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最も注目を集めたトピックス[期間:2024/11/25-12/1]
最も注目を集めたトピックス[期間:2024/11/25-12/1]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2024/11/25-12/1)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の住宅「鉤の離れ」。施主の生家の傍らに建つ住まい。平面の形を“かぎ状”とし新たな植栽を施して、既存の庭を“新旧の二つの家を段階的に繋げる中庭”へと発展。内部では多様な樹種の材を不均一に使用して“たくましさ”を空間に付与
  2. 桶川容子 / marutau arquiによる、愛媛・松山市の「OCTA HOUSE」。高い建物に挟まれた商業地域の敷地。要望に応えつつも“余白”のある住宅を目指し、最大限の量塊を確保した上で各角をカットして“隅切り”を作る構成を考案。内部空間は“求心性”と“安心感”を備えた空間となる
  3. 田中圭+藤沢和哉 / hut建築事務所による、長野・須坂市の「田中の家」。伝統的建造物群保存地区に建つ設計者の自邸。地域の過去の町並みの調査を設計の基礎とし、通りに切妻の妻面を向けた外観の建築を考案。建て込む中での最適な住環境も求めて“切欠・ずらし・入れ子”の操作を行う
  4. POINTとSpicy Architectsのデザイン監修による「埼玉グランドホテル深谷」。バブル期の宿泊施設を改修。個性ある仕上げ同士が“魅力を打ち消し合う”既存に対し、其々の関係を整理し“新たに定義”する設計を志向。同時期に手掛けた系列施設の改修と共通性のあるコンセプトで取り組む
  5. 佐藤研吾による展覧会「くぐり間くぐり」。ときの忘れものを会場に開催。建築家が一貫して作り続ける“ピンホールカメラ”を中心とした展示。“カメラ”でもあり“被写体”でもある作品で互いを撮り合い、自身でプリントした“銀塩写真”なども公開
  6. 長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・江東区の店舗「ブルーボトルコーヒー 豊洲パークカフェ」。海辺の高層ビルが連なる地域の公園に計画。公園を分断しない建築の在り方を求め、内外が緩やかに繋がり“敷地全体がカフェに感じられる”空間を志向。小屋の集積からなり外周部に中間領域の軒下を配する構成を考案
  7. 長坂常 / スキーマ建築計画による、沖縄・古宇利島の宿泊施設「YAWN YARD Kouri Island」。独立型のヴィラ群からなる建築。ゆったり過ごせる場を合理的に実現する為、個々の状況に応じて“開き方”などを調整できる“ハの字型ユニット”を考案。沖縄文化の体験の場も意図して地域の作家たちとも協働する
  8. 園田慎二建築設計事務所による、東京の「揺らめく部屋」。戸建住宅の二部屋を繋げてワンルームへと改修する計画。自由な生活に繋がる“軽やかさ”を求め、“浮遊するような建築的な設え”で作る空間を志向。様々な要素を“天井からワイヤーで吊る”方法で据え付ける
  9. 堀口捨己による「明治大学生田第二校舎2号館」(1965年) のシンポジウムと見学ツアーが開催。2024年度での利用停止と解体を受けて企画されたもの
  10. 板坂留五 / RUI Architectsの会場構成による、東京・日本橋での展覧会「DESIGNTIDE TOKYO 2024」。気積のある多目的ホールでの計画。訪問者に主体的な鑑賞を促す為、“ピント”を主題として一時的な空間を下支えする“ハコの完璧さ”にも着目し設計。天井を操作して“みる場にふさわしい空気のかたち”を作り出す
  11. パナソニックが運営する、東京・新橋の“BRIDGEHEAD Shimbashi”を会場に「『現し』を考える。展 ver.1.0」が開催。スキーマ建築計画出身の西原将が企画監修する、“現し”をテーマとした展示会。浅子佳英・桝永絵理子・向山裕二・森田美紀が参加するトークやイベントも実施
  12. 山口純建築設計事務所による、愛媛・松山市の「南町の家」。住宅地に建つ設計者の自邸。客人を招く為の書斎の設置を前提とし、奥に向かって“プライベート性”が高まる動線計画の建築を考案。何処にいても“家族の気配”も感受できるように上下階を吹抜で繋ぐ等の操作も行う
  13. T/H 樋口耕介+瀧翠による、東京・渋谷区の「小杉湯原宿・チカイチ」。商業施設“ハラカド”の地下階での計画。誰に対しても開かれた“公衆の場”を目指し、人々が同じ環境を共有して関われる“屋外の様な雰囲気”の空間を志向。銭湯の各要素を分解して“道”を介して繋がる構成を考案
  14. POINTとSpicy Architectsによる、東京・文京区の「いしみらいラボ」。老舗建築石材会社のショールームの計画。石を使う空間への想像力の喚起も意図し、利用者が商品の組合せ等を試せる“4つのブース”を備えたスペースを考案。仕上げの素材感やトーンを変えて様々な検証を可能にする
  15. 北村直也建築設計事務所による、岐阜の「かまや多治見」。明治の長屋を改修した複合施設。伝統も新規も尊重する地域性に着想を得て、道側は周辺と調和する“黒色”とし庭側を“銀色”とした“表裏の印象”が異なる建築を考案。用途同士の相乗効果も意図して透明素材を多用
  16. 橋本尚樹 / NHAによる建築展「before the beginning はじまりのけはい」。プリズミックギャラリーを会場に開催。2025年大阪・関西万博の“いのち動的平衡館”を中心とした展示。同建築は、生物学者の福岡伸一がプロデュースしてNHAとArupが基本設計などを手掛ける
  17. 鎌倉市の新庁舎等基本設計プロポーザルで、日建設計が最優秀者に選定。コンセプトは「ひとつながりの未来の庁舎『鎌倉ONE』」。提案のイメージも公開
  18. 【ap job更新】 藤本壮介建築設計事務所が、設計スタッフ(2025年新卒・既卒・経験者)と 3Dモデリングオペレーターを募集中
  19. アソトシヒロデザインオフィス / 阿蘓俊博による、埼玉・朝霞市の住宅「朝霞の家 / ずれとつらなり」
  20. トーマス・へザウィックが率いる「へザウィック・スタジオ」の事務所内の様子などを紹介している動画。2024年11月に公開されたもの

