきや手紙が巨大サイズに引き伸ばされて展示されている。

建築家によるテキストより

会場内に展開する俵氏の言葉の中を歩くことで、膨大な資料とともに歌の世界を体験し、新たに言葉や歌と出会える空間を目指した。

建築家によるテキストより
BIGとへザウィック・スタジオによる、アメリカ・カリフォルニアの、グーグル社新社屋の新しい現場写真

BIGへザウィック・スタジオが設計して建設が進められている、アメリカ・カリフォルニアの、グーグル社新社屋の新しい現場写真がinstagramに投稿されていました。2019年9月には屋根部分の完成した写真がレポートされていました。

トラフ建築設計事務所による、木製ピースでつくるペンギンのオブジェ「ISHINOMAKI PENGUIN KIT」
トラフ建築設計事務所による、木製ピースでつくるペンギンのオブジェ「ISHINOMAKI PENGUIN KIT」 photo©小川真輝
トラフ建築設計事務所による、木製ピースでつくるペンギンのオブジェ「ISHINOMAKI PENGUIN KIT」 photo©小川真輝
トラフ建築設計事務所による、木製ピースでつくるペンギンのオブジェ「ISHINOMAKI PENGUIN KIT」 photo©小川真輝

トラフ建築設計事務所による、木製ピースでつくるペンギンのオブジェ「ISHINOMAKI PENGUIN KIT」です。発売は2021年9月1日。石巻工房が2021年8月10日まで行なっているクラウドファウンディングの返礼品からも選択できます。

木製ピースでつくるペンギンのオブジェ、ISHINOMAKI PENGUIN KIT。

ISHINOMAKI BIRD KIT、ISHINOMAKI KOALA KITに続く、石巻工房による動物をモチーフにしたDIYキットです。

付属の紙やすりで思い思いに丸みをつけ、好きな色を塗れば、世界に一つだけのペンギンができあがります。

建築家によるテキストより
トラフ建築設計事務所による、絵本をテーマとした展覧会の会場構成「おいでよ!絵本ミュージアム2021」
トラフ建築設計事務所による、絵本をテーマとした展覧会の会場構成「おいでよ!絵本ミュージアム2021」 photo©小川真輝
トラフ建築設計事務所による、絵本をテーマとした展覧会の会場構成「おいでよ!絵本ミュージアム2021」 photo©小川真輝
トラフ建築設計事務所による、絵本をテーマとした展覧会の会場構成「おいでよ!絵本ミュージアム2021」 photo©小川真輝

トラフ建築設計事務所が設計した、絵本をテーマとした展覧会の会場構成「おいでよ!絵本ミュージアム2021」です。展覧会は福岡アジア美術館にて2021年8月22日まで開催中。公式ページはこちら

福岡アジア美術館で開催される「おいでよ!絵本ミュージアム」の会場構成計画。

建築家によるテキストより

夏休みの子どものための文化事業として2007年から毎年開催されてきた本展では、絵本や物語を体験できる展示のほか、会場内で1000冊の絵本が読めるライブラリーを設けた。15年目となる2021年は「絵本の力」をテーマに、コロナ禍においても安心して、絵本の世界観の中で絵本との出会いやコミュニケーションを楽しめる会場構成を行った。

本展では、エリアごとに絵本やアーティストを取り上げ、その世界観に入り込むような展示とした。

建築家によるテキストより

もこもこソファや石巻工房のAAスツール、だんだんベンチといったトラフがデザインしたアイテムを点在させることで、展示会場内に思い思いに座ったり、絵本を広げたりできる居場所をつくった。造作什器には段ボールを使用することで本との親和性を図り、会期後の資源化に配慮している。

建築家によるテキストより
トラフ建築設計事務所による、愛知の、商業施設内のスキンケアブランドの店舗「Aesop 名古屋高島屋ゲートタワーモール」
トラフ建築設計事務所による、愛知の、商業施設内のスキンケアブランドの店舗「Aesop 名古屋高島屋ゲートタワーモール」 photo courtesy of Aesop
トラフ建築設計事務所による、愛知の、商業施設内のスキンケアブランドの店舗「Aesop 名古屋高島屋ゲートタワーモール」 photo courtesy of Aesop
トラフ建築設計事務所による、愛知の、商業施設内のスキンケアブランドの店舗「Aesop 名古屋高島屋ゲートタワーモール」 photo courtesy of Aesop

