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長坂常 / スキーマ建築計画による、長崎・対馬の宿泊施設「hotel jin」。フェリー乗場に近い木造旅館を改修したホテル。国内外のゲストを迎える“島の表玄関”を目指し、イベント開催も可能な“エンプティな空間”を備えた建築を考案。外から内部の様子を伺えるように窓まわりにも手を加える
長坂常 / スキーマ建築計画による、長崎・対馬の宿泊施設「hotel jin」。フェリー乗場に近い木造旅館を改修したホテル。国内外のゲストを迎える“島の表玄関”を目指し、イベント開催も可能な“エンプティな空間”を備えた建築を考案。外から内部の様子を伺えるように窓まわりにも手を加える外観、北西側の道路より見る、夜景 photo©Ju Yeon Lee
長坂常 / スキーマ建築計画による、長崎・対馬の宿泊施設「hotel jin」。フェリー乗場に近い木造旅館を改修したホテル。国内外のゲストを迎える“島の表玄関”を目指し、イベント開催も可能な“エンプティな空間”を備えた建築を考案。外から内部の様子を伺えるように窓まわりにも手を加える1階、土間から出入口側を見る。 photo©Ju Yeon Lee
長坂常 / スキーマ建築計画による、長崎・対馬の宿泊施設「hotel jin」。フェリー乗場に近い木造旅館を改修したホテル。国内外のゲストを迎える“島の表玄関”を目指し、イベント開催も可能な“エンプティな空間”を備えた建築を考案。外から内部の様子を伺えるように窓まわりにも手を加える2階、客室2入口から吹抜を見る。 photo©Ju Yeon Lee
長坂常 / スキーマ建築計画による、長崎・対馬の宿泊施設「hotel jin」。フェリー乗場に近い木造旅館を改修したホテル。国内外のゲストを迎える“島の表玄関”を目指し、イベント開催も可能な“エンプティな空間”を備えた建築を考案。外から内部の様子を伺えるように窓まわりにも手を加える2階、客室2-1から客室2-2を見る。 photo©Ju Yeon Lee

長坂常 / スキーマ建築計画が設計した、長崎・対馬の宿泊施設「hotel jin」です。
フェリー乗場に近い木造旅館を改修したホテルです。建築家は、国内外のゲストを迎える“島の表玄関”を目指し、イベント開催も可能な“エンプティな空間”を備えた建築を考案しました。また、外から内部の様子を伺えるように窓まわりにも手を加えました。施設の場所はこちら(Google Map)。

長崎県の離島、対馬にある明治元(1868)年に建てられた木造2階建ての旅館「旧有明荘」をホテルに改修する計画である。対馬は九州よりも韓国釜山に近いところに位置し、昔から韓国人が多く訪れ、韓国文化との結びつきの強い場所である。

旧有明荘はその中心街・厳原の大町通りに建ちフェリーターミナルからも歩ける距離にある。そこで、本プロジェクトはこの場所を国内外からのゲストをもてなす島の表玄関にすべくスタートした。

建築家によるテキストより

そのために、明治元年に作られたファサードを極力維持しながら、中ではなにか変化が起こっていることを感じてもらえるよう、窓周りのしつらえを工夫し、中を改装した。

中途半端に改修が重ねられていた1階部分は解体し、要素を取り除き、エンプティな空間をつくった。
それによって上階への期待とともに、日々のニーズに合わせイベントなどを企画できるようなスペースとして未来への期待を担わせる空間にした。

建築家によるテキストより

2階は中廊下を挟み東西に分かれていたが、階段をひとつ追加し東西それぞれに上がれるようにすることで、その中廊下を落として吹き抜けをつくり、そこに東西の2部屋が面する計画とした。表情としても、日本と韓国のミックスを狙い新しく手を加えるところを中心に「白」で構成した。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 “地域の可能性を拡げる”を掲げ、アトリエと組織を経験した水野芳康が主宰する「水野建築事務所」が、設計スタッフ(既卒・経験者・2025年新卒)を募集中
【ap job更新】 “地域の可能性を拡げる”を掲げ、アトリエと組織を経験した水野芳康が主宰する「水野建築事務所」が、設計スタッフ(既卒・経験者・2025年新卒)を募集中
【ap job更新】 “地域の可能性を拡げる”を掲げ、アトリエと組織を経験した水野芳康が主宰する「水野建築事務所」が、設計スタッフ(既卒・経験者・2025年新卒)を募集中

“地域の可能性を拡げる”を掲げ、アトリエと組織を経験した水野芳康が主宰する「水野建築事務所」の、設計スタッフ(2025年新卒・既卒・経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

設計スタッフを2名程度募集します。

水野建築事務所は、静岡県焼津市に拠点を置く建築設計事務所です。
私たちのミッションは「交流の力」を生み出すことです。私たちは、建築設計というフィールドで、地方都市の課題を真正面からとらえ地域の可能性を拡げるアウトプットをし続けていきます。私たちの事業は東京ではできない挑戦です。

近年の仕事である、焼津市ターントクルこども館や焼津市豊田地域交流センターの設計を通じ、建築を点でとらえるのではなく、面的にとしてとらえることで、交流の場を中心とした、都市としての広がりをつくりだしてける可能性を感じました。また、焼津駅前通りの復興に貢献すべく、自社ビルの建設(設計中)、ランドバンク(低利用地の有効利用の促進)や商店街や行政への提案と実践を行っています。

私たちの掲げる「交流の力」はすべてのビルディングタイプに共通したコンセプトです。どんな仕事でも、そのやり方次第で世界に発信しうる建築が出来ることを信じ、新たな挑戦を恐れずに取り組んでいます。

代表の水野芳康は、大学卒業後、2つのアトリエ事務所(山中デザイン研究所、aat+ヨコミゾマコト建築設計事務所)と1つの組織事務所(日建設計)に勤務し、都内で10年間実務経験を積みました。「建築家になりたい!」という思いだけで突き進んだ時期でした。
どこを拠点にして活動していくのかとても悩みましたが、東日本大震災の経験や、地元への思いから、地方都市に新しい建築の可能性を直感し、実家のある静岡県焼津市に戻ってきました。

そこから、10年あまり「いい建築とは何か?」真っ直ぐにこの問いと向き合うのなら、地域に根ざした事務所こそチャンスに恵まれていると思っています。いい建築は、場所の空気を正確に理解し、人々と密な対話をすることからしか生まれないと思うからです。そこには、今までのように都市部の流行を時間差で写していくという価値観とは違った、独自の地域性の中から生まれる次世代の建築の可能性を感じます。