坂茂の活動を特集したニュース番組の動画。放送のテーマは「建築家・坂茂と災害支援 “紙の建築”が世界の被災者を救う」。BSフジで2024年11月に放送されたもの

坂茂の活動を特集したニュース番組の動画です。放送のテーマは「建築家・坂茂と災害支援 “紙の建築”が世界の被災者を救う」です。BSフジで2024年11月に放送されたもの。上に掲載したのは番組の前編です。

第35回高松宮殿下記念世界文化賞建築部門を受賞した坂茂。高校卒業後渡米し、米国建築界の名門で学び日本の建築界にさっそうと現れた建築家は、以後数々の作品を世に放つと同時に、建築素材としての「紙」の可能性に注目した。「紙の建築」は恒久的な建物のみならず、その高い可搬性から難民キャンプのテント、避難所の間仕切り、そして仮設住宅へと活用域と建築の可能性を広げている。「建築家は社会の役に立っているのだろうか」、常に自問自答を続け世界各地で社会貢献を続けてきた異能の建築家・坂茂の問題意識に迫るとともに、日本の防災行政の司令塔である2人の担当大臣、南海トラフ地震に備える知事をスタジオに招き、被災者支援の現状や“防災庁”のあるべき姿、さらには首都直下地震を見据えた首都機能移転の可能性まで議論する。

後編の動画は以下に掲載します。

ネリ&フーのリンドン・ネリとロサーナ・フーの講演の動画。カリフォルニア大学ロサンゼルス校で2024年11月に行われたもの 板坂留五 / RUI Architectsの会場構成による、東京・日本橋での展覧会「DESIGNTIDE TOKYO 2024」。気積のある多目的ホールでの計画。訪問者に主体的な鑑賞を促す為、“ピント”を主題として一時的な空間を下支えする“ハコの完璧さ”にも着目し設計。天井を操作して“みる場にふさわしい空気のかたち”を作り出す
板坂留五 / RUI Architectsの会場構成による、東京・日本橋での展覧会「DESIGNTIDE TOKYO 2024」。気積のある多目的ホールでの計画。訪問者に主体的な鑑賞を促す為、“ピント”を主題として一時的な空間を下支えする“ハコの完璧さ”にも着目し設計。天井を操作して“みる場にふさわしい空気のかたち”を作り出す会場の様子 photo©Keisuke Inoue
板坂留五 / RUI Architectsの会場構成による、東京・日本橋での展覧会「DESIGNTIDE TOKYO 2024」。気積のある多目的ホールでの計画。訪問者に主体的な鑑賞を促す為、“ピント”を主題として一時的な空間を下支えする“ハコの完璧さ”にも着目し設計。天井を操作して“みる場にふさわしい空気のかたち”を作り出す会場の様子 photo©Keisuke Inoue
板坂留五 / RUI Architectsの会場構成による、東京・日本橋での展覧会「DESIGNTIDE TOKYO 2024」。気積のある多目的ホールでの計画。訪問者に主体的な鑑賞を促す為、“ピント”を主題として一時的な空間を下支えする“ハコの完璧さ”にも着目し設計。天井を操作して“みる場にふさわしい空気のかたち”を作り出す会場の様子 photo©Keisuke Inoue

板坂留五 / RUI Architectsの会場構成による、東京・日本橋での展覧会「DESIGNTIDE TOKYO 2024」です。
気積のある多目的ホールでの計画です。建築家は、訪問者に主体的な鑑賞を促す為、“ピント”を主題として一時的な空間を下支えする“ハコの完璧さ”にも着目し設計しました。そして、天井を操作して“みる場にふさわしい空気のかたち”を作り出しました。
会場は、日本橋三井ホール。会期は2024年11月27日~12月1日です。展覧会の公式サイトはこちら

今私たちに必要なのは、「みる技術」ではないだろうか。

それは、みられることや、みないことに意識を配るのではなく、自身の感覚を働かせて、ものの存在・形・様子・内容を深く探り入るような能動的な行為のことであり、カメラのピントを合わせるように、モノと自身とで対話ができる身体(想像力)のことである。

建築家によるテキストより

テンポラリーな空間には、独特の軽さを感じる。期間の短さや資材の簡素化も要因のひとつだが、テンポラリーさを下支えするハコの完璧さが、かえって内側の空間に空虚さを与えてしまっているのかもしれない。
例えば、ホールの天井の完璧さ。バトンやダクトレールが規則正しく並び、いつどんな催しにも対応できるよう周到に準備がなされている。木質を基調としたホール空間のなかでそれらは黒子に扮しているが、その頼もしい姿につい気をとられてしまう。

建築家によるテキストより

そんな完璧な天井を操作をすることで、「みる場」にふさわしい空気のかたちをつくろうと思う。

ここで過ごすいっときのための儚くドラマチックな空間ではなく、じっくりピントを探したくなるような、たっぷりとした自由な場、ひとりひとりのピントが瞬き充満するような空間を目指している。

建築家によるテキストより
橋本尚樹 / NHAによる建築展「before the beginning はじまりのけはい」。プリズミックギャラリーを会場に開催。2025年大阪・関西万博の“いのち動的平衡館”を中心とした展示。同建築は、生物学者の福岡伸一がプロデュースしてNHAとArupが基本設計などを手掛ける
橋本尚樹 / NHAによる建築展「before the beginning はじまりのけはい」。プリズミックギャラリーを会場に開催。2025年大阪・関西万博の“いのち動的平衡館”を中心とした展示。同建築は、生物学者の福岡伸一がプロデュースしてNHAとArupが基本設計などを手掛ける屋外から会場を見る、夜景 photo©西川公朗
橋本尚樹 / NHAによる建築展「before the beginning はじまりのけはい」。プリズミックギャラリーを会場に開催。2025年大阪・関西万博の“いのち動的平衡館”を中心とした展示。同建築は、生物学者の福岡伸一がプロデュースしてNHAとArupが基本設計などを手掛ける会場の様子 photo©西川公朗
橋本尚樹 / NHAによる建築展「before the beginning はじまりのけはい」。プリズミックギャラリーを会場に開催。2025年大阪・関西万博の“いのち動的平衡館”を中心とした展示。同建築は、生物学者の福岡伸一がプロデュースしてNHAとArupが基本設計などを手掛ける「いのち動的平衡館」の屋根フレーム模型 photo©西川公朗

