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グラフィックデザイナー 西村祐一 / Rimishunaと、京都国立近代美術館のキュレーター 本橋仁の展示デザインによる、展覧会「チェコ・デザイン 100年の旅」
グラフィックデザイナー 西村祐一 / Rimishunaと、京都国立近代美術館のキュレーター 本橋仁の展示デザインによる、展覧会「チェコ・デザイン 100年の旅」 photo©守屋友樹

グラフィックデザイナー 西村祐一 / Rimishunaと、京都国立近代美術館のキュレーター 本橋仁の展示デザインによる、展覧会「チェコ・デザイン 100年の旅」です。
京都国立近代美術館でのこの展示は現在臨時休館中です。

美術館での展示におけるパネルやキャプションなどの文字情報の扱いは、日頃から細心の注意を払いたいと考えている。この展覧会は1900年から現代までのデザインをクロノロジーで紹介するものだ。紹介される作品の多くは「日用品」である。もしこれが、絵画作品や彫刻といった美術作品(Fine Art)であれば、作品名が書かれたキャプションを作品の近くに設置することは妥当な選択といえるだろう。
しかし、展示されるものが本展のように日用品である場合、どうだろうか。当然、普段の生活では日用品にベタベタとキャプションなど貼られていない。デザイン展においては作品が、あまりに「作品然」としすぎることは、応用美術(Applied Art)を扱うデザインにおいてはリアリティを失ってしまう。

設計者によるテキストより
大松俊紀 / 大松俊紀アトリエによる、椅子「Shades of Brunelleschi」
大松俊紀 / 大松俊紀アトリエによる、椅子「Shades of Brunelleschi」 photo©Toshiki Omatsu

大松俊紀 / 大松俊紀アトリエによる、椅子「Shades of Brunelleschi」です。

円弧という形状が椅子の座面に使用された例はあまり見たことがない。座り心地の問題など色々な理由から回避されている形状である。だが円弧に座ると、平面で作られた座面より、なぜか包まれた感じがして意外に心地がよい。さらにそれを浮かせると、今までにない座り心地になる。浮遊感を感じるためには、できるだけ薄い素材で作らなければいけない。スチールで製作することは安易だが、椅子自体が非常に重くなる。到底一人では運べない。二人でもかなり大変である。アルミを使用することで、スチールに比べて重さは3分の1となる。だが、アルミはスチールに比べ柔らかい素材であるから、そう簡単には構造的に成り立たない。どこまで薄いアルミでこの形状を作れるか?意外に難題であった。

建築家によるテキストより
domusが、建築とデザインが根底にある映画の名作を10作品セレクトして紹介

domusが、建築とデザインが根底にある映画の名作を10作品セレクトして紹介しています。リンク先に各映画のサムネイル画像と解説テキストが掲載されています。

青木淳が、都電荒川線の停留場のベンチを設計してその過程を紹介する連載の第3回目「モックアップでの検証」

青木淳が、都電荒川線の停留場のベンチを設計してその過程を紹介する連載の第3回目「モックアップでの検証」が公開されています。青木が第二回で模型で検証していたベンチのモックアップ写真等が紹介されています。

ピタゴラスイッチ等の創作で知られる佐藤雅彦とユーフラテスの佐藤匡へのインタビュー「佐藤雅彦とユーフラテスの独創的表現の裏側。表現以前の探求」

ピタゴラスイッチ等の創作で知られる佐藤雅彦ユーフラテスの佐藤匡へのインタビュー「佐藤雅彦とユーフラテスの独創的表現の裏側。表現以前の探求」がCINRAに掲載されています。

様々な建築家とのコラボで知られる、家具デザイナーの藤森泰司のウェブサイトがリニューアル

様々な建築家とのコラボレーションで知られる、家具デザイナーの藤森泰司のウェブサイトがリニューアルされています。過去にデザインされた建築家作品内の家具の写真も多数見ることができます。

藤森の経歴はこちら。

1967 埼玉県出身
1991 東京造形大学卒業後、
家具デザイナー大橋晃朗に師事
1992–1998 長谷川逸子・建築計画工房 勤務
1999 藤森泰司アトリエ 設立
2003–2010 関東学院大学非常勤講師
2004– 桑沢デザイン研究所非常勤講師
2007–2009 前橋工科大学非常勤講師
2007– 武蔵野美術大学非常勤講師
2009– 多摩美術大学非常勤講師
2011–2014 東京造形大学非常勤講師
2014–2016 日本工業大学非常勤講師
2016– 東京大学非常勤講師
2016– グッドデザイン賞 審査員
2019– 東京藝術大学非常勤講師

