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湯浅良介・ゴッティンガム・スタジオユアサ・オフィスユアサによる、建築展「Anybody Seen The Same River Twice?」。プリズミックギャラリーを会場に開催。ドローイング、オブジェ、写真、コラージュを通じて、“不可逆な時間に対する空間の可逆性”を“視覚的な問い”として投げかける
湯浅良介・ゴッティンガム・スタジオユアサ・オフィスユアサによる、建築展「Anybody Seen The Same River Twice?」。プリズミックギャラリーを会場に開催。ドローイング、オブジェ、写真、コラージュを通じて、“不可逆な時間に対する空間の可逆性”を“視覚的な問い”として投げかける会場の様子 Installation view, Anybody Seen the Same River Twice? © 2025 by Studio Xxingham K.K. is licensed under CC BY-NC-ND 4.0
湯浅良介・ゴッティンガム・スタジオユアサ・オフィスユアサによる、建築展「Anybody Seen The Same River Twice?」。プリズミックギャラリーを会場に開催。ドローイング、オブジェ、写真、コラージュを通じて、“不可逆な時間に対する空間の可逆性”を“視覚的な問い”として投げかける会場の様子 Installation view, Anybody Seen the Same River Twice? © 2025 by Studio Xxingham K.K. is licensed under CC BY-NC-ND 4.0
湯浅良介・ゴッティンガム・スタジオユアサ・オフィスユアサによる、建築展「Anybody Seen The Same River Twice?」。プリズミックギャラリーを会場に開催。ドローイング、オブジェ、写真、コラージュを通じて、“不可逆な時間に対する空間の可逆性”を“視覚的な問い”として投げかける湯浅良介「Croquis:Layering, Repeating, Returning for Planarity」 Installation view, Anybody Seen the Same River Twice? © 2025 by Studio Xxingham K.K. is licensed under CC BY-NC-ND 4.0

湯浅良介ゴッティンガムスタジオユアサオフィスユアサによる、建築展「Anybody Seen The Same River Twice?」です。
プリズミックギャラリーを会場に開催しています。ドローイング、オブジェ、写真、コラージュを通じて、“不可逆な時間に対する空間の可逆性”を“視覚的な問い”として投げかけます。開催期間は、2025年4月26日まで(期間中休廊日あり)。入場無料です。展覧会やトークイベント等の情報は公式ページに掲載されています。

イントロダクション / Introduction

流れる川のように、私たちの住まう世界もまた決して同じかたちを保つことはありません。この時間の不可逆性について、ヘラクレイトスは「同じ川に二度足を踏み入れることはできない」と言い、鴨長明は「流れる川は絶えずして、しかももとの水にあらず」と記しました。本展は、そうした絶え間なく変化する世界の中で、時に川の流れを遡り、時にその先を見据えながら、視線の浮遊を可能にする舟のようなものをつくる試みです。

現代において、私たちの経験は、かつてないほど断片化し、加速度的に変化しています。デジタル技術の進展により、時間や距離の感覚は曖昧になり、リアルと生成、記憶と記録、個と群の境界は、ますます不確かになりつつあります。移動の自由度が増し、同時に情報の流れが加速するなかで、私たちが立つ「場」や「空間」は、どのように認識され、どのように意味を持ちうるのでしょうか。その変化は、物理的な空間の捉え方にも影響を与え、可視・不可視の領域や現実と仮想の交錯を生み出しています。社会の構造が変容し続けるなかで、私たちは自身の立ち位置をどこに見出し、どのように世界と関わるのでしょうか。

オフィスユアサ、スタジオユアサ、ゴッティンガム、湯浅良介らによる出展作品は、コラージュ、写真、オブジェ、ドローイングを通じて、この不可逆な時間に対する空間の可逆性を、それにまつわる視覚的な問いとして投げかけます。複数の時間軸が交錯し、過去と現在、個と群がせめぎ合うなかで、認識のズレや知覚の揺らぎを浮かび上がらせます。会場には、オフィスユアサの藤井杏莉、松井康平による「台座のためのマクガフィン」が展示されるほか、スタジオユアサからは、慶野仁希、藤原禎之が、それぞれの研究・制作から選出した作品群を発表します。ゴッティンガムは、近年取り組んでいる「留保」をテーマにしたインスタレーションを展開し、湯浅良介は、紙に描くというプリミティブな方法を用い、描くことと消すことを繰り返すクロッキーを展示します。

本展は、単なる展示空間としての場ではなく、川のように絶えず変化し続ける視点の往復運動を誘発するものとして機能します。時間は流れ、空間が横たわります。遡ることも、飛び越えることもできない時間を、空間という媒介を通してなら往来できるかもしれません。空間がもつ多層な可能性のなかで、たゆたう川に身をゆだねながら、私たちはこの川を何度、どのように渡るのでしょうか?

リリーステキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2025/3/31-4/6]
最も注目を集めたトピックス[期間:2025/3/31-4/6]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2025/3/31-4/6)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 石上純也建築設計事務所による、中国・山東省の「水の美術館」。湖の上の約“1km”の建築。中国の“茫漠とした風景”という前提に対して、環境と建築を近付け“対等な存在”となる設計を志向。湖の端から端まで延びる“新しい陸地”を“水面にそっと触れる”様にしてつくる
  2. 伊東豊雄・妹島和世・塚本由晴・藤本壮介・藤村龍至によるシンポジウム「大阪・関西万博から建築の役割を考える 第1回」の動画。2025年3月に行われたもの
  3. OMA / AMOの会場デザインによる、東京・原宿での展覧会「ロエベ クラフテッド・ワールド」。マドリードで創業したブランドの為に計画。創造性・革新性・技術の歴史の伝達を意図し、1300㎡の空間の中に様々なコンセプトの部屋を創出する計画を考案
  4. 島根・隠岐の島の「海の見える交流施設」設計コンペで、河内建築設計事務所の提案が最優秀作品に選定。提案書も公開。優秀作品は、アトリエ・シムサの提案。その他の2次審査の候補者は、y&M+Tai Furuzawa+秋山怜央 JV、KAMIJIMA Architects、SAI・HiMa JV
  5. 髙濱史子小松智彦建築設計による、埼玉の店舗「JINSかわじまインター店」。商業施設と並んで建つ郊外のメガネ店。寄棟形状をベースとし周辺環境との調整を重ねて、全ての立面で見え方が異なる建築を創出。店内の様子を外部に伝える“V字の切れ込み”は外側の自然を内部に取込む役割も担う
  6. BIGによる、新しいハンガリー自然史博物館。何世紀もの歴史がある大森林の中での計画。地域の教育と文化に貢献する施設として、3本の緑化された帯が重なり合う建築を考案。全方位からのアクセスも可能で都市構造と自然景観の両方に溶け込む
  7. 遠藤克彦建築研究所による、東京・豊島区の「包の家」。公共性を担う“都市と人の狭間にある建築”も主題とし計画。恣意性のない“都市が造り出した”多面体形状で、其々の外壁から視界が得られる建築を考案。光や空気を構造や設備で包み込み意匠に統合させ最大化もする
  8. 大阪・関西万博の、若手建築家が設計を手掛ける全20施設(前編)
  9. 中山大介 / 中山建築設計事務所による、山形の「鶴岡の家」。両親が暮らす住宅に隣接して建つ住まい。既存との距離感と庭への眺めを考慮し、繋ぎ役となる“玄関棟”と諸室が収められた“主棟”に分けて雁行配置する構成を考案。地域特有の海風も踏まえ軒の深い瓦葺屋根とする
  10. MVRDVとEKUOによる、台湾・竹北の「マーケット・キューブ」。市場を中心に飲食や展示などの多様な用途を融合する施設。訪問者の出会いを促す為、天井の高い適応力のある空間を積層して円滑な動線で繋げる構成を考案。シンプルで柔軟性のある造りは将来の改修工事の回避も意図
  11. トラフ建築設計事務所による、京都市の店舗「BIRKENSTOCK KYOTO」。1年間限定の路面店。歴史的な街並みと同社の伝統の体現を目指し、ボンド跡を“枯山水”に見立てたり奥の空間を“庭”のように演出する計画を考案。“門”をイメージして出入口にブランドカラーのパネル等も配置
  12. ULTRA STUDIOによる、東京の「残像の家」。空間への愛着や所有の感覚を主題に計画。心情の源泉を探求し、“個人的なイメージ群の蓄積”に焦点をあて設計。空間を分断する“螺旋階段の黒い筒”を中央に配置し、全体に“装飾的要素としての色彩”を散りばめる
  13. 長岡勉 / POINTによる、東京・恵比寿の「額縁の中の額縁」。額縁の様な展示空間のギャラリーの為に制作。行き交う人との関係の構築を求め、捲れ上がる“作品としての額縁”を空間の6面に配置。自律的なものを環境とも適合させる“オブジェクトスペシフィック”の方法で作る
  14. トラフ建築設計事務所の会場構成による展覧会「ジオ・ポンティの眼:軽やかに越境せよ。」。イタリアの近代を代表する建築家を特集。多様な創作の視覚的な体感を目指し、資料の画像と実際のプロダクトが共存する“大パネル”を考案。代表作を参照した鮮やかな図案を天井に施して“らしさ”も空間に付与
  15. 黒川智之建築設計事務所による、東京のコーポラティブハウス「国立テラス」。大きな庭が点在する歴史ある住宅街での計画。多世帯が集まって暮らす積極的意味を追求し、“生きたコモン”としての豊かな庭を備えた建築を志向。通路や屋上などに様々なタイプの庭を設けて周辺環境とも呼応させる
  16. ザハ・ハディド・アーキテクツによる、ジョージアの「シティゼン・タワー」。広大な公園に隣接する敷地での計画。園の豊かな緑の“垂直的な延長”を意図し、地域の丘陵地形も参照して低層部に階段状のテラスを備える建築を考案。“ねじれた”外観は低層階と高層階の段階的な融合から生まれる
  17. 篠原一男のTOTO出版による作品集『篠原一男』が、生誕100年を記念して復刊。中身のプレビュー画像も掲載
  18. 大阪・関西万博の、若手建築家が設計を手掛ける全20施設(後編)
  19. MVRDVによる、オランダ・ロッテルダムの「Portlantis」。街の港に位置するヴィジターセンター兼展示施設。港の役割を啓蒙する施設として、5つの展示空間を回転させ積層させる建築を考案。各階の外部空間を深紅の階段で繋いでパブリックな展望台としても機能させる
  20. へザウィック・スタジオによる、韓国・ソウルの、コンベンションセンターの再設計。国内で有名な会議および展示の施設を再定義する計画。ファサードと在り方を対象とし、イベントの無い時でも人々を惹きつける文化的な目的地を志向。多様な活動を許容する“ディスプレイケース”の様な建築を考案

田根剛へのインタビュー動画。田根がデザインアーキテクトを務める、新しい帝国ホテルについて聞く。2025年4月に公開されたもの

田根剛へのインタビュー動画です。田根がデザインアーキテクトを務める、新しい帝国ホテルについて聞くないようです。2025年4月に公開されたもの。アーキテクチャーフォトでは、完成予想のCGパースや記者会見での発表時の様子などを特集記事として紹介しています。

フランシス・ケレの講演「Bridging the Gap(気候、文化、マテリアル、そして建築)」の動画。ケレは、2022年のプリツカー賞受賞建築家。ゲストコメンテーターとして妹島和世、モデレーターとして長谷川祐子も参加。国際文化会館の主催で2024年11月に行われたもの。日本語字幕付

フランシス・ケレ(Francis Kere)の講演「Bridging the Gap(気候、文化、マテリアル、そして建築)」の動画です。
ケレは、2022年のプリツカー賞受賞建築家です。建築家ゲストコメンテーターとして妹島和世、モデレーターとして長谷川祐子も参加。国際文化会館の主催で2024年11月に行われたものです。日本語字幕付です。
アーキテクチャーフォトでは、ケレのプリツカー賞受賞時に、その経歴や作品を特集記事として紹介しています。

ブルキナファソ出身で、2022年に建築界のノーベル賞と称されるプリツカー賞をアフリカ出身で初めて受賞したフランシス・ケレ氏を迎え、「建築」を通して現代社会について考えるArchitalk新エピソードを配信いたします。気候や風土に寄り添い、その土地の知恵や素材を生かしたサステナブルな建築様式が世界から評価されるケレ氏に作品やそのデザインの背景についてお話しいただき、同じくプリツカー賞を受賞したSANAAの妹島和世氏およびサーペンタイン・パヴィリオンをデザインした藤本壮介氏にコメントをいただきました。

2024年11月22日開催
スピーカー:フランシス・ケレ(建築家、Kere Architecture創始者)
ゲストコメンテーター:妹島和世(建築家・SANAA)
モデレーター:長谷川祐子(国際文化会館アート・デザイン部門アドバイザー)
言語:英語(日本語字幕付き)
主催:公益財団法人国際文化会館
助成:MRAハウス、住環境財団