橋本尚樹 / NHAによる建築展「before the beginning はじまりのけはい」です。
プリズミックギャラリーを会場に開催されています。2025年大阪・関西万博の“いのち動的平衡館”を中心とした展示内容です。また、同建築は、生物学者の福岡伸一がプロデュースしてNHAとArupが基本設計などを手掛けています。
開催期間は、2024年12月14日まで(期間中休廊日あり)。入場無料です。展覧会やトークイベント等の情報は公式ページに掲載されています。

2025年大阪・関西万博の8つのシグネチャーパビリオンの一つ、生物学者福岡伸一プロデューサー(以下、先生)の館。

やわらかい発想にあふれた先生の著作は、知的な興奮と共に、いつも温かな安堵を与えてくれる。今わたしがここに生きている奇跡を想い、自分の存在を尊く感じることができる。先生は“生命”というテーマに“流れ”と返す。一つ一つの部品が構築的に組み上げられた機械論的発想では生命は説明ができない、つねに変わり続けている流れそのものである、と。

建築家によるテキストより

「途中がない」この間、先生と現場を訪れた際に私が何気なく使った「この建築には途中がない」という言葉に反応された。生物も同じくその成り立ちに途中がないのだという。確かに力の流れの平衡で成り立つこの建築はバランスが取れるその瞬間まで一つ一つの要素はバラバラで部分的にも機能しない。ただ、バランスが取れたその瞬間に、たちまち全てが機能する、文字通り途中がない建築なのだ。

建築家によるテキストより

こどもの落書きのような自由な曲線をそのまま建築化したい。そして、それを力の流れのバランスで解くことで、極限まで無駄の削ぎ落とされたシンプルで軽量な建築として成立させる。効率に翻弄される最適化の時代の先に、建築や都市の想像力が縮こまらないように、私なりに未来にボールを投げたつもりだ。これは自由を獲得するための挑戦だ。

建築家によるテキストより
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・江東区の店舗「ブルーボトルコーヒー 豊洲パークカフェ」。海辺の高層ビルが連なる地域の公園に計画。公園を分断しない建築の在り方を求め、内外が緩やかに繋がり“敷地全体がカフェに感じられる”空間を志向。小屋の集積からなり外周部に中間領域の軒下を配する構成を考案
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・江東区の店舗「ブルーボトルコーヒー 豊洲パークカフェ」。海辺の高層ビルが連なる地域の公園に計画。公園を分断しない建築の在り方を求め、内外が緩やかに繋がり“敷地全体がカフェに感じられる”空間を志向。小屋の集積からなり外周部に中間領域の軒下を配する構成を考案外観、南側より見る、夜景 photo©太田拓実
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・江東区の店舗「ブルーボトルコーヒー 豊洲パークカフェ」。海辺の高層ビルが連なる地域の公園に計画。公園を分断しない建築の在り方を求め、内外が緩やかに繋がり“敷地全体がカフェに感じられる”空間を志向。小屋の集積からなり外周部に中間領域の軒下を配する構成を考案外観、北西側より見る、夕景 photo©太田拓実
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・江東区の店舗「ブルーボトルコーヒー 豊洲パークカフェ」。海辺の高層ビルが連なる地域の公園に計画。公園を分断しない建築の在り方を求め、内外が緩やかに繋がり“敷地全体がカフェに感じられる”空間を志向。小屋の集積からなり外周部に中間領域の軒下を配する構成を考案カフェ2からテラスB側を見る。 photo©太田拓実
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・江東区の店舗「ブルーボトルコーヒー 豊洲パークカフェ」。海辺の高層ビルが連なる地域の公園に計画。公園を分断しない建築の在り方を求め、内外が緩やかに繋がり“敷地全体がカフェに感じられる”空間を志向。小屋の集積からなり外周部に中間領域の軒下を配する構成を考案カフェ2から厨房側を見る。 photo©太田拓実

長坂常 / スキーマ建築計画が設計した、東京・江東区の店舗「ブルーボトルコーヒー 豊洲パークカフェ」です。
海辺の高層ビルが連なる地域の公園に計画されました。建築家は、公園を分断しない建築の在り方を求め、内外が緩やかに繋がり“敷地全体がカフェに感じられる”空間を志向しました。そして、小屋の集積からなり外周部に中間領域の軒下を配する構成を考案しました。店舗の場所はこちら(Google Map)。

ブルーボトルコーヒー初の新築でのカフェを依頼されたプロジェクト。
敷地は東京湾に面した豊洲公園で、高層ビル群を望みつつもくつろげる海辺の都市公園として近隣の住民に親しまれてきた場所である。

その場所に約300㎡の広さの店舗を求められたが、大きい建物があると屋外と屋内を明確にしてしまい、公園に分断が生まれるように思えたため、親しみやすいスケールのなかで内と外がゆるやかにつながり、公園全体がカフェに感じられるような空間構成を考えた。

建築家によるテキストより

まず建物はオープンな公園に寄り添うようなヒューマンスケールの小屋の集積で構成し、次に広い公園内の既存ベンチ、芝生、階段など、さまざまな居場所も客席と捉えて、それらをカフェとグラデーショナルにつなぐため、中間領域としての大きな軒下と半屋外スペースをつくった。屋外、半屋外、屋内というアクティビティのグラデーションをつくり四方からアクセスできる形状としている。

建築家によるテキストより

さらに、レンガを室内外に引き延ばして平面の境界を無くして、上部はFRPで覆い内外をシームレスに繋ぎつつ空間全体が柔らかな光に包まれるようにしている。アイレベルには建物外から海への視界を遮らないようにガラスを多用している。FRPは建物だけでなく外部テーブルにも利用しており、片持ちのテーブルは柱に支持させて建築と家具を繋ぐ要素となっている。