家具デザインを中心に据え、建築家とのコラボレーション、プロダクト・空間デザインを手がける。近年は図書館などの公共施設への特注家具をはじめ、ハイブランドの製品から、オフィス、小中学校の学童家具まで幅広く手がけ、スケールや領域を超えた家具デザインの新しい在り方を目指して活動している。毎日デザイン賞ノミネート、グッドデザイン特別賞など受賞多数。2019年著書「家具デザイナー 藤森泰司の仕事」(彰国社)を発売。

nendoによる、巨大な階段が建物を貫く、東京の二世帯住宅「階段の家」の写真など

nendoのウェブサイトに、巨大な階段が建物を貫く、東京の二世帯住宅「階段の家」の写真と図面が62枚掲載されています。また、nendoの佐藤オオキと施主によるこの住宅に関する対談がこちらのページで閲覧できます。

東京の閑静な住宅地に建つ二世帯住宅。敷地の周囲に住宅やアパートなどが建て込んでいることから、建築のボリュームを敷地の北側にぐっと寄せて南側に庭を確保し、南面をできるかぎり大きく開くことで採光や通風、そして庭の緑を積極的に生活空間に取り込むことにした。そして、こうした配置計画によって先代から愛されてきた既存の柿の木を残すことが可能となった。

階段の上り下りの負担に配慮した結果、高齢の両親の住まいは1階に配置。そして夫婦と子供の三人家族は2〜3階で暮らすことに。これによって、両親と一緒に暮らす8匹の猫たちが内と外を自由に出入りしやすくなり、母の趣味である庭の植栽の手入れと鑑賞が手軽に楽しめるようになった。このとき、二世帯が上下に完全分離をされてしまうことが懸念されたため、南側の庭を一部「階段状」にし、1階から3階までを貫くように建築内部に引き込むことに。「階段」の内側には水回りや上下移動用の階段といった機能的要素がコンパクトに収められ、上部は緑の豊かな温室のような半屋外スペースとなり、高い場所に登るのが大好きな猫たちにとっても格好な日向ぼっこの場所となる。そして、この階段と緑によって上下階が斜め方向に緩やかに繋がるようになり、三世代の家族みんながお互いの気配をそれとなく感じながら過ごせる空間が生まれた。

この階段は「内部と庭」そして「家族同士」を繋ぐのにとどまらず、地上では南側の私道と接続しながら外へ伸びていき、上部はトップライトを経由して空へと吸い込まれていくことで、周囲や街とも緩やかに繋がっていくような、そんな、広がりのある建築となることを意識した。

ミラノサローネ国際家具見本市が2021年へ延期されることに

ミラノサローネ国際家具見本市が2021年へ延期されることが発表されました。

Salone del Mobile. Milano/ミラノサローネ国際家具見本市 (以下、ミラノサローネ) は2020年に予定されていた開催が、2021年4月13日(火)〜18日(日)へ延期されることが決定しました。2月25日に4月から6月への延期を発表し、6月開催に向け最後まで実現を模索しましたが、状況が一変し先行きが不透明になり、世界的な緊急事態が長引く中、ミラノサローネの主催者として止むを得ない決断となりました。

2021年はミラノサローネの60周年でもあり、業界全体にとって特別開催年となります。従来の隔年開催見本市が初めて同時開催されます。毎年開催のサローネ国際家具見本市、ワークプレイス3.0、サローネ国際インテリア小物見本市、S.Project、サローネサテリテに加え、2021年開催予定のエウロルーチェ はもちろん、エウロクチーナ/ FTK、サローネ国際バスルーム見本市も全てが一堂に会します。

業界全ての企業、ミラノサローネと相乗的に機能するサプライチェーン全体、そしてミラノの街が再起動する機会となる1度限りの一大イベントを開催します。

デザイン経営に関する小冊子「デザイン経営 ハンドブック」を特許庁がPDFで公開しています

デザイン経営に関する小冊子「デザイン経営 ハンドブック」を特許庁がPDFで公開しています。こちらのページにはその他の特許庁が取り組んでいるデザイン経営についての周知関連資料を読むことができます

「デザイン経営」とは

「デザイン経営」とは、デザインの力をブランドの構築やイノベーションの創出に活用する経営手法です。その本質は、人(ユーザー)を中心に考えることで、根本的な課題を発見し、これまでの発想にとらわれない、それでいて実現可能な解決策を、柔軟に反復・改善を繰り返しながら生み出すことです。

