伊東豊雄へのインタビュー動画です。2024年9月に公開されたもの。
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宮崎晃吉 / HAGISOが設計した、東京・台東区の飲食店「noie」です。
住宅の一部を改修したワインバーです。建築家は、地域住民の“もうひとつの家”を目指し、厨房を多角形のカウンターで取り囲んで“自然と会話が生まれるような”距離感を創出しました。また、空間演出や店の在り方を考慮して様々な色も用いています。店舗の公式アカウントはこちら。
住宅の一部を改修した、7坪の小さなワインバー、noie。
趣味でワインソムリエの資格をもつクライアント家族から、自宅の一部を改修し、週末営業の店舗とするための設計を依頼された。
店舗名のnoieは、家族経営であること、地域住民のもう一つの家のような存在でありたい、という想いから名付けられた。
計画床たった7坪という限られたスペースの中で親密さと広さをどう感じられるかが課題である。
我々は、空間の大部分を占める厨房カウンターを中心に据え、お客さんが厨房を囲む席配置とすることで自然と会話が生まれるような距離感を考えた。さらにグループ利用も想定し、奥には天井高2000mmのラウンジスペースを用意した。
最大限の席数を確保した上で通路幅を考慮し、カウンターやラウンジテーブル、コンディメント台など家具の角部を隅切りすることにした。隅切りによる多角形のカウンターでは、自然と体が傾き、中心にあるペンダントライトを皆で囲む一体感が生まれている。
また、既存天井は高さ2400mmと住宅サイズであったが、艶有りのシルバー天井とすることで直下の梁や光を反射させ、高さ方向への奥行き感の増幅を図ると同時に空間に動きを与えた。
澤井紗耶加+佐野敦彦+棗田久美子+オンデザインが内装デザインを手掛けた、大阪市の「QUINTBRIDGE」です。建築設計はNTTファシリティーズが手掛けています。
交流と共創を促すオープンイノベーション施設の計画です。建築家は、協働の場に必要な“オープンでフレキシブル”に応えつつ、集団の中でも“緊張せず過ごせる”場を志向しました。そして、距離や視線を什器等で細かく“チューニング”して空間を作りました。施設の公式サイトはこちら。
QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)は大阪、京橋のNTT西日本 i-campus敷地内に建つオープンイノベーション施設。
さまざまな立場の会員・パートナーが出会い、働き、新たな社会課題解決や事業創造をする拠点をめざし2022年3月にオープンし、この2年間で大企業・スタートアップ・自治体・大学などの共創パートナー1,462社、QBメンバー約2万人以上が登録し(2024年6月時点)、多くの人の活動をつなぐ拠点となっている。
共創や協働の場所はオープンでフレキシブルであることが求められる。互いの活動が見えることは、場所と時間を共有する施設において不可欠な要素だ。多くの活動が共存している場所は活気があり華やかだが、その一方で、集団の中で人はどうしても緊張を伴う。コニュニケーションを活発にしようとするときに、そういった緊張はできるだけ少ない方が良い関係性が始められるのではないかと考えた。
数人の集まりのように気楽で、緊張せず、居心地よく過ごしながら、同時にフロア全体の活動を一つの集合体として認識できる場所を目指した。人が緊張しない距離や、視線の隠し方のバランスを探して什器や空間を細かくチューニングしながら各階1000㎡の空間をデザインした。
クライアントや協力者とチームとなり、幅広い領域の空間設計を手掛ける「株式会社HYBE design team」の、インテリアデザイナー(経験者・既卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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【HYBE design teamとは】
レストランやセレクトショップ、オフィスやスポーツのスタジアムなど、インテリアデザインを軸に、衣食住、幅広い空間領域の設計を行っています。新旧、時間軸を越えてハイブリッドな視点でデザインをアウトプットしたい、オフィスという概念を持たずプロジェクト毎、クライアント、協力者を含めたチームになって1つのプロジェクトを実現させたい。という概念を基に働いている会社です。
現在のスタッフはマネジメント含め 6 名です。様々な経歴のスタッフがおり、みな仲良く協力し合って日々の業務に励んでいます。
私たちのスタジオの特徴は、中目黒スタジオと、東陽町スタジオの2拠点があります。それぞれの場所を行き来し業務を行って頂きます。