建築家によるテキストより
伊東豊雄・藤森照信・大西麻貴・豊川斎赫・今治市長が参加する、丹下健三に関する講演とシンポジウムが今治市で開催。オンラインでの同時配信も予定

伊東豊雄・藤森照信・大西麻貴豊川斎赫・今治市長が参加する、丹下健三に関する講演とシンポジウムが今治市で開催されます。オンラインでの同時配信も予定しています。開催日は2024年12月21日です。参加費無料、事前申込制。

「丹下健三顕彰シンポジウム」が12月21日(土)、今治地域地場産業振興センターにて開催されます。本シンポジウムでは、世界的建築家・丹下健三の都市設計(まちづくり)をテーマに、今治の未来について考えます。基調講演には建築家の伊東豊雄氏が登壇し、パネルディスカッションには豊川斎赫氏をコーディネーターに、パネリストとして伊東豊雄氏、藤森照信氏、大西麻貴氏、今治市長が参加します。

今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の住宅「鉤の離れ」。施主の生家の傍らに建つ住まい。平面の形を“かぎ状”とし新たな植栽を施して、既存の庭を“新旧の二つの家を段階的に繋げる中庭”へと発展。内部では多様な樹種の材を不均一に使用して“たくましさ”を空間に付与
今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の住宅「鉤の離れ」。施主の生家の傍らに建つ住まい。平面の形を“かぎ状”とし新たな植栽を施して、既存の庭を“新旧の二つの家を段階的に繋げる中庭”へと発展。内部では多様な樹種の材を不均一に使用して“たくましさ”を空間に付与外観、北側の道路から見る。 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の住宅「鉤の離れ」。施主の生家の傍らに建つ住まい。平面の形を“かぎ状”とし新たな植栽を施して、既存の庭を“新旧の二つの家を段階的に繋げる中庭”へと発展。内部では多様な樹種の材を不均一に使用して“たくましさ”を空間に付与外観、庭からポーチを見る。 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の住宅「鉤の離れ」。施主の生家の傍らに建つ住まい。平面の形を“かぎ状”とし新たな植栽を施して、既存の庭を“新旧の二つの家を段階的に繋げる中庭”へと発展。内部では多様な樹種の材を不均一に使用して“たくましさ”を空間に付与リビングからキッチンとダイニングを見る。 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の住宅「鉤の離れ」。施主の生家の傍らに建つ住まい。平面の形を“かぎ状”とし新たな植栽を施して、既存の庭を“新旧の二つの家を段階的に繋げる中庭”へと発展。内部では多様な樹種の材を不均一に使用して“たくましさ”を空間に付与キッチンからダイニングとリビングを見る。 photo©河田弘樹

今津康夫 / ninkipen!が設計した、大阪・羽曳野市の住宅「鉤の離れ」です。
施主の生家の傍らに建つ住まいです。建築家は、平面の形を“かぎ状”とし新たな植栽を施して、既存の庭を“新旧の二つの家を段階的に繋げる中庭”へと発展させました。また、内部では多様な樹種の材を不均一に使用して“たくましさ”を空間に付与しています。

大阪府南東部、生駒・金剛山系に囲まれた河内平野に拡がる羽曳野に建つ戸建て住宅である。
周辺には世界遺産の古市古墳群が点在し、豊かな自然環境をいかして古くから葡萄や無花果の栽培が行われている。

建主がかつて暮らした生家である母屋の傍らに、幼い兄妹を持つ4人家族が暮らす平屋建てを描いた。

建築家によるテキストより

コの字型に屋根を連ねる母屋の庭には、亡父が愛した五葉松・山茶花・枝垂れ梅が主人を失って寂しそうに佇み、一方で日当たりの良い場所には、実母の育てるアガパンサス・アジュガなどの宿根草が軽やかに花を咲かせていた。

そのコの字を閉じるように平屋の離れを置き、隣家と母屋との距離をはかりながら、敷地の最奥で五角形を鉤状に膨らませて緩やかに庭を囲い込み、新たな植栽を施して新旧二つの家をグラデーショナルに繋げる中庭へとdevelopさせた。

建築家によるテキストより

五角形の方形屋根の頂点には柱を立てず、寄棟屋根との変換点に円柱を置き、黒のペーパーコードを巻いて存在感を持たせた。
南東の一辺には型板ガラスを嵌め、プライバシーを保ちながら、柔らかな光りと百日紅の滲んだシルエットを室内に取り込むことを試みている。構造材は熊野杉・床は吉野桧とし、随所にケヤキ・ニヤトー・ラワン・ラタン・オーク・ブラックチェリーの複数の樹種を敢えて不均一に混ぜて、日々の暮らしに相応しい逞しさを備えた。

建築家によるテキストより
POINTとSpicy Architectsによる、東京・文京区の「いしみらいラボ」。老舗建築石材会社のショールームの計画。石を使う空間への想像力の喚起も意図し、利用者が商品の組合せ等を試せる“4つのブース”を備えたスペースを考案。仕上げの素材感やトーンを変えて様々な検証を可能にする
POINTとSpicy Architectsによる、東京・文京区の「いしみらいラボ」。老舗建築石材会社のショールームの計画。石を使う空間への想像力の喚起も意図し、利用者が商品の組合せ等を試せる“4つのブース”を備えたスペースを考案。仕上げの素材感やトーンを変えて様々な検証を可能にするエントランスからエキシビジョンルームとミーティングルームを見る。 photo©長谷川健太
POINTとSpicy Architectsによる、東京・文京区の「いしみらいラボ」。老舗建築石材会社のショールームの計画。石を使う空間への想像力の喚起も意図し、利用者が商品の組合せ等を試せる“4つのブース”を備えたスペースを考案。仕上げの素材感やトーンを変えて様々な検証を可能にするミーティングルームからエントランス側を見る。 photo©長谷川健太
POINTとSpicy Architectsによる、東京・文京区の「いしみらいラボ」。老舗建築石材会社のショールームの計画。石を使う空間への想像力の喚起も意図し、利用者が商品の組合せ等を試せる“4つのブース”を備えたスペースを考案。仕上げの素材感やトーンを変えて様々な検証を可能にするミーティングルームから4つのスタイリングルーム側を見る。(組合せを検証している状態) photo©長谷川健太