経済産業省・特許庁は、2017年7月に有識者からなる「産業競争力とデザインを考える研究会」の議論の結果、2018年5月に報告書『「デザイン経営」宣言』を取りまとめました。

『「デザイン経営」宣言』では、「デザイン経営」の効果や、実践のための7つの具体的な取り組みも示されています。

トラフによる、リクルートGINZA8ビルのエントランスロビーのためのベンチ「G8ベンチ」の写真

トラフのウェブサイトに、リクルートGINZA8ビルのエントランスロビーのためのベンチ「G8ベンチ」の写真が掲載されています。

リクルートGINZA8ビルのエントランスロビーのためのベンチ。

ロビーでの待合とカフェでの使用に加え、隣接するギャラリーでのオープニングパーティーやレクチャー時にもレイアウト変更できるシンプルな門型のベンチを提案した。

様々なシーンに合わせ組み替えられるよう、外形は矩形にしつつ、硬質な素材による環境に対して、家具メーカー・カリモクの技術を活かし、栗の無垢材を使い重厚感を持たせつつも、柔らかな断面で手触りの良いディティールに仕上げた。濃淡3色で染色したベンチが、モノトーンの明るい空間に馴染みながらも場を引き締めている。

長坂常 / スキーマ建築計画がデザインした、暖簾(のれん)「NOREN」
長坂常 / スキーマ建築計画がデザインした、暖簾(のれん)「NOREN」 photo©望月孝

長坂常 / スキーマ建築計画がデザインした、暖簾(のれん)「NOREN」です。

日本橋めぐるフェスのうち「めぐるのれん展」の出品作品として暖簾をデザインした。
暖簾とはと探求していく中で、我々がいたった暖簾とは2枚から3枚程度の布をつなぎ合わせたものを暖簾と考えた。その時、我々は布を作り繋ぐという2つの行程を一回でまとめることを考え、帯で編む暖簾を考えた。

建築家によるテキストより
ガエターノ・ペッシェへのインタビュー「現実を呼吸する具象」(日本語)

1939年生まれのイタリア人デザイナー ガエターノ・ペッシェへのインタビュー「現実を呼吸する具象」がSSENSEに掲載されています。日本語で読める記事です。

原田祐馬率いるUMA / design farmによる展覧会「Tomorrow is Today」の会場写真と、榊原充大によるレビュー「Tomorrow Never Knows時代の希望と絶望」
原田祐馬率いるUMA / design farmによる展覧会「Tomorrow is Today」の会場写真と、榊原充大によるレビュー「Tomorrow Never Knows時代の希望と絶望」 photo©UMA / design farm

原田祐馬率いるUMA / design farmによる、銀座クリエイションギャラリーG8での展覧会「Tomorrow is Today」の会場写真と、榊原充大(RAD、株式会社都市機能計画室代表)によるレビュー「Tomorrow Never Knows時代の希望と絶望」を掲載します。会期は2020年3月28日まで。

こちらは展覧会公式の概要。

原田祐馬により2007年に設立されたUMA / design farmは大阪を拠点に活動するデザインスタジオです。グラフィックはもちろん、建築家や編集者と協働し、図書館や学校、障害者福祉施設などの仕組みづくりからサイン計画も手掛け、プロジェクトの上流から地域とその場に介在し、当事者と「ともに考え、ともにつくるデザイン」を、対話と実験を繰り返して実践しています。人、場所、分野を越境するそのデザイン手法により、循環と可能性を生み出す仕組みを提案しつづけています。

本展では、プロジェクトにどんな人たちが関わり、何を思い、ともににつくりあげたのか、その言葉や関係性、デザインプロセス、そこで紡がれた物語を交えて展示します。奈良県奈良市の福祉施設たんぽぽの家と障害のある人たちの仕事づくりを行う「Good Job! Project」、大津湖岸なぎさ公園サインデザインのプロセスや、UR 都市機構での鳥飼野々2丁目団地などの色彩計画では、デザインがどのように地域の人々の暮らしの一部になっているのかをご紹介します。

領域横断的にプロジェクトを進めるUMA / design farmは、日常の未来を考え、デザインが日々の生活に溶け込む環境を探究しています。あらためて社会におけるデザインの役割を考える展覧会です。

