田邊渉 / WATARU TANABE STUDIOが設計した、静岡・伊東市の「北村ジムキ オフィス」です。
OA機器に携わる企業の事務所です。建築家は、機能のみの“ミニマム”な要望に対し、“オフィス然”としながらも“居心地が良く時間の変化を感じる”場を志向しました。そして、ガラス間仕切で一体空間を緩やかに分節して外部環境も映し込む事が意図されました。施主企業の公式サイトはこちら。
静岡県・伊東市にてOA機器の販売・システム開発・サポートまで行う会社「北村ジムキ」の内装改修計画。
計画地は店舗兼住宅2階建ての1階部分にあたる、間口に対して奥行きのある約200㎡の長方形の空間である。
クライアントから求められたのは、事務作業を行うワークスペース、機器のメンテナンスを行うフリースペース、会議を行うミーティングルーム、備品や資材を収納する倉庫、軽い打合わせ等を行うカウンターといった機能的な要望のみ。昨今のオフィス設計にしばしば求められるホスピタリティとは反するミニマムな要望である。
それらの要望に対し、オフィス然とした機能的でありながらも居心地が良く時間の変化を感じることができる空間を考えた。
空間の構成は、ガラスのパーテーションによって各機能を緩やかに分節しながらも視覚的には繋がっている大きなワンルームの空間とし、壁のない改修前の構成を踏襲し使い勝手に配慮した。空間を最も特徴づけているカラーガラスは機能を分けるように規律を持って配置。ワンルームの大きな空間をスケールダウンし居心地の良さと作業へ集中できる空間をつくり出すと共に、大きな窓から入ってくる光や木々といった環境を映し出し、時間の変化を感じることができるファクターとして計画した。
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以下、建築家によるテキストです。
静岡県・伊東市にてOA機器の販売・システム開発・サポートまで行う会社「北村ジムキ」の内装改修計画。
計画地は店舗兼住宅2階建ての1階部分にあたる、間口に対して奥行きのある約200㎡の長方形の空間である。
クライアントから求められたのは、事務作業を行うワークスペース、機器のメンテナンスを行うフリースペース、会議を行うミーティングルーム、備品や資材を収納する倉庫、軽い打合わせ等を行うカウンターといった機能的な要望のみ。昨今のオフィス設計にしばしば求められるホスピタリティとは反するミニマムな要望である。
それらの要望に対し、オフィス然とした機能的でありながらも居心地が良く時間の変化を感じることができる空間を考えた。
空間の構成は、ガラスのパーテーションによって各機能を緩やかに分節しながらも視覚的には繋がっている大きなワンルームの空間とし、壁のない改修前の構成を踏襲し使い勝手に配慮した。空間を最も特徴づけているカラーガラスは機能を分けるように規律を持って配置。ワンルームの大きな空間をスケールダウンし居心地の良さと作業へ集中できる空間をつくり出すと共に、大きな窓から入ってくる光や木々といった環境を映し出し、時間の変化を感じることができるファクターとして計画した。
建物前の道路に対して全面ガラスのあるエントランススペースには軽い打合わせや作業が行えるコンクリートのカウンターを配置。外部と地続きである床面の視線を一旦切ることで、カウンターとしての機能だけでなく空間の堰として外部と内部の「間」をつくる役割を担い、居心地にも配慮している。
マテリアルについてはコンクリート、ガラス、スチールといったインダストリアルなものとの相性が良いものに絞り選択。既存の天井を剥がして現れた鉄骨造のフレームもオフィス機器との相性も良く、塗装してそのまま空間に取り入れた。
■建築概要
題名:北村ジムキ オフィス
所在地:静岡県伊東市
主用途:オフィス
設計:WATARU TANABE STUDIO
担当:田邊渉
施工:古民家工房 / 髙橋義智
電気工事:ムサシノセキュリティー
設備:ハイテック
塗装:青木塗装
左官:長橋左官
家具・建具:伊豆木工
金物・ガラス:魚谷ガラス
照明計画:ModuleX
構造:鉄骨造
階数:地上1階
計画面積:198.00㎡
設計:2021年10月~2022年5月
工事:2022年6月~2022年10月
竣工:2022年10月
写真:牧口英樹