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杉山幸一郎による連載エッセイ “For The Architectural Innocent” 第9回「与条件を立てる / 素材絵画」

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杉山幸一郎ピーター・ズントー論考For The Architectural Innocent
杉山幸一郎による連載エッセイ “For The Architectural Innocent” 第9回「与条件を立てる / 素材絵画」

 
※このエッセイは、杉山幸一郎個人の見解を記すもので、ピーター・ズントー事務所のオフィシャルブログという位置づけではありません。

 


 
与条件を立てる / 素材絵画

 

text:杉山幸一郎

 
 
ピーターズントーは、これまで数多くの建築を設計してきましたが、その中に実現した集合住宅は2つしかありません。
バーゼル近郊にある«シュピッテルホーフ集合住宅 / Spittelhof Housing (1996) »と、クールにある«マサンサの老人ホーム / Home for Senior Citizens (1993) »です。

今回は、«マサンサの老人ホーム »について考えてみたいと思います。

このアルプスの山の麓に建つ有料老人ホームは、ある程度のケアが必要であるけれど、自分一人で生活ができる人が入居対象となっている、いわば高齢者のための集合住宅のような施設です。

各住戸にはリビングダイニングと寝室があり、クローゼットを挟んで引き戸によって緩く隔てられています。さらに廊下側にはキッチンのボックスと水回りが付け加えられ、反対側にはバルコニーもある。
そこから眺める夕日は、クールに住んでいる人なら誰もが知っている最も美しい日常の一コマです。

玄関から入って、共用廊下を通って各住戸に入る。そして奥のバルコニーへ。
教科書にあるような平面計画でタイポロジーとしてはとても単純です。

同じ敷地内には他にもいくつかの建物が建っています。それらを、ひとまとまりとして使うこともあるのか、今回紹介する建物にはレクリエーションのための部屋はありません。代わりに廊下が十分な幅をもって計画され、また床から天井まで続く開放的なガラス窓のおかげもあって、大きな共有リビングのようなスペースになっています。

同じクール (Chur) に建っている、以前紹介した«ローマ遺跡のためのシェルター(第6回の記事を参考)»から7年後の1993年に竣工。80-90年代にかけて設計された木造の«ズントーアトリエ(第4回の記事を参考)»や«ベネディクト教会(第7回の記事を参考)»に比べるとこの老人ホームはひとまわり大きいプロジェクトです。

そして、現在のズントーデザインに見られるような、多様な素材の用い方から始まり、開口部や建具のデザイン、何より全体を取りまとめる建築アイデア«Architectural Idea»の明確さにおいて、現在の文脈に最も沿っている、初期のプロジェクトではないかと僕は考えています。


シンプルで合理的な構成。プログラムの提案。素材と工法の選択。

新しく何かを創造しようとする時には、自分がどこか別の事象から受けた斬新な驚きと与えられた影響を自身でも作り出そうと、画期的なアイデアを求め考えがちです。
でも影響をもらいすぎて、どこか受け売りなデザインに落ち着いてしまうことも多々ある(悲)。
しかし、ズントー建築はそういう風にできてはいません。

結果的にオリジナリティーに溢れている建築であるけれど、はじめはかなり普通に、誰もが考えつくようなことを体系的にチェックしていくことからプロジェクトはスタートします。そして、それらの項目を整然と並べた上で建築を組み立てて、もっとも自然な状態でアウトプットをしていきます。

僕が日本で建築を勉強していた時は、ベーシックな寸法や事例を押さえた資料なんか見ていたら、「つまらない建築になってしまうぞ」なんて声すら聞こえました。今やっていることはむしろ、そういったベーシックな寸法をまず調べることから始まり、実際に実寸で床や壁にマークして試す、納得してから寸法を考えています。
資料を見ても、その情報を右から左へコピーするのではなく、「必ず自分で試してから」用いる。ここはとても重要です。頭でわかっているからこそ、見逃してしまっている部分や違和感を見つけ、そこから自分なりの応えに発展することがあるからです。

そうしたプロセスは、最後に出来上がる建築空間の多様さからすれば、とても地味な作業に映るでしょう。

自分のスタイルみたいなものを、(仮にそれがあるとすれば)、できるだけ排除して、目の前にある敷地、与えられた施主からの要件、そして場所と用途に見合った素材の選択をする。そこからスタートする。
«人を立てる»なんて言い回しがありますが、僕たちが設計で行っているのは、自分たち(のデザイン)は一歩引いて、与えられた条件を引き立てることに徹する。と言えるのかもしれません。