トラフ建築設計事務所が設計した、愛知の、商業施設内のスキンケアブランドの店舗「Aesop 名古屋高島屋ゲートタワーモール」です。店舗の公式ページはこちら

オーストラリアのスキンケアブランド イソップの、名古屋高島屋ゲートタワーモール店の内装計画。同フロアの既存店舗が、より大きな区画へとリロケーションする。

建築家によるテキストより

木の無垢材としての量感と撫でたくなるような質感を表出する、温かみのあるマテリアルを選択し、愛知県を拠点とする日本最大の木製家具メーカー、カリモク家具との協業を検討した。カリモクにはAesop 渋谷店(2018)、Aesop ニュウマン横浜店(2020)でも木での製作を依頼しているが、本計画では木の量感を表現するという新たな取り組みで協働している。

建築家によるテキストより

中央のシンク、ポスカウンター、大小のベンチ、ペンダントライトや商品棚には国産クルミの集成材を使い、無垢の木を削り出したような丸みを帯びた彫刻的なボリュームを感じさせる。くすんだピンク色の壁面は木と調和し、ステンレスのシンクが中央で輝いている。足元に敷かれたコーヒー色のカシミアカーペットが訪れた人を柔らかく迎え入れる。

建築家によるテキストより
nendoがデザインを手掛けた「Tokyo2020 聖火台」の動画

nendoがデザインを手掛けた「Tokyo2020 聖火台」の動画です。こちらのページには写真や画像が多数掲載されています。

東京2020オリンピック・パラリンピックの開・閉会式演出企画チーム統括であった野村萬斎氏の
「太陽の下に皆が集い、皆が平等の存在であり、皆がエネルギーを得る」というコンセプトに基づいてデザインされた聖火台。
求められた「太陽らしさ」を表現するために、耐熱ガラスの球体に炎を閉じ込めたり、
炎を回転させて球状にしたりと、延べ85案が検討された。
試行錯誤の末、「五輪」をモチーフにした5枚のパネルが上下2段で構成された球状のものに。
オリンピック開会式の終盤に、最終聖火ランナーを迎えるようにして「咲く」。
これは、太陽だけでなく、植物が芽吹いたり花が咲いたり、
空に向かって手を大きく広げたりといった、
太陽から得られるエネルギーや生命力を表現したもの。

アイリーン・グレイが1929年に完成させたヴィラ「E-1027」の修復が完了して公開。7年の歳月と約7億円の費用が投じられオリジナルに近い形で修復
アイリーン・グレイが1929年に完成させたヴィラ「E-1027」の修復が完了して公開。7年の歳月と約7億円の費用が投じられオリジナルに近い形で修復 photo©Manuel Bougot
アイリーン・グレイが1929年に完成させたヴィラ「E-1027」の修復が完了して公開。7年の歳月と約7億円の費用が投じられオリジナルに近い形で修復 photo©Manuel Bougot
アイリーン・グレイが1929年に完成させたヴィラ「E-1027」の修復が完了して公開。7年の歳月と約7億円の費用が投じられオリジナルに近い形で修復 photo©Manuel Bougot

アイリーン・グレイが1929年に完成させたヴィラ「E-1027」の修復が完了して公開されました。7年の歳月と約7億円(※2021年7月現在 / 550万ユーロ)の費用が投じられオリジナルに近い形で修復が行われました。

こちらはリリーステキストの翻訳

アイリーン・グレイのモダニズム作品の修復が完了
傑作が完成

550万ユーロをかけて行われたヴィラE-1027の修復が完了し、現在は一般公開されています。

アソシエーション・キャップ・モデルンは、アイリーン・グレイのVilla E-1027の修復が完了したことを発表しました。この別荘は、ル・コルビュジエの「カバノン(カップ・マルタンの休暇小屋)」や「キャンピング・ユニット(ユニテ・ド・キャンピング)」、隣接する「エトワール・ド・メール(ヒトデ軒)」とともに、2021年6月11日から一般公開され、見学ができるようになりました。また、研究者や学者のためのスタディセンターとしての開発も計画されています。

