鈴木雅也建築設計事務所が設計した、東京・目黒区の住戸改修「自由が丘の家」です。
華道が趣味の施主の為に計画されました。建築家は、新旧の良さを引立たせた融合を求め、和室新設以外に既存の間取りを変えずに“内装仕上の変更”で空間を構築しました。また、自然素材の採用と既存の取捨選択で豊かな表情を作る事も意図されました。
都内の閑静な住宅街にある低層マンション住戸のリノベーションである。
華道を趣味とするクライアントの為に4.5畳の床の間のある和室を設えている。和室は天井高を1,950mmと抑え、障子の横桟を下げて空間の重心を低くし、座位で過ごした時に丁度良い落ち着きになるように計画している。床柱は香節丸太の原木、天井材をはじめとした和室廻りの木材は赤身の杉板を選定し、小さな空間の中で素材の美しさを肌身に感じる事ができる。
このリノベーションは小さな和室を新設しただけで、既存の間取りからの変更はほとんど無い。既存壁床天井はできるだけ壊さず、上から新たな造作をおこない、内観のプロポーションを整え、内装仕上の変更が主だった計画となっている。シンプルな空間構成ではあるが、和室をはじめ、居間食堂の砂壁や籐貼建具などの自然素材が空間に豊かな表情を生み出してくれた。
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以下、建築家によるテキストです。
都内の閑静な住宅街にある低層マンション住戸のリノベーションである。
華道を趣味とするクライアントの為に4.5畳の床の間のある和室を設えている。和室は天井高を1,950mmと抑え、障子の横桟を下げて空間の重心を低くし、座位で過ごした時に丁度良い落ち着きになるように計画している。床柱は香節丸太の原木、天井材をはじめとした和室廻りの木材は赤身の杉板を選定し、小さな空間の中で素材の美しさを肌身に感じる事ができる。
このリノベーションは小さな和室を新設しただけで、既存の間取りからの変更はほとんど無い。既存壁床天井はできるだけ壊さず、上から新たな造作をおこない、内観のプロポーションを整え、内装仕上の変更が主だった計画となっている。シンプルな空間構成ではあるが、和室をはじめ、居間食堂の砂壁や籐貼建具などの自然素材が空間に豊かな表情を生み出してくれた。
既存の建具や家具、設備も出来るかぎり再利用しており、廃材は最小限とした。それはコスト削減だけが理由ではない。リノベーションは古い物と新しい物との融合行為である。そこで大切な事は古い物の取捨選択のバランスと、新しい物の造り込みに対する引き際なのだろう。必ずしも古い物を壊す必要はないし、新しい物を作る必要もない。互いの良さが惹き立つポイントを見極める事がリノベーションにおいて大切なのだと考えている。
■建築概要
名称:自由が丘の家(House in Jiyugaoka)
所在地:東京都目黒区
設計:鈴木雅也建築設計事務所
担当:鈴木雅也
主用途:専用住宅
計画種別:改修
構造:鉄筋コンクリート造
施工面積:84.37㎡
設計期間:2022年1月~2022年6月
施工期間:2022年7月~2022年9月
竣工:2022年9月
写真:鈴木研一