岸和郎+K. ASSOCIATES / Architectsのウェブサイトに、東京郊外の住宅「紅葉ヶ丘の家」の写真が15枚掲載されています。
東京郊外の住宅地に建つ住宅。
間口は狭くそれに比べると深い奥行き、さらに敷地の奥2/3では道路から約3m上がったところに地盤面があるという形状の敷地。したがって道路に面した階は地下階であり、そこから一層上がったところが地盤面で地上階、ペントハウスも含めると合計4層の住宅が起ち上がる。
道路以外の隣地に面する3方向には境界に1層分の壁を立ち上げ、1階のリビング・ルームについては、その壁と建築の外壁との間の外部空間、それにアプローチに設けた小さな中庭の2ヶ所からだけ上方からの光を取り入れる。水平方向には向かいの公園側ファサードに設けた縦長の大きな開口が1つ開いているだけだ。その結果リビングルームの空間は水平方向に広がっているものの外部の自然光は垂直方向からのみ入ってくるという、さながら「白い洞窟」のような空間となる。
一方、2階に配置した主寝室は3つのレベルでペントハウスまでを含んだ、垂直方向に立体的な空間であり、1階のリビング・ルームが水平方向に延びる空間であるのに対して、主寝室は垂直方向に展開する空間として、対比的に考えたものだ。
外部は隣地から隔離するコンクリートと正面の垂直面緑化の壁で閉じて囲まれた上に黒い鋼板仕上げの箱が浮いており、唯一正面の縦長開口だけが都市に対して、向かいの公園に対して開いている。そうした閉じた壁面の隙間から導かれる外部からの自然光だけが内部空間の主題なのだが、そのことは外部からは全く想像できない。