長岡勉 / POINT山本稜 / Spicy Architectsが設計した、東京・文京区の「いしみらいラボ」です。
老舗建築石材会社のショールームの計画です。建築家は、石を使う空間への想像力の喚起も意図し、利用者が商品の組合せ等を試せる“4つのブース”を備えたスペースを考案しました。また、仕上げの素材感やトーンを変えて様々な検証を可能にしています。店舗の公式サイトはこちら

創業1901年の建築石材会社の老舗である矢橋大理石が、内装利用に特化して開発した軽量大理石パネル「ユニマーブルパネル」を展示するためのショールームを計画した。

この空間は利用者が主体的に空間を着せ替えることで“これからの石の魅力を新たに発見する場“になって欲しいという思いを込めて「いしみらいラボ」と名付けられた。

建築家によるテキストより

ショールームとして商品を見る機能を満たしながら、大理石が綺麗に見える空間シーンを利用者が自由に組み換え可能な仕組みと環境を提案した。

具体的には素材感やトーンの異なる4つのベースカラー(ブラック、グレー、ベージュ、赤茶)で内装を仕上げたブースを配置し、異なる空間のトーンと合わせて、大理石をコーディネートできるように14種類の「ユニマーブルパネル」を準備している。
それぞれのパネルは、専用のブラケットを介して簡単に壁面や家具モジュールに簡単に着脱可能になっている。

建築家によるテキストより

また、異素材との組み合わせも検証しやすいように、木材や金属など、石以外の素材のサンプルも備えた。中央のミーティングテーブルを囲う椅子などの置き家具も、木材、アルミ、コルク、プラスチックなど、敢えて異なる素材、色調のものを集めている。

実際につくりたい内装の雰囲気や、大理石とコーディネートしたくなる家具等を具体的に組み合わせながら、大理石の魅力を最大限に引き出しながら空間全体の想像力を膨らませられる空間計画とした。

建築家によるテキストより
堀口捨己による「明治大学生田第二校舎2号館」(1965年) のシンポジウムと見学ツアーが開催。2024年度での利用停止と解体を受けて企画されたもの

堀口捨己による「明治大学生田第二校舎2号館」(1965年) のシンポジウムと見学ツアーが開催されます。2024年度での利用停止と解体を受けて企画されたものです。開催日時は、2024年11月30日(土)13:30~16:10。申込不要で無料とのこと。

11月30日(土)13:00-16:00に、2号館2003教室にて、明建シンポジウムとして「2号館お別れの会」を開催します。

堀口捨己先生の設計による生田キャンパス第二校舎2号館(斜路棟ふくむ)は、2024年度をもって利用停止となり、取り壊されることが決定しています。
そこで、「お別れの会」としてシンポジウムとツアーを企画しました。
2号館および生田キャンパスの歴史的な意義を学び、思い出を語らい、記憶を継承していくことを目的とする会です。
多くのみなさまのご参加をお待ちしています。

2024年度明建シンポジウム
「明治大学生田第二校舎2号館の記憶の継承」

日時:2024年11月30日(土)13:30~16:10

場所:明治大学生田キャンパス第二校舎2号館2003教室

構成:
第一部 記念シンポジウム
第二部 生田第二校舎2号館ツアー
付随企画 生田第二校舎2号館の思い出を語る会(懇親会)

田中圭+藤沢和哉 / hut建築事務所による、長野・須坂市の「田中の家」。伝統的建造物群保存地区に建つ設計者の自邸。地域の過去の町並みの調査を設計の基礎とし、通りに切妻の妻面を向けた外観の建築を考案。建て込む中での最適な住環境も求めて“切欠・ずらし・入れ子”の操作を行う
田中圭+藤沢和哉 / hut建築事務所による、長野・須坂市の「田中の家」。伝統的建造物群保存地区に建つ設計者の自邸。地域の過去の町並みの調査を設計の基礎とし、通りに切妻の妻面を向けた外観の建築を考案。建て込む中での最適な住環境も求めて“切欠・ずらし・入れ子”の操作を行う外観、北側の道路より見る。 photo©hut建築事務所
田中圭+藤沢和哉 / hut建築事務所による、長野・須坂市の「田中の家」。伝統的建造物群保存地区に建つ設計者の自邸。地域の過去の町並みの調査を設計の基礎とし、通りに切妻の妻面を向けた外観の建築を考案。建て込む中での最適な住環境も求めて“切欠・ずらし・入れ子”の操作を行う2階、左:リビング、右奥:キッチン、右手前:ダイニング photo©hut建築事務所
田中圭+藤沢和哉 / hut建築事務所による、長野・須坂市の「田中の家」。伝統的建造物群保存地区に建つ設計者の自邸。地域の過去の町並みの調査を設計の基礎とし、通りに切妻の妻面を向けた外観の建築を考案。建て込む中での最適な住環境も求めて“切欠・ずらし・入れ子”の操作を行う2階、ダイニングから開口部越しに外部を見る。 photo©hut建築事務所

田中圭+藤沢和哉 / hut建築事務所が設計した、長野・須坂市の「田中の家」です。
伝統的建造物群保存地区に建つ設計者の自邸です。建築家は、地域の過去の町並みの調査を設計の基礎とし、通りに切妻の妻面を向けた外観の建築を考案しました。そして、建て込む中での最適な住環境も求めて“切欠・ずらし・入れ子”の操作を行いました。

この住宅は、明治期に養蚕業で栄えた長野県須坂市の古い住宅密集地の中での計画である。

また、前面の通りは浮世小路と名のついた小路となり、文化庁の伝統的建造物群保存地区に指定された地域となる。その中で古い建物を活用して、設計事務所と複数の店舗からなる複合施設計画の一部となる。