私たちと一緒に、次世代の設計事務所を、一緒につくりませんか。幅広い視野を持って、建築家が地域社会に何ができるのか、地域からどんな発信ができるのか、可能性を拡大していきたいと考えています。

焼津は東京駅まで1時間半と比較的近いため、首都圏と日常的な行き来のある地域です。一方で水産加工を中心としたしっかりとした産業と、小さなコミュニティの中で、東京の事務所にはない地域と建築との関わり方を経験できると思いますが、同時に不安な部分も多くあると思いますので、仕事以外の部分でも十分バックアップしたいと思います。

私たちの考えに共感していただき、情熱をもって建築に取り組んでくれる方を募集します。

芦沢啓治建築設計事務所による、東京・港区の「House in Aoyama」。アートと家具に詳しい施主の為の住宅。作品や家具と空間の関係性を考慮し、プロポーションや場所に加えて周辺のディテールの在り方までを意識した設計を実施。多様なRC壁の仕上げもアートとの相性を確認して決定
芦沢啓治建築設計事務所による、東京・港区の「House in Aoyama」。アートと家具に詳しい施主の為の住宅。作品や家具と空間の関係性を考慮し、プロポーションや場所に加えて周辺のディテールの在り方までを意識した設計を実施。多様なRC壁の仕上げもアートとの相性を確認して決定外観、北東側の道路より見る。 photo©見学友宙
芦沢啓治建築設計事務所による、東京・港区の「House in Aoyama」。アートと家具に詳しい施主の為の住宅。作品や家具と空間の関係性を考慮し、プロポーションや場所に加えて周辺のディテールの在り方までを意識した設計を実施。多様なRC壁の仕上げもアートとの相性を確認して決定2階、手前:リビング、奥:ダイニング photo©見学友宙
芦沢啓治建築設計事務所による、東京・港区の「House in Aoyama」。アートと家具に詳しい施主の為の住宅。作品や家具と空間の関係性を考慮し、プロポーションや場所に加えて周辺のディテールの在り方までを意識した設計を実施。多様なRC壁の仕上げもアートとの相性を確認して決定3階、吹抜とホール photo©見学友宙
芦沢啓治建築設計事務所による、東京・港区の「House in Aoyama」。アートと家具に詳しい施主の為の住宅。作品や家具と空間の関係性を考慮し、プロポーションや場所に加えて周辺のディテールの在り方までを意識した設計を実施。多様なRC壁の仕上げもアートとの相性を確認して決定屋上 photo©見学友宙

芦沢啓治建築設計事務所が設計した、東京・港区の「House in Aoyama」です。
アートと家具に詳しい施主の為の住宅です。建築家は、作品や家具と空間の関係性を考慮し、プロポーションや場所に加えて周辺のディテールの在り方までを意識した設計を実施しました。また、多様なRC壁の仕上げもアートとの相性を確認して決定されました。

東京都心の住宅街にたつ地上3階建て、地下1階の4層のコンクリート住宅で、クライアントは、夫婦と子供1人、そして犬が2匹である。

建築家によるテキストより

計画としては、近隣住宅との離隔は取れるが、交差点に面してることもありプライバシーに配慮してリビングとメインベッドルームにはバルコニーを設け植栽を配している。それでも十分な光を取るためトップライトを有効に活用した。外観にバルコニーの手摺りと合わせてルーバーのファサードとしたのはそのためである。

2階に大きなリビングとダイニングを作り、寝室は1階と3階に分け、さらに地下に音楽を楽しむ部屋と倉庫を作っている。都心の住宅ににおいて屋上はその家の庭のようなものである。しっかりと植栽を設け、BBQができる空間を設けた。

建築家によるテキストより

アートと家具に対して造詣が深く、計画をするにあたりアートの配置計画と家具との相性も含め検討された。
モダンアートの背景が必ずしも白い壁である必要がないことは確認していたが、アートが壁や空間との関係の中で大きく関係し合うことから、プロポーションや場所に関してのみならず、周辺のディテールにおいても細心の注意を払い計画している。

インテリアにおいては外壁部分で断熱を構成していることから、内装でコンクリートを露出している。工事会社との連携により、コンクリートの仕上げは、天井はリブ状、壁は洗い出しとブラスト仕上げと多様な仕上げを施している。これらの仕上げは家具やアートとの相性を確認しながら検討されている。

建築家によるテキストより
青木淳と品川雅俊のASが改修を手掛けた、京都市東山区の店舗「MOMOTARO JEANS KYOTO」がオープン。京町家の美しさを引き継いで、古い素材を活かしながら新たな素材を重ね合わせる
青木淳と品川雅俊のASが改修を手掛けた、京都市東山区の店舗「MOMOTARO JEANS KYOTO」がオープン。京町家の美しさを引き継いで、古い素材を活かしながら新たな素材を重ね合わせる“UNTITLED (THE JEANS IN KYOTO #51–402)”, 2024 © GOTTINGHAM IMAGE COURTESY OF JAPAN BLUE, AS AND STUDIO XXINGHAM photo©GOTTINGHAM

青木淳と品川雅俊のASが改修を手掛けた、京都市東山区の店舗「MOMOTARO JEANS KYOTO」が2024年7月13日にオープンしています。
京町家の美しさを引き継いで、古い素材を活かしながら新たな素材を重ね合わせる設計となっているとのこと。店舗の場所はこちら(Google Map)。ブランドの公式サイトはこちら

世界中から多様な人が集まる京都の新店舗「MOMOTARO JEANS KYOTO」は、「京都市京セラ美術館」などの公共建築から個人住宅、また多くの国内外の商業建築を手掛けてきたAS(青木淳と品川雅俊によるユニット)が設計。京町家の美しさを引き継ぎ、古い素材を活かしながら新たな素材を丁寧に重ね合わせた、これまで築いてきた価値を次代に発信していくMOMOTARO JEANSのブランドを体現する空間が京都・新門前通に2024年7月13日(土)にオープンいたします。