「このヴィラを1929年当時の状態に復元することは、このプロジェクトに携わった私たち全員の愛の結晶であり、その効果はアイリーン・グレイの天才ぶりを如実に示すものであり、すぐそばにあるル・コルビュジエの驚くほど親密な建物との驚くべきダイナミックなコントラストを生み出しています。魔法のようにユニークなこの作品を、ぜひご自身の目で確かめてみてください…」

ヴィラE-1027の修復は完了し、ル・コルビュジエの「カバノン」や「ユニテス・ド・キャンピング」、レストラン「エトワール・ド・メール」を含むキャップ・モデルンの敷地全体と、近くのロックブリュン・キャップ・マルタン駅にあるビジターセンターも完成しました。

リトラル美術館が所有するキャップ・モデルンは、マイケル・リキエルマン氏が会長を務めるキャップ・モデルン協会の主導により、ロックブリュン・キャップ・マルタン市、アルプ・マリティーム県、プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地方、リトラル美術館、DRACを通じた文化省の支援を受けて、2015年に一般公開されました。

歴史的建造物として登録されているキャップ・モデルンは、アルプ=マリティーム地方で唯一のユネスコ世界遺産に登録されています。この地域で必見の場所のひとつであり、年間1万人以上の訪問者を迎えています。

アイリーン・グレイが1929年に完成させたフランスの住宅「E-1027」の修復が完了。日本円で約7億円の費用が投じられる

アイリーン・グレイが1929年に完成させたフランスの住宅「E-1027」の修復が完了したそうです。日本円で約7億円(550万ユーロ)の費用が投じられ1929年当時の状況に復元されたとの事。施設の公式サイトはこちらです。

アルヴァロ・シザが1966年に完成させた初期代表作のひとつ「レサのスイミングプール」が2年間の改修を終え公開

アルヴァロ・シザが1966年に完成させた初期代表作のひとつ「レサのスイミングプール」が2年間の改修を終え公開されたようです。
以下に、それを伝えるツイートを紹介します。こちらのページで写真を18枚閲覧可能です(撮影時期不明)。

藤森照信・妹島和世・藤本壮介・平田晃久・石上純也・藤原徹平・会田誠・草間彌生によるパヴィリオンが都内8か所に設置された「パビリオン・トウキョウ 2021」のシンポジウム等の動画

藤森照信・妹島和世・藤本壮介平田晃久石上純也藤原徹平会田誠草間彌生によるパヴィリオンが都内8か所に設置された「パビリオン・トウキョウ 2021」のシンポジウム等の動画が多数公開されています。


開会式の動画


記者会見の動画

MVRDVが計画している、中国・上海の、農業技術会社の研究開発本部「LAD HQ」。棚田を参照した形状のヴォリュームを緑化し技術を盛り込んだ屋根を掛けることでサステナブルかつ企業のミッションを伝える建築を構想
MVRDVが計画している、中国・上海の、農業技術会社の研究開発本部「LAD HQ」。棚田を参照した形状のヴォリュームを緑化し技術を盛り込んだ屋根を掛けることでサステナブルかつ企業のミッションを伝える建築を構想 image©MVRDV
MVRDVが計画している、中国・上海の、農業技術会社の研究開発本部「LAD HQ」。棚田を参照した形状のヴォリュームを緑化し技術を盛り込んだ屋根を掛けることでサステナブルかつ企業のミッションを伝える建築を構想 image©MVRDV
MVRDVが計画している、中国・上海の、農業技術会社の研究開発本部「LAD HQ」。棚田を参照した形状のヴォリュームを緑化し技術を盛り込んだ屋根を掛けることでサステナブルかつ企業のミッションを伝える建築を構想 image©MVRDV

MVRDVが計画している、中国・上海の、農業技術会社の研究開発本部「LAD HQ」です。棚田を参照した形状のヴォリュームを緑化し技術を盛り込んだ屋根を掛けることでサステナブルかつ企業のミッションを伝える建築を構想しています。

こちらは建築家によるテキストの翻訳

「サステナビリティ・マシーン」MVRDVが農業技術会社Lankuaikeiの上海の研究開発本部を設計

MVRDVは、上海にあるLankuaikei Agriculture Development (LAD) の本部のデザインを公開しました。この建物は、11階建てのテラス式オフィスビルで、ハイテクとローテクの両方のサステナビリティ戦略を、テクノロジカルな急勾配の屋根の下に集約し、農業技術会社のショーケースとしています。臨港新城の中心にある湖の近くに位置するこのビルは、急速に発展する上海の都市部にある農業のオアシスであり、中国で最もグリーンでスマートなサステナブルビルの一つとして構想されています。