建築家によるテキストより

配置計画と形状は、須坂市の町並みを調査した文献から当時の店舗と母屋との関係を読み解き、通りに妻面を見せた切妻のイエガタに自然と導かれた。そこから中庭や周辺建物との関係を再構築していった。

建築家によるテキストより

住宅密集地の中において、最適な内外の住環境のために、切欠 / ずらし / 入れ子の3つの単純な形状操作を加えた。

イエガタの一部を切欠くことで密集地の中に庭を設けた。内部空間の開口部から連続するようにプランニングすることで、内部に植栽のうるおいを与える。
フロアの階層をずらしたスキップフロアを採用しました。これによりプランニングを機能ごとに明確にするとともに、普段の生活の拠点となるLDKをワンフロアにまとめた。

LDKは地面から約2mの高さに配置され、店舗側の中庭に対してプライバシーに配慮した大開口を設けられる設計とした。密集地の中で採光を十分に確保するとともに、大きな窓辺で生活するような空間となった。
スキップフロアにより空間の連続性を持たせ、大きなワンルームのような空間にする一方でイエガタの入れ子を設けた。これにより、内部の奥行をつくりだすとともに、大きな窓辺が外部の庭にいるような気持ちの良い空間となった。

建築家によるテキストより
桶川容子 / marutau arquiによる、愛媛・松山市の「OCTA HOUSE」。高い建物に挟まれた商業地域の敷地。要望に応えつつも“余白”のある住宅を目指し、最大限の量塊を確保した上で各角をカットして“隅切り”を作る構成を考案。内部空間は“求心性”と“安心感”を備えた空間となる
桶川容子 / marutau arquiによる、愛媛・松山市の「OCTA HOUSE」。高い建物に挟まれた商業地域の敷地。要望に応えつつも“余白”のある住宅を目指し、最大限の量塊を確保した上で各角をカットして“隅切り”を作る構成を考案。内部空間は“求心性”と“安心感”を備えた空間となる外観、東側の道路より見る。 photo©矢野紀行
桶川容子 / marutau arquiによる、愛媛・松山市の「OCTA HOUSE」。高い建物に挟まれた商業地域の敷地。要望に応えつつも“余白”のある住宅を目指し、最大限の量塊を確保した上で各角をカットして“隅切り”を作る構成を考案。内部空間は“求心性”と“安心感”を備えた空間となる外観、南側より見下ろす。 photo©矢野紀行
桶川容子 / marutau arquiによる、愛媛・松山市の「OCTA HOUSE」。高い建物に挟まれた商業地域の敷地。要望に応えつつも“余白”のある住宅を目指し、最大限の量塊を確保した上で各角をカットして“隅切り”を作る構成を考案。内部空間は“求心性”と“安心感”を備えた空間となる2階、リビングからダイニング側を見る。 photo©矢野紀行
桶川容子 / marutau arquiによる、愛媛・松山市の「OCTA HOUSE」。高い建物に挟まれた商業地域の敷地。要望に応えつつも“余白”のある住宅を目指し、最大限の量塊を確保した上で各角をカットして“隅切り”を作る構成を考案。内部空間は“求心性”と“安心感”を備えた空間となる2階、ダイニングから開口部越しに外部を見る。 photo©矢野紀行

桶川容子 / marutau arquiが設計した、愛媛・松山市の「OCTA HOUSE」です。
高い建物に挟まれた商業地域の敷地での計画です。建築家は、要望に応えつつも“余白”のある住宅を目指し、最大限の量塊を確保した上で各角をカットして“隅切り”を作る構成を考案しました。そして、内部空間は“求心性”と“安心感”を備えた空間となっています。

敷地は地方都市の中心部の商業地域に位置しており、両脇の高層建物は敷地境界線ギリギリまで迫っている。

屋根付きガレージや子供たちの個室を設けたいという施主の要望を叶えると、建物のボリュームが敷地いっぱいになることは避けられなかった。そこで最大限の長方形をプランの基本とし、そこから必要に応じて四隅を斜めにカットして敷地に余白を作る隅切りを採用した

建築家によるテキストより

一般的に隅切りは角地の敷地形状によって導き出されたある種オートマチックな形状であることも多いが、ここでは必要な全体のアウトライン=建築面積を保ちつつ、場所場所に応じて外部余白を生み出す積極的な手法として用いている。

これにより1階では敷地の奥側に設備や植栽のためのスペースを確保できた。
また、2階の主要な開口部は四隅をカットした壁面に配置することで、隣家の窓との距離をできるだけ確保しつつ小さな三角形の植栽テラスが生まれ、窓先空間が十分な広がりを持った快適なものとなった。
3階もアウトラインを保ちつつ広めのデッキテラスを抱き込むことで、建物全体として多様な外部空間を内包した住まいとなっている。

内部空間は角を手放すことで求心性が高まり、壁にすっぽりと包まれたような安心感も得られる一方、連続する開口部からの広角的な視界によって開放感も獲得している。

建築家によるテキストより

周囲の街並みへの配慮として、1階を基壇部のように別のボリュームとして見せ、2, 3階は斜めの壁面を連続させた凹凸のある外壁であることによって、ひとつの大きな塊ではなく、複数の小さな建物で構成されているかのような印象となり、向かいの民家や歩行者への圧迫感を軽減している。

建築家によるテキストより
園田慎二建築設計事務所による、東京の「揺らめく部屋」。戸建住宅の二部屋を繋げてワンルームへと改修する計画。自由な生活に繋がる“軽やかさ”を求め、“浮遊するような建築的な設え”で作る空間を志向。様々な要素を“天井からワイヤーで吊る”方法で据え付ける
園田慎二建築設計事務所による、東京の「揺らめく部屋」。戸建住宅の二部屋を繋げてワンルームへと改修する計画。自由な生活に繋がる“軽やかさ”を求め、“浮遊するような建築的な設え”で作る空間を志向。様々な要素を“天井からワイヤーで吊る”方法で据え付けるリビングからダイニングとキッチン側を見る。 photo©木暮伸也
園田慎二建築設計事務所による、東京の「揺らめく部屋」。戸建住宅の二部屋を繋げてワンルームへと改修する計画。自由な生活に繋がる“軽やかさ”を求め、“浮遊するような建築的な設え”で作る空間を志向。様々な要素を“天井からワイヤーで吊る”方法で据え付けるダイニングからキッチンを見る。 photo©木暮伸也
園田慎二建築設計事務所による、東京の「揺らめく部屋」。戸建住宅の二部屋を繋げてワンルームへと改修する計画。自由な生活に繋がる“軽やかさ”を求め、“浮遊するような建築的な設え”で作る空間を志向。様々な要素を“天井からワイヤーで吊る”方法で据え付けるリビングからベッドとクローゼット側を見る。 photo©木暮伸也