リリーステキストより

以下に、その他の写真も掲載します。

梅原佑司+山﨑円 / 風憬社による、高知・高岡郡の「久礼の家」。重要文化的景観にも選ばれる町でキャンプ等が趣味の施主の為に計画。周辺と馴染む“大きな切妻屋根の平屋”で、建具を開け放つと“屋外にいる様な”感覚になる建築を考案。収納や家事の為に機能的な動線計画も行う
梅原佑司+山﨑円 / 風憬社による、高知・高岡郡の「久礼の家」。重要文化的景観にも選ばれる町でキャンプ等が趣味の施主の為に計画。周辺と馴染む“大きな切妻屋根の平屋”で、建具を開け放つと“屋外にいる様な”感覚になる建築を考案。収納や家事の為に機能的な動線計画も行う外観、南側の庭より見る。 photo©濵田智夫
梅原佑司+山﨑円 / 風憬社による、高知・高岡郡の「久礼の家」。重要文化的景観にも選ばれる町でキャンプ等が趣味の施主の為に計画。周辺と馴染む“大きな切妻屋根の平屋”で、建具を開け放つと“屋外にいる様な”感覚になる建築を考案。収納や家事の為に機能的な動線計画も行うリビングからダイニングを見る。 photo©濵田智夫
梅原佑司+山﨑円 / 風憬社による、高知・高岡郡の「久礼の家」。重要文化的景観にも選ばれる町でキャンプ等が趣味の施主の為に計画。周辺と馴染む“大きな切妻屋根の平屋”で、建具を開け放つと“屋外にいる様な”感覚になる建築を考案。収納や家事の為に機能的な動線計画も行う左:リビング、右手前:ダイニング、右奥:キッチン photo©濵田智夫
梅原佑司+山﨑円 / 風憬社による、高知・高岡郡の「久礼の家」。重要文化的景観にも選ばれる町でキャンプ等が趣味の施主の為に計画。周辺と馴染む“大きな切妻屋根の平屋”で、建具を開け放つと“屋外にいる様な”感覚になる建築を考案。収納や家事の為に機能的な動線計画も行うキッチンからダイニングとリビングを見る。 photo©濵田智夫

梅原佑司+山﨑円 / 風憬社が設計した、高知・高岡郡の「久礼の家」です。
重要文化的景観にも選ばれる町でキャンプ等が趣味の施主の為に計画されました。建築家は、周辺と馴染む“大きな切妻屋根の平屋”で、建具を開け放つと“屋外にいる様な”感覚になる建築を考案しました。また、収納や家事の為に機能的な動線計画も行いました。

古くから漁師町として栄えた中土佐町久礼。
国の重要文化的景観にも選定されているこの町に、周辺の景観に馴染む大きな切妻屋根の平屋住宅を計画した。

建築家によるテキストより

リビング、ダイニング、キッチン空間は、天井高3mのゆったりとした空間とし、幅4.5m、高さ2.1mの大開口を設け、ウッドデッキや広い芝生の庭と一体となる開放感を体感できるように設計した。建具は木製建具の引き分けで外壁内部に収納されるようになっている。キャンプやサーフィンが趣味のクライアントに合わせ、建具を開け放てばまるで屋外にいるような空間にしたいと考えた。

建築家によるテキストより

また、駐車場に直結した広い土間収納を計画し、キャンプ道具やサーフボードを収納しやすい動線計画としている。行き止まりのない廻れる動線計画や、家事動線が短くなるよう平面計画を工夫した。脱衣所にはルーバー越しに天窓を設け、明るい空間とし、洗濯物を室内でも干すことができるスペースとして計画した。

外壁は高知県産材の杉板張りとし、グレーの塗装を施してすっきりとした表情の外観とした。内部の床は杉の厚板フローリング。壁にはナラの突板合板張りとフェザーフィール塗りを採用し、コントラストのある空間とした。

建築家によるテキストより
長坂常 / スキーマ建築計画による、北海道の店舗「函館千秋庵総本家」。外観の上下が和洋折衷の建物が並ぶ地域に建つ老舗和菓子店の改修。新しい“和洋折衷”の在り方も意図し、地域でも馴染み深い“洋煉瓦”を“尺モジュール”等で馴染ませる空間を考案。家具類は床が隆起した様に作る
長坂常 / スキーマ建築計画による、北海道の店舗「函館千秋庵総本家」。外観の上下が和洋折衷の建物が並ぶ地域に建つ老舗和菓子店の改修。新しい“和洋折衷”の在り方も意図し、地域でも馴染み深い“洋煉瓦”を“尺モジュール”等で馴染ませる空間を考案。家具類は床が隆起した様に作る外観、北側の道路より見る。 photo©高野ユリカ
長坂常 / スキーマ建築計画による、北海道の店舗「函館千秋庵総本家」。外観の上下が和洋折衷の建物が並ぶ地域に建つ老舗和菓子店の改修。新しい“和洋折衷”の在り方も意図し、地域でも馴染み深い“洋煉瓦”を“尺モジュール”等で馴染ませる空間を考案。家具類は床が隆起した様に作る外観、物販店舗出入口越しにディスプレイカウンターを見る、夕景 photo©高野ユリカ
長坂常 / スキーマ建築計画による、北海道の店舗「函館千秋庵総本家」。外観の上下が和洋折衷の建物が並ぶ地域に建つ老舗和菓子店の改修。新しい“和洋折衷”の在り方も意図し、地域でも馴染み深い“洋煉瓦”を“尺モジュール”等で馴染ませる空間を考案。家具類は床が隆起した様に作る1階、カフェ1、屋外スペース側を見る。 photo©高野ユリカ
長坂常 / スキーマ建築計画による、北海道の店舗「函館千秋庵総本家」。外観の上下が和洋折衷の建物が並ぶ地域に建つ老舗和菓子店の改修。新しい“和洋折衷”の在り方も意図し、地域でも馴染み深い“洋煉瓦”を“尺モジュール”等で馴染ませる空間を考案。家具類は床が隆起した様に作る1階、カフェ1、カウンターの詳細 photo©高野ユリカ

長坂常 / スキーマ建築計画が設計した、北海道の店舗「函館千秋庵総本家」です。
外観の上下が和洋折衷の建物が並ぶ地域に建つ老舗和菓子店の改修です。建築家は、新しい“和洋折衷”の在り方も意図し、地域でも馴染み深い“洋煉瓦”を“尺モジュール”等で馴染ませる空間を考案しました。また、家具類は床が隆起した様に作りました。店舗の場所はこちら(Google Map)。

函館の街を歩いていると、世界に開かれた港町としての歴史を感じるレンガ造の倉庫、洋館や蔵だけでなく、1階が和風、2階が洋風に設計された一見不思議な上下和洋折衷の建物を多く目にする。建物の構造は木造がほとんどで、洋の要素は表一面の装飾のみが多い。