【ap job更新】 新潟を拠点とし、“何を作るのか”という問いから設計を始める「EA Research and Design Office」が、設計スタッフ(経験者)を募集中
【ap job更新】 新潟を拠点とし、“何を作るのか”という問いから設計を始める「EA Research and Design Office」が、設計スタッフ(経験者)を募集中
【ap job更新】 新潟を拠点とし、“何を作るのか”という問いから設計を始める「EA Research and Design Office」が、設計スタッフ(経験者)を募集中YNS / 山五十嵐こども園 / 新建築掲載 / AACA芦原義信賞 受賞 / Architecture Master Prize受賞 / ウッドデザイン賞 受賞 ©藤井浩司

新潟を拠点とし、“何を作るのか”という問いから設計を始める「EA Research and Design Office」の、設計スタッフ(経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

新潟拠点、地域と共に“何を作るのか”から考える、国内外にて受賞歴多数の「EA Research and Design Office」が、設計スタッフ(経験者)を募集中

I・J・Uターン移住転職者大歓迎!
新潟を拠点に、地域と共に“何を作るのか”から考え、国内外にて受賞歴多数の東海林健が主宰するEA Research and Design Officeが、設計スタッフ(経験者)を募集中。
EAは、住宅・商業施設・クリニック・保育施設・教育施設等の設計から、土地活用の企画立案、ブランディング、町作り、メタバース技術開発に至るまで多岐に渡り、秋田・山形・岩手・新潟・群馬・埼玉・東京・神奈川・静岡・奈良・神戸・鹿児島と色々な地域にてプロジェクトを進めています。
この度、業務拡大にともない設計スタッフを2名募集します。

【事務所紹介】
「Around Architecture, Alternative Architecture.」
対話的であること、批評的であること、分析的であること、を行動指針とし、新潟市内を拠点に東海林健が2008年に株式会社東海林健建築設計事務所として創業。一昨年度で15周年を迎え、それを機会に働き方体制を刷新、社名もEAに改称して2年目を迎えました。
建築を作ることのひとつ手前や、建築を作ることの周辺を大切にしながら、「そこにしかない建築、そこにしかない活動、そこにしかない幸せな関係」の構築による、“もうひとつの可能性”に出会える社会を目指しています。

トラフ建築設計事務所による、京都市の店舗「BIRKENSTOCK KYOTO」。1年間限定の路面店。歴史的な街並みと同社の伝統の体現を目指し、ボンド跡を“枯山水”に見立てたり奥の空間を“庭”のように演出する計画を考案。“門”をイメージして出入口にブランドカラーのパネル等も配置
トラフ建築設計事務所による、京都市の店舗「BIRKENSTOCK KYOTO」。1年間限定の路面店。歴史的な街並みと同社の伝統の体現を目指し、ボンド跡を“枯山水”に見立てたり奥の空間を“庭”のように演出する計画を考案。“門”をイメージして出入口にブランドカラーのパネル等も配置外観、歩道より内部を見る、夕景 photo©阿野太一
トラフ建築設計事務所による、京都市の店舗「BIRKENSTOCK KYOTO」。1年間限定の路面店。歴史的な街並みと同社の伝統の体現を目指し、ボンド跡を“枯山水”に見立てたり奥の空間を“庭”のように演出する計画を考案。“門”をイメージして出入口にブランドカラーのパネル等も配置売場、エントランス側から空間全体を見る。 photo©阿野太一
トラフ建築設計事務所による、京都市の店舗「BIRKENSTOCK KYOTO」。1年間限定の路面店。歴史的な街並みと同社の伝統の体現を目指し、ボンド跡を“枯山水”に見立てたり奥の空間を“庭”のように演出する計画を考案。“門”をイメージして出入口にブランドカラーのパネル等も配置売場、チェックアウトカウンターとベンチを見る。 photo©阿野太一
トラフ建築設計事務所による、京都市の店舗「BIRKENSTOCK KYOTO」。1年間限定の路面店。歴史的な街並みと同社の伝統の体現を目指し、ボンド跡を“枯山水”に見立てたり奥の空間を“庭”のように演出する計画を考案。“門”をイメージして出入口にブランドカラーのパネル等も配置売場、「奥庭」のようなスペース photo©阿野太一

トラフ建築設計事務所が設計した、京都市の店舗「BIRKENSTOCK KYOTO」です。
1年間限定の路面店です。建築家は、歴史的な街並みと同社の伝統の体現を目指し、ボンド跡を“枯山水”に見立てたり奥の空間を“庭”のように演出する計画を考案しました。また、“門”をイメージして出入口にブランドカラーのパネル等も配置しています。店舗の場所はこちら(Google Map)。

創業251年になるドイツのシューズブランド、BIRKENSTOCK国内4店舗目の直営路面店の1年間限定ポップアップストアの内装計画。

人通りの多い京都の四条通りに面する、間口3.8m・奥行24mの京町屋にもよく見られる“うなぎの寝床”と言える建築が敷地となった。河原町というロケーションを踏まえ、歴史的な街並みと同社の伝統を体現する空間づくりが求められた。

建築家によるテキストより

門をイメージした、鮮やかなブランドカラーの青いサインパネルとLEDネオン管が、にぎやかな街並みの中で道行く人の目を引く。

店内に入ると、開放的な吹き抜けと特有の奥行きのある空間が客を迎える。植栽や壁面のネオンサインが荒々しい既存躯体に映え、新旧のコントラストを生み出す。ディスプレイとベンチを兼ねた丸太の島什器と1点物のアンティークラグで、力強くも落ち着きのある店内を演出する。既存床材を剥がしたままのボンド跡を活かして什器を配置し、枯山水のように見立てた。

建築家によるテキストより

奥には、フットベッドの原料となるヴァージンコルクの壁面を背景に、スウェードレザーで仕上げたカウンターを配置した。その前には、ブランドのクラフトマンシップを象徴するように、最小限の加工を施した無垢材を鮮やかな青の細い脚で浮かせたベンチを置き、「奥庭」のような休息の場を演出する。

また、量塊感のある特注照明がカウンター上を演出する。最深部には、ロゴを掲示した壁面を背景に、植栽を囲む丸太ベンチによるフットケアやコラボレーション商品のためのスペースとした。