建築家は設計の大きな筋道を示す。素材や建物のヴォリュームが決まっていくと、それに見合った工法が見つかってくる。そんなプロセスを踏みながら、できるだけ自然体で進めていく。

そうして立ち上がってきた設計の全体像を一歩下がって眺めて、そこではじめて、いくぶん恣意的な微調整のための決定をしていくのです。


以下の写真はクリックで拡大します

杉山幸一郎による連載エッセイ “For The Architectural Innocent” 第9回「与条件を立てる / 素材絵画」 photo©杉山幸一郎

外観を見ていきましょう。
建物はほぼ南北の方向に、そして敷地の傾斜に並行に配置されています。各住戸は反復され、住戸数によって建物の全体長さが決められたようにも見てとれます。

西側には各住戸にバルコニーがあり、東側には共用廊下が計画されています。双方ともカラマツ材で窓枠、ファサードが作られています。
敷地に高低差があるので、傾斜の低い方から眺めると建物が少し持ち上げられているように見えます。そうしてできた半地下空間には各住戸の倉庫や機械室が用意されています。

建物の北側、東側にあるのは老人ホーム施設の別棟です。それぞれの施設の間は芝で覆われ、散歩道があり、天気の良い日には少なくない入居者を見かけます。ここは複数の建物で囲われた少しだけプライベートなガーデンです。

以下の写真はクリックで拡大します

杉山幸一郎による連載エッセイ “For The Architectural Innocent” 第9回「与条件を立てる / 素材絵画」 photo©杉山幸一郎

内部ではその外観のシンプルさを少しだけ崩すように、個室とL字型の柱壁がリズミカルにアレンジされています。廊下の住戸側には樺の木で仕上げられたキッチンユニットが顔を出し、そこには窓もついていて、調理しながら廊下の様子がわかる。

凝灰岩の壁柱、カラマツのフローリングと窓枠、コンクリートの天井、樺の木のキッチンユニットの壁。そして住人の部屋から溢れ出した家具たち。

庭側にある大きな引き戸が外の景色のみならず、空気や匂い、鳥のさえずりを取り込みます。ここは室内ではあるのだけれど、窓を開け放てば半屋外になる縁側空間です。

以下の写真はクリックで拡大します

杉山幸一郎による連載エッセイ “For The Architectural Innocent” 第9回「与条件を立てる / 素材絵画」 photo©杉山幸一郎

写真を見てわかるように、片廊下といっても暗く閉じられた動線だけの廊下ではありません。

左右の建築要素が小さなアルコーブのような空間を創り出しているので、直線的で奥まで視線が通るにもかかわらず、心地よい場所がたくさん生まれているのです。

壁を拠り所として家具が置かれています。外壁と全く同じ仕上げの多孔質な壁が室内にも見られることで、この廊下が外部空間の延長であるかのように思えてくる。ここは内と外、そしてプライベート(住戸)とパブリックの中間ゾーンとして位置付けられています。そして住居から溢れ出した物たちは、建築家がデザインできる範囲を超えている。

建築と住人の所有物が互いにマッチしていようがいまいが、そして時に変なもの(笑)が置かれていたとしても、それは住み手の自由です。一見平凡な長い一直線の廊下も、こうした物たちのおかげで逆に生き生きとしている。

住み手の応用を許容しているのは建築の主張しすぎない自然体なデザイン。

もし空間に緊張感がありすぎて他のものを許容できないデザインであったとすれば、この住民の所有物は場違いで浮いた存在となってしまうのでしょう。

ここで作品集«PETER ZUMTHOR 1985–2013 Bauten Und Projekte Band 1»から一部のテキストを参照してみます。

– das Küchenfenster blickt auf die Eingangsveranda und ermöglicht soziale Kontakte. Die Veranda ist grösser als ein normaler Korridor, damit die Bewohnerinnen den Bereich vor ihrer Wohnung mit ihren privaten Möbeln und Gegenständen, die sie von ihrem letzten Zuhause mitbringen, möblieren und sich auf einen Schwatz mit dem Nachbarn hinsetzen können, wie früher im Dorf auf der Bank vor dem Haus.