また、東陽町スタジオには社員食堂があり、撮影のスタジオや家具の工場もあり多様な人が出入りをする刺激的な場所だと思います。
京都と東京の二拠点で活動し、建築設計から波及した事業にも活動を拡げる「株式会社キノアーキテクツ」の、意匠設計・ランドスケープ・インテリアデザイン・不動産のスタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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キノアーキテクツ(KINO)は、建築家の木下昌大、代表の束野由佳を中心に「京都」と「東京」の2拠点で活動する建築設計事務所です。自社設計で、2021年に東京オフィスを新築、2024年にカフェ「noki noki」を併設する京都オフィスを新築しました。
KINOがめざすのは「サスティナブルな社会を、最適化する建築で育む」こと。使う人や住む人に最適な環境を提供するだけでなく、周りまで最適化する建築でありたい。そう願って、こども園、図書館、ホテル、大学施設、墓所、集合住宅など、暮らしに関わる建築を手がけてきました。近年は、不動産プロジェクト、ランドスケープデザイン、カフェ経営など、活動は多岐に渡っています。
不動産ディベロッパー、ファッション誌エディターを経て代表に就いた束野には、「他業種では当たり前のことを設計事務所でも実現したい」という思いがあります。土日に休みたい、京都で働きたい、東京で働きたい、育児の時間を優先したい、資格の勉強時間をつくりたい、美味しいコーヒーを毎日飲みたい…という社員の声に応え、働く環境を「最適化」してきました。離職率が低く、資格取得率が高いことも、私たちの強みです。
KINOは建築設計に重点をおきつつ、ランドスケープデザイン、インテリアデザイン、不動産開発、飲食店経営など、建築から波及した事業に活動を広げています。ランドスケープ、インテリアに興味がある方、不動産や企画運営に挑戦したい方、建築が好きで意欲のある方に仲間になっていただければ幸いです。勤務地は京都か東京どちらでも選べます。ぜひご応募ください。
室宏アトリエが設計した、大分・宇佐市の「宇佐の家」です。
“自然と住宅地が切替わる”場での計画です。建築家は、外の視線を遮りつつ“環境を享受”する為、壁で閉じた空間の上に“切妻の大屋根”を架けて間に高窓を設ける建築を考案しました。また、内部では小さな間仕切を点在させて光と風を共有しています。
大分県宇佐市に建つ、夫婦と子のための住宅である。
出産を機に自然豊かで静かな環境で子育てを行うために、新築住宅の計画が始まった。
宇佐平野に位置する平坦なこの地域は、役所や小学校、病院が徒歩圏内にあるため利便性が良く、近年田畑を埋め立て新築住宅が建ち始めている。敷地北側は、近年整備された都市計画公園や昔ながらの田畑風景が広がる自然豊かな環境であるが南側は造成により地盤レベルが1m高くなっており、住宅が密集していた。
この自然と住宅地が切り替わる場所で、家族のプライバシーを守りながら、如何にして外部環境を享受するかが焦点となった。
そこでまず、家族の安全を担保するために最低限の窓を孔けた壁で内部を囲み周囲から閉じた。
次に、公園の大きなスケールを受け止めるため敷地の長手方向いっぱいに切妻の大屋根を掛けたこれにより、プライバシーを守りながら、壁に屋根を乗せることで生まれる屋根形状に沿ったヴォイドから光が降り注ぐ明るい内部を作った。大きな気積を持つワンルーム(LDK)に対し、個室(子供室、WC、納戸など)や間仕切り壁を小さなスケールで点在させ、その間を建具で分割せずに曖昧な場を繋げることで、光や風を共有している。加えて、個室の天井を吹抜や透明な素材とすることで個室内も光を精一杯享受した。一方、プライバシー性の高い寝室は、LDKから小さな切妻を伸ばすことにより、ワンルームに対し離れのような落ち着く小さな空間とした。
大西麻貴+百田有希 / o+hによる、TOTOギャラリー・間での建築展「生きた全体――A Living Whole」の会場写真です。
“生きた全体”を思索して創作する建築家の展覧会です。建築を“生き物”と捉え、機能や性能を越えて“愛しみ、育てていく”存在として造り上げた作品群を紹介しています。
会期は2024年9月4日~11月24日です。展覧会の公式サイトはこちら。また、2024年9月27日には、千代田区のイイノホールで大西と百田の講演会も企画されています(2024年9月15日までに要事前申込)。
TOTOギャラリー・間では、「大西麻貴+百田有希 / o+h 展:生きた全体――A Living Whole」を開催します。