園田慎二建築設計事務所が設計した、東京の「揺らめく部屋」です。
戸建住宅の二部屋を繋げてワンルームへと改修する計画です。建築家は、自由な生活に繋がる“軽やかさ”を求め、“浮遊するような建築的な設え”で作る空間を志向しました。そして、様々な要素を“天井からワイヤーで吊る”方法で据え付けました。

都内の閑静な住宅地に建つ住まいの、1階の2部屋をつなげ、キッチンとダイニングスペースと、寝室が合わさった40㎡程のワンルームへ変える改修計画である。

建築家によるテキストより

部屋の3面の壁は開口部があり、その先には、隣家の庭や、手入れされた和風の庭が広がり、時間によってきれいな自然光も入り込む。この場所に対して、環境を透し、時に移ろい、定まらない揺らぎのある要素として、軽やかで、浮遊するような建築的な設えを考えた。揺らいでいるような軽さのある室内が、自由な生活や、魅力的な庭へのまなざしへと繋がる。

建築家によるテキストより

床や壁や天井からがっしりと固定されているのではなく、触れたら少し動き、また元の位置に戻るくらいの、そのような定着しない建築として間仕切や棚のエレメントをつくった。風を受ければ少しなびくように、建築エレメントが空間を漂う。

建築家によるテキストより
POINTとSpicy Architectsのデザイン監修による「埼玉グランドホテル深谷」。バブル期の宿泊施設を改修。個性ある仕上げ同士が“魅力を打ち消し合う”既存に対し、其々の関係を整理し“新たに定義”する設計を志向。同時期に手掛けた系列施設の改修と共通性のあるコンセプトで取り組む
POINTとSpicy Architectsのデザイン監修による「埼玉グランドホテル深谷」。バブル期の宿泊施設を改修。個性ある仕上げ同士が“魅力を打ち消し合う”既存に対し、其々の関係を整理し“新たに定義”する設計を志向。同時期に手掛けた系列施設の改修と共通性のあるコンセプトで取り組むポーチからエントランスを見る、夕景 photo©長谷川健太
POINTとSpicy Architectsのデザイン監修による「埼玉グランドホテル深谷」。バブル期の宿泊施設を改修。個性ある仕上げ同士が“魅力を打ち消し合う”既存に対し、其々の関係を整理し“新たに定義”する設計を志向。同時期に手掛けた系列施設の改修と共通性のあるコンセプトで取り組む1階、廊下からレセプションとフォトブースを見る。 photo©長谷川健太
POINTとSpicy Architectsのデザイン監修による「埼玉グランドホテル深谷」。バブル期の宿泊施設を改修。個性ある仕上げ同士が“魅力を打ち消し合う”既存に対し、其々の関係を整理し“新たに定義”する設計を志向。同時期に手掛けた系列施設の改修と共通性のあるコンセプトで取り組む1階、廊下からラウンジを見る。 photo©長谷川健太
POINTとSpicy Architectsのデザイン監修による「埼玉グランドホテル深谷」。バブル期の宿泊施設を改修。個性ある仕上げ同士が“魅力を打ち消し合う”既存に対し、其々の関係を整理し“新たに定義”する設計を志向。同時期に手掛けた系列施設の改修と共通性のあるコンセプトで取り組む客室 photo©長谷川健太

長岡勉 / POINT山本稜 / Spicy Architectsのデザイン監修による、埼玉・深谷市の「埼玉グランドホテル深谷」です。
バブル期の宿泊施設を改修する計画。建築家は、個性ある仕上げ同士が“魅力を打ち消し合う”既存に対し、其々の関係を整理し“新たに定義”する設計を志向しました。また、本プロジェクトは、同時期に手掛けた系列施設の改修と共通性のあるコンセプトで取り組み完成させました。施設の公式サイトはこちら

埼玉グランドホテル本庄と対をなすプロジェクトである。
80年代のいわゆるバブルの時代に建てられたホテルのリノベーションのデザイン監修と家具設計を行った。

建築家によるテキストより

既存の建物の仕上げは、石が貼られ、シャンデリアが吊られ、金色のメッキがされた派手な天井など、80年代という時代背景を反映した設えをしていた。それらは、単体では個性のある手間をかけたものだが、全てが同時に現れると互いの魅力を打ち消しあっていると感じた。なのでそれらを整えることで、魅力ある個性を引き出すことにした。

建築家によるテキストより

基本的な内装仕上げは石も金属も磨かれている。それらピカピカに磨かれたアイテム同士が喧嘩してる状態を調和するように、床から2100mm以上の壁と天井を艶なしの吹き付け仕上げとした。ピカピカを引き立てるザラザラ。