上空から見ると長方形の建物ですが、北側の中庭と歩行者用メインエントランスに向かって段々と降りていくテラスによって、印象的な曲線を描いています。テラスは木で覆われ、緑に覆われています。また、建物の最上部には一般の人がアクセスできるルートがあり、LADの作品や研究を紹介するスペースが設けられています。テラスの形状に沿った曲線の屋根構造が全体を覆っています。この構造は、建物の南側ではソーラーパネルを支え、北側では透過性があり、太陽の光を遮断する一方で、雨は下のテラスに届くようになっています。外壁のファサードは、ソーラーパネルとガラスがひだ状に配置されており、夏の強い日差しから室内を守り、冬の日差しを室内に取り込むように角度がつけられています。また、南側の壁は、外の幹線道路の騒音からオフィスワーカーを守る役割を果たしています。

このビルは「サステナビリティ・マシーン」として考えられており、ハイテクやローテクを駆使して、間接的にも直接的にもさまざまな課題に立ち向かっています。素材の選定とライフサイクル分析により、一般的な同種の建築物と比べて40%の環境負荷低減を実現しています。また、屋根構造とテラスにより、効率的な自然換気を実現しています。この換気と遮光対策により、必要なエネルギーを削減しています。設計に組み込まれたソーラーパネルのおかげで、この建物は運用時にはほぼエネルギーニュートラルになります。

テラスは雨水を集めてトイレなどに利用するほか、最上階まで続く緑のおかげで生物多様性や健康的な職場環境を提供しています。さらに、LADのミッションを促進する役割と、そのビジョンを実現するための展示スペースにより、公共教育や農業生産にも間接的に貢献しています。

MVRDVの設立パートナーであるジェイコブ・ヴァン・リースは言います。
「LADとの仕事はエキサイティングな経験でした。この本社ビルは、企業のミッションと完璧に一致した建築を示しています。」
「建物のあらゆる面にサステナビリティを取り入れることは、建築家にとって興味深い挑戦です。このアプローチは地球に優しいだけでなく、オフィスの利用者にも喜ばれることでしょう。テラスが提供する快適な作業環境を楽しむことができます。」

LAD社の董偉華社長は述べます。
「MVRDVのミッションは、都市や景観を持続可能で未来につながるものにすることです。LADのミッションとビジョンは、LADの知識で中国の農村の活性化と食の安全に力を与え、自然の神秘を探求し、科学技術で人々の健康を守ることです。今回の協力プロジェクトでは、両社のミッションを組み合わせた 『農業のオアシス』が実現することを期待しています。」

建物は、北に湖、南に公園を望む上層階に6,000m2のLAD本社のオフィス、下層階に9,000m2のラボと共同オフィスがあります。
下部には9,000m2の研究室と共同作業室があります。1階と2階には、調整可能なオーディトリアムと展示スペースが設けられ、1階には周辺に小さな小売店があり、中庭のパブリックエントランス、レンタルオフィスとLAD本社の独立したエントランスの3つの入口が「エキシビション・ストリート」で結ばれています。地下2階には食堂と駐車場がありますが、地下にも光と空気と緑を取り込むための空洞がいくつも設けられており、「農業のオアシス」というコンセプトが貫かれています。

トラフ建築設計事務所による、東京・清澄白河の、トーキョーバイクの旗艦店「TOKYOBIKE TOKYO」のレポート。コーヒースタンドやプランツショップも入店し売るだけでない今の時代に求められる店舗を構想
トラフ建築設計事務所による、東京・清澄白河の、トーキョーバイクの旗艦店「TOKYOBIKE TOKYO」のレポート。コーヒースタンドやプランツショップも入店し売るだけでない今の時代に求められる店舗を構想築58年の元倉庫を改修。 photo©architecturephoto
トラフ建築設計事務所による、東京・清澄白河の、トーキョーバイクの旗艦店「TOKYOBIKE TOKYO」のレポート。コーヒースタンドやプランツショップも入店し売るだけでない今の時代に求められる店舗を構想 photo©architecturephoto
トラフ建築設計事務所による、東京・清澄白河の、トーキョーバイクの旗艦店「TOKYOBIKE TOKYO」のレポート。コーヒースタンドやプランツショップも入店し売るだけでない今の時代に求められる店舗を構想 photo©architecturephoto