詩人の T.S.エリオットは、「今までに書かれたあらゆる詩の生きた全体(a living whole)」が詩の概念だという考えを提示し、現在は過去によって導かれながらも、新しい詩が挿入されることによって過去は変化し、新しい複合体となり、そこに伝統が成立すると説きました。※1
大西と百田は、建築をつくることは、その建築を含む「生きた全体」を考えることだと言います。彼らが建築をつくるとき、多様な背景や特性をもつ利用者や地域の人々の声、その土地に伝わる物語にまで耳を傾け、人の営みを丁寧に拾い上げながら建築に翻訳してきました。
日本建築学会賞(作品)を受賞した児童遊戯施設「シェルターインクルーシブプレイス コパル」では、スロープが車椅子を含むすべての人の動線でありながら、同時に子どもたちの遊び場でもあるように、一部分だけを取り出すことができない複雑な総体を生み出しています。個々の価値観や機能を出発点に、それらが折り重なり合うことによって誰もが自分の居場所を見つけることができるように、「生きた全体」を考えることとは、各存在のかけがえのなさを大切にし、寛容で多様な社会の理想形を、建築を通して示そうとしていると言い換えられるのではないでしょうか。
展覧会では、彼らの作品や人の営みが織りなす「生きた全体」がどう建築の風景として立ち上がってくるのか、模型や言葉、インスタレーション等で紹介します。本展を通じて、o+hの眼差しと世界観を体感いただければ幸いです。
※1 出典:T.S.エリオット著、矢本貞幹訳『文芸批評論』 岩波書店(1938)
時間と多様性をテーマに、建築からプロダクトまで一気通貫で実践する「株式会社OSKA&PARTNERS」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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私たちは、時間と多様性をテーマに設計に取り組んでいます。
手がけた空間がその場所で、良い時間を刻むように、様々な課題をデザインで解決し、時を経るごとに魅力的になる空間づくりを目指しています。また、空間をつくる要素が多様であることは、豊かであるという仮説を立て、ミニマルに寄りすぎない遊び心のあるデザインを心がけています。
私たちは、建築士事務所がベースとなっておりますが、建築設計、インテリアデザイン、家具のプロダクトデザインまで一気通貫で実践しており、幅広い実務が経験できます。
また、多くのプロジェクトでグラフィックデザイナーやアーティストなど外部パートナーと協働して空間をつくっていますので、様々なプロフェッショナルに触れることで視野の広い建築家/デザイナーとしての成長が期待できると考えています。
最近は、古ビル1棟改修の案件が増えており、建築の法規や技術的なところから最終的には家具や照明の細かい部分までデザインし、館内のアートや植栽の選定まで実践しています。
規模としては、用途を問わず数百㎡から数千㎡の中規模な案件が多いですが、魅力的な案件であれば規模を問わず取り組んでいます。
建築からインテリア、家具まで興味がある方はぜひご応募ください。
スキーマ建築計画の長坂常とBlue Bottle Coffee Japan代表の伊藤諒による対談「カフェの内と外、バリスタとゲストの距離 そんな境界線を超えていく建築」が公開されています。スキーマが手掛けたブルーボトルコーヒーのプロジェクトの背景について色々と語られています。「ブルーボトルコーヒー 豊洲パークカフェ」の開店に合わせて2023年8月に行われたもの。
SHARE 2023年ap賞のトロフィーを受賞者に贈呈
2023年ap賞のトロフィーを受賞者に贈呈いたしました。「ap賞(アーキテクチャーフォト賞)」は、2014年から始まり2023年で第10回目となりました。本アワードは、特定の審査員によらずアクセス解析のUU数を根拠としており、1年間のアクセス結果を集計して順位を決定します。また、過去に弊サイトに掲載された全作品が対象となっています(新規の応募作業等は必要ありません)。2023年の受賞作品はこちらのページから閲覧可能です。2024年も皆様からの建築作品のご投稿をお待ちしております。
建築と土木の領域を越えて、“公共空間のデザイン”を手掛ける「株式会社 設計領域」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)と 有給インターン募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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設計領域は、新たな設計スタッフと有給インターンを若干名募集します。
