長坂大 / Megaが設計した、神奈川・平塚市の「おざわ歯科 お口のサロン」です。
設計者が過去に増築した歯科医院を再増築する計画です。建築家は、不安を和らげる“ゆったりとした”空間を目指し、三角の敷地形状を活かして河川に向けて開く“放射状の診療室”を考案しました。また、新旧の建築の“造形原理”が共存する面白さも意図されました。また、2008年に既存建物に増築された「おざわ歯科」も併せて掲載します。
2008年に増改築工事を行った「おざわ歯科」の再増築計画です。
2008年の工事では、既存医院の大改修と大幅な増築によって診療チェアの数を5から10に増やし、手術室を新設し、ゆったりしたロビー、そしてスタッフルームを設けました。その後患者数は増え続け、再増築計画に踏み切ることになりました。今回は主にクリーニングのための「お口のサロン」を新設して、新たに5つの診療ブースを設けることになりました。
歯科医院では命に関わる治療はほとんどありません。医療施設として高度な先端治療機能を有していても、施設の空間的イメージとしてそれをアピールするのではなく、むしろ患者の不安を和らげるような、ゆったりとした滞在空間を目指すべきではないか、という基本理念は今回も同様です。
敷地はそれまで医院の駐車場として使われていた場所で、ほぼ直角二等辺三角形をしています。
その斜辺は河川敷に向かって視界が開け、背後には関東百名山のひとつとして知られる大山を望むことができます。1階は、エントランスと放射状のかたちをした5つの診療ブースを、2階には2つ目のスタッフルームを設けました。
患者数の増加に伴ってスタッフの数も大幅に増えたため、それにふさわしい更衣・休憩・ミーティング・ダイニングスペースが必要となっていました。窓際には内外ともにカウンターを設け、ランチタイムを楽しんでもらえるようになっています。