SHARE 小松隼人建築設計事務所による、山口・周南市の住宅「周南の家」
小松隼人建築設計事務所が設計した、山口・周南市の住宅「周南の家」です。
敷地は山口県周南市の中心市街地近くに位置する地域です。 敷地面積は住宅が一棟建つには十分過ぎるくらいの広さがありますが、建て主が望まれる与条件を満たすと周辺とは明らかにスケールオーバーします。そのため、住宅をひとつのカタマリとして計画するのではく、周辺環境のスケールに寄り添った建物として計画しました。
まず、諸室を敷地境界線に合わせてロの字型に点在させていき、室同士の隙間は中庭や庭の様子を楽しむ回廊として設えました。諸室の大きさは周辺環境に適応させ、室同士の配置は様々な生活シーンやストーリーを組み立てることで決定し、今後のライフスタイルの変化にも対応させています。分棟型の計画ですが、中央に位置する大きな中庭に視線が向かうことにより、住宅としての一体的なまとまりもつくり出しました。
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以下、建築家によるテキストです。
周辺環境に合わせた建物配置と8つの庭のつながり
敷地は山口県周南市の中心市街地近くに位置する地域です。 敷地面積は住宅が一棟建つには十分過ぎるくらいの広さがありますが、建て主が望まれる与条件を満たすと周辺とは明らかにスケールオーバーします。そのため、住宅をひとつのカタマリとして計画するのではく、周辺環境のスケールに寄り添った建物として計画しました。
まず、諸室を敷地境界線に合わせてロの字型に点在させていき、室同士の隙間は中庭や庭の様子を楽しむ回廊として設えました。諸室の大きさは周辺環境に適応させ、室同士の配置は様々な生活シーンやストーリーを組み立てることで決定し、今後のライフスタイルの変化にも対応させています。分棟型の計画ですが、中央に位置する大きな中庭に視線が向かうことにより、住宅としての一体的なまとまりもつくり出しました。
各庭の窓を開けると風が通り抜け、枝葉が擦れる音や花の香り、庭を訪れる鳥のさえずりなどの自然の営みを、室内にいながら自然の中にいるように感じられます。室同士の隙間によって生まれた8つの中庭は、スケールと高さ、採光や通風といった特徴をそれぞれ持たせ、季節の移り変わりによって様々な表情を楽しむことができる住宅です。
■建築概要
所在地:山口県周南市
主要用途:専用住宅
家族構成:夫婦+子供3人
設計:小松隼人建築設計事務所 担当/小松 隼人 小松 涼子
構造:堀江建築設計事務所 担当/堀江 聡
施工:株式会社 日光組
外構:ニートガーデン
キッチン:松岡製作所
主体構造・構法:木造在来工法
基礎:べた基礎
階数:地下階0 地上階2
軒高:6,900mm
最高の高さ:6,790mm
敷地面積:807.03㎡
建築面積:444.59㎡
延床面積:471.24㎡
設計期間:2015年12月~2017年3月
工事期間:2017年4月~2018年6月
撮影:矢野 紀行
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
外装・屋根 | 屋根 | ガルバリウム鋼鈑 t=0.4 立てハゼ葺き |
外装・壁 | 外壁1 | スレート張り t=10(ストーンオフィス・モリシタ) |
外装・壁 | 外壁2 | |
内装・床 | 玄関・ホール床 | |
内装・床 | リビング・ダイニング床 | セラミックタイル t=10(ストーンオフィス・モリシタ) |
内装・床 | キッチン床 | セラミックタイル t=10(ストーンオフィス・モリシタ) |
内装・床 | 寝室床 | |
内装・床 | 洗面所床 | セラミックタイル t=10(ストーンオフィス・モリシタ) |
内装・床 | 琴室床 | クリフローリングt=12 |
内装・床 | 和室床 | 本畳 t=50 |
内装・壁 | 玄関・ホール壁 | 漆喰塗り、セラミックタイル t=10(ストーンオフィス・モリシタ) |
内装・壁 | リビング・ダイニング壁1 | |
内装・壁 | リビング・ダイニング壁2 | スレート張り t=10(ストーンオフィス・モリシタ) |
内装・壁 | 寝室壁 | PB t=12.5 珪藻土塗り |
内装・壁 | 洗面所壁 | セラミックタイル t=10(ストーンオフィス・モリシタ) |
内装・壁 | 琴室壁 | PB t=12.5 珪藻土塗り |
内装・壁 | 和室壁 | PB t=12.5 珪藻土塗り |
内装・天井 | 玄関・ホール天井 | 漆喰塗り |
内装・天井 | リビング・ダイニング天井 | |
内装・天井 | キッチン天井 | |
内装・天井 | 寝室天井 | 珪藻土塗り |
内装・天井 | 洗面所天井 | PB t=9.5 AEP |
内装・天井 | 琴室天井 | 杉上小節60×180@303 |
内装・天井 | 和室天井 | 杉杢敷目板張り |
内装・浴室 | 浴槽 | |
内装・照明 | 照明 | |
内装・設備 | 薪ストーブ |
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※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません
A building layout that matches the surrounding environment and the connection of eight yards
The site is an area located near the city center of Shunan, Yamaguchi Prefecture.
The plot area has more than enough space to build a residence, but fulfilling the client’s requirements would result in clearly exceeding the scale of the surroundings. Thus, we planned the residence not as a single block, but as a building that considers and fits well with the scale of the surrounding environment.
First, we scattered various rooms in the shape of a box according to the boundary lines of the site and arranged for the spaces between the rooms to be corridors that allowed for the enjoyment of looking at the courtyard and yards. The size of each room was adapted to fit the surrounding environment and the layout of the rooms were decided by constructing various everyday situations and stories, also accommodating to future lifestyle changes. It was a divided ridge-style plan, but by directing one’s vision to the large courtyard situated in the center, we also created a sense of unity as a residence.
When the windows of each yard are opened, the wind passes through, and the sensation of being amidst nature can be felt even while indoors, with the sound of rustling foliage, the fragrance of flowers, and the chirping of birds visiting the yards. The eight courtyards born from the spaces between rooms each have their own features with regards to the scale, height, lighting, and ventilation, creating a residence where various expressions created by the changing seasons can be enjoyed.