トラフ建築設計事務所が設計した、東京・清澄白河の、トーキョーバイクの旗艦店「TOKYOBIKE TOKYO」をレポートします。コーヒースタンドやプランツショップも入店し売るだけでない今の時代に求められる店舗が構想されています。店舗のウェブサイトはこちら。店舗の開店は2021年7月10日より。

こちらはアーキテクチャーフォトによるレポート

トラフ建築設計事務所の設計で、自転車ブランドTOKYOBIKEの旗艦店「TOKYOBIKE TOKYO」が、東京・江東区清澄白河に完成した。
築58年の倉庫をコンバージョンした建築である。建物の特徴はプログラムにもある。ブランドの旗艦店として自転車を販売するだけでなくファッションアイテムの販売もされ、また地元の自家焙煎コーヒースタンド「ARiSE COFFEE PATTANA」と植物を販売するプランツショップ「The Plant Society Tokyo Flagship」も入居している。そして、建物内のスペースの多くを明確な用途を持たない階段空間として設計がなされている。

一般的に自転車店と聞いて我々が想像するのは、店内に所狭しと自転車が並んでいる風景ではないだろうか。この店舗では、ショーウィンドウに自転車が展示されていたり、壁面に展示されているものの、お店の中に入っても自転車に圧倒されることはない。一見すると何のお店かわからないくらいのささやかさである。

店内に入ってまず目に入るのは、上階へ続く“大階段”である。トラフはこの階段を「イタリアのスペイン広場を思わせる大階段」と表現するが、実際に空間に身を置いてみると、吹き抜けのデザインや、開口部からの光によって自然と視線が上部に誘導され、プランツショップなども目に入り、上階へと昇り進みたくなる感覚を覚えた。入口右手側にあるコーヒーショップで買ったコーヒーを片手に階段に腰掛けるお客さんの姿も目に浮かぶようだった。階段と言っても、単純な階段ではなくその段差や素材は丁寧に設計されており、そこで佇むことがアフォードされるデザインである。この場所は、現在の社会状況が改善された頃には、様々なイベントが行われる舞台になるだろう。

階段を上ると、キッズコーナーがあり、更に奥まで歩いていくとプランツショップがある。キッズコーナーではトラフが結成される切っ掛けとなった「テンプレート イン クラスカ」をセルフオマージュしたデザインが施されており、建築ファンも楽しむことができるだろう。プランツショップは、メルボルンから出店されたそうで豊富な植物を閲覧することができ、この空間内を散策する目的地としても最適な配置がなされているように感じる。

ここまで建築を説明してきたが、TOKYOBIKEの自転車がどこに展示・販売されているかということも気になるのではないだろうか。その場所は、エントランス右奥と大階段下の比較的目に入りにくい場所に設計されている。主たる商品のはずの自転車がこの場所で販売されているという所に、トラフとクライアントの現代の物販店舗の在り方についての考察や未来への展望が込められていると感じ非常に唸らされた。

いまビジネスの世界を見てみると、ネットの普及、SNSの普及によって間違いなくモノの売り方は変わっている。テレビCMや広告ではなく、不特定多数の口コミが参照されたり、SNSでの反響からモノが売れるようになったりしている。ただ単に商品を強力にアピールして露出度を高めることが売り上げに直結する時代ではないのである。筆者が詳しいネット通販の世界でも同様である。著名な通販サイトではただモノを売るだけではなく、オウンドメディアとして読み物を提供したり、更にはドラマまで作ってしまう所もある。それらは直接的な商品を宣伝するものではないが、店舗の世界観や思想を伝えるものであり、それらのコンテンツに魅了された人々は、結果として「あのサイトが売っているモノなら」と信頼を感じ購入するようになるのである。直接的であるより間接的であることが重要なのだ。

この店舗「TOKYOBIKE TOKYO」でコーヒーを飲んだり、休憩したり、イベントに参加したり、植物を購入したりする。そんな風にこのお店が生活の中に根差していく。そんな時間の流れの中で、自転車が壊れたりして買い替える必要のある人たちも出てくるだろう。その時、彼らはTOKYOBIKEのことが頭に浮かびこのお店に足を運び実際に商品を手に取り購入していくのではないだろうか。そんな、お客さんにとってもお店にとっても幸せな関係が、この空間で構想されたことだろうと感じた。