この和洋折衷の建物が多く並ぶ元町、その地に昔から地元の人たちに慕われてきた和菓子屋である千秋庵がある。
蔵を中心に周りが木造でつくられた和風の建物で、正面の構えは函館のランドマーク的存在ともなっていた。

建築家によるテキストより

今回店舗改修の計画にあたり、和菓子を買いに来たお客さまが少し休みながらコーヒーも飲めるようなカフェを併設することになり、今まで倉庫や梱包する場所として使われていた蔵をカフェに転用し、合わせて既存のお店、そしてオフィスを改修した。

建築家によるテキストより

その際に建物の外部にわずかだが敷き込まれていた洋的要素であるレンガに着目し、それを既存の木造建築内部にまで連続させ土間の素材として用い、さらにところどころ隆起させてカウンターやベンチなど必要な家具を構成した。

立ち上がったレンガの造作物は木造建築の尺モジュールでカットされ、切りもののレンガが端部に現れる。素材としての洋“レンガ”を構成の一部として和の既存建築に馴染むよう計画し、表層だけではなく空間全体が和洋折衷な店舗を目指した。

建築家によるテキストより
トラフ建築設計事務所による、東京・渋谷区のオフィス「Arc’teryx Tokyo Creation Center」。既存建物の内外装を改修したクリエイション拠点。人々が集まる施設として、内外の繋がりの促進を意図し“OUTSIDE IN”を主題とする空間を志向。“山”をテーマにしたアートでブランドの原点も想起させる
トラフ建築設計事務所による、東京・渋谷区のオフィス「Arc’teryx Tokyo Creation Center」。既存建物の内外装を改修したクリエイション拠点。人々が集まる施設として、内外の繋がりの促進を意図し“OUTSIDE IN”を主題とする空間を志向。“山”をテーマにしたアートでブランドの原点も想起させる1階、エントランスのディスプレイ棚を見る。 photo©見学友宙
トラフ建築設計事務所による、東京・渋谷区のオフィス「Arc’teryx Tokyo Creation Center」。既存建物の内外装を改修したクリエイション拠点。人々が集まる施設として、内外の繋がりの促進を意図し“OUTSIDE IN”を主題とする空間を志向。“山”をテーマにしたアートでブランドの原点も想起させる1階、ソーイングエリア photo©見学友宙
トラフ建築設計事務所による、東京・渋谷区のオフィス「Arc’teryx Tokyo Creation Center」。既存建物の内外装を改修したクリエイション拠点。人々が集まる施設として、内外の繋がりの促進を意図し“OUTSIDE IN”を主題とする空間を志向。“山”をテーマにしたアートでブランドの原点も想起させる地下1階、コラボスペースからカッティングスペースを見る。 photo©見学友宙
トラフ建築設計事務所による、東京・渋谷区のオフィス「Arc’teryx Tokyo Creation Center」。既存建物の内外装を改修したクリエイション拠点。人々が集まる施設として、内外の繋がりの促進を意図し“OUTSIDE IN”を主題とする空間を志向。“山”をテーマにしたアートでブランドの原点も想起させる屋上階、ルーフトップ2 photo©見学友宙

トラフ建築設計事務所が設計した、東京・渋谷区のオフィス「Arc’teryx Tokyo Creation Center」です。
既存建物の内外装を改修したクリエイション拠点の計画です。建築家は、人々が集まる施設として、内外の繋がりの促進を意図し“OUTSIDE IN”を主題とする空間を志向しました。また、“山”をテーマにしたアートでブランドの原点も想起させる事も意図されました。ブランドの公式サイトはこちら

バンクーバーに本社をもつカナダのアウトドアブランド、アークテリクスの北米以外で初となる新たなクリエイション拠点、Tokyo Creation Centerの内外装計画。目黒青葉台の小高い立地にある地下1階、地上2階建てのRC造の建物をリノベーションした。

日本国内だけでなく本社や海外からデザイナーが集まり、実際にプロダクトを使用するアスリートなどとのコミュニケーションを取りながら、デザイン、開発およびプロトタイプ製作を行える施設となることから、ローカルの特性を取り入れ、刺激を与え合うことのできる空間づくりが求められた。

建築家によるテキストより

そこで、様々な次元で内外のつながりを促すため、“OUTSIDE IN”をデザインコンセプトとして計画した。1階はプロトタイプ製作のためのソーイングエリアと執務エリア、2階はデザイナーのためのオフィス、地下1階は多目的コミュニティスペースと生地を裁断するワークショップや倉庫、眺望の良い屋上はアスリートやゲストが集うスペースとした。

