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2021.7.02Fri
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高橋勝建築設計事務所による、京都の町家を改修した飲食店舗「BAR Kingom」
photo©松村芳治

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architecture|feature
建材(内装・壁)山﨑工務店アトリエSUS4緑寿庵森文雄森都丸萬乙鷲堂建材(内装・造作家具)建材(外装・壁)建材(内装・天井)建材(内装・床)松村芳治高橋勝図面ありコンバージョンリノベーション店舗京都
高橋勝建築設計事務所による、京都の町家を改修した飲食店舗「BAR Kingom」 photo©松村芳治
高橋勝建築設計事務所による、京都の町家を改修した飲食店舗「BAR Kingom」 photo©松村芳治
高橋勝建築設計事務所による、京都の町家を改修した飲食店舗「BAR Kingom」 photo©松村芳治

高橋勝建築設計事務所が設計した、京都の町家を改修した飲食店舗「BAR Kingom」です。店舗の公式サイトはこちら。

京都の中心地四条河原町から歩いて7分ほど、京町家を改修した、ゆっくり洋酒が飲める場所のプロジェクトとしてデザインしたオーセンティックなBARである。クライアントは、有名店で長年修行されてきた筋金入りのバーテンダーで、初めての対面では非常にストイックな、朗らかではあるけれどまるで寡黙な職人のような印象を受けた。

要望は明確には示されなかったが、店のデザインについてのヒントを探して色々なお店を一緒にめぐりを行った。幾度となく接する中で感じたオーナーバーテンダーであるクライアントの、人への丁寧な態度や、さりげない気遣い、人をもてなす安心できる場所への思想にふれるうちに、目指す空間は、静かで、目を凝らすと味わいが出てくるようなゆったりした落ち着ける空間となっていった。

建築家によるテキストより

空間構成は、クライアントとともにインスピレーションを得た通り、建物の最深部である庭と対面する二間続き座敷を1室として、バーカウンターを設置した。既存の天井では椅子式の空間には低いので天井を取り、小屋組み、トントン葺きの野地板を現して3m以上の天井高があるゆったりとした空間としている。庭への建具はすべて嵌め殺し開口とし、視覚的に庭と一体となっている。内壁や柱梁、床の間、下地窓などは、照度を落とした店内に合わせ、暗めの古色に塗り直したが、基本的にそのまま利用している。

建築家によるテキストより

以下の写真はクリックで拡大します

高橋勝建築設計事務所による、京都の町家を改修した飲食店舗「BAR Kingom」 photo©松村芳治
高橋勝建築設計事務所による、京都の町家を改修した飲食店舗「BAR Kingom」 photo©松村芳治
高橋勝建築設計事務所による、京都の町家を改修した飲食店舗「BAR Kingom」 photo©松村芳治
高橋勝建築設計事務所による、京都の町家を改修した飲食店舗「BAR Kingom」 photo©松村芳治
高橋勝建築設計事務所による、京都の町家を改修した飲食店舗「BAR Kingom」 photo©松村芳治
高橋勝建築設計事務所による、京都の町家を改修した飲食店舗「BAR Kingom」 photo©松村芳治
高橋勝建築設計事務所による、京都の町家を改修した飲食店舗「BAR Kingom」 photo©松村芳治
高橋勝建築設計事務所による、京都の町家を改修した飲食店舗「BAR Kingom」 photo©松村芳治
高橋勝建築設計事務所による、京都の町家を改修した飲食店舗「BAR Kingom」 photo©松村芳治
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高橋勝建築設計事務所による、京都の町家を改修した飲食店舗「BAR Kingom」 photo©松村芳治
高橋勝建築設計事務所による、京都の町家を改修した飲食店舗「BAR Kingom」 photo©松村芳治
高橋勝建築設計事務所による、京都の町家を改修した飲食店舗「BAR Kingom」 photo©松村芳治
高橋勝建築設計事務所による、京都の町家を改修した飲食店舗「BAR Kingom」 image©高橋勝建築設計事務所
高橋勝建築設計事務所による、京都の町家を改修した飲食店舗「BAR Kingom」 image©高橋勝建築設計事務所

以下、建築家によるテキストです。


京都の中心地四条河原町から歩いて7分ほど、京町家を改修した、ゆっくり洋酒が飲める場所のプロジェクトとしてデザインしたオーセンティックなBARである。クライアントは、有名店で長年修行されてきた筋金入りのバーテンダーで、初めての対面では非常にストイックな、朗らかではあるけれどまるで寡黙な職人のような印象を受けた。

要望は明確には示されなかったが、店のデザインについてのヒントを探して色々なお店を一緒にめぐりを行った。幾度となく接する中で感じたオーナーバーテンダーであるクライアントの、人への丁寧な態度や、さりげない気遣い、人をもてなす安心できる場所への思想にふれるうちに、目指す空間は、静かで、目を凝らすと味わいが出てくるようなゆったりした落ち着ける空間となっていった。

数件目の候補物件となる今回の看板京町家を訪れ、座敷と対面する中庭の空間を見た時に、醸成してきた、目指している場所を創れると思いこの物件に決めて頂いた。もともとは呉服関係の会社の社屋として使われており、元のオーナーが内装を数寄屋風の和室に設え大事に使われていた。

道側は看板町家に改築されており、タイル仕上げの四角い小さなビルのような風貌であったが、中は真壁造りに聚楽で仕上げられた土壁、竿縁天井、畳、ふすま、床の間、下地窓、庭・・・すでに静かでゆったりとした中に凛とした緊張も感じられる良い雰囲気があったため、この雰囲気を活かしながら、どのように静かに洋酒を振舞う場所へと変えていくかを考えデザインを進めた。