建築空間として興味深いのは勿論であるが、プログラムすら決まっていない段階からトラフが関ったこの建築は、“トラフがクライアント共にこれからの店舗の在り方を世に問いかけた事例”としても捉えることができる建築だと言えるのではないだろうか。

佐藤可士和による新国立美術館で行われた展覧会が3Dバーチャルツアーで閲覧可能
佐藤可士和による新国立美術館で行われた展覧会が3Dバーチャルツアーで閲覧可能 photo courtesy of SAMURAI / ©ARCHI HATCH
佐藤可士和による新国立美術館で行われた展覧会が3Dバーチャルツアーで閲覧可能 photo courtesy of SAMURAI / ©ARCHI HATCH

佐藤可士和の新国立美術館で行われた展覧会が3Dバーチャルツアーで閲覧可能になっています。会場写真はアーキテクチャーフォトでも特集記事として紹介しています。

2021年2月から約3ヶ月間にわたって、東京・国立新美術館で開催された佐藤可士和展では、自らが展示作品や会場構成のキュレーションを行い、約30年にわたる活動を多角的に紹介した。
「さまざまな美術表現を紹介し、新たな視点を提起する美術館」を活動方針に掲げ、デザインや建築の展覧会を定期的に開催してきた国立美術館での展示となることから、ブランディングやクリエイティブディレクションという営みを広く伝えることを全体のコンセプトに設定。ポスターやチラシ、テレビCMなどの広告物、オリジナルグッズ、PRコンテンツなど展覧会にまつわるあらゆるタッチポイントを自らデザインし、クリエイティブディレクションの本質的な価値を可視化することを試みた。
展覧会は、広告、ロゴ、グラフィックデザイン、ブランディング、アートなどの表現アプローチを切り口にした6つのセクションで構成した。イントロダクションとなる「THE SPACE WITHIN」では、マンガの表紙やロゴ、標識などのマークに魅せられてきた幼少期に描いたコラージュ作品や、PCで初めてデザインしたグラフィック作品などを紹介し、続く「ADVERTISING AND BEYOND」では、1990年代以降、あらゆるものを情報伝達のメディアと捉えて展開してきた斬新な広告表現の数々を、発表時のダイナミックなスケールで展示した。

フォスター+パートナーズによる、ロサンゼルスの、20世紀初頭に完成した映画館を改修したアップルの最新店舗「アップル・タワー・シアター」。既存の建物に新たな目的を与え都市再生も意図
フォスター+パートナーズによる、ロサンゼルスの、20世紀初頭に完成した映画館を改修したアップルの最新店舗「アップル・タワー・シアター」。既存の建物に新たな目的を与え都市再生も意図 photo©Cesar Rubio
フォスター+パートナーズによる、ロサンゼルスの、20世紀初頭に完成した映画館を改修したアップルの最新店舗「アップル・タワー・シアター」。既存の建物に新たな目的を与え都市再生も意図 photo©Cesar Rubio
フォスター+パートナーズによる、ロサンゼルスの、20世紀初頭に完成した映画館を改修したアップルの最新店舗「アップル・タワー・シアター」。既存の建物に新たな目的を与え都市再生も意図 photo©Cesar Rubio

フォスター+パートナーズが設計した、アメリカ・ロサンゼルスの、20世紀初頭に完成した映画館を改修したアップルの最新店舗「アップル・タワー・シアター」です。既存の建物に新たな目的を与え都市再生も意図しています。

こちらはリリーステキストの翻訳

LAダウンタウンのアップル・タワー・シアターの幕が上がる

ロサンゼルスのダウンタウンの中心に位置するAppleの最新店舗、アップル・タワー・シアターがオープンしました。このデザインは、ロサンゼルスで最も歴史のある映画館のひとつを再活性化するために、建物に新たな目的を与え、失われた栄光を取り戻すことを目的としています。アップル・タワー・シアターの公開は、ロサンゼルスのダウンタウンにおける都市再生の重要な一部であり、この地域の都市部の小売店やコミュニティの生活を強化するものです。