私たち設計領域は、都市スケールでの空間デザイン戦略から、駅や街路、広場、公園などの土木デザイン・パブリックスペースの設計、建築スケールでの設計まで手がける設計事務所です。土木、建築、ランドスケープといった分野や、公共/民間といった区分にとらわれず、これからの社会に求められる場所づくりを目指し全国各地で活動を展開しています。
現在、令和8年に全面共用開始予定の長崎駅をはじめとする駅・駅前広場のトータルデザインや、静岡市都心部における都市デザインなど、広範囲で分野横断的なプロジェクトから、街路や広場の設計、水辺や公園のランドスケープデザイン、住宅や店舗などの建築設計まで、各地で数多くのプロジェクトが進行中です。
扱うデザインの領域やスケールの幅広さが、他の事務所にはない私たちの特徴であり、面白さです。チームに加わっていただける方には、計画から設計まで、視野の広い思考や技術を身につけていただくことを重視しています。そのため、社内外での勉強会や、海外含む先進事例の視察など、新しい情報のインプットや共有も定期的に実施しています。
このたびは、新卒・既卒の方に加え、実務経験を持ち、プロジェクトを共に遂行して頂ける方も募集いたします。土木、ランドスケープ、建築、都市工学など、幅広い分野からの応募をお待ちしています。
また、秋季~冬期の有給インターンも若干名受け入れます。広く設計・デザインの仕事や就職に関心がある方のご応募をお待ちしております。
小嶋伸也+小嶋綾香 / 小大建築設計事務所が設計した、東京・日本橋の宿泊施設「Hotel Rakuragu」です。
都心の雑居ビルに囲まれた狭小地での計画です。建築家は、“面積以上の広さの獲得”を求め、“都市の隙間”に向けて各階ごとに異なる形状のバルコニーを設ける建築を考案しました。また、構想を実現する為に“ブレース併用ラーメン構造”を採用しています。施設の場所はこちら(Google Map)。
場所は東京の日本橋です。
周囲は東京都心の典型的な雑居ビル群に囲まれているエリアで、景勝地のような遠方へのビューはなく、高さも幅も素材も開口部に関しても、統一されたデザインコードがないビルに囲まれた場所です。敷地面積はわずか84㎡の狭小地で、限りある面積の中で14部屋の客室を求められました。
建物の敷地自体は小さいですが、左右の建物形状と敷地向かいの建物形状を観察することで、建物が密集するエリアの中においても気持ちよく外に開ける方角を各階毎に見つけていきました。そのような手法で室内の面積は限りがありますが、面積以上の広さを獲得できないかと考えました。
白い直方体をくり抜いていったような外観が特徴の形状を成立させるための構造形式がまず1番の大きな特徴です。
ゲストの外への視線を遮らないようにバルコニーには柱が落ちていません。各階毎に左右に三角にくり抜いたようなバルコニーもあれば、前面を全て大きくバルコニーにしたり、リズム感があるファサードですが、その形状を実現するために、一般的な柱梁のラーメン構造ではなく、ブレース併用ラーメン構造を採用することで、柱配置をある程度プランに合わせて自由にすることができ今回のような空間を作り出せました。都心の狭い敷地というネガティブな面を払拭するために、私達は都市の隙間に着目して視線の抜けをテーマにし設計をしました。
この1つのバルコニーのコンセプトが建築のアイコニックなファサードを生み出し、バルコニーの違いによるプランがそのままホテルのルームミックスもバランスよく生み出しています。
OpenAとケース・リアルが設計した、佐賀・嬉野市の「UPLIFT SHIMOJYUKU+MILKBREW COFFEE URESHIO ONSEN」です。
新設駅の駅前広場に建つカフェ兼ラボの計画です。建築家は、どの方向からも目に入る敷地の特性に着目し、四方をガラス窓とした回遊性のある“正方形平面”の建築を考案しました。また、建設費の高騰などに対応する為に“システム建築”を流用して造りました。店舗の場所はこちら(Google Map)。
計画地は、新幹線の延伸に伴い佐賀県・嬉野市に新設された「嬉野温泉駅」の駅前広場の一角。
広場のどの方向からも視認できるこの敷地において、立方体のような箱型のボリュームを提案した。
このプロジェクトでは、嬉野温泉駅開業に合わせた明確な竣工時期が設定されていたが、コロナ禍の工事費の高騰や建材流通の不安定さに悩まされ、それらを解決する方法として工場や倉庫などで利用されるシステム建築を流用することを考えた。
システム建築は、建材が規格化されることで比較的コストや納品時期が安定しており、無柱の大空間を作るのに適した方法である。
