SHARE 荒尾宗平 / SIDES COREによる、大阪市の店舗「SITEN」。ヘアサロンの計画。カットで“視点を変え人生を変える”という店の想いの象徴を意図し、交互に異なる傾きを持たせて視線を操作する“ミラー”を考案。新設の間仕切りは既存壁の曲面に合わせて一体感を作る
荒尾宗平 / SIDES COREが設計した、大阪市の店舗「SITEN」です。
ヘアサロンの計画です。建築家は、カットで“視点を変え人生を変える”という店の想いの象徴を意図し、交互に異なる傾きを持たせて視線を操作する“ミラー”を考案しました。また、新設の間仕切りは既存壁の曲面に合わせて一体感を作る事が意図されました。店舗の公式サイトはこちら。
ヘアデザインでその人自身の「視点を変え人生を変える」
コンセプトを象徴する空間体験として視線をずらすことで気づきが生まれる多面的なセットミラーをデザインした。
交互に異なる傾きを持たせたミラーにより隣席でも視線が交わりにくく4席それぞれのプライバシーも確保している。
直線的デザインのミラーとは対照的に躯体の既存壁面は曲面で構成されており、新設の間仕切りも同じ曲面をモチーフとして空間に溶け込ませた。曲面壁のスリットには寛げる個室のアイケアルームを設置した。フルハイトの窓からの自然光を受けて柔らかく豊かな表情を生む曲面の壁は、シルバー箔が薄く蒸着された窓のカーテンとともにソリッドなセットミラーへと映り込む。
軸をずらしたことで生まれたセットミラーの側面は4階ではあるが大通りの交差点からも見えるシンボルとなり、視点視野視座を象徴した店舗のロゴともシンクロしている。
以下の写真はクリックで拡大します
以下、建築家によるテキストです。
2軸の傾きが生み出すシンボリックなミラー
ヘアデザインでその人自身の「視点を変え人生を変える」
コンセプトを象徴する空間体験として視線をずらすことで気づきが生まれる多面的なセットミラーをデザインした。
交互に異なる傾きを持たせたミラーにより隣席でも視線が交わりにくく4席それぞれのプライバシーも確保している。
直線的デザインのミラーとは対照的に躯体の既存壁面は曲面で構成されており、新設の間仕切りも同じ曲面をモチーフとして空間に溶け込ませた。曲面壁のスリットには寛げる個室のアイケアルームを設置した。フルハイトの窓からの自然光を受けて柔らかく豊かな表情を生む曲面の壁は、シルバー箔が薄く蒸着された窓のカーテンとともにソリッドなセットミラーへと映り込む。
軸をずらしたことで生まれたセットミラーの側面は4階ではあるが大通りの交差点からも見えるシンボルとなり、視点視野視座を象徴した店舗のロゴともシンクロしている。
わずかな視線のずれにより生まれる快適性と豊かな背景をミラーへと映し出す空間を味わってみてほしい。
■建築概要
名称:SITEN
住所:大阪府大阪市西区江戸堀1丁目8-20カドマルビル4F
用途:Hair and Eye Salon
空間デザイン:荒尾宗平
ロゴ・グラフィックデザイン:荒尾澄子
デザインオフィス:SIDES CORE
施工会社:有限会社ヴェンセル
照明設計:大光電機 國分頼明
規模:72.6㎡
デザイン期間:2022年4月15日~2022年6月19日
工事期間:2022年7月1日~2022年7月27日
オープン:2022年8月3日
写真:太田拓実
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
内装・床 | メインフロア床 | 躯体土間コンクリート |
内装・床 | エントランス・シャンプーエリア・アイケアルーム床 | フレキシブード貼り |
内装・造作家具 | 造作家具 | セットミラーベース・インフォメーションカウンター:モールテックス仕上げ |
内装・照明 | 照明 | スポットライト(DAIKO) |
内装・家具 | カットルーム家具 | RABBIT CAPTAIN II(Takara belmont) |
内装・家具 | レストルーム棚 | Spiral key tray(Mad lab)[SIDES COREデザインプロダクト] |
内装・金物 | レストルームフック | Spiral hanger(Mad lab)[SIDES COREデザインプロダクト] |
内装・その他 | アイケアルーム階段 | キハダ無垢材階段(mk material) |
※企業様による建材情報についてのご意見や「PR」のご相談はこちらから
※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません
Tilts on two axes create a symbolic mirror
With hair design, you can “change your perspective, change your life”
To symbolize that concept, I designed this multi-faceted mirror set to create a spatial experience that changes perceptions by shifting perspectives.
Mirrors given mutually contradictory tilts provide privacy for four seats by making it harder for lines of sight to cross, even between adjacent seats.
In contrast to the linear design of the mirrors, the existing wall surfaces of the building’s frame are composed of curves, and the new partitions blend into the space by adopting the same curves as their motif. The relaxing personal eyecare room is installed behind a slit in the curved wall. The curved wall, which catches natural light from the full-height windows to produce a soft, rich expression, is reflected in the solid mirror set, together with the curtains, which are treated with thin vapor-deposited silver foil.
Despite being on the fourth floor, the end face of the mirror set, shaped by its skewed axes, is visible from the intersection on the avenue. Serving as the symbol of the salon, it also resonates with the logo, which symbolizes perspective, field of view, and viewpoint.
The comfort created by subtle shifts of perspective, and the space projected by the rich background in the mirrors, are worth experiencing.
SITEN
Address: Kadoma Bldg. 4F, Edobori 1-8-20, Nishi-ku, Osaka, Osaka Prefecture
Usage: Hair and eye salon
Spatial design: Sohei Arao
Logo and graphic design: Sumiko Arao
Design office: SIDES CORE
Construction company: VENCER inc.
Lighting design: Daiko Electric Co., Ltd. and Yoriaki Kokubu
Size: 72.6m2
Design period: April 15 to June 19, 2022
Construction period: July 1 to July 27, 2022
Date opened: August 3, 2022
Photography: Takumi Ota