このデザインは、アップル社とフォスター+パートナーズ社のデザインチームが緊密に協力して実現したものです。

タワーシアターは、1927年に映画館の設計者であるS・チャールズ・リーによって設計された、ロサンゼルスで最初のトーキングムービーを上映する映画館です。この設計では、特徴的な時計塔とテラコッタの外壁を復元し、歴史的な内装を強化し、マルケとブロードウェイ通りの立面を改善するとともに、アクセス性を向上させることで、この建物が将来にわたって存続し、コミュニティに貢献できるようにしています。

フォスター+パートナーズのスタジオ責任者であるステファン・ベーリング(Stefan Behling)は次のように述べています。
「私は、人は人と一緒にいるのが好きだと信じています。これは、世界中の都市の基本です。アップル・タワー・シアターは、街の楽観性と回復力を示す新たな道標となり、ロサンゼルスのダウンタウンへの信頼の証となるでしょう。このデザインは、映画誕生時のロマンスと興奮を蘇らせ、『存在する場所』のアイデアを再現しています。内装の精巧なディテールは、丹念に復元されています。今日からアップル・タワー・シアターは、LAのダウンタウンに都市生活の活力を取り戻すための活動や祝賀行事で再び活気づくことでしょう。」

デザインは、ブロードウェイでのアクティブな存在感を目指しています。来場者は、ストリートレベルの広々としたロビーに入ります。ロビーを抜け、復元された大階段で上層階に上がりると、地上階のメインシアターホールの巨大なボリュームが現れ、それは壮大な展示エリアへと生まれ変わっています。壁や天井に施された1920年代の歴史的な漆喰の装飾は、丁寧に修復され、さらに美しさを増しています。劇場天井の中央ドームには、南カリフォルニアの空に降り注ぐ穏やかな黄金色の太陽を描いたフレスコ画が描かれ、空間に躍動感と色彩を与えています。

また、トーキー映画の黄金時代を彷彿とさせるように、プロセニアムアーチの下にスクリーンを設置しました。また、階段とエレベーターを利用してバルコニー階にアクセスすることができ、フォーラムを鑑賞するのに最適な席となっています。シアタースタイルのゆったりとした革張りのシートには、電源とデータポイントが内蔵されており、ジーニアスの予約時間を待つ間、お客様にリラックスしていただくのに最適な場所です。バルコニーの最上部にはジーニアスがあります。そこでは、シアターの映写機の窓のすぐ下に位置し、復元されたシアターの全貌を見ることができます。アップルでの今日は、人々にインスピレーションを与え、2階のバルコニーを含む店舗全体を劇場型のイベントスペースに変える、新しいマグネットとなるでしょう。

隈研吾が設計を進め2023年の完成を予定する、東京の「(仮称)江戸川区角野栄子児童文学館」の基本設計概要版が公開
隈研吾が設計を進め2023年の完成を予定する、東京の「(仮称)江戸川区角野栄子児童文学館」の基本設計概要版が公開俯瞰パース。 / 江戸川区の許可を得て掲載
隈研吾が設計を進め2023年の完成を予定する、東京の「(仮称)江戸川区角野栄子児童文学館」の基本設計概要版が公開外観パース。 / 江戸川区の許可を得て掲載

隈研吾建築都市設計事務所が設計を進め2023年の完成を予定する、東京の「(仮称)江戸川区角野栄子児童文学館」の基本設計概要版が公開されています。PDFでの資料です。計画地は東京・江戸川区の「なぎさ公園内(Google Map)」です。

以下は隈のサイトに掲載されている解説テキスト。

なぎさ公園の丘の上に、「魔女の宅急便」の原作者、角野栄子さんの世界を体験できるミュージアムをデザインした。
角野栄子さんの世界に登場する「おうち」のような小さな単位で建築を考えた。
なだらかな丘の傾斜に沿わせて小さな箱を並べ、花のような軽やかなひろがりを感じさせる屋根を掛けた。
豊かな公園の自然を感じながら、五感で角野栄子さんの世界観に触れることができる、開かれた環境を江戸川のほとりの丘の上に創造した。

プロジェクトチーム:横尾実、成澤佳佑、鈴木里奈、楊光耀、叶子萌
ヴィジュアライゼーション:安祥毅
構造設計:江尻構造設計事務所
設備設計:環境エンジニアリング
造園設計:クロス・ポイント
展示設計:乃村工藝社

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