クライアントの「観光客だけでなく地元の人も集まるような大らかな雰囲気と、地域の日常の延長にこの建物があって欲しい」という希望もあり、工場のような大きな無柱空間を確保することで、人やモノ、コトを受け入れられるような空間をつくりつつ、広場に面した建物として周囲の景色を感じられる、視線の抜けを意識した平面と外壁の構成を選択している。
この建物は、エリアで酪農を営むクライアントが運営する「MILKBREW COFFEE」のカフェを中心に、近隣で作られた食に関する様々な商材を扱う物販機能や、商品の開発・加工のためのラボ機能、そして地域の農産物を使ったフードを提供するためのキッチンを備えている。また、さまざまな生産者がこの場所に関わりを持てるよう、マーケットなどのイベントを行うことを前提に計画された。
吉田昌弘 / KAMITOPENが設計した、埼玉の店舗「右門 川越工場本店」です。
蔵造りの街並みを特徴とする地域での計画です。建築家は、店の魅力を感じてもらえる存在を目指し、代表的商品と蔵に共通する“層”状の作りに着目する設計を志向しました。そして、左官の様々な手法を用いて“層の重なり”表現する空間を考案しました。店舗の公式サイトはこちら。
川越の街並みにおいて特筆されるものの一つに蔵造りがある。
蔵造りとは、類焼を防ぐための巧妙な耐火建築物で、江戸の町家様式として発達したもので、その外観は漆喰と板張りの「層」となっている。
「右門」の代表的な商品である「いも恋」は皮と中の餡と蒸かしたさつまいもが「層」になって豊かな味わいを生んでいる。
そこで、「右門 川越工場本店」では、建築の層とブランドの「層」の重なりを様々な手法を用いた左官で表現することを試みる。
私はここで、右門の工場と本店の魅力を感じてもらうことを望む。
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所が設計した、茨城・東茨城郡の「畑の中のこども園」です。
地域の教育と保育を担ってきた施設の建替計画です。建築家は、“原風景”にもなる存在を目指し、周囲のスケールや地面の色とも呼応する“大屋根”を備えた建築を考案しました。また、軒下に長いデッキを配して内外の見通しの良さと連続性も生み出しました。
いばらき幼稚園では、長らく地域の教育・保育を担ってきたので、卒園生の子供たちも多く通っている。
敷地東側の道路は卒園生たちが小学校へ通う通学路である。
茨城町のゆったりとした畑の風景の中、広々と駆け回れるような場所を作るため、畑のスケール感で大きく掛けた屋根の下に長いデッキを設け、内外を見通し良く連続的に行き来できるようにした。
デッキの周りには、ベンチや足洗場など遊びのきっかけになる場を点在させている。また、屋根に沿って長くのびた遊戯室には、玄関や調理室などを隣接させることで、ランチルームや預り保育、放課後お迎えを待ちながら遊ぶ場所として利用でき、送迎時や放課後を含めた1日を通して、見通しの良い空間を有効に使えるようにした。
3~5歳が同じクラスになる「縦割り学級」を採用している本園では、ひとつながりの空間は遊びを誘発するだけでなく、0~2歳児を含めた年齢の違う子供たちの交流も生まれる見守りの場ともなっている。
アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2024/8/26-9/1)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。
- 今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いる
- 長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・世田谷区のオフィス「JAKUETS TOKYO MATSUBARA」。全国に支店のある企業の東京事務所の改修。会社全体の未来を考慮し、本社と全支店の関係を“双方向かつネットワーク型”とし“交流を繋ぐ”設計を志向。各地の職場同士を巨大モニターで常時接続する労働空間を考案
- 久保秀朗+都島有美 / 久保都島建築設計事務所による、茨城・稲敷市の「JGM 霞丘ゴルフクラブ」。既存の全面改修とゲートの増築。施設イメージの一新と現代ニーズへの応答を目指し、曲線で繋がる“大きな土の塊”の様なゲートで高揚感を与える建築を考案。内部でも曲面を多用して“柔らかさ”を空間にまとわせる
- 佐々木翔 / INTERMEDIAによる、福岡・那珂川市の「南畑ピノキオ森のこども園」。自然豊かで“濃いコミュニティ”の残る地域での計画。地域に還元もできる施設を目指し、設計時から住民との対話を重ねて“フェンスのない”交流空間を備えた建築を考案。周囲の山々との呼応も意図し木造で造る