建築家によるテキストより
長岡勉 / POINTによる、東京・恵比寿の「額縁の中の額縁」。額縁の様な展示空間のギャラリーの為に制作。行き交う人との関係の構築を求め、捲れ上がる“作品としての額縁”を空間の6面に配置。自律的なものを環境とも適合させる“オブジェクトスペシフィック”の方法で作る
長岡勉 / POINTによる、東京・恵比寿の「額縁の中の額縁」。額縁の様な展示空間のギャラリーの為に制作。行き交う人との関係の構築を求め、捲れ上がる“作品としての額縁”を空間の6面に配置。自律的なものを環境とも適合させる“オブジェクトスペシフィック”の方法で作る右側の展示空間の詳細 photo©CAGE GALLERY
長岡勉 / POINTによる、東京・恵比寿の「額縁の中の額縁」。額縁の様な展示空間のギャラリーの為に制作。行き交う人との関係の構築を求め、捲れ上がる“作品としての額縁”を空間の6面に配置。自律的なものを環境とも適合させる“オブジェクトスペシフィック”の方法で作る北側の道路から展示空間を見る、夜景 photo©CAGE GALLERY
長岡勉 / POINTによる、東京・恵比寿の「額縁の中の額縁」。額縁の様な展示空間のギャラリーの為に制作。行き交う人との関係の構築を求め、捲れ上がる“作品としての額縁”を空間の6面に配置。自律的なものを環境とも適合させる“オブジェクトスペシフィック”の方法で作る北側の道路から展示空間を見る、夕景 photo©CAGE GALLERY

長岡勉 / POINTによる、東京・恵比寿の「額縁の中の額縁」です。
額縁の様な展示空間のギャラリーの為に制作されました。建築家は、行き交う人との関係の構築を求め、捲れ上がる“作品としての額縁”を空間の6面に配置しました。これらは、自律的なものを環境とも適合させる“オブジェクトスペシフィック”の方法で作られました。
会期は、2025年4月13日まで。関連イベント等の情報は、展覧会の公式ページに掲載されています。会場の場所はこちら(Google Map)。

幅と高さが180cm程のガラスに奥行き24cmの窓枠が内側にはり出した薄い空間が2つ、通りに面してならんでいる。これらがCAGEギャラリーの展示空間の全てである。

ショーウィンドウとしても奥行きの浅い空間は、展示空間というより、平面作品をフレーミングする額縁そのもののようである。そこで額縁のようなギャラリーの中に額縁を入れ子状に挿入することで浅い空間に奥行きを与え、積極的に鑑賞者との関係を作ることを考えた。

建築家によるテキストより

通常であれば窓に正対する正面の白い壁に作品が設置される。しかし、通りを行き交う人たちは、その前を移動しながら横目で作品を見ることになる。そこで、壁から捲れ上がるように額縁を張り出させることで、作品と人の“向き”が積極的に関わるようにした。

額縁のようなとは言うものの、そこには24cm程度の奥行きの空間がある。その空間は、前面のガラス面、ステンレス仕上の“額縁に相当する”底面・側面・上面、正面の白い壁面、の計6面で囲まれている。これらの全ての面を積極的に関係させるために、額縁はそれぞれの面にもたれ掛かったり、面同士を繋ぐように折れ曲がるように配置されている。

建築家によるテキストより

額縁のようなギャラリーに新たに額縁を挿入するという展示方針は、サイトスペシフィックなアプローチではある。
ただし、新たに差し込む額縁は窓枠(額縁)を形態として参照するわけではなく、特定の作品をフレーミングするわけでもない。そのどちらの状態でもない額縁を考えることで、特定の対象との関係が強くなりすぎず、むしろ新たな関係を作っていく余地があるものを目指した。

自律的(オブジェクトな)存在としてありながら、場所に合わせて調整配置されていく(サイトスペシフィックな)側面を併せ持つ額縁のあり方を探っていった。簡単に一言で言うと、既に存在するモノ(オブジェクト)を環境に適合させて配置構成していくことをオブジェクトスペシフィックと呼んでいる。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 調査と研究に基づく計画と、質の高いデザインを統合した設計を行う「岡田新一設計事務所」が、設計スタッフ(2026年新卒)を募集中
【ap job更新】 調査と研究に基づく計画と、質の高いデザインを統合した設計を行う「岡田新一設計事務所」が、設計スタッフ(2026年新卒)を募集中
【ap job更新】 調査と研究に基づく計画と、質の高いデザインを統合した設計を行う「岡田新一設計事務所」が、設計スタッフ(2026年新卒)を募集中北茨城市立磯原中学校

調査と研究に基づく計画と、質の高いデザインを統合した設計を行う「岡田新一設計事務所」の、設計スタッフ(2026年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

岡田新一設計事務所は、新卒(2026年4月入社)スタッフを募集しています。

【株式会社岡田新一設計事務所について】
1969年設立。調査・研究に基づく建築計画と、質の高いデザインを統合した建築設計を行っています。
現在、文化施設、教育施設、医療福祉施設、民間業務施設など、従来型のプロトタイプを越えた個性あるプロジェクトが進行しています。
課題に対する解答を多角的に考え議論し、企画から設計監理まで一貫して取り組むことで、達成感のある実務経験を積むことができます。

【求める人材】
質の高い建築の実現には時間を要します。
ともに考え、新しい建築にチャレンジし、創り上げる喜びを分ちあえる人を求めます。

BIGによる、新しいハンガリー自然史博物館。何世紀もの歴史がある大森林の中での計画。地域の教育と文化に貢献する施設として、3本の緑化された帯が重なり合う建築を考案。全方位からのアクセスも可能で都市構造と自然景観の両方に溶け込む
BIGによる、新しいハンガリー自然史博物館。何世紀もの歴史がある大森林の中での計画。地域の教育と文化に貢献する施設として、3本の緑化された帯が重なり合う建築を考案。全方位からのアクセスも可能で都市構造と自然景観の両方に溶け込む俯瞰 image©BIG
BIGによる、新しいハンガリー自然史博物館。何世紀もの歴史がある大森林の中での計画。地域の教育と文化に貢献する施設として、3本の緑化された帯が重なり合う建築を考案。全方位からのアクセスも可能で都市構造と自然景観の両方に溶け込む外観 image©BIG
BIGによる、新しいハンガリー自然史博物館。何世紀もの歴史がある大森林の中での計画。地域の教育と文化に貢献する施設として、3本の緑化された帯が重なり合う建築を考案。全方位からのアクセスも可能で都市構造と自然景観の両方に溶け込む常設展示スペース image©BIG

BIGによる、新しいハンガリー自然史博物館です。
何世紀もの歴史がある大森林の中での計画です。建築家は、地域の教育と文化に貢献する施設として、3本の緑化された帯が重なり合う建築を考案しました。また、全方位からのアクセスも可能で都市構造と自然景観の両方に溶け込みます。BIGはVikar es Lukacs Epites StudioMuseum StudioTYPSAと協働して国際コンペに勝利しました。


こちらはリリーステキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)