こうすることで、2つの質が調和した心地よい空間の背景が出来上がった。
古いモノと新たに加えられるモノとの関係が、互いに魅力的に引き立て合うように、家具や仕上げを決定して行った。具体的には以下の3点を意識した。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2024/11/18-11/24]
最も注目を集めたトピックス[期間:2024/11/18-11/24]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2024/11/18-11/24)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 長坂常 / スキーマ建築計画による、沖縄・古宇利島の宿泊施設「YAWN YARD Kouri Island」。独立型のヴィラ群からなる建築。ゆったり過ごせる場を合理的に実現する為、個々の状況に応じて“開き方”などを調整できる“ハの字型ユニット”を考案。沖縄文化の体験の場も意図して地域の作家たちとも協働する
  2. 大島碧+小松大祐 / 風景研究所による、宮城・仙台市の「十字土間の家」。面積的に余裕のある敷地。庭と建築の親密な関係性の構築を求め、庭を“適切なサイズに分割”もする“十字形状”平面の建築を考案。土間を中央に置く構成として内外の繋がりに加えて“大らかな回遊性”も生み出す
  3. 長坂常 / スキーマ建築計画による、大阪市の店舗「アンドワンダー 南船場」。自転車移動が便利な地域の路面店。同じブランドの店を複数手掛ける背景から、既存の仕組を共有しつつ“環境に合わせてカスタム”する設計を志向。サッシと一体化した自転車置場等を用意して“地域のハブ”化も模索
  4. 北村直也建築設計事務所による、岐阜の「かまや多治見」。明治の長屋を改修した複合施設。伝統も新規も尊重する地域性に着想を得て、道側は周辺と調和する“黒色”とし庭側を“銀色”とした“表裏の印象”が異なる建築を考案。用途同士の相乗効果も意図して透明素材を多用
  5. JAMZAによる、東京・江東区の「深川えんみち」。子供から高齢者までを受入れる“多世代共生の複合型福祉施設”。日常に福祉が存在する状況を目指し、地域の人々を招き入れる“道を引き込む動線計画”の建築を考案。街と繋がる為に“施設らしくない”境界面も作る
  6. T/H 樋口耕介+瀧翠による、東京・渋谷区の「小杉湯原宿・チカイチ」。商業施設“ハラカド”の地下階での計画。誰に対しても開かれた“公衆の場”を目指し、人々が同じ環境を共有して関われる“屋外の様な雰囲気”の空間を志向。銭湯の各要素を分解して“道”を介して繋がる構成を考案
  7. 山口純建築設計事務所による、愛媛・松山市の「南町の家」。住宅地に建つ設計者の自邸。客人を招く為の書斎の設置を前提とし、奥に向かって“プライベート性”が高まる動線計画の建築を考案。何処にいても“家族の気配”も感受できるように上下階を吹抜で繋ぐ等の操作も行う
  8. 堤由匡建築設計工作室による、福岡・福津市の「昭和54年の架構」。木造家屋を店舗と民泊施設に改修。既存建築の“忘れられた良さ”の復活を使命とし、天井を撤去して“太鼓梁”や“丸太桁”を現しとする空間を考案。用途間の境界壁に段差を作る操作で其々の空間に異なる個性も付与
  9. ODS / 鬼木孝一郎による、神奈川・川崎市のバレエスクール「K-BALLET SCHOOL 武蔵小杉」。二面ガラス張りの区画に計画された著名ダンサー運営の施設。既存の特徴を活かし、外周部への配置と鏡貼りの壁面でレッスンスタジオ空間に開放性を付与。休憩所等は居心地の良さを意図して淡い色彩や曲線を使用する
  10. 鎌倉市の新庁舎等基本設計プロポーザルで、日建設計が最優秀者に選定。コンセプトは「ひとつながりの未来の庁舎『鎌倉ONE』」。提案のイメージも公開
  11. パナソニックが運営する、東京・新橋の“BRIDGEHEAD Shimbashi”を会場に「『現し』を考える。展 ver.1.0」が開催。スキーマ建築計画出身の西原将が企画監修する、“現し”をテーマとした展示会。浅子佳英・桝永絵理子・向山裕二・森田美紀が参加するトークやイベントも実施
  12. 河内尚子による、奈良市での展覧会「家具と空間」。“家具と空間”をテーマに実践的研究も行う建築家の展示。登録有形文化財の正木家住宅を会場とし、革・大理石・杉を用いて制作した家具を配置。訪問者に空間と家具が“相互に与える影響”についての考察を促す
  13. 成瀬・猪熊建築設計事務所による、東京・杉並区の「高円寺のオフィス」。設計者が監修した製品を用いて構成した自社の事務所。改善や可能性のフィードバックを得る為の“実験の場”を求め、システムパーティション等を実装した空間を考案。働く場の在り方の捉え直しと更新にも繋げる
  14. 田邉雄之建築設計事務所による、長野・茅野市の「ウキゴヤ / Hovering Cabin」。植栽家の為の“地域の立ち寄り場兼事務所”。ランドスケープとの新たな関係性を考慮し、一本足の様な基礎で浮遊させた“土地との縁を切り離す”建築を考案。小振りな基礎は凍結深度が深い敷地でのコスト削減も意図
  15. 長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・中央区の店舗「アンドワンダー GINZA SIX」。高級品が多く並ぶ商業施設内の店。同じブランドの店を複数手掛ける背景から、既存の仕組みを共有しつつ“環境に合わせてカスタム”する設計を志向。金属板を床に用いて周囲と調和する“硬質感”を空間に与える
  16. 日建設計が最優秀者に選定された、鎌倉市の新庁舎等基本設計プロポーザルの、最終プレゼンの動画。石本建築事務所 横浜事務所、内藤廣・松田平田設計共同企業体、隈研吾建築都市設計事務所・梓設計共同体のプレゼン動画も公開
  17. 佐藤研吾による展覧会「くぐり間くぐり」。ときの忘れものを会場に開催。建築家が一貫して作り続ける“ピンホールカメラ”を中心とした展示。“カメラ”でもあり“被写体”でもある作品で互いを撮り合い、自身でプリントした“銀塩写真”なども公開
  18. アソトシヒロデザインオフィス / 阿蘓俊博による、埼玉・朝霞市の住宅「朝霞の家 / ずれとつらなり」
  19. 建築家の妹島和世が、文化功労者に選ばれました
  20. 妹島和世と西沢立衛の対談「穴が開くほど見る―建築写真から読み解く暮らしとその先 第10回」の動画がLIXILのサイトで期間限定で無料配信。其々が選んだ、厳島神社、中野本町の家、サヴォア邸、スカイハウスの写真を題材に議論

トーマス・へザウィックが率いる「へザウィック・スタジオ」の事務所内の様子などを紹介している動画。2024年11月に公開されたもの

トーマス・へザウィックが率いる「へザウィック・スタジオ」の事務所内の様子などを紹介している動画です。2024年11月に公開されたもの。

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