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長沼和宏+澤田淳 / AIDAHOが設計した、埼玉・深谷市の住宅「FUKAYA house 02」です。
施主の両親が暮らす実家の隣に、施主家族が暮らす離れの家を設計した。
敷地は埼玉県深谷市の郊外の市街化調整区域内であったため、敷地を含む周囲は市街地から区分けされ、原風景として保存されたかのように、この土地の古くからの様相を残していた。
同じ区画内には、実家の他にも畑や施主の祖父がつくった庭園・納屋などがあり、それらの持つノスタルジーな要素との親和性を大切にしつつ、近隣の市街化区域とは異なったコンテクストを感じさせるような景色をつくれたらと考え、計画をしていった。
農地転用をして新たに宅地として切り取った敷地は、母屋の南西側に位置し、互いに採光や通風の妨げになることが懸念された。
そこで建物を母屋に対して45°斜(はす)に角度を振って配置し、さらにヴォリュームを低く抑えることで、互いの視線や世帯間の程良い距離を設けるようにした。
また、母屋と「くの字」状に連なり、庭を囲むような配置となったことで、共有の庭へ吹き込む北風や土埃を防いでいる。
仕事が鉄鋼関係で、自分でもものづくりを楽しむ施主のキャラクターに合わせて、施主が暮らしながら家づくりを楽しんでいけるような家をイメージし、過剰なものを排除したシンプルな構成を心がけた。
建築中も、軒庇のスチール柱や棚受け、カーテンレール、ハンガーバー等、鉄部の殆どは施主が自作したものを提供してもらっている。既製品で済ませるのではなく、家を構成する大小様々なパーツに丁寧な手仕事が垣間見えることもこの家の重要な要素となっている。
COLORFULL YUJING DESIGNが設計した、中国・上海の書店「中版書房」です。
本計画地の青村老街は上海の南方、奉献地域にある水郷の町として、伝統的な中国の街の風景を残す地域です。
1692年に建てられた南紅橋や、清王朝時代に建てられた龍翔橋など、古い石橋や水路と共に暮らす生活風景が印象的で、2004年に上海の歴史的景観保存地域として指定されました。今回その景観保存地域に隣接して計画されることから、老街をPRする場と書店の機能を一体で設計することが求められました。
本計画の「中版書房」は中国出版集団という中国の大手出版社が計画する書店です。
その為一般的な書店と異なり、貴重な書籍の展示や作家達が地域の読者と交流するためのサロンスペースなどの機能も求められました。それに加え、地域活性化の役割として人々の交流の場や歴史展示コーナー、さらに地元の子供たちが学習をするスペースなど、書店と地域コミュニティセンターが合わさった集会所のような場になることが求められました。
超デジタル化社会にある中国では、情報への接し方が日々多様化しています。それに伴って書店の役割も大きく変化しました。
書籍を出版する役割であった出版社が書店を出店することは、読者と直接繋がることになります。需要側と供給側の距離が限りなく近くなっている現代において、作り手自身がその商品から派生する新たな体験価値を創出しなければいけません。
これからの書店は利用者の変化に対応しながら、その地域の特色を生かして、そこでしかできない活動や、地域に根づいた情報の発信点になる必要があるのではないかと考えています。
ザハ・ハディド・アーキテクツによる、中国・北京の、国際展示センター第二期工事設計コンペの勝利案です。中国の伝統建築の筒状のセラミックタイルの屋根の質感からインスピレーションを得た形状に設計されています。
以下は、建築家によるテキストの要約・抜粋
ザハ・ハディド・アーキテクツは、北京の国際展示センターの第二期工事の設計コンペの優勝者に選ばれました。
中国の文化、学術、市民の中心地である北京は、世界のコミュニケーションと科学研究の中心地としても発展してきました。北京地下鉄15号線に駅を構える国際展示センターは、北京首都国際空港に隣接しており、世界中からの代表者が参加する会議、見本市、産業博覧会の重要な会場として成長してきました。
このような成長に対応するため、ザハ・ハディド・アーキテクツによる国際展示センターの新しい438,500㎡のフェーズ2は、展示スペースを大幅に拡大し、知識と国際交流の中心地としての国際的な地位を高めます。北京市順義区の国際空港新都市の中心部に位置するこのセンターは、地元住民だけでなく、中国国内はもとより世界各国からの訪問者をも迎え入れ、総合的なイベントプログラムを展開します。
展示ホール、会議センター、ホテルが一体となった関係は、センターの構成にも反映されています。中国の伝統的な建築の中にある筒状のセラミックタイルの屋根の質感からインスピレーションを得て、線と幾何学的な形を相互に連結し配置されます。その銅色と大きな窓は、視覚的にダイナミックな覆いをさらに表現しています。
中央の南北の軸線は東西の展示ホール間の主要な接続スペースであり、機能的な明快さ、最大の柔軟性と効率性を提供し、また、非公式なミーティングやリラクゼーションのための共有の中庭を定義します。それに加え、手入れの行き届いた庭園、カフェ、屋外の公共のイベントスペースを提供しています。高層階にあるブリッジは、センターの施設ネットワーク間の接続性をさらに高めています。
カンファレンスセンターとホテルが敷地の北側に位置しているため、センター内の人、物、車の移動は3つのルートに分かれすことで最適化され、進行中のイベントへの混乱を避けることができるようになっています。
複合屋根システムは、内部環境を遮断し、最大の吸音性を提供するように設計されています。屋根の対称的な幾何学的形状は効率的な軽量の大スパンの構造を作成し、柱のない柔軟な空間を提供します。展示会や使用の性質の変化に迅速に適応することができます。その工業的な材料性とスケールは、その流動的な建築言語とのバランスがとれています。モジュール式の製作と建設方法により、センターの建設時間、投資、運営コストを最小限に抑えることができます。
また、スマートなビル管理システムが必要に応じてセンターのハイブリッド換気を調整し、最適な自然換気を確保し、必要に応じて高効率の冷暖房機器でサポートすることで、室内の空気の質を向上させ、電力需要をさらに削減します。雨水の収集と中水のリサイクルは、広大な庭園と自然の景観を補完するものであり、持続可能な建築技術の進歩は、二酸化炭素と排出量を最小限に抑えることを目標としています。
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