BIGが、新しいハンガリー自然史博物館の設計に関する国際コンペで勝利しました。

BIG(ビャルケ・インゲルス・グループ)が、ハンガリー第2の都市デブレツェンにある新しいハンガリー自然史博物館の本拠の設計者として選ばれました。この23,000㎡の博物館は、市の北部にある何世紀もの歴史を持つ大森林の中に位置し、新たな公共かつ科学的な目的地を形作るために、森の床から緩やかに立ち上がる3本の重なり合う造園された帯が提案されました。

デブレツェンの大森林ナジュエルデーの縁にある旧スポーツグラウンドに位置する新しいハンガリー自然史博物館は、Vikar es Lukacs Epites Studio、Museum Studio、TYPSAとの協働で設計されています。この博物館はブダペストにある既存の施設に代わるものであり、2030年までにデブレツェンを教育と文化の主要な地域拠点として確立するという政府の構想を支援します。博物館および文化・イノベーション省によって委託されたこの新しい博物館には、常設および企画展示ホール、教育・研究施設、公共設備、そしてバックヤードスペースが設けられます。

「自然史は私にとってとても大切な分野です。あまりにも大切なので、長男にダーウィンと名付けたほどです。デブレツェンの大森林にあるハンガリー自然史博物館の設計を委ねられたことは、大変光栄です。私たちの設計は、道筋と系統の交差点として構想されています。交差する造園された帯が重なり合い、一連のニッチや生息環境、ホールやギャラリーを生み出し、内と外、親密さと巨大さとをシームレスに融合させます。その結果は、森の開けた場所にある人工の丘です。幾何学的に明快でありながら、柔らかく有機的でもあり、自然界の驚異にふさわしい場所となっています」ビャルケ・インゲルス、BIG創設者兼クリエイティブディレクター

新しい博物館は、景観に合わせて起伏する3つの重なり合うヴォリュームによって形作られています。中大断面木造の構造体と焼杉のファサードを備えたこの博物館は、地面に部分的に埋め込まれ、森の床から立ち上がって公園の風景に視覚的に溶け込んでいます。一方で、その傾斜した屋根は一般の人々のアクセスを促し、市街を一望できる広大な景色を提供します。

「私たちはハンガリー自然史博物館を、その環境と一体として構想しました。それは周囲の景観によって形作られると同時に、その景観を形作るものでもあります。中大断面木造で建てられたこの建物は、地面から立ち上がる地元産の焼杉パネルを用いたファサードを特徴とし、建築と自然の境界をあいまいにしています。この博物館は地中の熱容量を活用し、地熱ループや太陽光パネルを含む現地のエネルギーシステムを統合することで、年間を通じて安定した屋内環境を確保しています。この建物は単にその場所を保存するのではなく、それを回復・強化し、生物多様性を再生させながら、静かに周囲の環境に適応します。」ハンナ・ヨハンソン、BIGパートナー

どの方向から訪れても、来館者は開かれた広場や曲がりくねった森の小道、そして建物越しや建物上からの切り取られた眺望に出会います。この博物館は全方向からアクセス可能で、都市の構造と周囲の自然景観の両方に溶け込んでいます。到着地点には広々とした南側の広場があり、地域の暮らしと博物館の活動が交わる交流の場となっています。

館内では、レセプションホールが中心の方位点として機能し、周囲に広がる展示ウイングを垣間見ることができます。展示ウイングは放射状に配置されており、5つが常設ギャラリー用、1つが企画展示や一般向けプログラム用となっています。上階には図書館とレストランがあり、森の樹冠を望むことができます。一方、下階には学習ハブがあり、学生や家族、スタッフのためのワークショップ、遊びの空間、研究ラボが設けられています。

建築面積を最小限に抑えることで、博物館は地形の中に部分的に埋もれるように存在しています。傾斜した緑化屋根には在来種が植えられており、地域の動植物の生息地を提供すると同時に、公園が博物館の上に視覚的に広がっていくように見せています。植生は敷地内を通って建物内部まで続いており、年間を通じて一般の人々が休憩や集まりに利用できるエリアを提供しています。

東京都現代美術館での展覧会「岡﨑乾二郎 而今而後 ジコンジゴ Time Unfolding Here」の入場チケットをプレゼント。絵画や彫刻から建築まで幅広い表現領域で活動する作家の展示。過去の代表作に加えて2021年以降制作の新作群も公開
東京都現代美術館での展覧会「岡﨑乾二郎 而今而後 ジコンジゴ Time Unfolding Here」の入場チケットをプレゼント。絵画や彫刻から建築まで幅広い表現領域で活動する作家の展示。過去の代表作に加えて2021年以降制作の新作群も公開展覧会ポスター

東京都現代美術館での展覧会「岡﨑乾二郎 而今而後 ジコンジゴ Time Unfolding Here」の入場チケットを抽選でプレゼントいたします。
絵画や彫刻から建築まで幅広い表現領域で活動する作家の展示です。過去の代表作に加えて2021年以降制作の新作群も公開されます。会期は、2025年4月29日~7月21日まで。展覧会の公式ページはこちら。入場チケットプレゼント企画の応募締切は、2025年4月25日(金)13時まで(お申込みにはGoogleアカウントが必要になります)。こちらのフォームからご応募ください。厳正な抽選を行い当選された方にはメールにてご連絡いたします(メール送付を当選発表にかえさせていただきます)。

このたび、東京都現代美術館は、日本を代表する造形作家である岡﨑乾二郎(1955-)の核心に迫る大規模な展覧会を開催します。

絵画、彫刻のみならず、建築や環境文化圏計画、絵本、ロボット開発などの幅広い表現領域でも革新的な仕事を手がけ、さらには文化全般にわたる批評家としても活躍してきた岡﨑乾二郎。その活動の根底には私たちの「認識」と「世界」を結び直す力としての「造形」があります。

AIをはじめとする科学技術の革新、環境危機、政治状況の混沌…。私たちが捉えてきた世界、社会を制御してきた制度は急速に失効しつつあるように思えます。世界は崩壊しつつあるのでしょうか。しかしその問いに対し、岡﨑は、「世界は崩壊しているのではない。動揺しているのは私たちの認識である。」と言います。岡﨑にとっての「造形」とは、私たちが世界を捉える、その認識の枠組み自体を作り変える力です。すなわち、認識を作りかえることで世界の可塑性を解放し、世界との具体的な関わりを通して認識の可塑性を取り戻すことです。造形とは、この二つの可塑性を実践的に繋ぎなおすことだと彼は言います。

近年国際的な評価も高まるこの作家が大きく転回した2021年以降の新作を中心として、過去の代表作を網羅しつつ、その仕事の全貌を展望します。

――なんどでも世界は再生しつづける。而今而後(これから先、ずっと先も)。

リリーステキストより

以下に、詳細な情報を掲載します。

【ap job更新】 ホテルの設計監理を中心に、集合住宅や店舗なども手掛ける「コイケデザインワークス」が、設計スタッフ(経験者)を募集中
【ap job更新】 ホテルの設計監理を中心に、集合住宅や店舗なども手掛ける「コイケデザインワークス」が、設計スタッフ(経験者)を募集中
【ap job更新】 ホテルの設計監理を中心に、集合住宅や店舗なども手掛ける「コイケデザインワークス」が、設計スタッフ(経験者)を募集中リゾート01 ※この島をまるごとデザイン設計します!