空間構成は、クライアントとともにインスピレーションを得た通り、建物の最深部である庭と対面する二間続き座敷を1室として、バーカウンターを設置した。既存の天井では椅子式の空間には低いので天井を取り、小屋組み、トントン葺きの野地板を現して3m以上の天井高があるゆったりとした空間としている。庭への建具はすべて嵌め殺し開口とし、視覚的に庭と一体となっている。内壁や柱梁、床の間、下地窓などは、照度を落とした店内に合わせ、暗めの古色に塗り直したが、基本的にそのまま利用している。

入り口から客席前のホールまでには長めの玄関動線をつくり、京都の中心地の喧騒から静かな店内へと徐々に変わっていく導入部とした。この部分には、クライアント自らが骨董市を歩いて見つけた仏具の燭台や、信楽の作家に作らせたオリジナルの貍など独特の趣向が控えめに凝らされている。
また、カウンター席をより豊かにゆったりと広がりを感じさせ、また様々な過ごし方を選べるテーブル席、ボックス席の客室2,3を計画した。広がりと同時に少し囲まれた空間も作れる様、柔らかに間仕切る事が出来る太鼓障子を設置している。
客席3では、クライアントによりアンティークシャンデリアや、酒神バッカスの絵画を設え、和風空間との不思議な調和を創り出し、非日常を感じさせるような空間づくりを意図している。

店の顔となるファサードは銅板葺きとしている。葺きたての銅板は赤く光を反射し見るものの目に刺激が強い仕上げであるが、徐々に表面が酸化して、落ち着いた表情へと変化していく。数年経つ頃には、この地域の定番の洋酒が飲める場所として、昔からあった様に、街なかの景色に馴染んで行く事を期待している。

■建築概要

所在地:京都市下京区富小路仏光寺下ル筋屋町151
構造規模:木造地上2階(店舗は1階部分)
店部分面積:70.0㎡
設計・監理:高橋勝建築設計事務所
構造アドバイス:能戸謙介(合同会社一級建築士事務所アトリエSUS4)
施工:山﨑裕昭(山﨑工務店)
玄関の信楽焼たぬき:藤原孝親(乙鷲堂)
客席テーブル・カウンター木板:丸萬
客席3シャンデリア:森都 森文雄
作庭:安藤孝昭(緑寿庵)
竣工年月:2020年12月
撮影:松村芳治

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
外装・壁外壁

銅板 t0.4 一文字葺き

内装・床客席1・2床

フロアタイル t-2.5(サンゲツ)

内装・床客席3床

絨毯 t-9(サンゲツ)

内装・壁壁

既存土壁補修の上、黒珪藻土左官仕上

内装・天井客席1天井

既存躯体及び野地板(トントン葺)OS

内装・天井客席2・3天井

既存竿縁天井OS

内装・造作家具カウンター天板

チトラ t-75

※企業様による建材情報についてのご意見や「PR」のご相談はこちらから
※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません

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建材(内装・壁)山﨑工務店アトリエSUS4緑寿庵森文雄森都丸萬乙鷲堂建材(内装・造作家具)建材(外装・壁)建材(内装・天井)建材(内装・床)松村芳治高橋勝図面ありコンバージョンリノベーション店舗京都
2021.07.02 Fri 08:09
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    隈研吾が設計を進め2023年の完成を予定する、東京の「(仮称)江戸川区角野栄子児童文学館」の基本設計概要版が公開

    SHARE 隈研吾が設計を進め2023年の完成を予定する、東京の「(仮称)江戸川区角野栄子児童文学館」の基本設計概要版が公開

    architecture|culture|remarkable
    東京美術館・博物館隈研吾図面あり江戸川区
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    隈研吾が設計を進め2023年の完成を予定する、東京の「(仮称)江戸川区角野栄子児童文学館」の基本設計概要版が公開外観パース。 / 江戸川区の許可を得て掲載
    隈研吾が設計を進め2023年の完成を予定する、東京の「(仮称)江戸川区角野栄子児童文学館」の基本設計概要版が公開されています(PDF)
    www.city.edogawa.tokyo.jp

    隈研吾建築都市設計事務所が設計を進め2023年の完成を予定する、東京の「(仮称)江戸川区角野栄子児童文学館」の基本設計概要版が公開されています。PDFでの資料です。計画地は東京・江戸川区の「なぎさ公園内(Google Map)」です。

    以下は隈のサイトに掲載されている解説テキスト。

    なぎさ公園の丘の上に、「魔女の宅急便」の原作者、角野栄子さんの世界を体験できるミュージアムをデザインした。
    角野栄子さんの世界に登場する「おうち」のような小さな単位で建築を考えた。
    なだらかな丘の傾斜に沿わせて小さな箱を並べ、花のような軽やかなひろがりを感じさせる屋根を掛けた。
    豊かな公園の自然を感じながら、五感で角野栄子さんの世界観に触れることができる、開かれた環境を江戸川のほとりの丘の上に創造した。

    プロジェクトチーム:横尾実、成澤佳佑、鈴木里奈、楊光耀、叶子萌
    ヴィジュアライゼーション:安祥毅
    構造設計:江尻構造設計事務所
    設備設計:環境エンジニアリング
    造園設計:クロス・ポイント
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    kkaa.co.jp
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    東京美術館・博物館隈研吾図面あり江戸川区
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