宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
宇野友明が設計した、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」です。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築です。
今回の計画のミッションというべき最大のリクエストは野面積みという伝統工法による石積みだった。初めの頃は仕上げ材の一種程度にしか考えていなかった。しかし、その伝統的な工法や使われ方などを知るにつれ、その考えが甘かったことに徐々に気づき始め、一時途方に暮れた時期もあった。
元来、日本の石積みは、城郭の基盤や城郭の基盤や石垣などに使われてきた。決して建築の一部を担うものではなかった。南米にある遺跡とは、その目的も成り立ちも全く違うものであった。だから、過去の例を見ても参考になるものが全くなかった。おまけに日本の石積みは積み上げていくにしたがって、徐々に反り上がっていくのが常道であった。それは長い歴史の中でその用途に適した最も合理的な積み方なのだろう。この伝統的な日本の石積みを用途の違う建築の一部として使うことにかなりの不安と違和感を感じてしまった。伝統を冒涜しているような気持ち悪さをなかなか払拭できず、しばらく行き詰まったまま提案出来ずにかなりの時間が過ぎてしまった。
それを抜け出せたきっかけは、テナユカ(メキシコ)のピラミッドだった。それは建築とは言い難いが、日本の石積みに比べればかなり建築的な造形である。それを日本の伝統的な石積みで再現しようと思いついた瞬間に立ち込めていた霧が一瞬にして晴れて、そこからは順調に計画を進めることができた。
しかし、現場が始まってからこの石積みに再び悩まされる事態が発生した。それはこの石積みの圧倒的な存在感とリアリティーだった。もちろん織り込み済みの設計ではあったが、目の前の巨大な石を目の当たりにすると全てが貧弱なものに見えてしまった。予定していた銅のサッシは全てボリュームのある鉄に変えて素地の黒皮のままの仕様にした。床のテクスチャーや金物などの素材やディティールも一新した。
以下の写真はクリックで拡大します
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 photo©萩原ヤスオ
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宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築 image©宇野友明
以下、建築家によるテキストです。
敷地は、徒歩圏内に槇文彦さんが設計した名古屋大学豊田講堂やレーモンドによる校舎群が建ち並ぶ南山大学がある緑豊かな高級住宅地である。
以前クライアントのクリニックの設計をし、今回は2度目の依頼である。
したがって、特に関係を暖める期間もなくすぐに具体的な設計を始めた。
今回の計画のミッションというべき最大のリクエストは野面積みという伝統工法による石積みだった。初めの頃は仕上げ材の一種程度にしか考えていなかった。しかし、その伝統的な工法や使われ方などを知るにつれ、その考えが甘かったことに徐々に気づき始め、一時途方に暮れた時期もあった。
元来、日本の石積みは、城郭の基盤や城郭の基盤や石垣などに使われてきた。決して建築の一部を担うものではなかった。南米にある遺跡とは、その目的も成り立ちも全く違うものであった。だから、過去の例を見ても参考になるものが全くなかった。おまけに日本の石積みは積み上げていくにしたがって、徐々に反り上がっていくのが常道であった。それは長い歴史の中でその用途に適した最も合理的な積み方なのだろう。この伝統的な日本の石積みを用途の違う建築の一部として使うことにかなりの不安と違和感を感じてしまった。伝統を冒涜しているような気持ち悪さをなかなか払拭できず、しばらく行き詰まったまま提案出来ずにかなりの時間が過ぎてしまった。
それを抜け出せたきっかけは、テナユカ(メキシコ)のピラミッドだった。それは建築とは言い難いが、日本の石積みに比べればかなり建築的な造形である。それを日本の伝統的な石積みで再現しようと思いついた瞬間に立ち込めていた霧が一瞬にして晴れて、そこからは順調に計画を進めることができた。
しかし、現場が始まってからこの石積みに再び悩まされる事態が発生した。それはこの石積みの圧倒的な存在感とリアリティーだった。もちろん織り込み済みの設計ではあったが、目の前の巨大な石を目の当たりにすると全てが貧弱なものに見えてしまった。予定していた銅のサッシは全てボリュームのある鉄に変えて素地の黒皮のままの仕様にした。床のテクスチャーや金物などの素材やディティールも一新した。
最終的に契約した段階の建築とはかなり違ったものになったが、これも私自身が請け負っているというメリットを活かして最善の選択を臨機応変にすることが出来たと思う。
■建築概要
高峯町の家
主要用途:専用住宅
所在地:愛知県名古屋市
設計:宇野友明
構造・構法:鉄筋コンクリート造
造園:櫻井造景舎
家具:竹村家具
規模:地下1階、地上1階
敷地面積:435.70㎡
建築面積:129.16㎡
延床面積:189.91㎡
竣工:2021年1月
建材情報種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) | 外装・壁 | 外壁 | コンクリート打ち放し
野面積み(美濃石)
|
内装・床 | 床 | コンクリート打ち放し
|
内装・壁 | 壁 | コンクリート打ち放し
|
内装・キッチン | キッチン | 栗材
|
内装・造作家具 | 造作家具 | 栗材
|
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