– キッチンの窓からエントランス・ベランダが見え、住戸内から社会的な接触が可能になっています。 このベランダは通常の廊下よりも広く、住人が居室前のエリアにかつての家から持ち運んできたプライベートな家具やオブジェクトを設え、そこで他の住人との世間話を楽しむことができます。それは、この老人ホームに移る前に住んでいた村で、自宅前に置いたベンチと同じ役割を果たしています。(筆者意訳)

『PETER ZUMTHOR 1985–2013 Bauten Und Projekte Band 1』p.123より

以下の写真はクリックで拡大します

杉山幸一郎による連載エッセイ “For The Architectural Innocent” 第9回「与条件を立てる / 素材絵画」 photo©杉山幸一郎

少しだけ住戸内を見てみます。
床はフローリング。ベッドが置かれるのであろうバルコニーそばの壁から天井は、木材で仕上げられて、人がたたずむことが想定されているのがわかります。部屋は一人で住むには十分な広さがあります。

写真の右端を見てください。
凝灰岩の壁があり、さらに木の内装材が取り付けられているのがわかります。天井も同様に、コンクリートスラブに木パネルが取り付けられている。
こうした部分を見つけると、凝灰岩の壁、コンクリートのスラブといった構造体がまず組み立てられて、そこに造り付け家具のように部屋のインテリアが設えられているのがわかる。構造体の内側に、もう一枚、衣服を着込んでいるような感覚に近い。

以下の写真はクリックで拡大します

杉山幸一郎による連載エッセイ “For The Architectural Innocent” 第9回「与条件を立てる / 素材絵画」 photo©杉山幸一郎

こうした小さな住戸であっても、しっかりとした設備を持ったキッチンユニットがあるのは、スイスならでは、です。料理をしながらリビングダイニングを眺めるのではなく、共用廊下を眺める。構図だけ見ると、日本の一昔前のアパートにあるキッチンのようにも見えます。

バスルームにはバスタブはなく、シャワーのみです。日本と違って、スイスでは高齢者にシャワーが好まれます。理由はバスタブのようにまたいで入る必要がないからです。
さらに言えば、この高齢者のための建物に限らず、一般的なアパートでもシャワーのみ。という住戸をよく見かけます。日本人の僕は、でもやっぱり湯船に浸かってゆっくりしたい。なんて思ってしまうのですが。。

以下の写真はクリックで拡大します

杉山幸一郎による連載エッセイ “For The Architectural Innocent” 第9回「与条件を立てる / 素材絵画」 photo©杉山幸一郎

さて、もう一度外側から回って見てみましょう。

建物のエントランスのある東側を眺めると、壁が列柱のようで、神殿のようにも見えます。
ズントー作品集は木造アトリエから始まっていますが、それ以前の初期作品には時代の影響(アルドロッシの影響)を感じるものがいくつかあります。
例えばハルデンシュタイン村の端にある«個人邸 / House Räth (1983) »、そして«クールワルデン小学校 / Elementary School Churwalden (1983) »など。。

その時期から十年後にできたこの老人ホームは、当時の影響を自分なりに噛み砕いて表現した感じがあると僕は思います。そういった意味でも、今のズントーが考える建築の作り方とのつながりが見えてくる。

 
«House Räth (1983) »では、アクソメトリックで設計案が表現されていました。対してこの老人ホームではパステルで描かれたスケッチを見つけることができます。

ズントーは今でもパステルや水彩を用いたスケッチをしていますが、それは新しいアイデアを表現する、いわば巨匠のファーストスケッチではなく、ある程度案が固まってきた頃に、もう一旦アイデアを抽象化して俯瞰して見るための作業でもあります。

以下の写真はクリックで拡大します

杉山幸一郎による連載エッセイ “For The Architectural Innocent” 第9回「与条件を立てる / 素材絵画」『PETER ZUMTHOR 1985–2013 Bauten Und Projekte Band 1』pp.110-111より引用。

黒く塗り潰された構造壁や水回りのブロックに、赤茶色のキッチンユニットとキャビネット、そして壁沿いに黄色く表された仕上げ木材。このドローイングから、建築が平面上でどう組み立てられ、そしてどう素材を組み合わせているのかが一目でわかります。
ここでズントーは機能(プログラム)の塗り分けでも、床壁といった建築要素の塗り分けでもなく、むしろ素材の塗り分けをしている。
硬い素材、構造材、柔らかい素材、仕上げ材や造り付けの家具を明確に決めているのがわかる。
明快なアイデアを再確認して、その抽象度をキープしながら次のフェーズへ向かおうとしているのがわかる。
この一枚のドローイングが、プロジェクトのアイデアを表してしまっている。