建築家によるテキストより

ブランドの頭文字の“A”になぞらえて藍染めした板を斜め貼りした自動扉のエントランスを抜けると、吹き抜けに面した壁一面のヒノキのディスプレイ棚が出迎える。この棚にはブランドのアーカイブと共に日本および東京の文化や卓越した技術や手仕事、美意識を伝える品々を飾り、この施設の象徴とした。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2024/7/15-7/21]
最も注目を集めたトピックス[期間:2024/7/15-7/21]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2024/7/15-7/21)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. OMA / レム・コールハース+クリス・ヴァン・ドゥインによる、フランス・ボルドーの「シモーヌ・ヴェイユ橋」。幅44m長さ549mの橋。地域のアイデンティティとなる存在を目指し、全幅の半分以上を“多目的に使える公共空間”とする構成を考案。形式や構造表現への関心を捨ててパフォーマンスにフォーカスして構想
  2. トラフ建築設計事務所による、東京・港区の店舗「TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO」。模型メーカーの為の新旗艦店。“世界に発信できる”文化拠点を目指し、ボックスアートを積極的に見せる“全長約100m”の商品棚を中心とする構成を考案。“街の模型店”も想起させ“好奇心”の湧く空間を作る
  3. 2025年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館のキュレーターに、青木淳が決定。テーマは「中立点-生成AIとの未来」。キュラトリアルアドバイザーに家村珠代、出展作家に藤倉麻子+大村高広と砂木が名を連ねる
  4. 長坂常 / スキーマ建築計画による、岐阜・大垣市の店舗「船町ベース」。江戸時代から栄えた地域に建つカフェ併設の和菓子店。隣接する公園との繋がりを求め、同じ樹種を植えて連続性を作り“徐々に中に引き込まれる”状況を構築。大屋根を持つ三棟の配置で“心地良い”外の居場所も作る
  5. 東海林健 / EAによる、新潟市の「shiba house / 関屋の家」。砂丘地の起伏に沿って出来た住宅街での計画。土地固有の快適性の獲得を求め、内外を繋げた“砂丘にそのまま暮らすかの様な”地形と親密性のある個室群を備えた建築を考案。街並みへの批評性と地域との連続性も意図
  6. 長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作る
  7. ArchTankによる、広島・呉市の「明法寺三聲苑 二尊堂」。歴史ある寺の境内に造られた合祀墓。社会状況に応える“新しい墓の形式”を目指し、既存の庭に“木造の小さな屋根”を架けて“庭全体を墓に見立てる”合祀墓を考案。残された人々の日常の先にある存在として作る
  8. 佐熊勇亮 / 建築ズによる、千葉・習志野市の「津田沼の住宅改修」。築約40年のRC造集合住宅での計画。予算の制約下で“効果的に使い倒せる”場を目指し、元々の質を読み取り“環境に相乗りする”設計を志向。既存梁を参照した“ウソ梁”で一室空間の中に“領域性”を作り出す
  9. ファラによる、ポルトガル・ポルトの住宅「house within a few lines」。延床面積50㎡の幅の狭い住まい。平面と断面への“数本の線”の介入を行い、“湾曲した壁”と“曲がりくねる天井”が交差する動的な空間を構築。簡潔なヴォリュームで内部の複雑なスペクタクルを“偽装”する
  10. 今津康夫 / ninkipen!による、滋賀・愛荘町の「招き屋根の調剤薬局」。かつての“残影”が残る旧宿場町での計画。この場所に相応しい在り方を求め、見える屋根面積を増やす“招き屋根”と半屋外空間を作る“通り庇”を備えた建築を考案。“厨子二階”で高さを抑えつつ気積も確保する
  11. 中村拓志&NAP建築設計事務所による、北海道・白老郡の宿泊施設「界 ポロト」。湖畔のアイヌ民族の集落があった場所での計画。景観を活かすと共に“アイヌ文化を反映した”存在を求め、地域の“縮景としてのランドスケープ”を備えた建築を考案。温泉棟は民族が用いた“仮小屋”を参照して造る
  12. 本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る
  13. 長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・渋谷区の飲食店「FAMiRES」。ファミレスの“リブランディング”を趣旨とする飲食店の計画。コンセプトの具現化を求め、ファミレス“らしさ”と“新規性”を併せ持つ空間を志向。タイルカーペットの上に“丸いボックスシート”が並ぶ空間を作る
  14. 藤原・室 建築設計事務所による、大阪市の「鶴見区の家」。南面採光も難しい住宅密集の敷地。外の視線を遮り内部に“自然な表情”を生み出す為に、部屋の量塊を“分散”させて隙間から“光”を取込む建築を考案。季節や光の変化で“室内の景観や表情が変化する”空間を作る
  15. 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
  16. 大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持
  17. 水上和哉 / kvalitoによる、京都・大山崎町の「マクセル クセがあるスタジオ」。企業の為の展示やイベントを行う施設。回遊性と中心性を備えた空間として、“九間”のホールを中心に据えて“回廊”で囲む構成を考案。メッシュ製の展示壁を建具として設えて“状況に応じた変容”も可能にする
  18. 遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視
  19. 山口誠デザインによる、東京・台東区の、オフィスビル「MONOSPINAL」(竣工前)。ゲーム制作会社の本社。従業員の“集中力”と“リラックス”のバランス確保を目指し、環境要素も向上をさせる“斜壁”を持つ建築を考案。小スケールの素材を集積をさせる仕上げで“あらたな風景”を作る
  20. SDレビュー2023の入選作品の展覧会レポート(前編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる

ペーター・メルクリの講演の動画。オーストリアのautの主催で2024年4月に行われたもの チョウ・ミンスクとハンス・ウルリッヒ・オブリストの対談の動画。チョウが設計した2024年のサーペンタイン・パヴィリオンをテーマに開催。2024年6月に行われたもの

チョウ・ミンスクハンス・ウルリッヒ・オブリストの対談の動画です。チョウが設計した2024年のサーペンタイン・パヴィリオンをテーマに開催されました。2024年6月7日に行われたものです。アーキテクチャーフォトでは、チョウが設計したサーペンタイン・パヴィリオンを特集記事として掲載しています。

【ap job更新】 シェアをコンセプトに、大規模なホテルから国立公園の施設までを手掛ける「成瀬・猪熊建築設計事務所」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)を募集中
【ap job更新】 シェアをコンセプトに、大規模なホテルから国立公園の施設までを手掛ける「成瀬・猪熊建築設計事務所」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)を募集中
【ap job更新】 シェアをコンセプトに、大規模なホテルから国立公園の施設までを手掛ける「成瀬・猪熊建築設計事務所」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)を募集中meet tee GINZA photo©西川公朗

シェアをコンセプトに、大規模なホテルから国立公園の施設までを手掛ける「成瀬・猪熊建築設計事務所」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

シェアをコンセプトに、大規模なホテルから国立公園の施設まで様々なプロジェクトを手がける成瀬・猪熊建築設計事務所が、プロジェクトチーフ及び経験者、2025年新卒を募集。VR・BIMなど、設計ツールもアップデート。宿泊施設運営に進出する可能性あり。給与体系を更新、全カテゴリ給与アップ。

【メッセージ】
私たちの事務所では、企画・建築設計・インテリア設計・家具や備品のコーディネートまで一気通貫して行なっています。企画的な側面に踏み込んでの提案に興味のある方、建築だけでなくインテリアにも興味のある方には、非常に面白い・学びの多い事務所だと思います。私たちが培ってきたノウハウを身につけならが、事務所として更なる高みを一緒に目指していただける方のご応募をお待ちしています。

私たちの事務所では、国立公園内の観光拠点施設や、県立公園のビジターセンター・キャンプ場、ホテル、集合住宅、文化財の改修など、官民問わずさまざまなプロジェクトが進行中です。

また、地域の交流人口を増やし、元気にするための宿泊施設運営を行うことを考え始めているため、そうしたことに興味のある方もぜひご応募ください。
経験者の方は、随時募集しています。新卒の方は夏休みや冬休みにインターンシップ等も可能ですので、ぜひお早めにご応募ください。

【ビジョン】
私たちは、人々がシェアをする場をデザインしています。
今、社会はますます急速に変わり始めています。
その中で私たちが目指すのは、建築を通して新しい豊かさを定義し続けることです。