ホテルの設計監理を中心に、集合住宅や店舗なども手掛ける「コイケデザインワークス」の、設計スタッフ(経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

コイケデザインワークスは、九州・沖縄のホテル設計・監理を中心に、コンドミニアム、集合住宅、店舗設計を行っています。
今回、沖縄大規模リゾートホテルの設計、デザイン受注による事業規模拡大に向けた募集となります。

1級建築士事務所として、より良い地球環境や景観形成を念頭に置き、人間の五感に訴え、多くの人々に感動を呼び起こすような建物、空間、街づくりを心掛けております。
また、社会の変化に先んじて行動し、“期待を超える価値の創造”を目指しております。

現在の社員は30代が中心、基本計画から実施、申請、現場監理、一貫して経験でき、技術力、デザイン力、営業力と、バランスのとれた経験も備えることができます。

ザハ・ハディド・アーキテクツによる、ジョージアの「シティゼン・タワー」。広大な公園に隣接する敷地での計画。園の豊かな緑の“垂直的な延長”を意図し、地域の丘陵地形も参照して低層部に階段状のテラスを備える建築を考案。“ねじれた”外観は低層階と高層階の段階的な融合から生まれる
ザハ・ハディド・アーキテクツによる、ジョージアの「シティゼン・タワー」。広大な公園に隣接する敷地での計画。園の豊かな緑の“垂直的な延長”を意図し、地域の丘陵地形も参照して低層部に階段状のテラスを備える建築を考案。“ねじれた”外観は低層階と高層階の段階的な融合から生まれる image©negativ
ザハ・ハディド・アーキテクツによる、ジョージアの「シティゼン・タワー」。広大な公園に隣接する敷地での計画。園の豊かな緑の“垂直的な延長”を意図し、地域の丘陵地形も参照して低層部に階段状のテラスを備える建築を考案。“ねじれた”外観は低層階と高層階の段階的な融合から生まれる image©negativ

ザハ・ハディド・アーキテクツによる、ジョージアの「シティゼン・タワー」です。
広大な公園に隣接する敷地での計画です。建築家は、園の豊かな緑の“垂直的な延長”を意図し、地域の丘陵地形も参照して低層部に階段状のテラスを備える建築を考案しました。また、“ねじれた”外観は低層階と高層階の段階的な融合から生まれています。完成は、2028年を予定しています。


こちらはリリーステキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)

シティゼン、ZHAによる新タワーを発表

42階建てのシティゼン・タワーは、36ヘクタールの公園を含むトビリシの新しいセントラルパークの垂直的な延長として設計されています

中央および南コーカサスにおけるソビエト軍の旧軍司令部の跡地に建設されたこのタワーは、トビリシのサブルタロ地区にある新たなシティゼン開発区域内に位置しています

トビリシ西部に誕生する新たな市民拠点「シティゼン・コミュニティ」の玄関口として機能するシティゼン・タワーは、ザハ・ハディッド・アーキテクツによるジョージアでの初のプロジェクトです

トビリシ中心部のミヘイル・タマラシュヴィリ通りとユニバーシティ通りの交差点に位置する新しいシティゼン・タワーは、集合住宅、商業施設、そして都市のためのレジャーアメニティを備えています。

中央および南コーカサスにおけるソビエト軍の旧軍司令部の跡地に建設されたこのタワーは、トビリシのサブルタロ地区にある新たなシティゼン・コミュニティ内に位置しています。サブルタロは、都市の地下鉄2号線が通る発展途上の都市区域であり、国立大学のいくつかの学部、商業地域、新しい住宅開発エリアなどを含んでいます。

増加する都市人口のための新たな住宅に加え、市民向けの設備、ワークスペース、ショッピングや飲食の場を含むシティゼン地区は、トビリシ西部に新たな市民拠点を形成します。相互につながった歩行者用ルート、公共広場、庭園が連なることでコミュニティ意識を育み、レクリエーションやリラクゼーションのために設計された2万3,000㎡の屋外空間を提供しています。

敷地内に元からあった成熟した樹木250本を残しつつ、シティゼン地区はトビリシのセントラルパークにも隣接しています。このセントラルパークは、36ヘクタールに及ぶ新しい公園地で、多様な植物園や森林エリア、市民向けのスポーツ施設を備えています。

川の谷が入り組むなだらかな丘陵地からなる、トビリシの起伏に富んだ都市景観に着想を得て、ザハ・ハディド・アーキテクツが設計したシティゼン・タワーは、都市性と自然環境が交わるその文脈を映し出します。

中山大介 / 中山建築設計事務所による、山形の「鶴岡の家」。両親が暮らす住宅に隣接して建つ住まい。既存との距離感と庭への眺めを考慮し、繋ぎ役となる“玄関棟”と諸室が収められた“主棟”に分けて雁行配置する構成を考案。地域特有の海風も踏まえ軒の深い瓦葺屋根とする
中山大介 / 中山建築設計事務所による、山形の「鶴岡の家」。両親が暮らす住宅に隣接して建つ住まい。既存との距離感と庭への眺めを考慮し、繋ぎ役となる“玄関棟”と諸室が収められた“主棟”に分けて雁行配置する構成を考案。地域特有の海風も踏まえ軒の深い瓦葺屋根とする外観、西側の庭より見る。 photo©金田幸三
中山大介 / 中山建築設計事務所による、山形の「鶴岡の家」。両親が暮らす住宅に隣接して建つ住まい。既存との距離感と庭への眺めを考慮し、繋ぎ役となる“玄関棟”と諸室が収められた“主棟”に分けて雁行配置する構成を考案。地域特有の海風も踏まえ軒の深い瓦葺屋根とする外観、南側の庭より見る。 photo©金田幸三
中山大介 / 中山建築設計事務所による、山形の「鶴岡の家」。両親が暮らす住宅に隣接して建つ住まい。既存との距離感と庭への眺めを考慮し、繋ぎ役となる“玄関棟”と諸室が収められた“主棟”に分けて雁行配置する構成を考案。地域特有の海風も踏まえ軒の深い瓦葺屋根とする手前:居間、左奥:畳室、右奥:「食堂」 photo©金田幸三
中山大介 / 中山建築設計事務所による、山形の「鶴岡の家」。両親が暮らす住宅に隣接して建つ住まい。既存との距離感と庭への眺めを考慮し、繋ぎ役となる“玄関棟”と諸室が収められた“主棟”に分けて雁行配置する構成を考案。地域特有の海風も踏まえ軒の深い瓦葺屋根とする居間から開口部越しに外部を見る。 photo©金田幸三