リリーステキストより
慶應SFC時代の佐藤雅彦研究室での、佐藤雅彦とのやり取りを当時の学生が回顧して執筆されている「佐藤先生に教わったこと」

慶應SFC時代の佐藤雅彦研究室での、佐藤雅彦とのやり取りを当時の学生が回顧して執筆されている「佐藤先生に教わったこと」がnoteに掲載されています。執筆しているのは「二歩/にほ」という文字とことばのデザインユニットを共同主宰している星功基です。

コールハースと書籍『S, M, L, XL』を制作したことでも知られるデザイナー ブルース・マウのインタビュー動画

レム・コールハースと書籍『S, M, L, XL』を制作したことでも知られるデザイナー ブルース・マウのインタビュー動画です。制作はルイジアナ美術館。

Meet the influential Canadian “design guru”, Bruce Mau, in this short video. Mau, who is the author of quintessential publications on architecture and design, shares his thoughts on how we can bring the book into the technological environment without losing its beauty and richness.

“I think it’s such a brilliant technology that if it didn’t exist today – if somehow we got to the present through technology and computers before the book – we would have to invent the book,” Maus says of the discussion surrounding the alleged ‘death of the book’. The book, he continues, is such a brilliant technology, that no computer can match: “It never crashes, it sequences narrative, which is one of the most important things we need to do to understand the world.” Mau shares how he is working on a technology platform for books because he realized that “when we moved the book from the physical book to the digital book, we left behind the beauty of the book. We left behind the culture of the book and the experience of the book. We just took the text.” The true experience of the book, he feels, should be better incorporated into the technological environment, while adding the capacity and reach that technology offers.

Bruce Mau (b. 1959) is a Canadian designer. Mau began as a graphic designer but has later extended his creative talent to the world of architecture, art, films, conceptual philosophy and eco-environmental design. From 1985-2010, Mau was the creative director of Bruce Mau Design (BMD), and in 2003 he founded the Institute Without Boundaries in collaboration with the School of Design. In 2010, he went on to co-found The Massive Change Network in Chicago. Mau is the recipient of prestigious awards including the Chrysler Award for Design Innovation in 1998, the American Institute of Graphic Arts Gold Medal in 2007, the Philadelphia Museum of Art’s Collab Design Excellence Award in 2015, and the Cooper Hewitt 2016 National Design Award for Design Mind – for his impact on design theory, design practice and public awareness. In 1998, Mau designed a widely circulated 43 point manifest called ‘The Incomplete Manifesto for Growth’, which assists its users in forming and assessing their design process. Mau is also the author of iconic books such as ‘S, M, L, XL’ (1995) with Rem Koolhaas: an architecture compendium that quickly became a requisite addition to the shelves of creatives. In June 2020, he will publish ‘MC24’, which features essays, observations, project documentation, and design work by Mau and other high-profile architects, designers, artists, scientists, environmentalists, and thinkers of our time.

建築家の藤田雄介が立ち上げた建具メーカー 戸戸からリリースされた「木のレバーハンドル」と、論考「技術と素材と歴史が織りなす部材」
建築家の藤田雄介が立ち上げた建具メーカー 戸戸からリリースされた「木のレバーハンドル」と、論考「技術と素材と歴史が織りなす部材」 photo©長谷川健太

建築家の藤田雄介が立ち上げた建具メーカー 戸戸(こと)からリリースされた「木のレバーハンドル」と、その制作過程や歴史との繋がりを解説する論考「技術と素材と歴史が織りなす部材」です。この製品の販売ページはこちら

我々は設計活動のかたわら「戸戸(こと)」という建具専門メーカーを立ち上げ、オリジナルの建具やその周辺のエレメントを流通してきた。それらは設計した建築の中で、必要に応じて生み出されたものであり、信頼している職人や作家との協働によりつくったものである。戸戸での流通に際しても、彼らと製品化していく生産体制を貫いている。

建築家によるテキストより

モダニズム黎明期の建築家の多くが、建築設計だけでなく家具や照明そしてドアハンドルなどを作り出していたが、我々はこれを彼らへのオマージュとしても考えた。20世紀初頭、ドイツを中心とした金物鋳造技術の発達がバウハウスやユーゲントシュティール、北欧など周辺国の建築家(アアルト・ヤコブセン・レヴェレンツなど)の建築金物を生み出したように、その時代の技術が新たな建築だけでなく付随するエレメントをつくりだしてきた。

建築家によるテキストより

また今後の展開として、今回の開発で得た知見をもとに、建築家各々が自らデザインしたレバーハンドルをつくれる仕組みをつくれないか模索している。

建築家によるテキストより

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