石黒泰司 / アンビエントデザインズが設計した、愛知・名古屋市の、客室「meaningful」です。
駅に近い宿泊施設のひと部屋の計画です。建築家は、地域の文化を引用した提案の要望に、都市の色“金”が備える象徴的で現象学的な特性を参照した空間を志向しました。そして、空間内で際立つと共に人との関係で機能が決まる4枚の面で構成されました。施設の公式サイトはこちら。
名古屋駅近くに計画された宿泊施設の一室の計画。
最大5名分の就寝スペースを確保すること、および名古屋の文化や歴史を引用したコンセプトを提案することが求められた。
名古屋の商業的なシンボルカラーとして用いられることの多い「金色」を紐解くと、その光学的特性は黄色とおおよそ変わりなく、その差は金属的な輝き、つまり光との関係性でのみ現れる現象学的な存在であるという。本計画では、象徴的かつ現象学的な金色の特性を設計の参照とすることを目指した。
求められていた5名分の就寝スペースを担保するため、空間の中心に1枚の水平面と3枚の垂直面を空間に挿入する。
これらは平面と断面を計画する空間の象徴的な存在でありながら、主体との関係性で機能や用途が決定する現象学的な存在である。各仕上げはさまざまな素材が機能・用途によって振り分けられるが、光との関係性で金色が現れては消えるようなテクスチャを計画した。
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以下、建築家によるテキストです。
象徴と現象のインテリア
名古屋駅近くに計画された宿泊施設の一室の計画。
最大5名分の就寝スペースを確保すること、および名古屋の文化や歴史を引用したコンセプトを提案することが求められた。
名古屋の商業的なシンボルカラーとして用いられることの多い「金色」を紐解くと、その光学的特性は黄色とおおよそ変わりなく、その差は金属的な輝き、つまり光との関係性でのみ現れる現象学的な存在であるという。本計画では、象徴的かつ現象学的な金色の特性を設計の参照とすることを目指した。
求められていた5名分の就寝スペースを担保するため、空間の中心に1枚の水平面と3枚の垂直面を空間に挿入する。
これらは平面と断面を計画する空間の象徴的な存在でありながら、主体との関係性で機能や用途が決定する現象学的な存在である。各仕上げはさまざまな素材が機能・用途によって振り分けられるが、光との関係性で金色が現れては消えるようなテクスチャを計画した。
■建築概要
題名:meaningful
所在地:愛知県名古屋市中村区名駅2丁目40-12
主用途:宿泊施設
設計:石黒泰司(アンビエントデザインズ)
構造設計:村上翔(SCALA Design Engineers)
音楽:Vegetable Record
階数:地上8階建の8階部分
延床面積:44.62m2
構造:鉄骨造(既存建築物)
設計:2020年6月~2020年11月
工事:2020年12月~2021年4月
竣工:2021年4月
写真:MAISONETTEInc.、竹内吉彦