 
ここまでを振り返って考えてみます。

建築家がどういうスタイルの建築を作っていこうか。と考えた結果よりも、作り手がどういう仕事場の雰囲気で、どんな働き方をして、何のツールを用いてデザインをしていくのか。
ベーシックな寸法から当たっていって、与えられた条件に素直に応えながら、設計を進めていく。ドローイングで素材を現しながらアイデアを固めていく。
そのプロセスがそのまま最終的な建築、アウトプットに自然と現われてくる。

以下の写真はクリックで拡大します

杉山幸一郎による連載エッセイ “For The Architectural Innocent” 第9回「与条件を立てる / 素材絵画」 photo©杉山幸一郎

竣工から約25年、いくつかの住戸は老朽化しており、全体的な修繕が求められました。
この老人ホームは2019年に改修され、さらに同じ敷地のすぐそばに、6階建の新しい建物が2棟建ちました。周辺の雰囲気は時代とともに変わりつつあります。

この建物に限らず、ズントーが1980年代に計画したプロジェクトのいくつかは、部分的に設備を入れ替えたり、修復したりしています。
これらの建物が次の30年間存続するには、竣工当初の建築家のデザイン力以上に、クライアントが残したいと思える機能性、使いやすさ、そして何より使い手が今建物をどう使っているか、これから使っていくのかが問われます。

この老人ホームが取り壊され新築されることなく、改修されたのも、広い廊下が住人たちの社交の場として機能し、唯一無二であると判断されたからでしょう。

もしここが誰でも入居できる集合住宅であったら、是非棲んでみたい。
そう思える建物です。


杉山幸一郎
日本大学高宮研究室、東京藝術大学大学院北川原研究室にて建築を学び、在学中にスイス連邦工科大学チューリッヒ校(ピーターメルクリ スタジオ)に留学。大学院修了後、建築家として活動する。
2014年文化庁新進芸術家海外研修制度によりアトリエ ピーターズントー アンド パートナーにて研修、2015年から同アトリエ勤務。
2016年から同アトリエのワークショップチーフ、2017年からプロジェクトリーダー。
世の中に満ち溢れているけれどなかなか気づくことができないものを見落とさないように、感受性の幅を広げようと日々努力しています。

駒込にあるギャラリー&編集事務所「ときの忘れもの」のブログにも、毎月10日に連載エッセイを綴っています。興味が湧いた方は合わせてご覧になってください。


■本エッセイのその他の回はこちら

  • 第10回「石の編みもの / 浮かび上がるカタチ」
  • 第9回「与条件を立てる / 素材絵画」
  • 第8回「ブレゲンツ再考 / 光の霧」
  • 第7回「光の空気層 / 丸い教会」
  • 第6回「タイムスリップ / 木の風船」
  • 第5回「木の鳥 / スイス伝統木造建築」
  • 第4回「ペンから筆へ」
  • 第3回「建築の輪郭。質量と仕上げ。」
  • 第2回「ストーリーと黒衣の建築。」
  • 第1回「ピーターズントー、もう一つの教会。」

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    デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツによる、兵庫・川辺郡の「猪名川霊園礼拝堂・休憩棟」 photo©Keiko Sasaoka

    デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツによる、兵庫・川辺郡の「猪名川霊園礼拝堂・休憩棟」です。
    同事務所は基本設計・デザイン監修を手掛けています。詳細なクレジットは末尾を参考ください。

    こちらは建築家によるテキストの翻訳

    猪名川霊園は、大阪から北へ約40km離れた兵庫県にある北摂山系の険しい場所に位置しています。墓地は段々畑のようになっていて、一番高い場所にある神社へと続く記念碑的な階段で二分されています。そして、この階段がプロジェクト全体の軸となっています。

    ヴィジターセンターとチャペルは、外の世界と内の静かな空間との間の顕著な境界として設計されています。中央の階段に沿って、神社と対をなすように、ビジターセンターとチャペルは中庭を囲むように配置されています。来訪者は、南東側の階段状のファサードに設けられた中央の広いフレーム付きの開口部につながる外部プラットフォームからこの空間にアプローチします。