- トラフ建築設計事務所の企画と会場構成による展示「いとしき きといし 石と木の魅力を伝える企画展」。石と木への“愛しさを再発見して見つめなおす”趣旨で計画。来場者へのインスピレーションの提供を目指し、“素材以上プロダクト未満の木と石に触れる”空間を志向。石と木の角柱を井桁状に組んだ展示物などを考案
- 藤江保高 / ESPADと留目知明による、東京・世田谷区の「下馬の別邸」。住宅街のゲストの滞在も可能な住まい。外に開きながらも“非日常”を感じられる存在を目指し、異なる特徴を持つ“6つの庭”で建物を分節する構成を考案。外壁は曲面の“煉瓦透かし積み”とし非日常への導入とする
- 大阪・関西万博の、若手建築家が設計を手掛ける全20施設のパース画像とコンセプト(前編)。前編では、休憩所・ギャラリー・展示施設・ポップアップステージの10施設を紹介
- 坂井隆夫建築設計事務所による、京都市の「上高野の家」。既存家屋を改修した住宅兼アトリエ。“風景”となる様な空間を求め、街の一部であり内部と通りの関係の演出もする“京都の格子”を参照。解体で現れた柱梁に付加した“格子”を介して部屋同士が繋がる構成とする
- 橋村雄一 / Studio Hashimuraによる、佐賀市の「名尾手すき和紙工房」。土砂災害を受けての移転計画。製造工程で用いられる大量の水への対応を意図し、RC基礎を1.2mまで立ち上げる建築を考案。柱を基礎の側面に固定する構造として“周囲の美しい田園を望む連窓”も作り出す
- 浅井正憲+浅井百合 / 浅井アーキテクツによる、東京の「丸井スズキ足立事業本部新社屋」。菓子専門商社の施設の建替。“部署間の連携強化”を目指し、分棟だった事務所と物流倉庫の一体化に加えてオフィスをワンフロアに収める構成を考案。複雑な関係を視覚化して働く人が“協働”を意識できる建築を造る
- 成田和弘+成田麻依 / kufuによる、広島市の、住宅兼ギャラリー「tobe」。祖母宅に隣にアートを集める施主家族の為に計画。祖母との繋がりとギャラリー運営を考慮し、住宅側の全面が開口部で多様な性質の部屋が並列する建築を考案。既存建物の景色の維持を意図して“視線の抜け”も作る
- 宮崎晃吉 / HAGISOによる、東京・江東区の住宅改修「亀戸天神の客間」。客人をもてなす暮らしを思い描く施主の為に計画。ゲストの為に“どうあるべきか”を主題とし、ホテルやレストランを作る様な姿勢で設計。自然光が美しく照らすように考慮した“広いワンルーム”のLDK空間を考案
- トラフと園田慎二による、神奈川・箱根町の「彫刻の森美術館 森の足湯」。“アートと自然が共存する屋外空間”の足湯の改修計画。環境にふさわしい存在を目指し、“美しい山の風景”を望みながら浸かれる空間を考案。15種の“多様な表情の石種”を組合わせた造形で彫刻群との調和も意図
- 小嶋伸也+小嶋綾香 / 小大建築設計事務所による、中国・安康市の宿泊施設「鹿柴山集 Luzhai cottage」。自然環境に恵まれたエリアの階段状の敷地での計画。風景との調和と建設負荷の軽減を目指し、地元産建材と地域の建設工法でつくる建築を考案。客室の間に“隙間空間”を設けて周辺民家のスケール感とも呼応させる
- 岡田良太+藤井田仁 / 岡藤石による、東京・新宿区の「地中のトウキョーオフィス」。地下フロアでの計画。“face to faceの交流促進”も可能にする空間との要望に、“生々しい生命感のある地中の働く場”を志向。“動植物の行動”を取入れ構想して様々な樹種や年代の素材を用いて作る
- 工藤浩平建築設計事務所による、秋田市の「鳥海邸」。未接道の土地や空き家が目立つ地域での計画。街の特徴を“余白”として捉えて継承も意図し、様々な使い方を促す“半屋外空間”で囲われた中庭を中心とした建築を考案。寒冷地での“暮らしの範囲”の拡張も試みる
- 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
- 大阪・関西万博の、若手建築家が設計を手掛ける全20施設のパース画像とコンセプト(後編)。後編では、サテライトスタジオ・トイレの10施設を紹介
- 安藤祐介建築空間研究所による、愛媛・西条市の「異郷人の家 / 凹レンズハウス」。都心から移住する家族の為に既存民家を改修。改修の選択を施主がポジティブに捉えられるよう、住まいを“家族を乗せた宇宙船”に見立てる“ナラティブな設計手法”を考案。構成や素材もストーリーに基づき決定する
- 保坂裕信 / haによる、神奈川・横浜市の「8つの光庭のある家」。往来のある道に面した敷地。外の視線から保護しつつ“光が溢れる住環境”を実現する為に、天窓や高窓から採光する“光庭”を平面に散在させる構成を考案。施主の望む“ミニマル”も二重壁等を用いて木造で実現