家族だけに縛られない多様な住まい、世界と地域をつなぐ宿泊施設、物の購入よりも体験に価値がおかれる商業施設、コミュニケーションとイノベーションがビジネスチャンスを作る時代の新しいオフィス、個人の人生に寄り添ったケアの場。これらはそれぞれ全く異なる用途でありながら、いずれも「シェア」によって価値を生み出します。

私たちはこうした「シェアする場をつくる」ために、「そこにどんな営みを作り出すか」を突き詰めます。ハードとソフトの双方を捉え、それぞれの場に相応しいコンセプトとデザインを提案しています。プロジェクトによっては企画から提案を行い、人の生き方に多様な選択肢を生み出す建築を提案しています。

設計の進め方に関しても、新しい試みを行っており、近年導入したBIMとVRによる検討は、設計段階での解像度が高まり、大きな手応えを感じているところです。

佐熊勇亮 / 建築ズによる、千葉・習志野市の「津田沼の住宅改修」。築約40年のRC造集合住宅での計画。予算の制約下で“効果的に使い倒せる”場を目指し、元々の質を読み取り“環境に相乗りする”設計を志向。既存梁を参照した“ウソ梁”で一室空間の中に“領域性”を作り出す
佐熊勇亮 / 建築ズによる、千葉・習志野市の「津田沼の住宅改修」。築約40年のRC造集合住宅での計画。予算の制約下で“効果的に使い倒せる”場を目指し、元々の質を読み取り“環境に相乗りする”設計を志向。既存梁を参照した“ウソ梁”で一室空間の中に“領域性”を作り出す玄関から見る。正面:リビング、右:個室 photo©吉田誠 吉田写真事務所
佐熊勇亮 / 建築ズによる、千葉・習志野市の「津田沼の住宅改修」。築約40年のRC造集合住宅での計画。予算の制約下で“効果的に使い倒せる”場を目指し、元々の質を読み取り“環境に相乗りする”設計を志向。既存梁を参照した“ウソ梁”で一室空間の中に“領域性”を作り出す個室側よりリビング全体を見る。 photo©吉田誠 吉田写真事務所
佐熊勇亮 / 建築ズによる、千葉・習志野市の「津田沼の住宅改修」。築約40年のRC造集合住宅での計画。予算の制約下で“効果的に使い倒せる”場を目指し、元々の質を読み取り“環境に相乗りする”設計を志向。既存梁を参照した“ウソ梁”で一室空間の中に“領域性”を作り出すリビング、既存梁と「ウソ梁」 photo©吉田誠 吉田写真事務所

佐熊勇亮 / 建築ズが設計した、千葉・習志野市の「津田沼の住宅改修」です。
築約40年のRC造集合住宅での計画です。建築家は、予算の制約下で“効果的に使い倒せる”場を目指し、元々の質を読み取り“環境に相乗りする”設計を志向しました。そして、既存梁を参照した“ウソ梁”で一室空間の中に“領域性”を作り出しました。

築36年の鉄筋コンクリート造のマンション一室のリノベーションである。

建築家によるテキストより

既存プランは四畳半ほどの個室や和室がある3LDKであったが、間仕切を一部取り広いリビングがある1LDKとした。また部屋の気積を大きくするために天井の除去を行い躯体あらわしとした。躯体が露わになった天井面には既存のRC梁が2箇所渡っていたため、その梁を手がかりに、梁の間を埋めるように新規の梁(ウソ梁)を設ける計画とした。

27畳ほどのリビングは可能な限り気積を確保した細長い平面形状の一室空間としつつも、既存梁とウソ梁によって天井面を平面的に分節することで大きい気積の中に生活や活動の手がかりとなる領域性をつくる計画とした。

建築家によるテキストより

予算の兼ね合いもあり華美な装飾や十分な作り付け造作もなく手を掛けられる箇所は多くなかったが、既存空間の質を読み取り環境に相乗りする計画にすることで、広さの中にある手がかりを元に、効果的に空間を使いたおすことができる場を意図している。

建築家によるテキストより
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作る
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作る共用通路からカフェの出入口を見る。 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るカフェ、客席からキッチンを見る。 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るラボ photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るテラス photo©Kenta Hasegawa

長坂常 / スキーマ建築計画が設計した、東京・港区の店舗「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」です。
虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画です。建築家は、人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向しました。そして、既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作りました。施設の場所はこちら(Google Map)。

虎ノ門ヒルズ ステーションタワーは重松象平 / OMA NYの設計で、このエリアに水平方向の移動を生み出す歩行者デッキと垂直方向の活性化を狙う「TOKYO NODE」をつくることで、建物内だけでなく地域全体の回遊性を向上させ賑わいを創出する場所となっている。

TOKYO NODEはビジネスやアート、テクノロジー、エンターテインメントなどを複合させた森ビルの新たな情報発信拠点であり、世界と日本、人と人、領域を超えたさまざまなものをつなぐ結節点「NODE」となることが意図されているが、特に8階はTOKYO NODEとその他のフロア、さらに都市を結ぶもう一つの「NODE」としての役割を期待された場所であった。そのなかで我々が依頼されたのは、TOKYO NODEの活動を支える実験場=ラボを含むカフェの内装設計である。

建築家によるテキストより

8階フロアはTOKYO NODEの「玄関」としてレッドカーペットが敷かれ、訪れるゲストを歓迎する設えが計画されていた。一方で我々が設計するラボは、TOKYO NODEの活動を支えるための場所であり、働く人がリラックスしてものを生み出せるような環境が求められたため、建物全体の「仕上がった空間」というより常に変化を受け入れられるような空間をつくることを考えた。またカフェはグランドレベルから離れているため、客席の密度が求められるようなカフェではなく、TOKYO NODEを利用する方々がゆっくりと時間を過ごせることを重視した。

建築家によるテキストより

そこで我々は「仕上がった空間」の一部を「剥がす」ことで、緊張感のある空間に対しておおらかさをもった空間を用意した。ここまで敷かれていたレッドカーペットや天井を剥がし、コンクリートおよびOAフロア現し+天井躯体現しと、「剥がされた」後の下地の状態とすることで、これまでの仕上げられた世界からコントラストをつくるように空間をデザインしている。