中山大介 / 中山建築設計事務所が設計した、山形・鶴岡市の「鶴岡の家」です。
両親が暮らす住宅に隣接して建つ住まいです。建築家は、既存との距離感と庭への眺めを考慮し、繋ぎ役となる“玄関棟”と諸室が収められた“主棟”に分けて雁行配置する構成を考案しました。また、地域特有の海風も踏まえ軒の深い瓦葺屋根としています。

山形県の日本海側、庄内平野に建つ平屋の住宅。

広い敷地の中央には建主の両親が住む母屋があり、その廻りを庭木や、蔵、ビニールハウス、畑、駐車スペース、農作業小屋が取り囲んでいた。そのうち北西側にあった老朽化した蔵を解体し、そこに子世帯家族のための住まいを計画した。

建築家によるテキストより

母屋と付かず離れずの距離を保ち既存の庭の眺めを活かすこと、寒い冬でも母屋との行き来がしやすい動線を確保することを重視し配置を検討した。庭の眺めや日当たりを優先するとどうしても母屋から離れすぎてしまい、逆に母屋との動線を重視すると母屋の影になって日射を得にくくなり、庭との関係も理想的なかたちとはならなかった。
そこで玄関や収納をまとめた棟を母屋とのつなぎ役として設定し、寄棟屋根の主棟と方形屋根の玄関棟の2つの棟を雁行させ棟が連なるように配置した。

建築家によるテキストより

またこの地方に吹く強い海風から家をどう守るかということも設計において重きを置いたことだ。屋根は塩害に強い瓦葺きとし、できるだけ外壁を濡らさないよう軒を低く深くした。寄棟屋根としたのもどの方向にも軒が出て、地面に伏せるような風を受け流す佇まいがふさわしいと考えたからだ。

瓦屋根の納まりは一般的な工法に倣い特別なことをしていない。あえて言うとしたら耐力上垂木をベイマツにしたことで暴れ止めのために鼻隠しをつけたことくらいだ。垂木の成も軒先を絞って薄く見せるのではなくあるがままとした。瓦の良いところは美しく機能的であることだ。耐久性が高く昔からあたりまえのように使われてきた、日本人にとって、日本の風景にとって馴染みのある素材であり、これからもあたりまえのように使われるべき素材だと思う。

建築家によるテキストより
島根・隠岐の島の「海の見える交流施設」設計コンペで、河内建築設計事務所の提案が最優秀作品に選定。提案書も公開。優秀作品は、アトリエ・シムサの提案。その他の2次審査の候補者は、y&M+Tai Furuzawa+秋山怜央 JV、KAMIJIMA Architects、SAI・HiMa JV
島根・隠岐の島の「海の見える交流施設」設計コンペで、河内建築設計事務所の提案が最優秀作品に選定。提案書も公開。優秀作品は、アトリエ・シムサの提案。その他の2次審査の候補者は、y&M+Tai Furuzawa+秋山怜央 JV、KAMIJIMA Architects、SAI・HiMa JV

島根・隠岐の島の「海の見える交流施設」設計コンペティションで、河内建築設計事務所の提案が最優秀作品に選定されています。
提案書も公開されています。また、優秀作品は、アトリエ・シムサの提案。その他の2次審査の候補者は、y&M design officeTai Furuzawa Design Office秋山怜央建築設計事務所共同体、KAMIJIMA Architects、SAI・HiMa設計共同体でした。

最優秀作品
河内建築設計事務所

優秀作品
アトリエ・シムサ

令和7年3月29日(土)に開催された2次審査委員会において、同日の公開プレゼンテーションや審査委員との質疑応答、意見交換を経て、以下の通り最優秀作品、優秀作品を決定いたしました。なお、講評は後日発表いたします。

OMA / AMOの会場デザインによる、東京・原宿での展覧会「ロエベ クラフテッド・ワールド」。マドリードで創業したブランドの為に計画。創造性・革新性・技術の歴史の伝達を意図し、1300㎡の空間の中に様々なコンセプトの部屋を創出する計画を考案
OMA / AMOの会場デザインによる、東京・原宿での展覧会「ロエベ クラフテッド・ワールド」。マドリードで創業したブランドの為に計画。創造性・革新性・技術の歴史の伝達を意図し、1300㎡の空間の中に様々なコンセプトの部屋を創出する計画を考案展覧会が行われている施設の外観、ガラス越しに見えるオブジェもOMA / AMOによるもの。
OMA / AMOの会場デザインによる、東京・原宿での展覧会「ロエベ クラフテッド・ワールド」。マドリードで創業したブランドの為に計画。創造性・革新性・技術の歴史の伝達を意図し、1300㎡の空間の中に様々なコンセプトの部屋を創出する計画を考案展示空間へのアプローチ
OMA / AMOの会場デザインによる、東京・原宿での展覧会「ロエベ クラフテッド・ワールド」。マドリードで創業したブランドの為に計画。創造性・革新性・技術の歴史の伝達を意図し、1300㎡の空間の中に様々なコンセプトの部屋を創出する計画を考案「限界なきファッション」の部屋
OMA / AMOの会場デザインによる、東京・原宿での展覧会「ロエベ クラフテッド・ワールド」。マドリードで創業したブランドの為に計画。創造性・革新性・技術の歴史の伝達を意図し、1300㎡の空間の中に様々なコンセプトの部屋を創出する計画を考案ショップ

OMA / AMOの会場デザインによる、東京・原宿での展覧会「ロエベ クラフテッド・ワールド展 クラフトが紡ぐ世界」です。
マドリードで創業したブランドの為に計画されました。建築家は、創造性・革新性・技術の歴史の伝達を意図し、1300㎡の空間の中に様々なコンセプトの部屋を創出する計画を考案しました。会期は、2025年5月11日まで。入場無料(要事前予約)。記事の末尾には本展の為にOMA / AMOが制作した模型の写真も掲載します。