    プログラムは単一の傾斜した屋根面の下に形式的に配置されており、エントランスから神社までのヴューラインに沿っています。ヴィジターセンターの部屋は中庭に面していますが、隠れ家的なチャペルは独立しています。チャペルへは、外から直接アクセスするか、庭から緩やかなスロープを上って、独立した廊下を通って行くことができます。暖房と人工照明を最小限に抑えた、飾り気のない静かな部屋は無宗派の瞑想空間として、純粋な形で提供されています。両側の庭園からの間接的な日差しを頼りに、チャペルを訪れる人々は静寂に包まれ、日照時間の変化や季節の葉の変化などの自然の指標を通して、本質的な時間のリズムに意識がむけられます。すべての庭園の植栽は、日本の牧草地や森林の色調や質感からインスピレーションを得ています。厳選された草、低木、野草が注意深く配置されています。

    中庭の対角線上にあるのがヴィジターセンターです。屋根の下端にある2つの大きな部屋は、家族の集まりや記念日に利用できます。ヴィジターラウンジは、休憩や食事ができるカジュアルなエリアです。メモリアルルームは、布に和紙を貼ったプリーツカーテンで3つの小部屋に分けることができ、儀式の後の正式な食事の場となっています。

    床、壁、屋根は純粋な建築要素として形成されており、同じ土のような赤色のコンクリートを使用しています。内部の床や地面はホーニング仕上げ、通路の壁や屋根はサンドブラスト仕上げとなっており、全体的にモノリシックな外観となっています。このプロジェクトのために特別にデザインされた家具は、シンプルでカジュアルな塗装が施された木製の椅子、ベンチ、テーブルで構成されており、機会に応じて配置を変えることができます。

    敷地の両端を結ぶ軸線に沿って、山頂から建物に向かって階段の途中に水が流れるようになっています。階段の下側、チャペルの近くに差し掛かると、水の流れは緩やかになり、溜まりとなって樋に集められ、敷地の下に新たに設けられた地下水路を通って近くの運河へと流れていくようになっています。

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    宗教施設兵庫デイヴィッド・チッパーフィールド図面あり
    2021.04.13 Tue 11:44
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    ネリ&フーによる、韓国・ソウルの、ファッションブランドMCMの旗艦店「MCM HAUS」。既存の5階建の建物等を改修
    photo©Dirk Weiblen

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    architecture|feature
    店舗リノベーション韓国ネリ&フーソウルコンバージョン図面あり
    ネリ&フーによる、韓国・ソウルの、ファッションブランドMCMの旗艦店「MCM HAUS」。既存の5階建の建物等を改修 photo©Dirk Weiblen
    ネリ&フーによる、韓国・ソウルの、ファッションブランドMCMの旗艦店「MCM HAUS」。既存の5階建の建物等を改修 photo©Dirk Weiblen

    ネリ&フーによる、韓国・ソウルの、ファッションブランドMCMの旗艦店「MCM HAUS」です。既存の5階建ての建物と付属の駐車場タワーを改修した建築です。店舗の場所はこちら。

    以下、建築家によるテキストの翻訳

    プロジェクトの概要は、ソウルの高級地区である江南(カンナム)にあるMCMの新しい旗艦店として、既存の5階建ての建物と付属の駐車場タワーを改修することでした。ネリ&フーは、MCMの強いブランドストーリーとドイツのルーツを考慮し、ブランドの伝統へのこだわり、クラフトマンシップとディテールへのこだわりに忠実でありながら、デジタル時代の進歩を祝福するMCMの姿勢を体現するような旗艦店のデザインを目指しました。
    ネリ&フーは、新しい旗艦店のデザインコンセプトとして、製造業における実験的な試みと、クラフトマンシップや伝統的な芸術を融合させたバウハウスの動きにインスピレーションを得ました。 新店舗は、江南地区の単なる建築物としてではなく、MCMブランドの新たな「家」としての役割を果たすべきであると考えました。
    つまり、工業、グラフィック、家具、インテリアデザイン、建築など、バウハウスの芸術的媒体の総体を体現する家でなければならないのです。

