
矢野泰司+矢野雄司 / 矢野建築設計事務所による、高知の、住宅の改修「相生町の家」です。
高知市の中心に位置する築35年程の建物の改修である。既存建物は1階テナント、2階住居、3階共同住宅として、機能で諸室が細かく間仕切られていた。主な要望としては、用途を全て住居に変更すること、60代の夫婦それぞれの部屋、毎月仕事で東京と高知を行き来する子供の仕事場と宿泊スペース、将来的に建物全体を賃貸や宿泊に転用できる自由度のある構成、などであった。
ライフスタイルが多様化し、住宅が単なる住まいとしての機能だけではなく、働いたり、社会に開かれた使われ方をしたり、人によって住まいに対する要求が画一的ではなくなってきている。そんな状況のなかで、これから夫婦が過ごす老後の時間や使い方の変更に耐え得る状態を、特定の機能を想起しない、明るく気楽な空気感によって作ろうと考えた。