時間、空間、素材、作ることの技術をめぐるインタラクティブな旅。ロエベの特異な遊び心を織り交ぜて。「ロエベ クラフテッド・ワールド展 クラフトが紡ぐ世界」は、ファッションに対するロエベの前衛的なアプローチと、世代を超えて受け継がれるクラフトの文化を紹介します。本展覧会は、世界を旅する巡回展として2024年に上海で初めて開かれました。そして2025年3月、「ロエベ クラフテッド・ワールド」展を東京・原宿にて開催します。日本はロエベがヨーロッパ圏外に初めて出店した国であり、1973年に日本橋三越本店にて一号店をオープンしています。以来ロエベと日本は豊かな文化的対話を続けてきました。

本展覧会は21世紀におけるもっとも革新的な建築の数々を手がけた建築設計事務所であるOMAとのコラボレーションによりデザインされ、1846年にレザー職人が集う工房としてマドリードで創業してから世界有数のファッションブランドに成長するまでのロエベの進化を彩ってきた、アイコニックなデザインや文化的なコラボレーションの数々をめぐる旅に誘います。アートとカルチャーに満ちた「ロエベ クラフテッド・ワールド」展は、179年にわたるロエベの創造性、革新性、そして卓越した技術の歴史をたどる展覧会です。19世紀にスペイン王室の公認を受け、20世紀には日本初の店舗をオープンし、LVMH傘下に参入。そしてクリエイティブ ディレクターのジョナサン・アンダーソンが主導したルネッサンスに至るまで、ロエベの軌跡を紐解きます。

そして何よりも本展覧会は、クラフトおよび長年継承された芸術的技法への称賛です。ロエベはそれらを、LOEWE FOUNDATION(ロエベ財団)、毎年開催されるLOEWE FOUNDATION Craft Prize(ロエベ財団 クラフトプライズ)、そして世界中の職人との多彩なコラボレーションを通じて幾年にもわたり支援してきました。本展は手でものを作りだす喜びについての物語であるとともに、スペインの風景と音を感じ、パリのランウェイの最前列を体験することができます。また、魅惑的でインタラクティブな部屋の数々では、スタジオジブリや京都を拠点とする陶芸ユニットのスナ・フジタをはじめ、ロエベの近年のコレクションを触発したコラボレーターたちの想像力の世界へと没入することができます。

リリーステキストより
MVRDVとEKUOによる、台湾・竹北の「マーケット・キューブ」。市場を中心に飲食や展示などの多様な用途を融合する施設。訪問者の出会いを促す為、天井の高い適応力のある空間を積層して円滑な動線で繋げる構成を考案。シンプルで柔軟性のある造りは将来の改修工事の回避も意図
MVRDVとEKUOによる、台湾・竹北の「マーケット・キューブ」。市場を中心に飲食や展示などの多様な用途を融合する施設。訪問者の出会いを促す為、天井の高い適応力のある空間を積層して円滑な動線で繋げる構成を考案。シンプルで柔軟性のある造りは将来の改修工事の回避も意図 image courtesy of MVRDV
MVRDVとEKUOによる、台湾・竹北の「マーケット・キューブ」。市場を中心に飲食や展示などの多様な用途を融合する施設。訪問者の出会いを促す為、天井の高い適応力のある空間を積層して円滑な動線で繋げる構成を考案。シンプルで柔軟性のある造りは将来の改修工事の回避も意図 image courtesy of MVRDV
MVRDVとEKUOによる、台湾・竹北の「マーケット・キューブ」。市場を中心に飲食や展示などの多様な用途を融合する施設。訪問者の出会いを促す為、天井の高い適応力のある空間を積層して円滑な動線で繋げる構成を考案。シンプルで柔軟性のある造りは将来の改修工事の回避も意図 image courtesy of MVRDV

MVRDVEKUOが設計している、台湾・竹北の「マーケット・キューブ」です。
市場を中心に飲食や展示などの多様な用途を融合する施設です。建築家は、訪問者の出会いを促す為、天井の高い適応力のある空間を積層して円滑な動線で繋げる構成を考案しました。また、シンプルで柔軟性のある造りは将来の改修工事の回避も意図しています。


こちらはリリーステキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)

将来を見据えた、垂直方向の柔軟性:竹北にあるMVRDVの「マーケット・キューブ」は、市場建築の進化における次の段階を予見しています。

MVRDVは、台湾・竹北における、市場とフードホールを文化的な空間と融合させた新しい建物を設計するコンペティションに勝利しました。頭前渓のそばでひときわ目を引くこのプロジェクトは、多様な用途を組み合わせることで、新しい市場の建物を都市内の目的地となる場所にします。変化する需要に適応できる開放的で柔軟なフロアを積み重ねたことで、この建物は都市の凝縮装置として機能し、市場の進化における次の段階として構想されています。この未来志向のヴィジョンは、その名称にも反映されています。マーケット広場はマーケット・キューブとなります。

台湾北部に位置する竹北は、台湾で最も成長の著しい都市のひとつです。シリコンバレーのような新竹サイエンスパークに近接していることに大きく後押しされて、この都市は、大量の若手専門職、主に若い家族を惹きつけています。鄭朝方市長の主導のもと、竹北市役所は、市民のますます豊かになる層に対して、利便性と人気のある目的地の両方を提供できる市場の建物を構想しました。このプロジェクトは、竹北と新竹を結ぶ主要な橋が架かる地点、頭前渓沿いの目立つ場所に計画されており、市内における重要なランドマークとなっています。

このチャレンジに応えるため、MVRDVと共同設計者のEKUOは、市場のタイポロジーの歴史を調査しました。道端の野菜トラックや市場広場から、現代のスーパーマーケットやフードコートに至るまでを対象としています。この調査によって、現代のタイポロジーが提供する効率性と利便性の向上と、かつての台湾のストリートマーケットに見られた多機能で社会的な特性との間に緊張関係があることが明らかになりました。近年の開発では、さまざまな手法を通じて、そうした過去の体験を再び参照しようとする試みがなされています。

マーケット・キューブ(地元では、リバーバンク1とも呼ばれる)は、この流れの中で新たなアプローチを取り、伝統的な市場のためのプラットフォームを提供しつつ、美食、さらには社会的・レジャー的機能を融合させています。これは、階層間に摩擦のない、視認性の高い動線を設けることで実現されており、利便性と体験性が理想的に組み合わさったものとなっています。オープンプランのフロアを積み重ねた構造には、市場やフードコート、託児所や子ども向けの遊び場、展示・公演スペースが設けられ、さらに屋上には農業の展示や各種アクティビティのためのパヴィリオンが配置されます。建物の幅広い屋外テラスへは、外観を這うように上っていく2組のエスカレーターでアクセスでき、それによって各階を独立して開放・閉鎖することが可能になります。これにより、すべての機能を同じ開館スケジュールに縛ることなく、昼間は各機能が相乗効果を発揮し、建物全体が夜遅くまで活気を保つことが可能になります。

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