    バウハウスの精神は、旗艦店の新しい金属製のファサードに表現されており、建物は重厚なコンクリートの土台の上に、厳選された窓の開口部を持つ骨董品箱のようになっています。 既存の建物は2つの独立したファサードとして構成されていましたが、主な課題は容積率を維持しつつ、1つの建物として認識されるような新しいファサードを作ることでした。 新しいファサードを支えるために、追加の構造補強が必要となりました。
    新しいファサードは、駐車場タワーと店舗エリアの間の不規則なスラブエッジのギャップを埋めるために直線化され、単一の塊を形成しています。 クライアントの限られた予算と4ヶ月という工期を考えると、ファサードのソリューションは、経済的な手段で最大限の視覚的インパクトを与える必要がありました。 北向きのファサードに対応して、自然光をできるだけ多く反射させるためにブロンズ色の金属を選択し、400mmの深さの窓を設けて、レリーフと影を導入しました。この大きな開口部は、視覚的に、商品や内部の活動をフレーム化するのにも役立っています。ブロンズ色の金属メッシュは、大きな開口部を覆うようにヴェールをかけ、ファサードに奥行きとテクスチャーのレイヤーを与えています。頑丈なコンクリートの台座は、歩行者のスケールに合わせたストリートスケープの存在感を示し、視覚的に商品のための専用のショーウィンドウを提供しています。

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    店舗リノベーション韓国ネリ&フーソウルコンバージョン図面あり
    2021.04.13 Tue 09:22
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    杉本博司と榊田倫之による新素材研究所のモノグラフ『Old Is New 新素材研究所の仕事』をプレビュー

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    杉本博司榊田倫之新素材研究所
    杉本博司と榊田倫之による新素材研究所のモノグラフ『Old Is New 新素材研究所の仕事』をプレビュー
    杉本博司と榊田倫之による新素材研究所のモノグラフ『Old Is New 新素材研究所の仕事』がamazonで発売されています
    amzn.to

    現代美術作家の杉本博司と建築家の榊田倫之による新素材研究所のモノグラフ『Old Is New 新素材研究所の仕事』がamazonで発売されています。本記事では書籍の中身をプレビューします。

    こちらは杉本が本書籍に寄せたテキスト。

    表紙の絵柄について

    この本のジャケットには抽象画が採用された。しかしこの絵は初めから抽象画として描かれたものではない。それは偶然に絵となったものだ。私は熱海にあるMOA美術館全面改修にあたって、全長17メートル、高さ4メートルの壁を6面、日本の伝統工法である黒漆喰でおおうことにした。漆喰は土だ、そしてコテで塗られる。現代建築は乾いた材料を好む。しかし伝統工法は湿式工法が多い。この巨大な壁面を目地なしで仕上げるには1面を1日で終わらせなければならない。熟達の職人が3人集められた。1人ひとりコテの運びが違う。伝統工法を用いてこれだけの巨大面を仕上げたことは、日本建築史上ないのではないかと自負している。漆喰そのものが稀になった現在、普通は白の漆喰に炭の粉を混ぜて黒にするのはさらに稀だ。乾くのに時間がかかる。数日後、その面に立ち現れたのはほぼ無意識のコテの痕跡だ。私はそこに意識を超えた美しさを見出すのだ。大昔、人が意識と無意識の狭間で描きはじめた洞窟壁画もこのようにはじまったのに違いない。
    Old Is New、忘れられた古代の魂、私は現代にあって、その魂の姿をもう一度見てみたいのだ。
    (杉本博司)

    書籍より
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    杉本博司榊田倫之新素材研究所
    2021.04.13 Tue 08:22
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    2021.4.12Mon
    • 藤本壮介とWOHA マン・サム・ウォンによる「未来の建築―新しい空間とつながりの創造にむけて」をテーマに行われた講演の動画。国際文化会館の主催で行われたもので日本語同時通訳版
    • 三井嶺建築設計事務所による、神奈川・逗子市の住宅「逗子の家『森の図書館』」
    • 武保学 / きりんによる、三重・伊賀市の店舗「場所を見守る土産物店」
    • 「妹島和世氏が手掛けた日本女子大学・目白キャンパス 正式オープン」(建設通信新聞DEGITAL)
    • 最も注目を集めたトピックス [期間:2021/4/5-4/11]
    2021.4.14Wed
    • 平田晃久が、群馬の「太田西複合拠点公共施設」設計プロポで最優秀者に特定。提案書も公開
    • 川原達也+エレン・クリスティナ・クラウゼ / KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTSによる、ベルリン建築ギャラリーでの自身の個展「EQUIVOCAL」。会場構成も自身の作品として構想
    • 白井晟一の建築展「白井晟一 入門」が、自身が設計した渋谷区立松濤美術館で開催

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