杉山由香+桝永絵理子+神崎夏子 / カミナガスギが設計した、東京の離島・神津島村のゲストハウス「Guesthouse Campus」です。コロナ禍でリモート授業を受ける学生のための“スタディケーション”の場を、円という純粋形態を用いることで特別な空間として構築しました。
カミナガスギは、東京藝術大学大学院及び伊東豊雄建築設計事務所を経験した3人による建築ユニットです。現在、杉山はタテモノトカを主宰、桝永はAATISMOを共同主宰、神崎は伊東豊雄建築設計事務所に在籍しています。
本プロジェクトは「スタディ」+「バケーション」=「スタディケーション」という新しい機能をつくり、ロフトベッドと広場という2つの空間によってそれに応えるという挑戦的な事例だ。コロナ禍で大学へ通えない学生たちが、空気の良い神津島で、くつろぎながらリモート授業を受けられる場所をつくりたいというオーナーの要望を形にした。
ロフトベッドと呼ばれる、机とベッドが一体となった家具を「スタディ」のモチーフとして、円がくりぬかれた形のロフトベッドを設け空間の骨格をつくった。ロフトの下には勉強机が、ロフトの上には厚いカーテンで間仕切られた寝床が用意されている。
Campus(カンプス)とはキャンパスつまり学園の語源であり、広場という意味である。西欧において広場が学びの場所であったことが由来だ。神津島の集落や本計画の既存建物の形状は地形に影響されてできており、道は迷路のように入り組み、建物や敷地も変形のものが多い。ここに円という純粋な形態の広場を挿入することで特別な場所をつくり、ここが学びの広場であることを表現している。
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以下、建築家によるテキストです。
スタディケーション
本プロジェクトは「スタディ」+「バケーション」=「スタディケーション」という新しい機能をつくり、ロフトベッドと広場という2つの空間によってそれに応えるという挑戦的な事例だ。コロナ禍で大学へ通えない学生たちが、空気の良い神津島で、くつろぎながらリモート授業を受けられる場所をつくりたいというオーナーの要望を形にした。
ロフトベッド
ロフトベッドと呼ばれる、机とベッドが一体となった家具を「スタディ」のモチーフとして、円がくりぬかれた形のロフトベッドを設け空間の骨格をつくった。ロフトの下には勉強机が、ロフトの上には厚いカーテンで間仕切られた寝床が用意されている。
広場
ロフトベッドに囲まれた広場で、島に訪れた学生たちが火を囲むように空間の中心に集まり語らうような「バケーション」を理想とした。広場にはごはんを食べる丸い大きな机と、プラネタリウムで星を投影する丸い大きな天井が配されており、学生たちがおおらかな気持ちでくつろいでくれることを期待している。
Guesthouse Campus
Campus(カンプス)とはキャンパスつまり学園の語源であり、広場という意味である。西欧において広場が学びの場所であったことが由来だ。神津島の集落や本計画の既存建物の形状は地形に影響されてできており、道は迷路のように入り組み、建物や敷地も変形のものが多い。ここに円という純粋な形態の広場を挿入することで特別な場所をつくり、ここが学びの広場であることを表現している。
1つの風景に向かう
このプロジェクトには多くの人が関わっている。工事にあたっては島の職人さんたちや、友人たちが力を貸してくれた。平面図で全体をまとめ上げている「円」という図形は、この場所をつくるために協働した人たちや、訪れる学生たちが、1つの風景を共有することを象徴している。
■建築概要
Guesthouse Campus
所在地:東京都神津島村124
竣工:2021年6月
用途:ゲストハウス(スタディケーション施設)
規模:60㎡
設計:カミナガスギ 杉山由香 桝永絵理子 神崎夏子
制作施工:studio arche 甲斐貴大
ブランディング:AATISMO 海老塚啓太 中森大樹
経営コンサルティング:RPI 岩崎尚子
地域編集者:hoka books 西尾圭悟 嶋田 翔伍
構造設計:鈴木一希
照明設計:DAISUKI LIGHT 大好真人
写真:小野悠介
建材情報種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) | 外装・壁 | 外壁 | 水性シリコン塗料
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内装・壁 | 壁 | ラワンベニヤ+水性アクリル塗料
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内装・床 | 床 | OSB合板
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内装・天井 | 天井 | ラワンベニヤ
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内装・建具 | カーテン | 明日葉染めシルク布
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内装・造作家具 | 棚板 | パイン合板
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内装・家具 | 家具 | ラワンベニヤ
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