松島潤平 / 松島潤平建築設計事務所による、新しい建築の楽しさ2013展の会場構成「Cuttlebone」

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松島潤平 / 松島潤平建築設計事務所による、新しい建築の楽しさ2013展の会場構成「Cuttlebone」

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松島潤平 / 松島潤平建築設計事務所による、新しい建築の楽しさ2013展の会場構成「Cuttlebone」です。この展覧会は、AGC studioで「前期 2013年7月30日-9月7日」・「後期 2013年9月10日-10月5日」の会期で行われています


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以下、建築家によるテキストです。
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Cuttlebone
若手建築家の模型展:『新しい建築の楽しさ2013』展の会場構成・展示デザイン。
「建築」は地盤に基礎を打って建ち上がるが、その小さな分身である「模型」は、設計のプロセスのなかで、机上、または思考という仮想の地盤に置かれ、時に持ち上げられ、抱えられ、縦横無尽に回転させられながら、図式や空間の精度を上げていくことに使われる。
そのようなやわらかな建築の浮遊状態、孵化過程を感じてもらうべく、仮想の地盤=透明の地盤を " 透明な模型台 " という実物に置き換える展示計画を試みた。
透明な模型台を実現しようとしても、建築も模型も宙に浮くわけではない。建築における「透明」とは、常に「透明的なもの=透明性」に置き換えられてきた。建築史に残る代表的な論考:コーリン・ロウ、ロバート・スラツキーによる『透明性 実と虚』(1963)では、透明性という概念は「実の(リテラルな)透明性」と「虚の(フェノメナルな)透明性」という2種類に大別されて語られているが、これは文字上の定義を示したことよりも、解釈の多層性・多義性を宣言したことこそが重要である。この多義性こそが、さまざまな建築素材に「透明性」を与え、「透明なもの」、「透明な存在」のあり方を拡張させることとなった。
このことを後ろ盾として、現代建築における「透明性」は加速的に様々な事物に与えられている。ガラスのほか、「有機ガラス」と呼ばれるポリカーボネート、アクリルといった視線の抜ける素材はもちろんのこと、鏡面、「白」という色ですら、希薄さ・存在感の消去という側面から、ある種の透明性を担うものとなっている。
この展示における " 透明な模型台 " は、これら「透明な存在」とされるものを集積・積層して作られている。透明とされるものが一様に並んだ時、実際のところそれらがまったく透明でないという事実、つまり「透明とは、存在感とは、どこまでも相対的なものでしかない」ということを浮かび上がらせ、一方で、その「透明とする」という認識上の取り決めごと、つまり「見立て」が建築の楽しさ・新しさを生み続けている、というもう一つの事実も浮かび上がらせることを試みている。
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前期(7/30~9/7)9組の建築家たちの模型は、様々な透明材のユニットがボーダー状に積層された個別の展示台に置かれ、
後期(9/10~10/5)6組の建築家たちの模型は、前期の展示台がユニット単位で分解され、90°回転のうえ、ストライプ状に集積された台に置かれる。
前期・後期でまったく同じ材料を使いながら、会場全体がまったく違った空間に再構成される。
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海底に棲むコウイカは、「色素胞」と呼ばれる細胞を収縮・拡張することで体表面の色を操作する。筋肉が収縮すると、色素胞の周囲が引っ張られ色がひろがり、逆に筋肉が緩むと色素胞の面積も小さくなって色が消える。
色素胞を縮めれば文字通り透明になり、水に擬態する。色素胞を広げれば、周辺の海草や岩に擬態する。要するに、コウイカはあれだけ豊かな色彩と模様を持ちながら、常に「透明」なのだ。
コウイカの甲は、骨ではなく貝殻の痕跡器官である。もともとの形は巻き貝状、あるいはツノガイ状で、アンモナイトやオウムガイから派生した生物である。一方スルメイカ等では殻はさらに退化し、石灰分を失い、薄膜状の軟甲となる。つまりコウイカは、(あくまでも現世の人間にとって)過渡期の存在なのである。それはプロセスのなかの建築、つまりこの展示における「模型」という存在にも等しい。
コウイカの甲は主に炭酸カルシウムから構成されており、サンゴとともに死骸が堆積すると石灰岩となり、更に集積するとそれはカルスト台地の地層となる。希薄で透明な存在が集積すると、「地盤」という人間にとって圧倒的に不透明な量塊(マッス)に取って替わる。それはこの展示における " 透明な展示台 " に等しい。
そんな物性感覚と時間感覚を表現するべく、この展示デザインを「コウイカの甲=Cuttlebone」と名付けることにした。
■建築概要
所在地:東京都
設計種別:会場構成・展示デザイン
施工面積:120.00㎡
主   催:「新しい建築の楽しさ2013」展委員会(代表:AGC studio)
設計監理:松島潤平建築設計事務所
施   工:株式会社パン
設計期間:2013.06.- 07.
施工期間:2012.07. / 09.
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展覧会の会期などの詳細はこちらに掲載されています。


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