今津康夫 / ninkipen!が設計した、奈良市の、照明器具メーカー“NEW LIGHT POTTERY”のオフィス兼ファクトリー「trophy」です。既存ペンシルビルを改修した施設で、小さな面積が積み重なる特徴を生かしフロア毎に用途と仕上げを変えた、ローカルで生まれ全国に広がる照明器具の製作発信拠点です。クライアントの公式サイトはこちら。
奈良を拠点とする照明器具メーカー、NEW LIGHT POTTERYのオフィス兼ファクトリーである。
周辺には江戸から明治にかけての町屋が多く立ち並ぶ「ならまち」に建つ5階建てのペンシルビルを改修した。
小さな面積が積み重なるビルの特徴を生かしてフロア毎に用途を変え、1階を荷解き場、2階にオフィスと作業場、3・4階は倉庫、5階をフォトスタジオとし、屋上にはデッキを敷きルーフトップテラスを設けた。
1階には階段を増設して動線を強化し、隣に浮かぶアルミの照明器具とシンクロするように側桁を溶融亜鉛メッキとした。2階は杉の棚板に合わせて躯体をアイボリーに塗装し、エントランスホールを兼ねたガラスの階段室にはネオンサインを掲げた。3・4階はスチール素地の支柱を効率よく並べ、5階はそれぞれの壁に異なった左官仕上げを与えることで、様々な印象の写真を取ることを可能とした。
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以下、建築家によるテキストです。
奈良を拠点とする照明器具メーカー、NEW LIGHT POTTERYのオフィス兼ファクトリーである。
周辺には江戸から明治にかけての町屋が多く立ち並ぶ「ならまち」に建つ5階建てのペンシルビルを改修した。
屋号のtrophyは、祝用品を取り扱う以前のビル所有者が塔屋に残した看板の文字に由来する。
小さな面積が積み重なるビルの特徴を生かしてフロア毎に用途を変え、1階を荷解き場、2階にオフィスと作業場、3・4階は倉庫、5階をフォトスタジオとし、屋上にはデッキを敷きルーフトップテラスを設けた。
1階には階段を増設して動線を強化し、隣に浮かぶアルミの照明器具とシンクロするように側桁を溶融亜鉛メッキとした。2階は杉の棚板に合わせて躯体をアイボリーに塗装し、エントランスホールを兼ねたガラスの階段室にはネオンサインを掲げた。3・4階はスチール素地の支柱を効率よく並べ、5階はそれぞれの壁に異なった左官仕上げを与えることで、様々な印象の写真を取ることを可能とした。
屋上からは、結ぶべき焦点は無いが、まだまだ余白の残る奈良の風景をぼんやりと眺めることができる。
ローカルから生まれた照明器具は静かに、しかし確実に全国へと拡がっている。
■建築概要
作品名:trophy
設計:今津康夫 / ninkipen!
施工:&S co.,ltd
照明デザイン:NEW LIGHT POTTERY
ファブリック:fabricscape
用途:工場
場所:奈良市
延床面積:356.17m2
竣工:2021年4月
撮影:河田弘樹 Hiroki Kawata