さらに剥がされたレッドカーペットの要素である「赤」を内装や家具にちりばめていくことで、重松象平 / OMA NYによる空間との関係性ももたせている。また剥がしたとはいえ新築ビルであるため、材料自体はすべて新しいことから、カフェでは手垢のついたバラバラのused椅子を使ったり、席の密度やテーブルの大きさを調整したり、温かみのある素材を用いたりすることで、新築のなかにほっとできる居心地をつくりだすよう工夫した。

建築家によるテキストより
長坂常 / スキーマ建築計画による、岐阜・大垣市の店舗「船町ベース」。江戸時代から栄えた地域に建つカフェ併設の和菓子店。隣接する公園との繋がりを求め、同じ樹種を植えて連続性を作り“徐々に中に引き込まれる”状況を構築。大屋根を持つ三棟の配置で“心地良い”外の居場所も作る
長坂常 / スキーマ建築計画による、岐阜・大垣市の店舗「船町ベース」。江戸時代から栄えた地域に建つカフェ併設の和菓子店。隣接する公園との繋がりを求め、同じ樹種を植えて連続性を作り“徐々に中に引き込まれる”状況を構築。大屋根を持つ三棟の配置で“心地良い”外の居場所も作る外観、東側の道路より見る。 photo©高野ユリカ
長坂常 / スキーマ建築計画による、岐阜・大垣市の店舗「船町ベース」。江戸時代から栄えた地域に建つカフェ併設の和菓子店。隣接する公園との繋がりを求め、同じ樹種を植えて連続性を作り“徐々に中に引き込まれる”状況を構築。大屋根を持つ三棟の配置で“心地良い”外の居場所も作る中庭からカフェ側を見る。 photo©高野ユリカ
長坂常 / スキーマ建築計画による、岐阜・大垣市の店舗「船町ベース」。江戸時代から栄えた地域に建つカフェ併設の和菓子店。隣接する公園との繋がりを求め、同じ樹種を植えて連続性を作り“徐々に中に引き込まれる”状況を構築。大屋根を持つ三棟の配置で“心地良い”外の居場所も作る店舗 photo©高野ユリカ
長坂常 / スキーマ建築計画による、岐阜・大垣市の店舗「船町ベース」。江戸時代から栄えた地域に建つカフェ併設の和菓子店。隣接する公園との繋がりを求め、同じ樹種を植えて連続性を作り“徐々に中に引き込まれる”状況を構築。大屋根を持つ三棟の配置で“心地良い”外の居場所も作るカフェ、客席 photo©高野ユリカ

長坂常 / スキーマ建築計画が設計した、岐阜・大垣市の店舗「船町ベース」です。
江戸時代から栄えた地域に建つカフェ併設の和菓子店です。建築家は、隣接する公園との繋がりを求め、同じ樹種を植えて連続性を作り“徐々に中に引き込まれる”状況を構築しました。そして、大屋根を持つ三棟の配置で“心地良い”外の居場所も作りました。店舗の場所はこちら(Google Map)。

岐阜県大垣市で菓子製造を営むグループ会社を持つ栄光堂ホールディングスが、市中心部の船町にあらたにつくったカフェと和菓子屋などの複合施設。

船町は江戸時代から人・もの・文化の行き交う川湊として栄え、松尾芭蕉『奥の細道』の終着点としても知られている。かつての面影のように賑わう場所を提供したいという思いでつくられた「船町ベース」は、隣接する公園の延長のようなカフェ併設の和菓子屋さんというコンセプトからスタートした。

建築家によるテキストより

公園の並木と同じ樹種の木を敷地内にも植えることで連続性をつくり、散歩していたらいつのまにか和菓子屋さんで、餡を練っている様子や饅頭をふかした匂いが立ち上ってくる、といった体験が生まれるよう計画した。植木鉢を介してつながる中庭までも公園の延長として扱うことで、敷地内と外の境界がなくなって徐々に中に引き込まれていく。そんな施設をイメージして計画を進めた。

建築家によるテキストより

和菓子屋である金蝶堂総本店の復活に加え、規模の大きさ、また人を惹きつけるためにカフェ的な機能が必要という依頼から、レストラン機能を同建物内に盛り込む構想だったが、和菓子屋のスペースに対してレストランが大きくなりすぎることから、その棟を厨房と客席に分け、結果3つの棟が間を置きながら、その上に大きな屋根がのるという構成になった。

建物内外の仕様を同じケイカル+パテ仕上げとしたり、通常屋外の雨樋などで使う塩ビパイプをサンドブラストしたうえで内外を横断するように配置したり、庇を大きくのばして内外を等価に扱ったりと、天気が良ければ内と同じくらい心地の良い外の居場所をつくることで、自分がいるのが内なのか外なのか分からなくなるような不思議な感覚を覚える空間を目指した。

建築家によるテキストより
ArchTankによる、広島・呉市の「明法寺三聲苑 二尊堂」。歴史ある寺の境内に造られた合祀墓。社会状況に応える“新しい墓の形式”を目指し、既存の庭に“木造の小さな屋根”を架けて“庭全体を墓に見立てる”合祀墓を考案。残された人々の日常の先にある存在として作る
ArchTankによる、広島・呉市の「明法寺三聲苑 二尊堂」。歴史ある寺の境内に造られた合祀墓。社会状況に応える“新しい墓の形式”を目指し、既存の庭に“木造の小さな屋根”を架けて“庭全体を墓に見立てる”合祀墓を考案。残された人々の日常の先にある存在として作る俯瞰、西側より見る。 photo©西本晋太朗
ArchTankによる、広島・呉市の「明法寺三聲苑 二尊堂」。歴史ある寺の境内に造られた合祀墓。社会状況に応える“新しい墓の形式”を目指し、既存の庭に“木造の小さな屋根”を架けて“庭全体を墓に見立てる”合祀墓を考案。残された人々の日常の先にある存在として作る本堂側より見る。 photo©吉崎努
ArchTankによる、広島・呉市の「明法寺三聲苑 二尊堂」。歴史ある寺の境内に造られた合祀墓。社会状況に応える“新しい墓の形式”を目指し、既存の庭に“木造の小さな屋根”を架けて“庭全体を墓に見立てる”合祀墓を考案。残された人々の日常の先にある存在として作る北東側より見る。 photo©吉崎努
ArchTankによる、広島・呉市の「明法寺三聲苑 二尊堂」。歴史ある寺の境内に造られた合祀墓。社会状況に応える“新しい墓の形式”を目指し、既存の庭に“木造の小さな屋根”を架けて“庭全体を墓に見立てる”合祀墓を考案。残された人々の日常の先にある存在として作る南西側より見る、夕景 photo©吉崎努

