アラキ+ササキアーキテクツによる、神奈川・川崎市の「くすのきほいくえん」。この敷地環境における保育園のあり方に丁寧に向き合い設計 photo©高橋菜生
アラキ+ササキアーキテクツによる、神奈川・川崎市の「くすのきほいくえん」。この敷地環境における保育園のあり方に丁寧に向き合い設計 photo©高橋菜生
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アラキ+ササキアーキテクツ が設計した、神奈川・川崎市の「くすのきほいくえん」です。この敷地環境における保育園のあり方に丁寧に向き合い設計された建築です。
保育園が迷惑施設扱いされるようになって久しい。近隣住民の反対により計画が頓挫することも珍しくない。
残念なことであるが、社会問題として捉える前に、一設計者としてこの保育園のあり方に向き合うこととし、同じ子どもの声でも、騒音ではなく、愛くるしいものに感じられるような建物を目指した。
当敷地は、数件の戸建住宅が並ぶ私道に接道する。向かいには5階建のマンションが建っている。
木造3階建の当建物は、周辺の住宅群から突出した印象にならないように、3階より上の外壁は屋根材で仕上げる。また、耐火構造の仕様規定により壁や柱に強化石膏ボード21mm両面2枚張りが必要となるが、重々しい印象にならないように、外壁サイディングの正面と側面で色を変え、薄いパネルをパタパタと組み立てて作ったような軽い見え方となるようにした。
内部は子どもの居場所の集積として設計している。
北海道下川町のトドマツを使った柔らかい下見板の腰壁で囲まれた各階の保育スペースには、収納を兼ねた「小さな居場所」をつくる。また、階段室には本棚と座れる窓台を設け、子どもたちが階段や窓辺に座って本を読んだり聞いたりできる「集まる居場所」をつくっている。
小さな居場所と集まる居場所を複数箇所設けることで、子どもたちがそれぞれに好む過ごし方を選択することができる。
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アラキ+ササキアーキテクツによる、神奈川・川崎市の「くすのきほいくえん」。この敷地環境における保育園のあり方に丁寧に向き合い設計 photo©高橋菜生
アラキ+ササキアーキテクツによる、神奈川・川崎市の「くすのきほいくえん」。この敷地環境における保育園のあり方に丁寧に向き合い設計 photo©高橋菜生
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アラキ+ササキアーキテクツによる、神奈川・川崎市の「くすのきほいくえん」。この敷地環境における保育園のあり方に丁寧に向き合い設計 image©アラキ+ササキアーキテクツ
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以下、建築家によるテキストです。
保育園が迷惑施設扱いされるようになって久しい。近隣住民の反対により計画が頓挫することも珍しくない。
残念なことであるが、社会問題として捉える前に、一設計者としてこの保育園のあり方に向き合うこととし、同じ子どもの声でも、騒音ではなく、愛くるしいものに感じられるような建物を目指した。
当敷地は、数件の戸建住宅が並ぶ私道に接道する。向かいには5階建のマンションが建っている。
木造3階建の当建物は、周辺の住宅群から突出した印象にならないように、3階より上の外壁は屋根材で仕上げる。また、耐火構造の仕様規定により壁や柱に強化石膏ボード21mm両面2枚張りが必要となるが、重々しい印象にならないように、外壁サイディングの正面と側面で色を変え、薄いパネルをパタパタと組み立てて作ったような軽い見え方となるようにした。
内部は子どもの居場所の集積として設計している。
北海道下川町のトドマツを使った柔らかい下見板の腰壁で囲まれた各階の保育スペースには、収納を兼ねた「小さな居場所」をつくる。また、階段室には本棚と座れる窓台を設け、子どもたちが階段や窓辺に座って本を読んだり聞いたりできる「集まる居場所」をつくっている。
小さな居場所と集まる居場所を複数箇所設けることで、子どもたちがそれぞれに好む過ごし方を選択することができる。
3階の4.5歳児保育室は高天井を珪藻土左官で仕上げており、年齢が上がるにつれて、空間のスケールと質感が向上し成長を実感できる。子どもたちが心身ともに健康的に過ごし、乗じて近隣住民の方々に愛される保育園になることを願う。
■建築概要
建物名称:くすのきほいくえん
所在地:神奈川県川崎市
主要用途:保育所
設計:A+Sa アラキ+ササキアーキテクツ
構造:アービア設計事務所
施工:Tree to Green
主体構造:木造在来構法・耐火構造
基礎:べた基礎
階数:地上3階
軒高:8630mm
最高の高さ:9352mm
敷地面積:116.47m2
建築面積:77.96m2
延床面積:205.38m2
設計期間:2020年4月〜2020年8月
工事期間:2020年9月〜2020年3月
撮影:高橋菜生