ArchTank / 林恭正+熊谷和+小島慎平が設計した、広島・呉市の「明法寺三聲苑 二尊堂」です。
歴史ある寺の境内に造られた合祀墓です。建築家は、社会状況に応える“新しい墓の形式”を目指し、既存の庭に“木造の小さな屋根”を架けて“庭全体を墓に見立てる”合祀墓を考案しました。また、残された人々の日常の先にある存在として作りました。

墓とは一体なんだろう。
日本の墓は、土葬や風葬からはじまり、薄葬令(646年)による規模の規制化、平安仏教の普及による小規模化、江戸時代の寺請制度による個人から一族単位への変化、墓地埋葬法(1948年)による都市計画化など、時代背景によって様々な変容を遂げてきた。

現代においても、納骨堂の登場など核家族化をはじめとする社会的な家族形態の変容や宗教への考え方の変化に伴い、求められる墓の形式も変わってきている。こういった多様化する社会状況に対して新しい墓の形式が求められているのである。

建築家によるテキストより

広島県呉市で400余年続く浄土真宗本願寺派明法寺。
明法寺の境内に、楓をはじめとする四季折々の風情を魅せる「三聲苑」という枯山水がある。
この計画はその庭の中に分骨したお骨を一時的に安置できる木造の小さな屋根をかけ、庭全体を墓として見立てる合祀墓の提案である。

建築家によるテキストより

元来、仏教建築とは分厚く深い屋根によって構成される。本堂、庫裡、鐘楼、経蔵など、様々な形や大きさを持つ明法寺の伽藍のルーフスケープの中に溶け込むよう、庭の中に小さな屋根「二尊堂」を建築することにした。

庭に4本の柱を建て、幅のある横架材を掛け渡し屋根架構を構築する。余計な斜材を設けず、格子グリッドのみで外乱に抵抗できる立体嵌合接合形式とすることで、屋根構造の中には“間(ま)”が生まれ、その“間”は分骨したお骨を合祀前に一時的に置くための“空間”となる。

つまり、この屋根はお骨が土に還る前の仮住まいのための“間”であり、残された人が故人を偲ぶための“しるし”なのである。

建築家によるテキストより
東海林健 / EAによる、新潟市の「shiba house / 関屋の家」。砂丘地の起伏に沿って出来た住宅街での計画。土地固有の快適性の獲得を求め、内外を繋げた“砂丘にそのまま暮らすかの様な”地形と親密性のある個室群を備えた建築を考案。街並みへの批評性と地域との連続性も意図
東海林健 / EAによる、新潟市の「shiba house / 関屋の家」。砂丘地の起伏に沿って出来た住宅街での計画。土地固有の快適性の獲得を求め、内外を繋げた“砂丘にそのまま暮らすかの様な”地形と親密性のある個室群を備えた建築を考案。街並みへの批評性と地域との連続性も意図外観、南側の屋外より見る、夜景 photo©藤井浩司 TOREAL
東海林健 / EAによる、新潟市の「shiba house / 関屋の家」。砂丘地の起伏に沿って出来た住宅街での計画。土地固有の快適性の獲得を求め、内外を繋げた“砂丘にそのまま暮らすかの様な”地形と親密性のある個室群を備えた建築を考案。街並みへの批評性と地域との連続性も意図1階、子供室から屋外を見る。 photo©藤井浩司 TOREAL
東海林健 / EAによる、新潟市の「shiba house / 関屋の家」。砂丘地の起伏に沿って出来た住宅街での計画。土地固有の快適性の獲得を求め、内外を繋げた“砂丘にそのまま暮らすかの様な”地形と親密性のある個室群を備えた建築を考案。街並みへの批評性と地域との連続性も意図1階、主寝室からテラスを見る。 photo©藤井浩司 TOREAL
東海林健 / EAによる、新潟市の「shiba house / 関屋の家」。砂丘地の起伏に沿って出来た住宅街での計画。土地固有の快適性の獲得を求め、内外を繋げた“砂丘にそのまま暮らすかの様な”地形と親密性のある個室群を備えた建築を考案。街並みへの批評性と地域との連続性も意図2階、ダイニングからキッチンを見る。 photo©藤井浩司 TOREAL

東海林健 / EA(旧 東海林健建築設計事務所)が設計した、新潟市の「shiba house / 関屋の家」です。
砂丘地の起伏に沿って出来た住宅街での計画です。建築家は、土地固有の快適性の獲得を求め、内外を繋げた“砂丘にそのまま暮らすかの様な”地形と親密性のある個室群を備えた建築を考案しました。また、街並みへの批評性と地域との連続性も意図されました。

敷地は新潟市中央区、砂丘地の起伏に沿って形成された古くからの閑静な住宅街。
瀟洒な社宅の解体により出来た、5軒の家に囲まれた高低差のある旗竿敷地である。竿部分は前面道路から長さ30mの坂道となっており、それを登りきり開けた平坦地に住宅を計画した。

建築家によるテキストより

一帯は斜面地にあるということもあり、1階はRC造で土圧を支持し、個室やガレージにあて、2階をLDKなどにあてるケースが多く、そのせいもあり、通りには生活が現れずコンクリート壁とシャッターが無機質に静かに並んでいた。
そういった町の振る舞いに対し、今計画ではこの土地だからこそある地形や風景に対して、いかに暮らしを開き固有の快適性を獲得できるかが課題であった。

建築家によるテキストより

砂丘地の起伏にそのまま庭木や家具、暮らしの調度品を配置し、まさに砂丘にそのまま暮らすかのような地形との親密性を計画した1階の個室群。屋外に採用している壁材がそのまま屋内に入り込み、屋内に採用した壁材がそのまま屋外に出て行く。
サッシも大きく開き全ての框を隠すことで、屋内と屋外の境界はより複雑にそして曖昧になる。ここでの暮らしが砂丘に遠くどこまでも延長するかような開き方を目指した。

起伏を駆け上がるように1階から2階への階段を抜けた先に、少しくびれた大きなトンネルのような空間をLDKとして計画。側面は全て壁面収納とし、その中には家財や色々な物と一緒に、トイレや浴室、さらには書斎といった室をも収納した。
トンネルの両端に大きく開けられた開口からは、直射光は制限し、白壁から反射したバウンド光や回折光のみを取り込み、空間が定常的に柔らかな光で満たされるように計画した。

建築家によるテキストより

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